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リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで解説!

  • 更新日:2022年7月28日
監修者松岡慶子
監修松岡慶子
神戸大学出身。音楽関係のライターとして、音楽専門誌等に執筆経験がある。 2016年10月28日に大阪市中央区に「はる司法書士事務所」を開設。監修本として「事業者必携 これならわかる 最新 不動産業界の法務対策」「事業者必携 不動産契約基本フォーマット 実践書式80」「図解で早わかり 民法改正対応! 最新 土地・建物の法律と手続き」(いずれも三修社)などがある。
【保有資格】司法書士
【URL】はる司法書士事務所
リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで解説!

「リースバックに興味があるけど、どんな仕組みかわからない」

「リースバックについては分かったけど、どんなメリットがあるの?」

などなど、多少複雑なだけにリースバックについて疑問を持っている人は多いようです。

自宅を売却した後も住み続けられるリースバックは、活用方法によってはいいとこどりのメリットも。

しかし注意点を知らずに行うと、急に退去を迫られるなどのリスクもあります。

この記事ではリースバックの仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説しますので、参考にしてください。

リースバックとは?

リースバックとは、自宅を売却した後に家賃を払って住み続ける取引方法のことです。

リースバックの仕組みは、まず不動産会社などのリースバック業者に①家を売却し、②売却代金を受け取ります。このとき、住宅ローンが残っている場合は、受け取った売却金額で住宅ローンを完済します。

その後、リースバック業者と③賃貸借契約を結び、毎月④家賃を支払うことで定められた期間の間住み続けます。

すまリス
定められた期間ってどのぐらい?
多くの場合、2~3年の定期借家契約を結びます。

ふつう家を借りる場合は、賃貸期間が決まっていても更新ができますが、定期借家契約では、決められた賃貸期間が終了すれば、原則として契約の更新はされません。

つまり、売却後も同じ家に住めるとはいえ、契約によっては2,3年で退去しなければいけない場合があるということです。

つまり、売却後も同じ家に住めるとはいえ、契約によっては2,3年で退去しなければいけない場合があるということです。
すまリス
家をいくらぐらいで買ってもらえて、家賃は月々どのぐらいかかるの?

リースバックでの家の売却価格は、相場の7~8割ほどと言われています。

これは、リースバック業者が「家賃滞納」や「買い戻し特約のために自由に売却できない」というリスクを抱えている点に起因します。

また、1カ月の家賃は買取価格の7~13%ほどと言われています。

リースバックのメリット

リースバックには、いくつかのメリットがあります。利用する前にしっかりと確認しておきましょう。ここでは5つのメリットについて解説します。

現金が手に入るまでの期間が短い

リースバックの最大のメリットは、現金がすぐに手元に入る点です不動産売却の場合、買い主が見つかるまでにどのくらいの期間がかかるかわかりません。また、煩雑な手続きや引越し費用、諸経費などが必要です。

それに対して、リースバックは不動産会社に直接買い取ってもらうケースがほとんどのため、期間を空けずに現金を手にすることができます。すぐに大きなお金が必要な場合などには、売却よりもリースバックのほうがメリットが大きいといえるでしょう。

売却した後も住める

リースバックの特徴でもある、売却した後もそのまま住み続けられるという点もメリットのひとつです。物件を売却する際に、売買契約を結ぶと同時に定期借家契約を結びます。これにより、売り主から借り主となり、そのまま居住し続けるための権利を得ることができます。

引越しの必要がないため、家族で暮らしている場合などは子どもの転校や勤務先への通勤時間に変更がない点もメリットといえるでしょう。

周りに知られず売却ができる

リースバックの場合は、公に売却活動を行いません。所有者と不動産会社との間だけで取り引きが交わされるため、周囲に知られることなく住宅を売却することができます

従来の売却活動であれば、広告を出したり不動産会社のホームページに物件情報を掲載するため周囲に売却予定であることが知られてしまいます。転勤やグレードを上げるための買い替えなどよい理由であれば問題ありませんが、離婚などのネガティブな理由であったりローンの滞納など金銭的な問題を抱えている場合には周囲に知られたくないと思う人も多いでしょう。

リースバックなら生活環境が変わらないため、周囲は気がつかないまま物件を売却できる点がメリットとなります。

固定資産税の支払いがなくなる

不動産を所有していると、固定資産税や火災保険科などの支払いが発生します。リースバックを利用して所有者から借り主に転向すれば、こうした経費の支払いがなくなる点はメリットといえるでしょう。

ただし、リース科は発生します。とはいえ、維持費を考える必要がなくなるという点では月々の支払いが固定されるため、資金計画を立てることが容易になります。

買い戻しができる

リースバックは一度不動産を手放すことになりますが、買い戻しをすることができます

一時的に大きな資金が必要になった場合に、リースバックを利用して手元に資金を用意したとします。

そこでは一時的に借り主となりますが、資金に余裕ができたタイミングで買い戻して再度所有者になることも可能です。将来的に買戻したいときは、売買契約時の契約書に買戻し特約や再売買の予約を盛り込んでもらうようにしましょう。

 

買戻し特約と再売買の予約

買戻特約とは、不動産を売却後に一定期間内であれば売主が売買代金と契約費用などを買主に返すことで、不動産を買い戻すことができる売買契約の解除を留保する約束のことです。

ただし、この買戻特約は、売買契約と同時に行うことが必要で、買戻しのための代金は、売買代金に契約費用を加えた金額を超えてはならず、また買戻しができる期間が10年と決められているなど制約も多いため、実際は制約の少ない再売買の予約が使われています。

再売買の予約では、売主買主間で買戻しできる期間や金額をあらかじめ決めておき、リースバックの契約書にその内容を盛り込むことが一般的です。再売買の予約があっても、決められた賃料は毎月支払う必要があり、これを怠ると再売買の予約自体が取り消されることも。

長年住んだ家には愛着があり、完全に退去してしまうことには抵抗がある人も多いでしょう。その場合、買い戻しができるリースバックを利用しておけば、いずれ買い戻せるという希望が持てるでしょう。

リースバックのデメリット

リースバックには多くのメリットがあります。ただしデメリットもあるため、利用する前にはきちんと確認しておくことをおすすめします。ここからは、リースバックを利用するデメリットについて5点紹介します。

売却代金は相場よりも低い

リースバックの場合、売却価格は希望価格より低くなることは想定しておきましょう売却前には市場の相場を確認して、おおよその売却金額を算出するでしょう。リースバックで受け取れる金額は、相場の7〜8割程度になると考えておくほうが安心です。

物件の築年数や状態によっても価格は変動します。また、買取を依頼する不動産会社によって買取価格も変動します。いずれにしても、通常の売却よりも金額が低額になる点はデメリットといえるでしょう。

いつまでも賃借できるわけではない

リースバックのメリットは、売却した住宅に住み続けることができる点です。ただ、ここには条件があります。不動産会社によっては、賃貸借契約期間を設けているところもあります。永続的にリースを行うことができるとは限らない点がデメリットとなります。

不動産会社によっては、賃貸借契約期間が終了したあとで物件を売りに出す予定にしているケースもあります。リースバックの契約を結ぶ場合には、リース期間をきちんと確認しておく必要があるでしょう。

相場よりも家賃がかかる

そのまま住み続けるためには、家賃を支払う必要があります。リースバックの家賃相場は、不動産会社が利回りを重視して決められることがほとんどです。

リースバックの家賃は、市場の相場ではなく買取価格に対する利回りを考慮して算出されると考えておきましょう。買取価格が高くなればなるほど、家賃も高くなるということです。一般的なリースバックの家賃の算出方法は、以下のとおりです。

1カ月の家賃=買取価格×7〜13%程度÷12カ月

たとえば、買取価格が1,000万円で利回りが8%だった場合は、以下の通りになります。

1,000万円×8%÷12カ月=約6万6,000円

買い戻しの費用が高くなる

リースバックで売却した不動産を買い戻したい場合には注意が必要です。売却した金額よりも、買い戻しに必要な費用が高額になるケースがほとんどだからです。

リースバックを行う不動産会社は、売買に関係する必要経費や上乗せ利益を買い戻し価格に上乗せします。

買い戻しに必要な費用は、以下の計算方法で算出することができます。

買い戻し価格=売却価格×1.1〜1.3

たとえば、リースバックでの売却価格が1,500万円だった場合の買い戻し価格を計算してみましょう。

1,500万円×1.1=1,650万円

1,500万円×1.2=1,800万円

1,500万円×1.3=1,950万円

上記のように買い戻し価格は、安くても1,650万円、高くなると1,950万円になります。

売却金額が住宅ローンの残金を下回る場合は利用できない
住宅ローンが残った状態ではリースバックはできません。というのも対象となる不動産に住宅ローンを担保するための抵当権が設定されたままとなっているからです。子の抵当権を抹消するには住宅ローンを完済する必要がありますが、リースバックによる売却金額が住宅ローンの残金を下回る場合は、手持ちの資金で住宅ローンを完済しない限りリースバックは利用できないことになります。

リースバックの活用事例

ここまで、リースバックとは何かや、メリット・デメリットを見てきました。

ところで、リースバックをどのような状況で利用する人が多いのでしょうか?

リースバック経験者の体験談を交えて、3つの活用事例を見ていきましょう。

住まいの「終活」

高齢の父の資産整理のために「リースバック」を利用しました。地方でしたが、不動産会社の支援によって無事買主が見つかました。売却も、その後父が住み続けるために賃貸借の手続きを行った際も迅速かつスムーズに行え、大変満足です。
おうちの語り部の口コミをもとに一部編集)

不動産は現金と異なり単純に分割ができません

家族が亡くなった後に、不動産の相続をめぐる揉め事が起こったり、処分に手間取る可能性があります。

リースバックを使えば、自宅に住み続けながら資産整理を進められるだけでなく、老後資金としてのまとまった現金も手に入ります。

ただし、リースバックの賃貸契約の期間(=住み続けられる期間)には制約のあるケースも。

必ずリースバックの契約時に確認しましょう。

リースバックが向いている人

  • 生前に資産整理を行いたい
  • 老後資金を確保したい

離婚後も自宅に住み続けたい

離婚に伴いローンの名義人である夫と連絡が取れなくなり、支払いも滞ってしまいました。リースバックを活用して何とか慣れ親しんだ自宅に住み続けることができました。資金に余裕のできた数年後、自宅を買い戻しました。

高橋愛子著「離婚とお金 どうなる? 住宅ローン!」より編集。

離婚に伴い、ローンの支払いが困難になった上記のケース。

とはいえ、愛着のある自分の家に住み続けたいと考える人もいるのではないでしょうか。

売却金手持ち資金で、リースバック時にローンを完済することが条件ではありますが、リースバックを行うことである程度の期間、自宅に住み続けることができます。

その後、買い戻しを行うことも可能です。

ただしリースバックの家を買い戻す際、売却時の1.1倍~1.3倍高い金額が相場となります。トータルで支払う金額を考えた上で決断しましょう。

リースバックが向いている人

  • 自宅に住み続けたい人
  • 自宅を買い戻したい人

事業資金の確保

大口の取引先が倒産したことが原因で、行っていた事業の借り入れの返済が困難に。何とか新しい取引先を見つけたものの、資金が枯渇しており自宅の売却も視野に入れました。そんな時、リースバックを知り子供の転校を避けられるならばと利用。現在は売上も戻ってきました。

リースバック支援センターの体験談より引用・編集

リースバックで得た資金の使い道は自由です。

その為、銀行から資金の融資を受けることが難しい場合などでも、リースバックで得た資金を利用できます

ただし、住む場所を確保し続けるために以下の点には注意が必要です。

  • 住み続けられる期間に制約があるケース。賃貸借の更新を拒否された場合、引っ越す必要がある。
  • 賃貸借の際、家賃が相場より高く設定されることが多い。家賃の支払いが滞ると退去を求められる可能性がある。

無理のない資金計画を立てましょう。

リースバックが向いている人
今の家に住み続けたいが、まとまった現金が必要

リバースモーゲージとの違い

リースバックと似たシステムに、リバースモーゲージがあります。

そもそもリバースモーゲージとは、今住んでいる家に住み続けながらも、その住居を担保にしてお金を借りられるシニア層向けの制度です。生存中は毎月利息分だけを支払い、契約した人が死亡したら契約が終了となり、担保にしていた家を売却して一括返済をします。近年では毎月の利息支払いすら不要とする商品も登場しています。

特徴としては、

  1. 不動産を担保に借り入れるが、返済は死亡後であること
  2. 毎月の返済は金利分のみ必要となること
  3. 平均55~65歳以上の年齢制限があること

があります。

しかし、長寿によって資金限度額まで使ってしまう「長生きリスク」、不動産価格の下落などの「不動産価格変動リスク」、変動金利による大幅な金利上昇などの「金利上昇リスク」などのデメリットも抱えていますが、コロナ禍にあって老後資金を確保するためリバースモーゲージの利用者も増加傾向にあります。

以下に、リースバックとリバースモーゲージの代表的な違いについて説明していきます。

リースバックとリバースモーゲージの違い

 リースバックリバースモーゲージ
対象者個人・法人個人のみ
対象物件不動産全般一戸建てのみ※
年齢制限なし55~65歳以上のみ
住宅ローン抵当権等が設定されていても利用できる抵当権等が設定されていると利用できない※
使用用途自由投資や事業用途は不可
所有権売却先の不動産会社本人
固定資産税の納税義務なしあり
家族の同居可能配偶者のみに限定されることがある
契約終了後買戻し可能売却

※金融機関によって異なる

物件の所有権

リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関や自治体からお金を借りることができるシステムです。借り入れたお金は、所有者が死亡した時点で自宅を売却して一括返済するというのが、リバースモーゲージの特徴です。

そのためリースバックとの違いは、所有者が本人のままである点です。リースバックは、所有権が不動産会社などの買い主に移行します。

所有権が本人にあるということは、固定資産税や維持費は本人が支払う必要があるということです。

使用用途の制限

リースバックは、お金の使い道は自由ですが、リバースモーゲージに関しては、使用用途に制限があります。

リバースモーゲージは、高齢者向けのシステムであるため、使用用途は生活費や老人ホームへの入居資金など老後の生活資金として使用することに限定されています。投資や事業資金などに借入金を使用することはできません。

同居者の制限

もうひとつの特徴は、同居者に制限がある点です。リースバックに関しては、家族との同居が可能です。ただ、リバースモーゲージの場合は、同居者は配偶者のみと制限されている商品も多いです。

「リバースモーゲージ」とは?仕組みとメリット・デメリットを解説

リースバックの前に査定をしよう

リースバックを利用する前に、まず自宅の価値をしっかりと確認しておきましょう。不動産会社に見積もり査定を依頼することで、現在の自宅の価値を知ることができます。

リースバックの場合、市場相場よりも低い価格で売却することになります。メリットも多いシステムですが、あとから買い戻す気がないのであれば、リースバックを利用するよりも通常の売却を利用したほうが手に入るお金が多くなる可能性は高くなります。

一括見積もりサービスなどを利用して、査定額の相場を理解した上でどちらを利用するほうが自分にとって得になるかを考えてみましょう。

すまいステップの一括見積もりサービスは、独自の基準で優良企業のみと提携しているため、安心して利用することができます。

記事のおさらい

リースバックとは何ですか?

リースバックとは、自宅や店舗などの不動産物件を専門の不動産会社に売却し、新たにオーナーとなった買主に対して家賃(リース)を支払う契約形態です。詳しく知りたい方はリースバックとは?をご覧ください。

リースバックの仕組みを教えてください

①自宅を売却する
まずは、所有している不動産を売却します。リースバックを扱っている不動産会社に連絡して、自宅の売却価格の見積もり査定をしてもらいましょう。売却価格に納得できたら売買契約を結びます。
②リース(賃貸)契約
不動産会社と売買契約を結んだら、同時に賃貸借契約を結びます。
一般的には2~3年の定期借家契約を結ぶと言われていますが、近年の利用者増加によって普通借家契約を結ぶことも多いようです。
③資金ができたら買い戻しの三つのステップで進める事ができます。
リースバックのメリットの一つに、買い戻しができる点があります。「ひとまず売却して、リース料金を支払いながら生活して、資金の目処がついた段階で買い戻しをする」という計画を立てておくこともできるでしょう。詳しくはリースバックの仕組みをご覧ください。

リースバックのメリット

①現金が手に入るまでの期間が短い
②売却した後も住める
③周りに知られず売却ができる
④固定資産税の支払いがなくなる
⑤買い戻しができる
の5つのメリットがあります。詳しく知りたい方はリースバックのメリットをご覧下さい。

リースバックのデメリットはありますか?

①売却代金は相場よりも低い
②いつまでも賃貸できるわけではない
③相場よりも家賃がかかる
④買い戻しの費用が高くなる
⑤売却金額が住宅ローンの残金を下回る場合は利用できない
の5つのデメリットがあります。詳しくはリースバックのデメリットをご覧ください。

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