マンション売却で支払う税金は3種類!計算方法と税金控除の特例を解説

マンションを売却すると様々な税金がかかります。マンション売却に税金がいくらかかるか知っておかないと、資金計画を立てることはできません。

そこで今回は、マンション売却の際にかかる税金とその節税方法を詳しく解説していきます。

なお、マンション売却を検討している段階の方は「マンション売却のよくある失敗5選。体験談から見る注意点とは?」の記事で基礎知識や注意点を確認することができます。

監修伯母 敏子

平成29年11月に伯母敏子税理士事務所として独立開業。現在は中小企業の税務、法人成り、クラウド会計、経理事務改善の提案等のサポート、各種セミナー、各種執筆活動を通じて、主に中小企業経営者向けサービスを提供している。

【保有資格】税理士

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マンション売却に課せられる税金3種

まずは、マンション売却で課せられる税金を一覧で見てみましょう。

マンション売却にかかる税金の一覧表

税金の種類費用の目安課税条件
譲渡所得税(所得税・住民税・復興所得税)譲渡所得× 税率(20.315%~39.63%)譲渡益が発生している
印紙税1,000円〜6万円 ※売却金額によって変動必ず発生する
登録免許税マンション一室につき1,000円売却物件に抵当権が設定されている

マンション売却では、上記の三種類の税金が課せられます。

●マンションを4000万円で売却したケースの税金

※所有期間8年・譲渡所得500万円とする

※各種控除を用いない場合

譲渡所得税:500万円 × 20.315% = 101万5750円

印紙税:1,000万円を超え5,000万円以下の場合、1万円

登録免許税:1,000円

合計 102万6750円

マンションの譲渡所得は3000万円まで非課税!

実は、マンションなどの居住用不動産の売却による譲渡所得は3000万円までは非課税とする特例が存在します。

この特例を「3000万円の特別控除」と呼びます。

3000万円の特別控除を利用することで、多くのケースでは譲渡所得税を0円にすることができるのです。

上記の「マンションを4000万円で売却したケース」に3000万円特別控除を適用した場合、譲渡所得が3000万円以下なので譲渡所得税は一切かかりません。

「3000万円の特別控除」については、記事の後半の「税金を節約する4つの特例」で詳しく解説しています。

以下の章では、それぞれの税金とその計算方法について詳しく解説していきます。

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マンション売却にかかる税金の計算方法

この章では、マンション売却にかかる各種税金の計算方法をご紹介していきます。

譲渡所得の計算方法

マンションなどの不動産を売却して「譲渡所得(譲渡益)」が生じたとき、売り主には「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つの税金を支払う義務が発生します。

これらの譲渡所得にかかる税金3つを総称したものが「譲渡所得税」と呼ばれます。

簡単にいうと、マンションの購入時の価格を売却価格が上回った場合などに譲渡所得税が発生します。

この譲渡所得税の算出には、「譲渡所得」「取得費用」「譲渡費用」「マンションの所有期間」の確認が必要になります。

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譲渡所得の計算式

まずは、マンション売却時の譲渡所得の計算をします。

以下の計算式で譲渡所得がゼロ以下なら譲渡に関する税金はかかりません。

譲渡所得の計算式
譲渡所得
= 譲渡価格 – (取得費 + 譲渡費用)

上記の計算で用いている取得費はマンションの購入時にかかった費用、譲渡費用は売却時にかかった費用を指します。

購入時の費用が「取得費」

取得費用とは、譲渡したマンションの購入代金や購入手数料にその後の設備費と改良費等を加えた金額を言います。

取得費用に含まれる主な費用

  • 売却する物件の購入代金
  • 購入時にかかった仲介手数料や税金(登録免許税等)
  • 増改築費用

また、マンションのように期間の経過とともに価値が減少する資産は、償却費用相当額を差し引いて取得費を計算します。

減価償却費は次の計算式で算出します。
【減価償却費の算出方法】
建物購入価額×0.9×償却率×経過年数

建物の償却率は以下の表のとおりです。

建築方式居住用マンション事業用マンション
耐用年数償却率耐用年数償却率
木造33年0.03122年0.046
軽量鉄骨40年0.02527年0.038
鉄筋コンクリート70年0.01547年0.022

マイホームの売却においてなるべく税金が発生する機会が少なくなるよう、居住用の建物は事業用の建物よりも耐用年数が長く設定されています。

例えば、5000万円で買った新築のマンションを10年後に売却する場合、譲渡所得の計算に用いる取得費は以下のような計算になります。

5000万円(建物購入価額)× 0.9 × 0.031(償却率)× 10(経過年数)=  1395万円(減価償却費)

5000万円(建物購入価額) – 1395万円(減価償却費) = 3605 万円(取得費)

取得費を計算する際に減価償却分を差し引くのを忘れないように注意しましょう。

売却時の費用が「譲渡費用」

譲渡費用とは物件を売るためにかかった費用のことで、次のような費用が含まれます。

譲渡費用に含まれる費用

  • 売主が負担した分の印紙税
  • 物件を売るためにかかった仲介手数料

マンションの所有期間で譲渡所得税率は変動する

算出した譲渡所得に対して税率をかけることで、譲渡所得税の金額が決まります。

【譲渡所得税の計算式】
譲渡所得税  
譲渡所得×税率
ここで注意したいのは、先述の通リ「譲渡所得税の税率はマンションの所有期間によって変動する」ということです。

具体的には、マンションの所有期間が5年以上の場合(長期所有)は20.315%の税率、5年未満の場合(短期所有)は39.63%の税率がかかります。

項目所有期間所得税復興特別所得税住民税合計
短期譲渡所得5年以下の場合30%0.63%9%39.63%
長期譲渡所得5年超の場合15%0.315%5%20.315%

所有期間が5年に満たない間に売ると譲渡所得税の税率が約2倍になるので、マンションを売却する際には売却時期をしっかり検討しましょう。

また、譲渡所得を求める際に用いる所有期間は、売却した年の1月1日時点を判断基準するので注意が必要です。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の区別

例えば、2020年6月1日に購入した不動産を2025年6月1日に売却した場合、2025年1月1日時点の所有期間は4年なので短期譲渡所得となります。

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譲渡所得税の概算

「とりあえず大体の金額を知りたい!」という方のために、譲渡所得ごとの税額を以下に記載しています。

なお、譲渡所得額が3000万円に満たない場合には、「3000万円特別控除」を利用することで譲渡所得税額を無料にすることができます。

譲渡所得額譲渡所得税額

(短期所有)

譲渡所得税額

(長期所有)

譲渡所得税額

(所有期間10年超)

3000万円0円0円0円
5000万円792.6万円406.3万円284.2万円
7000万円1585.2万円812.6万円568.4万円
1億円2774.1万円1422.05万円994.7万円

※「3000万円特別控除」「所有期間10年超の軽減税率」を適用した場合

※令和2年度12月現在の情報

印紙税の計算方法

印紙税とは、経済的取引などに関連して作成される文章に課税される税金のことで、マンション売却時の売買契約書に収入印紙を貼ることで納入します。

この印紙税の税額は、売買契約書に記載されていた売買価格によって以下のように異なります。

記載された契約金額税額*
100万円を超え 500万円以下1千円
500万円を超え 1,000万円以下5千円
1,000万円を超え 5,000万円以下1万円
5,000万円を超え 1億円以下3万円
1億円を超え 5億円以下6万円
5億円を超え 10億円以下16万円

※令和4年3月31日までの軽減税率が適応された価格

印紙税は契約書1通ごとに課税されます。売主買主1通ずつ保管する場合は、売買契約書が2通になるので2通分の印紙税が必要です。

多くの場合は、売主と買主各々が自らが保管する売買契約書に印紙を貼るので自分の契約書に貼る分だけで負担します。

印紙税を納めないと印紙税の3倍の過怠税が課されるので注意しましょう。

登録免許税の計算方法

住居を購入する際、多くの人は住宅ローンを利用して購入しています。

住宅ローンを組んでいる物件を売却するときには、、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する手続きが必要になります。

このときにかかるのが抵当権抹消のための登録免許税です。

抵当権抹消のための登録免許税はマンション一室につき1,000円となり、手続き時に法務局で支払います。

この抵当権抹消の手続きは、だいたい5,000円から10,000円くらいで司法書士に依頼できるほか、自分で行うことも可能です。

なお、登録免許税はマンションの所有点移転登記にもかかりますが、こちらは買い主側が負担するのが通例なので計算に含める必要はありません。

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マンション売却にかかる税金の納め方

上記の方法で税金を計算して実際に税金が発生した場合、どのように納めるのでしょうか。

まず、印紙税・登録免許税については、手続き時に収入印紙で支払うため別途手続きは必要ありません。

一方、譲渡所得税は「分離課税」と呼ばれる税金にあたり、給与などの所得とは別々で税額を計算して申告が必要です。

そのため、会社員の場合であっても、譲渡所得が発生するときは確定申告が必要です。

マンションを売却して譲渡所得が出た場合には、売却の翌年に確定申告を行い、同年の3月15日までに所得税・復興特別所得税を支払います。

住民税は所得税とは支払いタイミングが異なり、売却の翌年の6月・8月・10月・1月の末日の計4回に分けて支払います。

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税金を節約する4つの特例

マンションを売却する際、一定の条件を満たせば税金を控除する特例が受けられ、税負担を軽くできます。

節税で利用できる主な特例は以下の通りです。

売却益の有無、所有期間の長さによって利用できる特例が変わってきます。

売却特例

この章では上図で紹介している特例について詳しく解説していきます。

3,000万円の特別控除

この特例は、所有期間の長短に関係なく、要件を満たしていればマイホームの売却なら譲渡所得から3000万円まで差し引くことができます。

この特例を利用すると、譲渡所得にかかる税金は次のような計算式になります。

譲渡所得税額=((譲渡所得-3000万円)×税率)

さらに、控除は1人につき最大3000万円なので、夫婦の共有名義物件であれば合計6000万まで控除が可能です。

少なくとも、この特例を利用すればマンションを売却して得た利益が3000万円以下であれば税金がかかりません。

ただし、この特例を受けるには次のような条件を満たしておく必要があります。

  • 以前に住んでいた家屋や敷地等の場合にはマイホームあるいは敷地や借地権を売った日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
  • 売った年の前年及び前々年にこの特例またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていない
  • 売った年から3年前までにこの特例を受けていない
  • 売り手と買い手が親子などの特別な関係にない

また、この特例を利用するとその後2年間は再適用できないほか、新居の購入に住宅ローン控除が適用できなくなるので注意が必要です。

新居を住宅ローンで購入しようと考えている場合には、3000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらがお得になるのか計算する必要があります。

共有名義なら一人ひとりが3000万円特別控除を使える

「3000万円特別控除は建物一戸につき3000万円まで譲渡所得税が控除される」と誤解されがちですが、正確には「名義人一人につき3000万円まで譲渡所得税が控除される」制度です。

そのため、夫婦が共有名義でマンションを所有している場合には、合計で6000万円まで譲渡所得税を控除できます。

なお、夫婦がそれぞれこの特例を利用するには一人ひとり確定申告を行うことが重要なので、注意が必要です。

所有期間10年超の軽減税率

自宅マンションの所有期間が10年を超えていれば、軽減税率が適用されより低い税率で譲渡所得を計算できます。

具体的には、譲渡所得の内6000万円以下の部分については、譲渡所得税の税率が14.21%になります。

この軽減税率は3,000万円特別控除と合わせて利用できます。

3,000万円特別控除について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

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特定居住用財産の買い替え特例

特定のマイホームを令和3年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えた場合、売却の利益(譲渡所得)に対する税金を繰り延べできる特例があります。

これを特定居住用財産の買い替えの特例と言います。

注意したいのは、税金がされ非課税になるわけではなく、繰り延べされるということです。

特例利用時の譲渡所得には課税されませんが、次に買換えをした場合は、繰り延べ分を含めて課税されます。

繰り延べできる金額は、新しいマイホームの購入金額により変わります。

元のマンションの売却金額より新居購入費用が同額以上であれば、税金は全額繰り延べとなります。

新居の購入価格が安い場合は、その差額に税金がかかります。

また、この特例を受けるには次のような主な条件を満たしておく必要があります。

  • 国内の自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売る
  • 売却代金が1億円以下
  • 3000万円の特別控除の特例・所有期間10年超の軽減税率・マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていない
  • 買い換える国内の建物の床面積が50㎡以上のものであり、買い換える土地の面積が500㎡以下
  • 売却した年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が、共に10年を超えている
  • 売り主の居住期間が10年以上である

家の買い替えについて詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

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譲渡損失の損益通算と繰越控除

マンションを売却した際、譲渡損失(売却益を取得費が上回ること)が発生することもあります。

こうしたケースを救済するのが、譲渡損失の損益通算と繰越控除です。

これらの特例を利用すると、売却の損失と他の所得(給与所得など)との間で「損益通算」ができます。

「損益通算」とは、ある所得で損失が出たとき、他の所得からその損失を差し引くことです。課税される所得が抑えられ、支払う税金を少なくできます。

さらに、その年の所得から引ききれなかった損失金額があれば、翌年以降の所得から繰り越した損失を差し引くことができます。

損失金額は最長3年間の繰り越しができます。

損益通算について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

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これまで紹介してきた特例を受けるには、マンションを売却した翌年の2~3月に確定申告をする必要があるので、忘れないようにしましょう。

なお、「自分で税金の控除のことなどを学ぶのが大変……」という方は、すまいステップの利用がおすすめです。

すまいステップなら、経験豊富な担当者のみをご紹介しているので、税金の控除などについても適切なアドバイスをお伝えすることができます。 

マンション売却の税金に関するFAQ

最後に、マンションの売却にかかる税金に関するよくある質問をご紹介します。

Q.マンション売却に消費税はかかる?

自宅・別荘などの居住用のマンションを個人が売買する場合、売却額に消費税はかかりません。

不動産会社へ支払う仲介手数料・ハウスクリーニング費用・司法書士への手数料など、マンション売却に関するサービスを受ける場合には、そのサービス費用に対し10%の消費税が発生します。

なお、居住用の不動産ではなく、投資用のマンションなどを売却した場合は、マンションの売却価格も消費税の課税対象となるので注意しましょう。

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Q.相続したマンションを売るときにかかる税金は?

自身で購入したマンションでも相続したマンションでも、売却時に課せられる税金は変わりません。

いずれも、「譲渡所得税」「印紙税」「登録免許税」の3種類の税金が課せられます。

なお、マンションを相続した際、売却の前に相続税を支払っているかと思います。

この相続税は、「取得費加算の特例」の適用を受けることで譲渡所得税の節約に利用することができます。

「取得費加算の特例」とは、マンションを相続した時の相続税を譲渡所得計算時の取得費用に含めることができるという特例です

通常、親の購入したマンションの取得費用は、親がそのマンションを購入したときに支払った代金・手数料などの合計になります。

しかし「取得費加算の特例」を適用した場合は、そこに「マンション相続に課せられた相続税」を加えることができます。

「取得費加算の特例」は「3000万円の特例控除」や「特定居住用財産の買い換え特例」とも併用が可能なので、相続したマンションに譲渡所得が発生した場合には適用に向けて動くことをおすすめします。

Q.相続したマンションの取得費用が不明な場合はどうすればいい?

マンションをいくらで取得したか不明な場合には、マンションの売却代金の5%の費用を取得費用とみなすことができます。

ただし、取得費用を上記の概算で算出する場合、マンション売却にかかった譲渡費用などを取得費に含められなくなるので注意して下さい。

親がマンションを購入した時の書類などが残っているのであれば、できるだけ正確に取得費用を計算しましょう。

 

 

記事のおさらい

マンション売却で課せられる税金は何ですか?

マンション売却では①譲渡所得税②印紙税③登録免許税の三種類の税金が課せられます。詳しく知りたい方はマンション売却に課せられる税金3種をご覧ください。

マンション売却で使える節税方法はありますか?

マンション売却では条件によって、四つの特例を使うことが出来ます。詳しくは税金を節約する4つの特例をご覧ください。

マンション売却でかかる税金はいつ納めればよいですか?

印紙税・登録免許税については、手続き時に収入印紙で支払うため別途手続きは必要ありません。
一方、譲渡所得税は「分離課税」と呼ばれる税金にあたり、給与などの所得とは別々で税額を計算して申告が必要です。詳しく知りたい方はマンション売却にかかる税金の納め方をご覧下さい。

マンション売却に消費税はかかりますか?

自宅・別荘などの居住用のマンションを個人が売買する場合、売却額に消費税はかかりません。詳しくはマンション売却の税金に関するFAQをご覧ください。

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不動産一括査定サイトを使って査定をしたら300万円以上の差も珍しくない

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不動産会社A 1100万円
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