不動産によっては、すぐに売ったほうがよい物件があります。持っていても損のない不動産には持ち家などがありますが、売却したほうがよい不動産とはどのような種類なのでしょうか。
本記事では、売却したほうがよい不動産だけではなく、税金や売るタイミングなどについても触れていきましょう。相続した不動産を売ろうか迷っている人などは、ぜひ参考にしてください。
1.不動産売却したほうがよい人が所持している物件の特徴
すぐに売ったほうが良い不動産の特徴は、いくつかあります。まずは、人が住んでいない空き家です。空き家は、税金面の優遇処置が受けられない可能性があります。
また、不動産の立地によっても、すぐに手放すべきでしょう。こうした特徴について詳しく見ていきます。
1.1空き家ならばすぐに手放して税金対策
まったく使っていない空き家であれば、早めに売るようにしましょう。人が住んでいなく、掃除や手入れしていない不動産は、劣化スピードがとても速いです。長期的に考えて住む予定がないと判断した際は、すぐに売却の手続きを進めましょう。
また空き家は、「空き家対策特別措置法」という法律により、固定資産税が跳ね上がってしまうもの。
固定資産税は軽減されているものですが、空き家であれば今までの3倍、あるいは6倍の税金を納めなければなりません。
こうした理由により、人が住んでいない不動産は、早めに手放すべきです。
1.2 立地によっては早めに売ったほうが良い
不動産が人気エリアに位置しているのではなく、全く人が住んでいないような場所にあるのであれば、価値が下がる一方です。そのため、所持していてもあまり得にはなりませんので、売却しても良いでしょう。価値が下落してしまえば、その分売却益も減ってしまいます。
また、不動産が商業地域や工業地域にある時も注意が必要です。これらの地域は、大規模なショッピング施設などが建設され、住む場所としては適していません。不動産の場所によって、売却するのか、それとも残しておくのか判断しましょう。
1.3 築年数が経つと不動産の価値が下がる
建物は、築年数が経てば経つほど、価値を失っていくものです。木造戸建であれば、数十年でほとんど価値がなくなってしまうでしょう。土地の価値も、一部エリアを除けば、下落傾向にあります。土地の場所や建物の築年数によっては、早めに売ったほうが良いでしょう。
・不動産の立地も重要
・浅い築年数の建物
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2.不動産売却の流れを把握しよう
実際に不動産を売ることになった際、どのような流れになるのでしょうか。売却前に、本当に不動産を売っても良いのか考える必要があります。また、売却の流れには一定の決まりがありますので、詳しく解説していきます。
2.1 不動産を売る理由を考える
「相続した土地の使い道がない」、「転勤することになった」、「子どもが大きくなってきたので自宅が狭い」など、不動産を売却する理由は人によって様々。こうした売却理由を考えることは必要ですが、本当に手放してもよいのか併せて検討しましょう。
売らずに投資に役立てたり、賃貸マンションに建て替えたり、リフォームして住み続けるなど、他の選択肢も考えるようにしてください。なぜなら、売ってしまったら、その不動産を取り戻すことはほとんど不可能だからです。
2.2 売却フローには一定の決まりがある
売却理由を明確にして、いつまでに売りたいのか、どれぐらいの価格が理想なのか希望条件を洗い出した後は、売却するために業者と契約を結ぶことになります。売却フローは、どのような不動産でもだいたい同じですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
相場をチェックして業者に査定依頼
売りに出したい不動産の相場を、自身で調べるプロセスは大切です。不動産ポータルサイトなどで、類似した物件を検索すれば、価格が出てくるでしょう。しかしながら、似たような価格で売りに出せるとは限りませんので、あくまでも参考程度にとどめておいてください。
自身で相場をチェックし、次に不動産会社に査定依頼しましょう。おすすめなのは、1つの会社だけに査定を依頼するのではなく、複数社に頼むことです。不動産一括査定サイトを利用すれば、簡単に複数業者からの査定を受けることができます。
媒介契約する業者を選定する
査定依頼した後は、業者を選びます。媒介契約の種類によっては、複数社と契約することが可能。売却活動に力を入れたいのであれば、1社との契約がおすすめです。
業者によって得意としている分野が異なり、不動産売買は、担当者の腕次第で売れ行きに影響があるもの。しっかりと不動産会社の特徴や実績を調べて、自分に合った業者をチョイスしましょう。
売却活動して買い手と売買契約を
不動産会社と契約したら、売却活動のスタートです。どのような戦略で不動産を売るのか、担当者にヒアリングしてスムーズに売買が進められるようにしましょう。買い手が見つかったら、価格などの交渉を行います。話がまとまり次第、売買契約を結んでください。買主からは手付金が支払われます。
最後は買い手に引渡し
不動産を買い手に引き渡して、不動産売却の完了です。買い手からの支払いと鍵を渡すタイミングは同じにしてください。不動産によっては、あっという間に売れる時があり、逆にほとんど買い手が見つからないことも考えられます。業者とタッグを組んで損のない不動産売却を目指しましょう。
・不動産査定は一括サイトを
・業者選びもポイントになる
3. 不動産売却に必要な費用と税金の種類
不動産を売るためには、業者に支払う仲介手数料や土地の境界をチェックする測量費が掛かります。また、売買契約に欠かせない印紙税や譲渡所得税なども納付しなければなりません。こうした不動産売却に必要な費用と税金の種類の詳細を見ていきましょう。
3.1 仲介手数料や測量費が掛かる
不動産会社に支払う仲介手数料は、上限が定められているため、ある程度目安がつくものです。上限額を超えている場合は、支払いに応じる必要はありません。
売買価格 | 手数料パーセント |
200万円以下 | 5% |
200万円超400万円以下 | 4% |
400万円超 | 3% |
このように、売買価格によって、上限の手数料パーセントが定められています。
この費用の他に、土地の境界を確定するために、測量費が必要になります。35万円~45万円が目安の金額になりますが、立地条件によってさらに高くなることを認識しておきましょう。土地境界は、建物が作れないなどのリスクを回避するために、買主から求められることが多いです。
3.2 税金は印紙税と譲渡所得税
不動産売却には税金も掛かります。まず必要になるのは、売買契約書に収入印紙を貼り付けることで納付する印紙税です。印紙税は、軽減税率が適用されています。
売買金額 | 税額 |
記載なし | 200円 |
1万円に満たない | 非課税 |
50万円以下 | 200円 |
50万円超え100万円以下 | 500円 |
100万円超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円超え1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超え1億円以下 | 30,000円 |
1億円超え5億円以下 | 60,000円 |
5億円超え10億円以下 | 160,000円 |
10億円超え50億円以下 | 320,000円 |
50億円超え | 480,000円 |
印紙税の他には、不動産売却で利益が出た際に、譲渡所得税が掛かります。マイナスであれば、支払う必要はありません。譲渡所得は、所得税と住民税が課税され、不動産の所有期間によって税率が変わります。
期間 | 税率 |
長期譲渡所得(5年超え) | 住民税5%、所得税15% |
短期譲渡所得(5年以下) | 住民税9%、所得税30% |
また、住民税と所得税の他に、復興特別所得税も上乗せされます。不動産を売った年の1月1日現在で所有期間が決まりますので、長期譲渡所得になるのか、それとも短期譲渡所得に該当するのか間違えないようにしてください。自分の住む家であれば、3,000万円の特例控除があることも譲渡所得の特徴です。
・仲介手数料は必ず支払う
・契約書には印紙税がマスト
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4. 賢い売却のタイミングをつかむ
不動産売却の流れや掛かる税金だけではなく、売却のタイミングを知ることで、より賢く売買を進められるでしょう。売却で損を減らすためには、相場の動きを確認し、売れやすい時期を見極めることです。
4.1相場の動きをチェックする
不動産売却で利益を出すためには、安値で購入し、高値で売ることが基本です。しかしながら、相場が変わるタイミングを把握することは、プロや専門家でも難しいです。しかしながら、大きな額ではなくても、「今売れば高くなる」というタイミングはつかめるでしょう。
リーマンショックのような金融危機が発生し、一気に相場が下落傾向になることもありますが、2019年10月に消費税増税があるため、今後、不動産の駆け込み需要があるかもしれません。不動産売却で損をしないためには、常に市況のアンテナを張っておくことが求められます。
4.2 売れやすいシーズンがある
不動産には、売れやすい時期とそうではないシーズンがあります。不動産マーケットが活況するのは、引っ越しシーズンです。2月、3月であれば、高く売れる確率が高まります。
4月以降は、売れにくい状態が続きますが、9月になるとまた売れやすくなります。
売却の準備を考えると、2月、3月に売りたいのであれば、10月、11月までには手続きを進めておきましょう。
9月売却を目指す人は、5月、6月に準備です。注意点を挙げるならば、多くの人が同じ時期に売り出そうと考えるため、供給過多になってしまうリスクがあることでしょう。
4.3 築年数が経っている不動産は修繕しよう
築15年以上経ってしまった不動産は、売りにくいのが現実です。
しかしながら、修繕を行うことで、価格下落をとめることが可能。修繕は、買主が気にしているポイントでもありますので、その状況をしっかり報告することも大切です。
4.4 住宅ローンも視野に入れよう
相続などで不動産を手に入れた際は、ローンの支払いが済んでいることもありますが、ローン完済していない不動産を売却するためには、どうすれば良いでしょうか。
まずローン完済している不動産は、残債がないため、それほど売却計画を綿密に立てなくても良いでしょう。
一方、ローンが残っている不動産は、売却した利益でどれほど残債を相殺できるのか、しっかりと計画を立てなければなりません。
また、ローン完済が終わっていない際、別のローンを借りられないこともありますので、注意が必要です。基本的には、完済してから不動産売却することをおすすめします。
4.5 相続した不動産は必ず登記を
親から相続した不動産は、相続登記をしなければ売却することができません。しかも、余計な費用が掛かり、相続人同士でトラブルが発生してしまうこともあります。
売却のタイミングを理解したとしても、こうした手続きを疎かにしてしまえば、売れるものも売れなくなってしまいますので、各専門家に相談するようにしましょう。
・売りやすい時期に売却
・リフォームも必要不可欠
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5.不動産売却したほうがよい人なのかセルフチェック
不動産売却したほうが良い人は、所持している不動産について理解を深めましょう。そして、不動産売却の流れや支払うべき費用や税金についての知識も頭に入れておいてください。
基本的に物件は、建ててから年数が経つにつれて売れなくなってしまいますので、早めの対応が望ましいです。
賢く売れるタイミングを理解すれば、売却益が出る確率を高めることができます。まずは、自身の所持している不動産の築年数や立地を確認するところから、不動産売却したほうがよいのかを見極めてください。
そして、不動産一括査定サイトを利用し、信用できる不動産会社と契約して、損やリスクのない不動産売買を目指しましょう。