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相続した土地をすぐ売却すべき理由!税金と節税対策から解説

  • 更新日:2022年10月17日
監修畑中 学
不動産に関わる相続や債務問題のトラブルシューティングを得意とし、その真摯な取り組みがNHK、読売新聞、日本経済新聞などで紹介されている。武蔵野不動産相談室株式会社代表取締役。
【保有資格】宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者
【URL】武蔵野不動相談室株式会社
相続した土地をすぐ売却すべき理由!税金と節税対策から解説

「土地を相続する予定だけど、いつ売却すればいいのかな?」

「葬儀や埋葬で支出が増えているから、一番負担がかからないタイミングで売却したい…」

相続した土地は、相続税などで維持するにも費用がかかり、また譲渡所得税など売却にかかる税金も多くかかります。

税金は控除によって軽減できるので、どのタイミングで売却すれば支払い負担を最も抑えられるか、知りたいひとは多いでしょう。

この記事では、相続した土地の売却にかかる税金やその節税方法、売却時の注意点について解説しています。

この記事を読んで、税金の負担をできる限り抑えて、相続した土地を賢く売却できるようになってください。

土地売却相場の調べ方は?いくらで売れるか自分で調べる方法をわかりやすく解説!

相続した土地をすぐ売却すべき理由

相続した土地の売却を考えている場合、すぐに売却するのをオススメします。目安としては相続から3年以内とするのがおススメです。

理由①特例を利用して節税できる可能性がある

相続した土地を売却する時には、「損益にかかわらず必ず支払う税金」と「売却で利益が出たら支払う税金」がかかります。

このうち「売却で利益が出たら支払う税金」は、条件を満たせば、税制上の特例を利用して税額を減らせる可能性があります。

特例を利用できる条件には、「相続開始から」の経過年数が含まれています。

後の章で紹介する「取得費加算の特例」は相続開始を知ってから3年10ヶ月以内、「相続空き家の3,000万円特別控除の特例」は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が条件です。

土地が高値で売却できそうな場合は、特例の適用条件をぜひチェックし、手取り額が増やせる3年以内を目途にして売却を進めましょう

理由②固定資産税の支払いの負担がなくなる

固定資産税は、土地を所有している限り毎年支払い続ければなりません。

たとえ毎年の課税額が少なかったとしても、年々支払いが続くと、その金額は馬鹿にならないものです。

また、土地の固定資産税の課税標準である土地の評価額は、3年に1度、見直しされます。

所有し続けている内に、相続当時から土地の評価額変わり、税額が高くなることも起こり得ます。

固定資産税の支払い義務は「毎年1月1日時点の所有者」に発生します。

今後土地の利用予定がなく、売却を検討する時は、「年末までに売る」のをオススメします。

相続した土地の売却について不安がある方は、一括査定サイトを使って不動産会社に相談してみませんか?

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相続した土地の売却時にかかる税金

相続した土地の売却には以下のような税金がかかります。

  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

また、売却の際にかかる費用に、消費税が別途かかります。

登録免許税

登録免許税とは、法務局で登記を申請する時に課される税金です。

売主が一般的に支払う可能性のある登録免許税は、「相続登記」、「抵当権抹消登記」、「住所変更登記」です。

「相続登記」の登録免許税額は、課税標準(固定資産税評価額)に税率0.4%をかけた金額です。

「抵当権抹消登記」と「住所変更登記」の登録免許税額は、それぞれ不動産1件につき1,000円です。

たとえば家付きの土地の場合は、家屋と建物それぞれ課税されて、税額は2,000円になります。

印紙税

印紙税とは、契約書や領収書などに対して課される税金です。

不動産の売却では、売主と買主が交わす「売買契約書」に対して課税されます

契約書に貼り付ける「印紙」によって、納付します。

契約金額印紙税額(※)
10万円超え50万円以下200円
100万円超え500万円以下1,000円
500万円超え1,000万円以下5,000円
1,000万円超え5,000万円以下10,000円
5,000万円超え1億円以下30,000円
1億円超え5億円以下60,000円

(※)令和6年3月31日までの軽減税率を適用した場合の税額

たとえば3,000万円で不動産を売却した場合、印紙税は1万円になります。

譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

「譲渡所得税」とは、土地を売却して得た利益(譲渡所得)に課される税金です。

譲渡所得税は、以下の3つの税金の総称です。

  • 所得税:国に納める税金
  • 住民税:自治体に納める税金
  • 復興特別所得税:令和19年まで所得税に上乗せされる税金

土地の売却価格(譲渡収入金額)から、売却にかかった費用(譲渡費用)や、その不動産の取得にかかった費用(取得費)を差し引いた売却利益を、「譲渡所得」といいます。

譲渡所得=譲渡収入金額-譲渡費用-取得費

譲渡所得税=(譲渡所得-控除金額)×税率

譲渡所得がゼロ円かマイナスになる時は、譲渡所得税は課税されません。

税率は、売却する不動産の所有期間によって変わります。

  • 短期譲渡所得:所有期間が5年以下の土地売却による所得
  • 長期譲渡所得:所有期間が5年を超える土地売却による所得

所有期間は、売却年の1月1日時点で5年を経過していない場合は、長期譲渡所得が利用できません。

相続した土地の所有期間は、被相続人の所有期間を引き継ぎます。

亡くなった父親が30年間、自分が1年間所有している場合は所有期間は31年間になり、長期譲渡所得になります。

所得金額にかけ合わせる税率は、以下の通りです。

 種類短期譲渡所得(5年以下)長期譲渡所得(5年を超える)
所得税30%15%
住民税9%5%
復興特別所得税0.63%0.315%
合計39.63%20.315%

相続した土地の売却で出た利益にかかる譲渡所得税

この章では、相続した土地を売却する場合にかかる譲渡所得税について解説しています。

譲渡所得税が発生するかによって、節税のためにいつ売却したらよいかが決まってきます。そのために、譲渡所得税がどのように課税されるかを理解しておきましょう。

譲渡所得がゼロであれば税金は発生しない

譲渡所得税は、譲渡所得に税率を掛け合わて計算されます。

譲渡所得とは「売却価格」から「売却費用」と「土地の取得費用(土地を入手するのにかけた費用)」を差し引いて計算した、売却益のことをさしています。

▼譲渡所得の計算式

譲渡所得=売却価格ー売却費用ー土地の取得費用

費用が売却価格を上回る場合、つまり、譲渡所得がゼロであれば税金は発生しません。

逆にいうと、譲渡所得がゼロ以上であれば税金がかかります土地の売却相場と売却費用を見積もってみて、譲渡所得が発生するかどうか確認してみましょう。

取得費用が不明な場合は「概算取得費」で計算する

土地の取得費用とは「土地を所有するためにかけた費用」です。相続した土地の場合は、自分が支払った相続税や、被相続人が土地を所有するために支払った費用の合計額を指します。

すまリス
相続税は自分で支払うからわかるけど、親がいくらで土地を所有したかわからないよ…

被相続人が支払った取得費が不明な場合は、概算取得費(売却価格×5%)で代用します。

ただし、概算取得費は実際よりも低い金額となることが多いです。節税のためには、取得費用がわかる資料を探すなどして、正しい取得費で計算することが大切です。

税率は被相続人の所有期間を引き継ぐ

相続する土地の場合、譲渡所得税の税率は、売却する年の1月1日時点における、被相続人によるぶんも含めた、土地の所有期間によって異なります。

所有期間が5年超えの場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」とよばれており、税率はそれぞれ以下のように異なります。

種類所有期間(売却年の1月1日時点)所得税率住民税率復興特別所得税
長期譲渡所得5年超え15%5%0.315%
短期譲渡所得5年以下30%9%0.63%
すまリス
所有期間が5年を超えると税率は安くなるんだね!

注意したいのは、被相続人の所有期間を引き継ぐということです。例えば、親が10年所有した土地を、相続から1年以内に子供が売却する場合、所有期間は10年とみなされ、長期譲渡所得の税率が適用できます。

譲渡所得税の計算例(親が20年所有した土地を相続して売却する場合)

例えば、以下の条件の土地を相続して売却する場合、

  • 親(被相続人)の所有期間:20年
  • 子供(相続人)の所有期間:1年
  • 売却価格:3,000万円
  • 売却費用:300万円
  • 取得費用:不明(概算取得費は3000万×5%で150万)

長期譲渡所得の税率が適用され、譲渡所得税(所得税と住民税)の計算は次になります。

譲渡所得税
=(売却価格ー売却費用ー取得費用)×長期譲渡所得の税率
=(3,000万ー300万ー150万)×(0.15+0.05+0.00315)
=2,550万×0.20315
=約518万

すまリス
売却価格3,000万に対して、譲渡所得税が約518万円とかなり高額になるね…!

譲渡所得が出るなら売却した翌年2月に確定申告

譲渡所得が発生する場合は、売却した翌年の2月~3月に確定申告を行います。

確定申告を行う目的として、以下の2つがあります。

  • 譲渡所得(課税金額)を申告する
  • 控除を利用する旨を申請する

土地売却に対する納税額の算出は、分離課税といって会社で支払われる給与所得と合算せず独自に税率を掛けて行います。よって、会社員の方の場合は、会社の年末調整とは別に自身で確定申告を行う必要があることに注意しましょう。

すまリス
譲渡所得が出ない場合は、確定申告は不要だよ!

相続開始から3年以内に土地を売却すると使える控除

譲渡所得税は高額な支払いになりますが、相続開始から3年以内に売却すると、控除によって支払額を抑えることができます。

相続開始から3年以内の売却で使える代表的な控除として、次の2つがあります。

▼相続開始から3年以内に土地を売却することで使える控除

種類控除額適用要件(一部)
取得費加算の特例相続税額の一部相続税が課税されていること
相続空き家の3,000万円特例控除最大3,000万円親が住んでいた土地であること

※両者は併用不可となっています

1.相続税の納税者なら「取得費加算の特例」

「取得費加算の特例」とは、譲渡所得を計算する際の取得費に、土地にかかった相続税を加算することができる特例です。

取得費加算の特例を利用することで、譲渡所得から相続税額の一部を控除でき、譲渡所得税を減らすことができます。

▼取得費加算の特例を適用したときの譲渡所得の計算式

譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-取得費に加算する相続税額

また、取得費に加算する相続税額は、以下の計算式で求めます。

取得費に加算する相続税額
=売却した土地の相続税課税価格 / 相続税全体の課税価格 × 納めた相続税額

▼特例を受けるための条件(一部)

  • 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
  • その財産を取得した者に相続税が課税されていること
  • 相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年を経過する日までに売却すること

ポイントは、相続税の納税者でなければ利用ができないということです。

相続税は約8%程度のひとしか納税義務がありません。つまり、ほとんどの人は取得費加算の特例を利用できないこととなっています。

また、利用するには「相続税の申告期限から3年を経過する日まで(=相続開始から3年10か月以内)に売却」する必要があります。

相続税の申告期限は相続開始(被相続人が死去した日)から10か月以内です。つまり、特例を利用するためには「相続開始から3年10か月以内」に土地を売却することになります。

※詳しい内容は『No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例』をご覧ください。

2.相続空き家を取り壊した場合は「3,000万円特例控除」

3,000万円特例控除は、譲渡所得から最大3,000万円分を控除できる特例です。

3,000万円特例控除を利用することで、譲渡所得が3,000万円未満であれば実質的に税金を非課税にできます。

▼3,000万円特別控除を適用したときの譲渡所得の計算式

譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-3,000万円(特別控除)

▼特例を受けるための条件(一部)

  • 被相続人の居住の用に供されていた家屋や土地であること
  • 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日に属する年の12月31日までに売却すること
  • 相続から売却までのあいだに、事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
  • 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
    • 建物を取り壊している場合、相続から取り壊しまでのあいだに、事業の用、貸付の用または居住の用に供されていないこと

注意したいのは、昭和56年5月31日以前に建築された建物に限定されることと、相続から売却まで、居住用に利用されていない土地であるということです。

すまリス
新しい建物が建っていた土地や、一度でも住んだり商業目的に利用してしまうと、特例がうけられなくなってしまうんだね!

※詳しい内容は『No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』をご覧ください。

「取得費加算の特例」と「相続空き家の3,000万円特例控除」は併用できない

「取得費加算の特例」と「相続空き家の3,000万円特例控除」は併用することができません。

よって、適用要件がいずれも当てはまる場合は、より控除額が大きい特例を選びましょう。

取得費に加算する相続税額が3,000万円を超える場合は、取得費加算の特例を利用すると、より節税することができます。

取得費に加算する相続税額が3,000万円を下回る場合は、相続空き家の特例を利用するほうが節税になります。

相続した土地を売却すると税金はいくら?特例を使った節税方法まで解説!

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ただでさえ複雑な手続きが必要な相続から、さらに売却するには相当の労力が必要になります。

心労が大きすぎたり、理解が難しい場合は専門家に相談することも必要です。

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