登記事項証明書の取得・活用方法について|使用時の豆知識も紹介

不動産取引の際には、日常的にはあまり使わない書類が求められることが多く、「登記事項証明書」もそのひとつです。登記事項証明書は、「登記簿謄本」や「登記簿抄本」と呼ばれていましたが、登記簿のデータ化により現在の名称に変わっています。

つまり、登記事項証明書とは、不動産の登記事項の内容が書かれた証明書であり、法的な効力を発揮するものです。重要な取引の際には求められることが多いですが、馴染みがないだけに取得方法が分からず、困ってしまうことも多いでしょう。
登記事項証明書は、不動産取引を含めて活用するシーンが実は多彩です。取得方法やどのようなシーンで活用されるのかを知り、スムーズに証明書を発行しましょう。

登記事項証明書の取得方法

登記事項証明書を上手に活用するには、まずは取得方法を理解しておきましょう。事前に取得方法を把握しておくと、いざ求められた際にも素早く動くことができ、各種手続きもスムーズに進められます。取得方法は大きく2つありますが、それぞれで特徴が異なるため、注意が必要です。

登記所で取得

登記事項証明書は、登記所で取得するのが一般的な方法です。登記所は大きく「法務局」、「支局」、「出張所」の3つに分けられ、どこで取得しても内容は同じです。法務局でも主張所でも、記載されている内容、証明書の効力は同じなので、もっとも便利の良い場所で取得しましょう。
営業時間はそれぞれ8時30分から17時15分までです。平日のみの営業で、土日祝日、年末年始は開いていないため注意しましょう。また、昼休みはないため、営業時間内ならいつ行っても受け付けてくれます。発行手数料は1部600円かかります。

ネット申請も可能

登記事項証明書は登記所での発行だけではなく、ネット申請で発行することも可能です。ネット申請の場合、「ネットで申請して登記所で受け取り」か「ネットで申請して郵送で受け取り」のどちらかになります。登記所で受け取りの場合は、最寄りの登記所で受け取ることができ、窓口受付よりも待ち時間が短縮できるため便利です。
また、郵送の場合は、登記所に足を運ぶ必要がないため、さらに便利に取得できるでしょう。それぞれ手数料が違い、登記所受け取りは1部480円、郵送は1部500円です。ネット申請の場合は、平日の8時15分から21時まで受け付けてもらえるため、遅い時間でも請求可能です。
時間は長いものの、窓口申請同様、休日の取り扱いはないため注意しましょう。休日に申請しても、受け付けてもらえるのは翌営業日になるため、受け取りまでに時間がかかります。

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取得時の必要書類

登記事項証明書を取得する際には、特に必要な書類はなく、窓口で申請書に記入して提出することで、発行してもらえます。申請書は法務局のホームページからダウンロードできるため、窓口申請なら事前に取得して記入しておくと、登記所での手続きが簡略化されて便利です。
必要な書類は特にありませんが、申請書には不動産の所在地番や家屋番号などが必要です。これらは住所とは違い、不動産登記の登録番号であるため、事前に調べておく必要があります。所在地番や家屋番号は、不動産の権利証やブルーマップで確認できます。

登記情報提供サービスで確認

不動産の登記事項は、「登記情報提供サービス」というサイトからも確認できます。登記事項なら335円、地図や図面は365円と手数料も安いですが、登記事項証明書のように、法的な効力を持つわけではないため注意が必要です。
登記情報提供サービスで可能なのは、あくまで不動産の登記情報の確認だけであり、証明書の発行はできません。登記情報が表示されたページを印刷しても、証明書には利用できないため注意が必要です。手続きや取引など、法的な効力がある証明書が必要な場合は登記事項証明書を発行し、登記情報を確認したいだけなら、登記情報提供サービスを活用しましょう。
{
・登記所で取得
・ネット申請も可能
・ネットで情報閲覧も可能
}

登記事項証明書の種類にも注目

登記事項証明書は複数の種類に分けられるため、取得時には種類の違いにも注目が必要です。それぞれで使用する用途や確認できる情報は異なるため、必要なものを間違えずに取得しましょう。

登記事項証明書は4つに分けられる

登記事項証明書は大きく4つに分けられ、それぞれで活用するシーンが異なります。種類ごとに記載されている内容そのものが異なるため、内訳の違いを把握しておきましょう。

全部事項証明書

全部事項証明書は、不動産に関する情報が全て記載されており、過去の権利の流れや履歴も乗っています。不動産の基本的な情報に加えて、所有権や抵当権の登記、移動、抹消などまで記されているため、より多くの情報が必要な場合に取得します。
登記事項証明書の種類は複数あるものの、通常提出を求められた場合は、全部事項証明書を用いるのが普通です。全部事項証明書なら、不足なく情報を提供できるため、取引時に効力が発揮できないということは、まずないでしょう。

現在事項証明書

現在事項証明書は、不動産の現在の状態が記載されています。過去の権利の流れは記載されておらず、現在どのような権利がかかっているか、効力があるのかが記載されていると考えましょう。現在事項証明書は、現時点での不動産の情報を知りたい場合や過去の情報を他人に見せたくない場合に用います。
過去に差し押さえをされたり、金融トラブルがあったりした場合は、登記情報にもそれらが記されるため、これを隠したい場合は現在事項証明書を使いましょう。

一部事項証明書

一部事項証明書は、証明書に記載する内容を指定して発行できます。名称の通り記載事項が一部に限定されるため、通常の不動産取引で使用されることはほとんどありません。一部事項証明書が使用されるのは、マンションやアパートなど集合住宅の取引の場合で、これは自身の専有部分の情報のみを提供するためです。
集合住宅の場合、全部事項証明書を取得すると、土地、建物全体の情報が記載されてしまい、情報量があまりにも多くなりすぎるため、確認がしづらいです。全部事項証明書が使えないわけではありませんが、確認に時間がかかり、ミスが起きる可能性もあるため、情報をすっきりまとめた一部事項証明書を使うのが一般的です。

閉鎖事項証明書

閉鎖事項証明書は、不動産の閉鎖された登記情報を記載した書類です。例えば建物を取り壊したり、土地を合併したりすると、登記情報は閉鎖されます。閉鎖された登記情報は、通常の登記事項証明書では記載されないため、閉鎖事項証明書を発行して、確認しなければなりません。
いわば現在にない不動産の登記情報を確認するための書類であり、過去まで深く遡って情報が必要な場合に用います。

用途を間違えると効力を発揮しない

登記事項証明書は、全部で4つの種類に分けられますが、シーンによってどの種類が必要かは異なります。間違えて発行すると、手続きに使用できず、取得し直さなければならないこともあるため、注意が必要です。例えば集合住宅以外の通常の不動産取引に、情報が限定された一部事項証明書を用意すると、情報不足で使用できない可能性があります。
基本的には全部事項証明書で問題ありませんが、実際にどれが必要かは状況次第で異なるため、どの種類が必要かまで確認しておくと良いでしょう。
{
・登記事項証明書は4種類
・記載事項が違う
・間違えないよう注意
}

登記事項証明書の活用方法

登記事項証明書は、必要な情報を持ち、手続きさえ踏めば取得できます。しかし、問題は取得後どのように活用するかです。登記事項証明書は馴染みの薄い書類であるものの、実は活用するシーンは多彩です。どのような場合に必要になるかを知り、状況に合わせて事前に準備を進めて、各種手続きをスムーズに行いましょう。

不動産売買で使用

登記事項証明書の主な使用シーンは、不動産売買の際であり、これは売る場合も買う場合も同様に必要です。不動産を売る場合は、不動産情報のチェックや権利関係の確認のため、購入する場合は、確定申告時に住宅ローン控除を申請する際に必要です。
それぞれ事前に取得していないと、手続きがスムーズに進められず、時間もコストもかかるため注意しなければなりません。特に確定申告の期間は約1カ月と制限があり、住宅ローン控除には他にも必要な書類が複数あります。
書類集めだけでも時間がかかりやすいため、期間内に申告できるよう、早めから準備をしておくことが大切です。また、売買時だけではなく、不動産を相続する際にも登記事項証明書が必要なことは覚えておきましょう。

 

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空き家情報の確認に使う

空き家を見つけて購入したいと考えた際にも、登記事項証明書を使用することはあります。登記事項証明書には、不動産の情報だけではなく、権利の流れも記載されているため、それを確認することで購入するなら誰にコンタクトを取るべきかが分かります。
また、目視で確認するのと、実際に登録上のデータで確認するのでは、イメージと違っていることも多いです。ぱっと見ただけなら欲しいと思っても、データ上で細かく確認するとやっぱり不要だったということもあるため、詳細な不動産情報を確認する際にも使用します。

法人は使用するシーンが多い

登記事項証明書は個人で使用するだけではなく、法人で使用することもあります。登記事項証明書を使用するシーンは、むしろ法人のほうが多く、決算や取引先との契約などでも使用されます。土地や権利に関係することだけではなく、お金に関係することまで幅広く使用されるため、活用頻度も多いです。
法人登記はいわば法人の情報を開示するだけではなく、信用力を提示するものでもあるため、個人同様重要書類に変わりないことは理解しておきましょう。
{
・不動産売買で活用
・空き家情報の確認
・法人は活用頻度が高い
}

登記事項証明書に関する豆知識

登記事項証明書をさらに上手に活用するには、知っておきたい豆知識があります。細かい情報も知っておくことでより便利に使えるため、豆知識を頭に入れて、登記事項証明書を賢く活用しましょう。

誰でも取得できる

登記事項証明書は、不動産や金融関係の取引など、重要な取引、契約にも使用される法的な効力の高い書類です。しかし、重要書類でありながら誰でも取得が可能で、不動産の情報さえ持っているなら、家族、友人、知人に代理で発行してもらうこともできます。
また、情報さえあるなら、他人の不動産の情報でも確認でき、情報は全ての人に開示されています。もちろん、登記事項証明書を持っているからといって、その不動産の所有権や使用権を主張できるわけではありません。
登記事項証明書は、あくまで情報を記載した書類であり、本当に所有権を持つ人が使ってこそ、法的な効力を発揮します。他人が使っても効力を得られるわけではありませんが、取得自体は誰でも可能なことは覚えておきましょう。

ホチキス止めは外さないこと

登記事項証明書は、ホチキス止めをされて発行されることが多いです。この場合、ホチキス止めを外してバラバラにするのはNGであり、場合によっては効力を発揮しなくなる可能性もあるため、注意しなければなりません。
登記事項証明書は、発行されたそのままの状態であってこそ効力を発揮し、少しでも手を加えられると力を失ってしまいます。実際にはホチキス止めを外したからといって、全ての場合で再取得を求められるとは限りませんが、少なからず使えなくなる可能性があることは理解しておきましょう。

有効期限は基本的にはなし

登記事項証明書は、基本的には有効期限はないため、いつ発行したものでも使用できます。各種手続きや取引をスムーズに進めるなら、早いうちから取得しておくに越したことはなく、数カ月前から発行しても問題はありません。
公的な書類だと有効期限が定められている場合も多く、例えば住民票や印鑑証明書などは、発行から3カ月以内のものを求められることがほとんどです。しかし、登記事項証明書は3カ月以上経過していても問題はないため、必要になることが分かっているなら、早めから動いておくことが大切です。
もちろん、発行してから不動産登記の情報が更新された場合は、再度取得し直さなければなりません。有効期限はないものの、発行後に登記事項が更新されると、1日前に発行したものでも、効力を失うことは理解しておきましょう。
{
・誰でも取得可能
・ホチキス止めには注意
・有効期限なし
}

取得方法を知ってスムーズな不動産取引を

登記事項証明書は、主に不動産取引に使用される書類であり、購入から売却まで幅広いシーンで活用されます。また、不動産取引以外にも、金融関係の手続きや相続、法人業務などでも使用されるため、必要なシーンを覚えておくと便利です。
登記事項証明書に限らず、不動産取引では数多くの書類を必要とすることが多いです。取引の手続きだけでも煩雑で面倒であり、さらに書類集めまで考えると、非常に手間がかかります。不動産取引をスムーズに進めるためにも、可能なうちに取得しておき、少しずつ準備を始めておくことが大切です。


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