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不動産相続で支払う税金とは?計算方法と気をつけるポイント

  • 更新日:2023年8月2日
監修畑中 学
不動産に関わる相続や債務問題のトラブルシューティングを得意とし、その真摯な取り組みがNHK、読売新聞、日本経済新聞などで紹介されている。武蔵野不動産相談室株式会社代表取締役。
【保有資格】宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者
【URL】武蔵野不動相談室株式会社
不動産相続で支払う税金とは?計算方法と気をつけるポイント

不動産を相続することになった場合、どのような手続きを取ったらよいのでしょうか。

まずは、不動産の相続で支払う税金が2種類あることなど、基本的な情報を把握しておくことから始めるとよいです。

相続税の基礎知識について学んだら、相続税の計算の方法、気をつけるポイント、相続した現金を不動産にかえるメリットとデメリットなど、徐々に知識を増やしていきましょう。

相続税についての知識を深めておくことで、失敗することなくスムーズに手続きができます。

本記事でご紹介しているのは、一般的な税金の税金方法や手続きです。人によって税額その他が変わることがありますので、個別ケースのご相談は税理士または税務署にお尋ねください。
なお税理士法により、税務相談は税理士または税務職員等しか回答できません。

親から相続した不動産はすぐに売却するのがおすすめ!流れや税金の控除をわかりやすく解説

不動産の相続で支払う2種類の税金

建物や土地などの不動産を相続したときには、「登録免許税」と「相続税」の2種類の税金を支払う場合があります。

登録免許税とは

相続した不動産は所有者が変わることになります。義務ではありませんが、被相続人から相続人に名義変更をすることになります。これを「相続登記」といいます。

相続登記の申請時には登録免許税がかかります。

登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
計算に用いる固定資産税評価額は1,000円未満を切り捨てます。
登録免許税は、100円未満を切り捨てた金額を納付します。

固定資産評価額は、市区町村役場が3年に1度見直しをしながら決定しています。

役場で「固定資産評価証明書」を閲覧か取得して、確認しましょう。

▼登録免許税の納税方法

登録免許税は、原則的には現金納付ですが、収入印紙を貼り付けて納付することも認められています。

ただしオンライン申請の場合は、電子納付も対応しています。

現金で納付する場合、まずは近くの金融機関に行きましょう。
登録免許税納付用の納付書に必要事項を記入して窓口に提出し、登録免許税を支払います。手続きが済んだら領収証書が交付されるので、当該登記の申請書に貼り付けて登記所に提出して納付手続き完了です。

収入印紙で納付する場合は、法務局か郵便局、コンビニで買い求めます。
登録免許税納付用台紙に、収入印紙を貼り付けて提出して納税します。

収入印紙での納付は、登録免許税の額が30,000円以下の場合に可能とされていますが、実務上では超えていても収入印紙で納付するケースが多いです。
収入印紙での納付を希望する場合は
、法務局で事前にご確認ください。

相続税とは

故人の財産を、家族などが引き継ぐことを、遺産相続といいます。

相続する財産の総額が基礎控除額を超えた場合に、「相続税」が課されます。

基礎控除額について詳しくは、2章をご覧ください。

▼相続税の納税方法

相続税の納付は、原則として一括納付です。

相続税の場合、自分で税金を計算し、納付書を作成しなくてはなりません。

相続開始日から10カ月以内に、相続人自身が金融機関などで、作成した納付書で納付します。

また、平成29年からは「国税クレジットカード支払いサイト」でクレジットカード払いが可能になりました

カード払いのデメリットは、カード払い1回につき1,000万円未満と決まっていること、領収証が発行されないこと、利用限度額の範囲内しか納付できないこと、決済手数料がかかることなどとなっています。

インターネット環境があれば自宅からでも納付ができて便利です。

相続税の計算方法

相続税の計算は、以下の手順で行います。

  1. 相続税の基礎控除額を計算する
  2. 相続税の課税価格を計算する
  3. 税率をかけ合わせて相続税を計算する

順番に、詳しく見ていきましょう。

相続税の基礎控除額の計算方法

相続税の基礎控除額は、以下の計算式で算出できます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人の人数

例えば相続人が3人の場合は、3,000万円+600万円×3=4,800万円です。
この場合は、相続した財産の総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。

相続税の課税価格の計算方法

相続税を計算するには、まずは「課税遺産総額」を計算します。

課税遺産総額=正味の遺産額-基礎控除額

「正味の遺産額」とは、建物や土地などの不動産や、預貯金等のプラスの財産から、借入金や未払金等といった債務を差し引いたものです。

生命保険や死亡退職金には非課税枠があるため、非課税限度額を超えた分を正味の遺産額に加算します。

例えば、正味の遺産額が1億4,800万円、妻と子ども2人が相続する場合、課税遺産総額は以下のようになります。

課税遺産総額=正味の遺産額-基礎控除額
=1億4,800万円-(3,000万円+600万円×3)
=1億円
課税遺産総額が計算できたら、次は相続人それぞれの課税価格を求めます。
課税価格=課税遺産総額×法定相続分
法定相続分通りに計算する場合の割合は、以下の表をご参照ください。
相続人配偶者の法定相続分子どもの法定相続分
配偶者と子ども配偶者1/2子ども1/2(複数人いるときは配偶者以外の分を均等に分ける)
配偶者と直系尊属(父母や祖父母)配偶者2/3直系尊属1/3(複数人いるときは配偶者以外の分を均等に分ける)
配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4兄弟姉妹1/4(複数人いるときは配偶者以外の分を均等に分ける)
配偶者がいない子どもが全額相続(子ども2人の場合は1/2ずつ、3人の場合は1/3ずつ)
※子・孫がいない場合は父母・祖父母が相続

先程の例における妻と子ども2人の課税価格は、それぞれ以下のように計算できます。

妻の課税価格:1億円×1/2=5,000万円
子1人の課税価格:1億円×1/4=2,500万円

※法定相続分とは

民法上で、遺産の相続人になれる人のことを「法定相続人」といいます。遺言書がない場合は、法定相続人が遺産相続することになります。

法定相続分は、民法で定められている、法定相続人の遺産の取り分の割合です。

法定相続分は、公平に分け合う場合に用いられます。
ただし相続人同士で合意があれば、必ずしも法定相続分通りに相続する必要はありません。

基本的に、配偶者と第1順位の人が法定相続人になります

第1順位に当てはまる人が誰もいない場合は第2順位の人、第2順位がいない場合は第3順位の人が法定相続人となります。

  • 第1順位は子ども(子どもが亡くなっていたら孫、子どもと孫が亡くなっていたらひ孫)
  • 第2順位は亡くなった本人の父母(父母の両方が亡くなっていたら祖父母)
  • 第3順位は亡くなった本人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっていたら甥と姪)

相続税の計算方法

相続人それぞれの課税価格が求められたら、以下の計算式で相続税を計算します。

相続税=課税価格×税率-控除額

税率と控除額は、課税価格に応じて変動します。

以下は、課税価格に応じた税率と控除額の早見表です。

課税価格税率控除額
1,000万円以下10%0円
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

相続税が控除される場合とは

既定の条件を満たしている場合、相続税の課税価格や相続税額に控除を受けることができます。

  • 配偶者の税額の軽減
  • 未成年者の税額控除
  • 障害者の税額控除
  • 相次相続控除

適用できれば、税額を押さえられるため、各要件をチェックしましょう。

配偶者の税額の軽減

遺産分割や遺贈によって、実際に取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは、配偶者には相続税がかかりません

配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産をもとに計算します。

そのため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は、税額軽減の対象外です。

未成年者の税額控除

既定の条件を満たしている未成年者が相続人となった場合、相続税の額から一定の金額を差し引くことができます。

税額控除を受けられる未成年者の条件は、以下の内容が当てはまる人です。

  • 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がない人でも「日本国籍を有しており、かつ、その人が相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していた人」「日本国籍を有しており、かつ、造族開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人」「日本国籍を有していない人」であればよい。
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに18歳未満である人(※)
  • 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人

(※)令和4年3月31日以前の相続または遺贈については「20歳未満である人」が要件となります。

障害者の税額控除

既定の条件を満たしている85歳未満の障害者が相続人になった場合、相続税の額から一定の額が差し引かれます。

以下は、障害者控除が受けられる人の条件です。

  • 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人
  • 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人

相次相続控除

相続開始前10年以内に被相続人が相続、遺贈や相続時精算課税にかかる贈与により財産を取得して相続税が課されていた場合は「相次相続控除」が受けられるかもしれません。

被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税にかかる贈与により財産を取得した人の相続税額から、一定の額が控除されます。

相次相続控除の対象差は以下の条件に当てはまる人です。

  • 被相続人の相続人である人
  • 相続開始前10年以内に、開始した相続により被相続人が財産を取得している
  • 相続開始前10年以内に、開始した相続により取得した財産について、被相続人に対して相続税が課税されている

相続した不動産の評価額の計算方法

相続財産に不動産が含まれる場合は、どのように遺産総額を求めればよいでしょうか。

相続した不動産の評価額には、「相続税評価額」を適用します。

相続税評価額は、「相続税路線価」を用いて計算します。

相続税路線価とは、主要な市街地の道路(路線)の1㎡当たりの価額で、相続税を算定するための基準になるものです。

毎年1月1日時点の評価をもとに、公示価格の70~80%程度に評価が決定し、8月に国税庁が公表します。評価額は1,000円未満切り捨てです。

相続対象となる土地の評価額は、土地が面している道路の路線価の評価額に、土地の面積を掛けて算出します。2つ以上の道路に面していたり、土地が複雑な形をしている場合は、評価時に補正率を使って調整するのがルールです。

このように算出した土地の評価額が、相続税の課税対象となるのです。

相続税路線価は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」や「全国地価マップ」というサイトで確認できます。

相続税評価額とは?計算対象とその方法、節税のポイントや注意点を解説

不動産の相続で気をつけるポイント

不動産の相続で気をつけるポイントも把握しておくとよいです。

相続税の申告・納税には期限がある

相続税がかかる場合の納税と申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内という期限があるので気をつけましょう。

申告だけでなく、納税の期限も10カ月以内です。

なお、相続税がかからない場合は申告は不要となります。

遺産分割協議が期限内に成立していないため、3年以内の分割見込書を提出することになったとしても、一旦は期限内に申告・納税しなくてはなりません。

ただし、東日本大震災で被害を受けた方や新型コロナウイルス感染症で手続きができない方は、申告・納税の期限が延長や納税の猶予等を受けられる税制上の措置があります。詳細は税務署に確認しましょう

期限を過ぎたらペナルティがある

万が一、期限を過ぎてしまったら、「無申告加算税」というペナルティがあります。

延滞税の加算だけでなく、財産を差し押さえられてしまう可能性もあるので、期限は過ぎないように気をつけましょう。

差し押さえの対象は遺産だけでなく、相続人自身の財産も対象になってしまいます。

無申告加算税は、原則として、納付する税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を掛けて算出。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が5%の割合を掛けて算出した額に軽減されます。

ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期限になるものは、調査の事前通知後にした場合、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%の割合を掛けて算出することが可能です。

相続開始前3年以内の贈与等は相続税が課せられる

相続開始前3年以内の贈与や遺贈にも相続税が課せられます

この場合、亡くなる前の贈与なので贈与税だと思われがちですが、贈与されてから3年以内に亡くなった場合は、贈与税ではなく相続税が課せられるのです。

これは、相続税対策のための駆け込み贈与の対策として定められました。贈与税であれば、年間110万円以内の贈与の場合は非課税になりますが、相続開始前3年以内の贈与は相続税になるので関係ありません。

例え110万円以内の贈与であっても、相続開始前3年以内であれば、相続税の対象になります。ただし、非課税の財産もあるので、全ての贈与が相続税になるわけではないということも知っておきましょう。

相続税額が2割加算される場合がある

被相続人との関係により、相続税額が2割加算される場合があります。2割加算される人とは、「配偶者以外の人」及び「被相続人の一親等の血族(代襲相続人の孫である直系卑属を含む)以外の人」です。

逆に2割加算されない人は、被相続人と関係が深い「配偶者」及び「被相続人の一親等の血族(代襲相続人を含む)」ということになります。

もっと具体的に例を挙げると、2割加算される人は、兄弟姉妹、甥、姪、祖父母、代襲相続人ではない孫、被相続人の養子の孫(代襲相続人は除く)、遺贈をもらう友人など。2割加算されない人は、夫、妻、父母、子、代襲相続人の孫です。

代償分割の場合の課税方法

遺産分割に当たり、共同相続人等のうち1人または数人に相続財産を現物で取得させます。代償分割とは、その現物を取得した人が他の共同相続人等に対し、債務を負担することです。現物分割が困難な場合に行われます。

相続税の課税価格は以下のように算出することが可能です。

  • 代償財産を交付した人の課税価格は、「相続または遺贈で取得した現物の財産の価額-代償財産の価額」
  • 代償財産の交付を受けた人の課税価格は、「相続または遺贈で取得した現物の財産の価額+交付された代償財産の価額」

信頼できる不動産会社に不動産売却等の相談をする

不動産の相続税は、複雑なルールがたくさんあります。

なるべく自身で知識を深めておくことは大切ですが、信頼できる不動産会社を通じて、不動産売却の相談時に税理士を紹介してもらい相談をしたほうが安心です。

信頼できる不動産会社を探しているなら、なるべく複数の不動産会社に査定を依頼して比較をすることをおすすめします。

インターネットで無料で一括査定ができるサイトがあるので、簡単に複数の不動産会社の比較をすることが可能です。査定内容や実績などを比較し、信頼できる不動産会社を見つけて相談しましょう。

  • 申告・納税には期限がある
  • 期限過ぎたらペナルティ
  • 信頼できる不動産会社に相談

不動産売却にかかる税金とは?計算方法・支払時期・節税方法を詳しく解説

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不動産に関係する税金に関して自分自身で理解することは大切ですが、信頼できる不動産会社と一緒に税理士や税務署へ相談し回答を得られれば、より安心できます

不動産一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社の査定を比較することが出来て便利です。

査定内容を比較したり、過去の実績等を比較したりして、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

 

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