「不動産鑑定」という言葉を聞いて、それがいつ、どのようにして利用されるものなのか、はっきりと答えられる方は多くないのではないでしょうか。
不動産鑑定は、普段生活する上ではなかなか接することのない言葉です。
中には、「不動産査定」「簡易鑑定」などの言葉と同じ意味だと認識しておられる方もいらっしゃるかもしれません。
これらはいずれも不動産の評価行為ですが、「作成した書類が公的機関に正式な書類として認められるかどうか」という点で不動産鑑定とは明確に異なります。
本記事では、ご所有の不動産の価値を知りたい方、不動産鑑定を検討している方に向けて、不動産鑑定にかかる費用と期間、不動産鑑定と他の不動産評価方法の違い、不動産鑑定の依頼方法を解説していきます。
この記事のまとめ
- 不動産鑑定は国家資格を持つ不動産鑑定士が行う不動産の評価行為で、これにより作成される不動産鑑定評価書は不動産の価値を示すための正式な書類
- 不動産査定は無料だが、不動産鑑定には20万円~90万円の高額な費用がかかる
- 不動産鑑定評価書の納品にかかるのは、7~14日ほど
- 不動産の取引価格を知りたいのなら不動産査定、遺産相続した不動産や、金融機関の担保とする不動産などの正式な不動産価値を知りたい場合は不動産鑑定を利用する
不動産の売却の場合には、不動産鑑定ではなく、不動産一括査定サイトなどで査定額をきくのがおすすめです。
すまいステップなら、「累計100件以上の不動産売買仲介の実績あり」「市場相場よりも高値での不動産売却の実績あり」などの条件を満たした優良不動産会社のみを厳選してご紹介することができます。
不動産鑑定とはなにか
不動産鑑定とは、不動産鑑定士試験に合格して国家資格を取得した「不動産鑑定士」及び「不動産鑑定士補」のみが行うことができる不動産の評価行為です。
この資格を所有しないものが不動産価値を評価し、有料で評価書を作成する行為は、「不動産の鑑定評価に関する法律」に違反します。
不動産鑑定士は、国の定める「不動産鑑定評価基準」に則り、適切な手順を踏んで適正・妥当な価格を求めることが要求されます。
そうして作成された「不動産鑑定評価書」は、非常に高い評価精度を誇るのです。
このような事情から、「不動産鑑定評価書」は、不動産の価値を評価した書類として最も妥当かつ精度の高いものとして、税務署・裁判所などに提出する正式な書類に採用されています。
また、法的拘束力が発生する不動産の評価書は「不動産鑑定評価書」のみです。
なお、不動産鑑定は考慮する項目が多岐にわたる評価行為であり、不動産査定や簡易査定と比較するとやや時間がかかるという特徴があります。
不動産鑑定にかかる期間は、平均すると7日~14日ほどと言われています。
そのため、「不動産の評価をできるだけ早く知りたい」という方には向きません。
「大まかでいいので不動産の評価を早く知りたい!」という方は、「不動産査定」を利用しましょう。
机上査定であれば、1~2日で査定結果を受け取ることができます。
不動産鑑定の費用相場
不動産鑑定は精密かつ信頼性の高い不動産評価方法ですが、作成できるのが資格者のみと定められているため、かなり費用がかかります。
不動産鑑定にかかる費用は、不動産の種別や規模によって大きく異なりますが、1億円未満の不動産であれば、おおよそ20万円~90万円前後になります。一般的な戸建住宅の場合は20~30万円ほどです。
鑑定する不動産の種別ごとに、不動産鑑定料の目安は以下のように変わります。
概算の評価額 | 1000万円以下 | 3000万円以下 | 5000万円以下 | 8000万円以下 | 1億円以下 |
---|---|---|---|---|---|
土地・建物 | 18万円 | 26万円 | 32万円 | 39万円 | 44万円 |
土地のみ | 30万円 | 52万円 | 62万円 | 69万円 | 74万円 |
農地・林地 | 42万円 | 65万円 | 74万円 | 81万円 | 86万円 |
証券化対象不動産 | 39万円 | 59万円 | 68万円 | 75万円 | 80万円 |
参考:岩崎総合鑑定株式会社
上記の金額は目安なので、不動産鑑定にかかる具体的な費用が気になる場合には、不動産鑑定事務所に事前の無料の見積もりをお願いするのが良いでしょう。
不動産鑑定の費用の相場はいくら?無料の不動産査定との違いも紹介!
不動産鑑定が必要になるタイミング
不動産鑑定が必要になるのは、主に以下のようなタイミングです。
- 財産分与の際
- 不動産を担保として金融機関から融資を受ける際
- 相続税の節税のために適切な不動産価値の算出が必要な際
- 収益用不動産の家賃等の決定をする際
- 不動産を証券化する際
適正かつ妥当な不動産価値が求められる場合において不動産鑑定は用いられます。
また、所有不動産の価値を公的機関に提出する必要がある際に不動産鑑定は必要になります。
不動産の売買のための検討材料として不動産鑑定評価書が取得されることもありますが、高額なため個人レベルでは珍しく、多くの場合、大規模なビルや商業施設の売買の時に取得されます。
上記で例示した不動産鑑定が必要になるタイミングについて、詳しく見てみましょう。
財産分与の際
離婚や相続による財産分与を行う際は、分与する不動産について不動産鑑定を行うことで、最も公平な財産の分与を行うことができます。
不動産の評価方法は、不動産鑑定以外にも不動産査定や簡易鑑定などがありますが、最も公平かつ、依頼先による評価額の差が出にくいのは不動産鑑定となっています。
不動産査定や簡易鑑定による評価額を基準に財産分与を行うと、評価基準が実施する会社ごとに異なるので、分与額について争いが起きやすくなります。
このような事情から、スムーズな財産分与のために不動産鑑定を実施するケースは少なくありません。
不動産を担保として金融機関から融資を受ける際
不動産を担保に金融機関から融資を受けることを検討している場合、不動産鑑定を受けて不動産の正確な価値を知ることで、融資可能額を引き上げられる可能性があります。
不動産を担保に融資を行う時、金融機関は担保にする不動産について「担保評価」と呼ばれる独自の評価をつけます。
担保評価は、路線価や地価公示地価等を基に金融機関ごとに異なった計算方法によって算出されます。そのため、場合によっては本来の価値よりも低い評価を受けてしまうこともありえます。
そのような際に、不動産鑑定評価評価書を金融機関に提出することに意味が生まれます。
不動産鑑定評価は担保評価よりも精度が高いため、不動産鑑定にて算出された不動産の価値が担保評価を上回った場合、不動産鑑定評価を基にした融資をしてもらえる可能性があります。
相続税の節税のために適切な不動産価値の算出が必要な際
不動産にかかる相続税は、その不動産の路線価を基に算出されます。路線価は時価となっており、国税庁が日本全国の路線価を算定の上、毎年1月1日に「財産評価基準書」によって発表を行っています。
この路線価はあくまでも「地価公示価格の8割程度」という目処によって算出された価格なので、実際の不動産の価値とは大きく異なることも珍しくはありません。
実際の不動産の価値が2000万円前後でも、相続路線価による評価額が3000万円だった場合、相続税は3000万円を基準に計算されてしまいます。
そのようなケースでは、相続路線価による評価よりも低い不動産鑑定評価額を基に相続税を申告することで、相続税の大幅な節税を行うことができます。
収益用不動産の家賃等の決定をする際
収益用不動産の賃料には、新しく不動産を貸す際の「新規賃料」と、すでに貸している不動産の賃料の改定を検討する際の「継続賃料」の二種類が大まかに存在します。
不動産鑑定が利用されるのは、主に後者の場合です。
具体的には、現在の賃料が相場と比べて「高すぎる」「安すぎる」などの理由で賃料の改定を求める際の公正な資料として用いられます。
不動産を証券化する際
不動産の証券化とは、不動産から生じる利益を投資家へ配分する代わりに、投資規模を小口化した証券を投資家に購入してもらい、不動産への投資を募る仕組みです。
この不動産の証券化を行う際には、利害関係者が多岐に渡るという性質上、不動産鑑定による高精度かつ公平な評価が求められます。
不動産鑑定の内容
ここまでで不動産鑑定の利用目的や費用などはお分かり頂けたかと思います。
では、不動産鑑定の具体的な調査内容はどのようになっているのでしょうか。
以下で確認していきましょう。
不動産鑑定の調査内容
不動産鑑定の際には、調査項目として以下のようなものが調査されます。
- 一般的要因(地質・人口・物価など)
- 地域要因(交通の便・周辺の賑わい度・気象状況など)
- 個別的要因(商業施設などとの距離・建物の築年数や構造など)
一般的要因
不動産鑑定における一般要因とは、不動産の売買価格・利用用途などを左右する要因です。
一般要因は調査項目ごとに更に4つに分類されており、それぞれ①自然的要因、②社会的要因、③経済的要因、④行政的要因とよばれています。
①の自然的要因は、おもにその不動産の地理的な情報を指します。地盤や地質、地理上の特性などが調査項目です。
②の社会的要因は、その不動産の立地する場所の地域性を指します。人口密度や人口数、不動産取引上の慣例、周辺の社会性・情報リテラシーの発達度合いなどが調査項目です。
③の経済的要因は、その名のとおり周辺の経済状況を指します。不動産の立地する市区町村の税制、物価や最低賃金、交通網の発達度合いなどが調査項目です。
④の行政的要因は、その不動産の立地する市区町村の行政上の特性を指します。土地の利用方法・建築物に関する規制や、不動産に関連する税負担などが調査項目です。
地域要因
不動産鑑定における地域要因は、①宅地地域、②工業地域、③農地地域、④隣地地域の4つに分けた地域において、それぞれ個別の事象を指しています。
①の宅地地域においては、交通網の発達度合い、災害の発生可能性、土地の利用方法・建築物に関する規制などが主な調査項目です。
②の工業地域においては、宅地地域の内容に併せて、鉄道などの輸送体制の整備度合い、周辺の関連産業との位置関係などが主な調査項目です。
③の農地地域においては、日照時間や気温、土地の標高、周辺の集落との位置関係などが主な調査項目です。
④の林地地域においては、農地地域の内容に併せて、林道の整備状況などが主な調査項目になります。
個別的要因
個別的要因は、調査対象の不動産の個別な情報に関する要因です。具体的な調査内容は土地と建物で分かれています。
土地の場合は、地理的な情報や周辺の商業施設などどの位置関係、隣接する不動産の状況などが調査項目です。
建物の場合は、築年数や床面積、建物の構造・材質、耐震性・耐火性などが調査項目です。賃貸物件の場合には、そこに借り主の状況や空室率などが加えられます。
不動産鑑定士による不動産の鑑定評価の種類
不動産鑑定士は、民間から依頼される不動産鑑定(民間評価)と、国や行政から依頼される不動産鑑定(公的評価)の両方を行います。
それぞれどのような鑑定評価を行うのか、以下で解説します。
民間評価
不動産鑑定士が民間から依頼されて行う鑑定評価は、以下のようなものになります。
担保評価 | 金融機関が抵当権を設定する不動産の価値に関する評価 |
---|---|
資産評価 | 依頼人の保有する不動産の資産価値に関する評価 |
売買・賃貸借のための評価 | 不動産売買や賃貸借で資料とするための評価 |
公的評価
一方、不動産鑑定士が国や行政から依頼されて行う鑑定評価は、以下のようなものになります。
地価調査 | 国土利用計画法という法律に基づく標準値の鑑定評価を指す。各都道府県が毎年9月下旬ごろに、その年の7月1日を基準とした土地の更地の状態の価格(正常価格)として「基準値標準価格」の名称で公表する。 |
---|---|
相続税路線価評価 | 相続税および贈与税の計算に用いられる鑑定評価を指す。毎年7月上旬ごろに、その年の1月1日時点を基準とした土地の更地の状態の価格(正常価格)として国税庁から公表される。 |
固定資産税標準地評価 | 固定資産税の計算に用いられる鑑定評価を指す。各市町村が毎年3月下旬ごろに、その年の1月1日を基準とした土地の更地の状態の価格(正常価格)として公表する。 |
地価公示 | 地価公示法に基づく標準地の鑑定評価を指す。毎年3月下旬ごろに、その年の1月1日を基準とした土地の更地の状態の価格(正常価格)として国土交通省から公表される。 |
この4つの鑑定評価は、国土交通省の運営する「土地情報システム」や「全国地価マップ」などで確認することができます。
不動産鑑定評価の算出方法
不動産の鑑定評価を出す時、不動産鑑定士は3つの不動産の価値計算方法を用いて最終的な評価を算出します。
その不動産の価値計算方法は以下の3つです。
原価法
原価法とは、建物がある不動産の価値算出によく利用される方法です。計算式は次のとおりです。
ここで言う積算価格とは、原価法で求められる不動産の査定額のことです。
再調達原価とは、建物を再建築するのにいくらかかるのかを計算したもので、減価修正額とは現在、査定する不動産の価値がどれくらい下がっているのかを算出した値のことを指しています。
減価修正額は築年数・リフォームの実施状況・周辺地域の活性度などにより算出します。
収益還元法
収益還元法は、家賃など収入が見込まれる収益物件に適用される価値算出方法です。計算式は以下のようになっています。
還元利回りとは、その物件から得られる投資上の利益の見込みです。
物件の空室状況や敷地面積・建物の管理・修繕状況などのさまざまな要因で算出されます。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、近隣の取引事例と比較して不動産の価値を算出する方法のことです。
この算出方法は宅地の価値算出に主に利用されます。計算式は以下のとおりです。
補正点は、比較する近隣の取引事例と売却する不動産の条件の違いなどを考慮して算出されます。
不動産鑑定と不動産査定との違い
不動産鑑定と似た言葉として、「不動産査定」があります。
もしかすると、「不動産鑑定よりも不動産査定の方が聞き覚えがある」という方も少なくないかもしれません。
不動産査定とは
「不動産査定」とは、不動産仲介会社が行う不動産の評価行為です。
これによって算出される評価は実際の不動産の価値ではなく、「売却が見込める金額」となっています。
不動産の査定額は、近隣での類似事例・評価する不動産の特徴・市場からの需要などをもとに計算されます。
不動産の売買の前に行うのは多くの場合、この不動産査定です。
不動産査定と不動産鑑定の違い
「不動産鑑定」と「不動産査定」は不動産を評価するという目的は同じですが、その評価方法や評価を行う主体が異なります。
不動産鑑定は不動産鑑定士が行い、高額な費用がかかるのに対し、不動産査定は不動産会社が無料で行ってくれます。
不動産査定は、専門資格の保持者が行う不動産鑑定と比較すると精度は落ちるほか、公的機関に提出する正式書類としての利用はできませんが、無料というのはかなり大きいですよね。
このようなことから、個人の不動産売買の検討材料には不動産鑑定の結果ではなく、不動産査定の結果が用いられるのが一般的です。
また、国に定められた鑑定基準がある不動産鑑定とは異なり、不動産査定に一律の基準はありません。そのため、不動産査定の結果は不動産会社によって大きく異なります。
「はじめに査定を依頼したA社では2000万円だった不動産が、B社の査定では2300万円だった」というようなケースも、決して珍しくありません。
不動産の売却を検討している場合は、複数の不動産会社で不動産査定を受けるのが最も損をしない方法と言えます。
自分で不動産会社を探すのが面倒という方は、すまいステップなどの不動産一括査定サイトを利用すれば簡単に査定額を知ることができます。
不動産鑑定と簡易鑑定との違い
もう一つ「不動産鑑定」と似た言葉として、「簡易鑑定」という言葉があります。
これもまた、不動産の価値を評価する方法の一つです。
不動産査定と不動産鑑定は書類作成の主体が異なりましたが、不動産鑑定と簡易鑑定はなにが異なるのでしょうか。
簡易鑑定とは
そもそも、簡易鑑定という名前は正式に認められた名称ではありません。
簡易鑑定は、不動産鑑定評価基準を基に一部の記述や評価を省略して行う不動産の評価行為を、不動産鑑定と区別する意味合いでそう読んでいます。
簡易鑑定に採用される不動産鑑定評価基準は鑑定を行う事務所によってまちまちなので、内容も事務所ごとに異なります。
この簡易鑑定により作成された書類は「不動産価格調査書」や「不動産価格意見書」という名称で呼ばれます。
この書類はいずれも不動産鑑定士により作成されるため、一定の信頼性・妥当性が認められますが、裁判所や税務署といった公的機関に提出することはできません。
そのため、あくまで個人的に不動産の評価を知りたい場合や、内部的に簡易な説明資料が必要な場合に利用されます。
簡易鑑定と不動産鑑定の違い
簡易鑑定と不動産鑑定の違いは、評価基準と評価書の書式、かかる費用の3つです。
先述のとおり簡易鑑定は鑑定事務所によって鑑定基準が異なるのに対し、正式な不動産鑑定は鑑定基準が国に決められているため、どの鑑定事務所でも同じです。
また、鑑定事務所によっては、簡易鑑定でも不動産の鑑定基準が正式な不動産鑑定と同じこともあります。
その場合は、評価を通知する評価書の書式が不動産鑑定評価書よりも簡略化されることが多いです。
費用は、いずれの場合も簡易鑑定の方が2~3割程度安くなっています。
【訪問査定とは】訪問査定を受けるべき理由や不動産会社を見極めるポイントを解説
簡易鑑定にかかる費用の目安
不動産の種別 | 費用 | |
---|---|---|
更地 | 戸建て住宅 | 13万円~ |
大規模地など | 21万円~ | |
借地権 | 17万円~ | |
建物のみ | 戸建て住宅 | 13万円~ |
土地と建物 | 戸建て住宅 | 17万円~ |
マンション | 一室分 | 21万円~ |
参考:株式会社よつば鑑定
不動産鑑定の依頼方法
では、実際に不動産鑑定が必要になった場合にはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。
以下で詳しく見ていきましょう。
近隣の不動産鑑定事務所を探す
まずは、近隣の不動産鑑定事務所を探しましょう。
探し方は「インターネット検索」「広告」「知人から紹介を受ける」「税理士・弁護士などからの紹介」などいくつか考えられるかと思います。
いずれの探し方でも問題ないですが、大きなお金がかかるものなので、事前にしっかりと事務所の評判などは調べておきましょう。
相談・見積もりの依頼
依頼をしてもよいと思える不動産鑑定事務所を見つけたら、はじめに事前の見積もりをもらいましょう。
不動産鑑定は土地や建物の条件で価格が大きく異なるので、実際に依頼する前に「いくらくらい費用がかかるのか」を確認しておくことは重要です。
この事前の見積もりは多くの場合無料ですが、気になるのであれば事務所に電話等で問い合わせるのがよいでしょう。
必要書類の引き渡し
不動産の鑑定には、いくつか必要になる書類があります。
以下にまとめて記載しているので、不足している書類がある場合には早めに入手しておきましょう。
なお、道路台帳・上水道配管図・下水道台帳・ガス配管図については、不動産鑑定事務所が手配してくれることが多いです。
書類名 | 取得方法 | 取得金額 |
---|---|---|
全部事項証明書(登記簿謄本) | 法務局へ依頼 | 土地:一通1,000円 建物:一通1,000円 |
住宅地図 | 地図会社へ依頼 | 一枚500円ほど |
公図 | 法務局に依頼 | 一枚500円ほど |
地積測量図 | 法務局または測量士へ依頼 | 一通500円(法務局に依頼した場合) |
建物図面・各階平面図(建物がある場合のみ) | 法務局へ依頼 | 一通500円 |
道路台帳 | 市役所等へ依頼 | 一通300円ほど |
上水道配管図 | 市役所等へ依頼 | 一枚100円以内のケースが大半 |
下水道台帳 | 市役所等へ依頼 | 一枚100円以内のケースが大半 |
ガス配管図 | ガス会社へ依頼 | ガス会社ごとに様々 |
現地調査・評価作業
依頼主が提出した書類を基に不動産の情報を確認した後、不動産鑑定士は実際に現地に訪問して不動産の状況について調査を行います。
この際、対象不動産の現地管理者へのヒアリング、対象不動産の写真撮影などが実施されます。
その後は周辺事例の収集、権利関係の確認、公法上の規則の調査、土壌汚染調査、周辺環境の調査などが行われます。
最終的にそれらすべての情報を複合して、国の定めた計算方法をもとに不動産の価値を算出します。
不動産価値の内示と不動産鑑定評価書の発行
不動産の評価が完了したら、依頼者に一度評価の概要・鑑定額の説明をする機会が設けられます。
その後問題がなければ、正式な書類である不動産鑑定評価書が納品され、依頼は完了となります。
無料で相場が知りたいときは一括査定を利用しよう
不動産鑑定はかなり高額が鑑定料がかかるので、不動産鑑定評価書が必要な場面以外では、無料の不動産査定がおすすめです。
不動産査定は会社によって査定の基準が異なるので、正確な相場を知るには複数の不動産会社から査定結果を聞くのが重要になってきます。
すまいステップなら、厳しい審査基準を通過した優良不動産会社のみをご紹介することができます。
さらに、査定の対応をする担当者にはもれなく、「宅地建物取引士の資格保有者」「売買仲介営業経験が5年以上」「累計100件以上の売買仲介実績」といった対応にあたっての条件を設けています。
お得にご所有の不動産の価値を知りたい方は、ぜひ利用してみてください。