相続時精算課税制度とは|節税効果やメリット・デメリットを紹介

所有している資産をほかの人に渡す方法としては、贈与と相続があります。贈与は生前に行うものであり、資産の所有者が生きているうちに、親族などに資産を譲ることができます。対して相続は資産を所有している人が亡くなった際に、遺族が資産を受け取るものです。

贈与と相続はそれぞれ贈与税、相続税がかかり、受け渡す資産次第では、税負担が大きくなることもあります。特に生前贈与の場合は贈与税がかかり、この負担を減らすものとして相続時精算課税制度があります。

相続時精算課税制度とはどのようなものなのか、メリットやデメリットも含めて知り、生前贈与の際に役立てましょう。

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相続時精算課税制度とは

まずは相続時精算課税制度がどのようなものなのか、基本的な概要から理解を深めていきましょう。制度の大まかな概要はもちろん、どのような人が対象になるのか、贈与できる財産はいかなるものが該当するのかを知っておくことが大切です。

制度の詳細を知ることで、相続時精算課税制度を上手に活用しやすくなります。

相続時精算課税制度とは

まずは制度の基本的な概要から理解していきましょう。相続時精算課税制度は、簡単にいえば一定額までの生前贈与を、非課税で行うことができるものです。

生前贈与の際には、受け取った人が金額に応じた贈与税を支払わなければなりません。通常は贈与があった翌年に申告をして贈与税を支払いますが、相続時精算課税制度を利用することで、贈与税の支払いが不要となります。

ただし、制度を活用したからといって、税負担がまったくなくなるわけではありません。この制度を利用すると、一定額まで贈与税は非課税となるものの、相続時に非課税になった分も相続資産と考えて、先に贈与した金額も精算する必要があります。

つまり、贈与税を相続時に繰り延べて非課税にはできるものの、贈与した金額には相続税の課税対象にあることは理解しておきましょう。

制度の対象者

相続時精算課税制度では、60歳以上の人が20歳以上の家族に贈与できます。対象者は父母や祖父母であり、60歳以上のこれらの人が、20歳以上の子どもや孫に贈与が可能です。制度を利用するには子どもや孫への贈与であり、配偶者への贈与は対象とはならない点には注意しましょう。

贈与できる金額と回数

制度を利用して贈与できる金額は、2,500万円までです。回数の上限はなく、2,500万円に到達するまで何度も贈与が可能な点が特徴です。そのため、一括で2,500万円贈与することはもちろん、500万円を3年にわけて贈与するなど、贈与者の状況に合わせて、贈与の金額や回数を調整することができます。

贈与できる財産の種類

相続時精算課税制度では、贈与できる財産の種類は決められていません。そのため、現金での贈与はもちろん、株などの有価証券や不動産の贈与も可能です。株や不動産などの場合は、贈与時の評価額で計算します。

仮に贈与する前年の不動産評価額が1,000万円の場合でも、贈与時の評価額が900万円となっているなら、実際に贈与する金額は900万円となります。

相続時精算課税制度にかかる税金の計算法

実際に制度を利用した場合には、どれくらいの税金がかかるのかを知っておきましょう。相続時精算課税制度の税金の計算方法を知っておくことで、税負担がいくらになるかを把握できます。贈与する金額によって税金の計算方法は異なるため、この点を理解しておくことが大切です。

2,500万円以下の場合

合計2,500万円までの贈与なら、相続時精算課税制度では贈与税はかかりません。将来的に相続税はかかるものの、贈与する時点では税金がかからないことは大きな特徴です。

2,500万円を超えた場合

もし相続時精算課税制度を利用して、贈与額が2,500万円を超えた場合は、その部分に対して贈与税が課せられます。この場合は超過分500万円に対して、20%の課税となります。実際の計算式は、次の通りです。

  • (贈与の合計額-2,500万円)×20%

相続時精算課税制度を利用していても、贈与金額が2,500万円を超えると贈与税がかかりますが、この分は相続税から控除されます。

相続時精算課税制度は手続きが必要

相続時精算課税制度を適用するには、事前に手続きが必要です。スムーズに制度を利用するためにも、手続きの方法を知っておくことが大切です。手続きの際にはさまざまな書類が必要であるため、なにをそろえておくべきなのかも含めて、理解を深めておきましょう。

手続きの方法

相続時精算課税制度を利用するには、贈与を受けた年の翌年に、税務署にて手続きを行います。手続きの際にはさまざまな書類の提出が必要であるため、事前にこれを用意しておきましょう。また、手続きは贈与を受けた翌年の、2月1日から3月15日までの間に行う必要があります。

必要な書類

相続時精算課税制度の手続きでは、次の書類が必要です。

  • 贈与税申告書
  • 相続時精算課税選択届出書
  • 戸籍謄本
  • 戸籍の附票
  • 住民票

贈与税申告書や相続時精算課税の選択届出書は、税務署で取得できます。また、国税庁のホームページからもダウンロードが可能です。

戸籍謄本や戸籍の附票、住民票などは市区町村の役場で取得できます。これらの書類は贈与する人とされる人、両方のものが必要であるため、この点も覚えておきましょう。

相続時精算課税制度の申告を忘れた場合

事前の手続きを所定の期間に行わなかった場合は、贈与を受けた金額が非課税にはなりません。そのため、2,500万円の贈与をまとめて行い、その翌年の3月15日までに手続きをしていないと、特別控除は受けられなくなってしまうため、注意が必要です。

ただし、贈与税は年間110万円の基礎控除があるため、手続きをしていなくても、この金額までは非課税となります。贈与する金額が110万円を超える場合は、手続きをしていないと基礎控除を超えた分の贈与税がかかるため、注意しなければなりません。

相続時精算課税制度のメリット

実際に相続時精算課税制度を利用した場合には、どのようなメリットがあるのかを知っておきましょう。制度を利用した場合のメリットとしては、次の5つがあげられます。

  • 一度にたくさんの金額を贈与できる
  • 円満に相続ができる
  • 不動産の収益物件なら贈与すると節税になる
  • 事業の承継も節税になる
  • 贈与者ごとに選択できる

メリットを正しく把握しておくことで、制度の魅力についてさらに深堀りして理解を深められます。

一度にたくさんの金額を贈与できる

制度を利用することで、一度にたくさんの金額を贈与できる点は、大きなメリットです。制度を利用しない場合でも、多額の資金を贈与することは可能ですが、この場合は高額な贈与税がかかってしまいます。

しかし、相続時精算課税制度を利用した場合は、最大2,500万円まで贈与税は非課税となるため、2,500万円まとめて贈与しても、贈与税はかかりません。

通常の贈与では、非課税にする場合は基礎控除額の110万円までが、1年で贈与できる金額です。相続時精算課税制度なら、1年で2,500万円まで非課税で贈与できるため、まとまった資金を一括で贈与したい人に、おすすめの制度といえます。

円満に相続ができる

相続時の遺留分を遺族が放棄することを前提にするなら、制度を利用すると円満に相続しやすくなります。先にまとまった金額を贈与しておくことで、誰にいくら贈与するかを資産の所有者が選択できます。

つまり、遺言状を作成しなくても、遺留分放棄を条件にしているなら、遺族が相続する金額を調整でき、相続時のトラブルを回避しやすくなる点は大きなメリットです。遺留分の放棄を約束するには、事前に「遺留分の放棄承諾書」を作成しておく必要があります。

不動産の収益物件なら贈与すると節税になる

相続時精算課税制度では、現金だけではなく、不動産の贈与も対象となります。不動産の中でも収益物件の贈与の場合は、評価額によっては節税になることもあります。不動産の贈与をする場合は、贈与をした時点の評価額で、相続税を計算する点がポイントです。

つまり、価値が上がっていないうちに収益物件を贈与しておくことで、将来価値が上がった場合にはその差額分の相続税が節税になると考えましょう。

仮に評価額500万円のうちに贈与をし、元の所有者が死亡してほかの資産を相続する時点で評価額が1,000万円になったとします。この場合でも、収益物件の相続税は500万円の評価額が対象となります。

将来的に価値が上がる不動産や収益物件の場合は、早めに贈与しておくことで、相続税を大幅に節税できる可能性がある点は大きなメリットです。

事業の承継も節税になる

不動産だけではなく、株の贈与も相続時精算課税制度では贈与が可能です。これも不動産と同じであり、株の評価額が低いうちに贈与しておくことで、事業の承継でも節税が行えます。

相続時精算課税制度では、贈与した時点の株の評価額に応じて、相続税を計算します。将来的に株の評価額が上がる可能性があるなら、早めに贈与しておくことで節税効果が期待できるでしょう。

贈与者ごとに選択できる

相続時精算課税制度を利用するだけではなく、年間110万円の基礎控除を利用した、暦年贈与という方法でも生前贈与ができます。これは贈与を受ける人によってどちらの制度を利用するかを選択できる点もメリットです。

例えば子どもには暦年贈与では毎年110万円以内の贈与を行って非課税とし、孫には相続時精算課税制度で一括贈与をするということも可能です。相手に合わせて贈与の方法を選択できるため、資産を分配する際の選択肢が増えることは大きなメリットといえます。

相続時精算課税制度のデメリット

相続時精算課税制度には、メリットだけではなくデメリットもあります。そのため、制度の利用を検討しているなら、デメリットについても理解を深めておくことが大切です。

  • 制度を利用したあとは従来の贈与ができない
  • 制度は自動で継続される
  • 小規模宅地等の特例が使えない
  • 毎年申告が必要
  • 節税にならないこともある

これら5つのデメリットを把握して、相続時精算課税制度を利用するかどうかを決めましょう。

制度を利用したあとは従来の贈与ができない

贈与の方法は相続時精算課税制度を利用するだけではなく、暦年贈与をするというやり方もあります。一度相続時精算課税制度を利用すると、その後従来の暦年贈与をすることはできないため、注意しなければなりません。

つまり、相続時精算課税制度を利用した場合は、2,500万円までの贈与は非課税となるものの、暦年贈与のように年間110万円の基礎控除は受けられなくなります。

制度は自動で継続される

相続時精算課税制度を利用すると、暦年贈与はできなくなります。一度相続時精算課税制度の手続きをすると、その後の贈与はすべて相続時精算課税制度の対象となります。

つまり、最初の贈与で相続時精算課税制度を選択すると、その後数年あけてから贈与をした場合でも、自動的に相続時精算課税制度の適用対象となることは覚えておきましょう。相続時精算課税制度で贈与をすると、その後は暦年贈与ができなくなってしまうため、この点には注意しなければなりません。

小規模宅地等の特例が使えない

不動産を贈与した場合は、特例が適用できない場合があるため、注意が必要です。相続時精算課税制度で土地を贈与する場合は、小規模宅地等の特例が適用できなくなります。これによって固定資産税の減税措置がなくなり、税負担が高くなってしまう場合があります。

少しでも税負担を抑えるには、不動産を売却し、現金で贈与することがおすすめです。現金の場合は所有していても、固定資産税がかからず、毎年の税負担は抑えやすいです。

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毎年申告が必要

相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与を行った翌年は、毎回確定申告をしなければなりません。相続時精算課税制度を選択していても、贈与を行った翌年に確定申告をしていないと、制度の適用対象とはならないため注意が必要です。

最大2,500万円までを非課税にするためにも、贈与を行ったならその都度確定申告が必要であることは、必ず頭に入れておきましょう。

節税にならないこともある

一定額まで贈与税が非課税となる相続時精算課税制度ですが、利用したからといって必ずしも節税になるとは限りません。贈与税は非課税であるものの、相続時には贈与した分まで含めて相続税を支払う必要があります。

つまり、税金の負担が先送りになるだけで、実際にはまったくの非課税になるわけではないことは理解しておきましょう。2,500万円まで贈与した場合は贈与税はかからないものの、この分は税負担は相続時に相続税として計算されます。

税負担を抑えたいなら、場合によっては暦年贈与を利用したほうがよいこともあります。暦年贈与なら年間110万円までは非課税であり、この贈与分は相続税の対象とはなりません。

そのため、複数年にわたって110万円以内で相続を繰り返したほうが、結果的に節税になる場合もあることは理解しておきましょう。

相続時精算課税制度を使うメリットがあるかよく考えよう

生前贈与をする際には、年間110万円の基礎控除の範囲内で贈与をする暦年贈与と、合計2,500万円まで非課税で贈与できる相続時精算課税制度の2つの方法があります。

相続時精算課税制度では、2,500万円までは非課税で贈与できますが、ここで贈与した分は相続した際に相続税分として計算して、精算しなければなりません。つまり、相続時精算課税制度を利用したからといって、必ずしも税負担が抑えられるとは限らない点には注意が必要です。

どのような方法ならもっともメリットがあるか、税負担が抑えられるのかを把握し、相続時精算課税制度を利用するかどうかを決めましょう。


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