リノベーションとは修復、良くするといった意味があります。最近では中古住宅をリノベーションしてガラッと雰囲気を変えた住宅を多く見かけられますが、中古住宅を購入してリノベーションするにあたってメリットはありますが、デメリットもあります。メリットばかりではなくデメリットにも目を向けて慎重に考える必要はあるでしょう。
そこで今回は、中古住宅のリノベーションは実際どうなのか検討中の方のために詳しく解説していきます。住宅購入は決して安い買い物ではないので、慎重に決めていくためにもぜひ参考にしてみてください。
中古住宅をリノベーションするメリット
ここでは、中古住宅をリノベーションするメリットについて解説していきます。
低コストで物件購入ができる
物件というのは年月が経てば経つほど価値が下がっていくため、中古物件は土地柄にもよりますがかなり安く購入できることもあります。戸建ての場合だと新築から15年~20年で価値が下がっていくと言われ、それ以降は価格変動は安定します。つまり、築20年以上も経過している住宅ならほぼ土地代で購入できてしまうほどです。
諦めかけていた土地の選択肢に入れることが出来る
新築で建てるとなると人気のエリアの土地はなかなか手に入れることが出来ないなど、諦めないといけなかったということがありますが、中古物件をリノベーションする目的で中古物件を探すことになれば、たとえ諦めかけていたエリアの土地でも選択肢に加わることが出来るので視野に入れることができるのです。
自由度が高いリノベーションができる
リノベーションの良いところは自由度の高さです。柱や基礎などはそのままで、不要な壁を壊して広々とさせても良し、壁の色も好きな色に自由です。中古住宅の状態から後は好きなように自由なので、必ず気に入るリノベーション住宅になるでしょう。費用が嵩みますが外壁や屋根も塗り直してもOKです。
中古住宅をリノベーションするデメリット
続いては、良くない点を紹介していきます。良い点ばかりに目を向けず、良くない点も念頭に入れておきましょう。
耐震基準などを守るための補強費用がかかる場合もある
新築よりは費用は抑えられますが、例えば古い築年数の場合に耐震基準を守るために基礎工事を行なったり補強などするための費用がかかる場合があります。思っていたよりも高額費用となってしまうケースも考えられるでしょう。
新築と変わらないような費用になってしまうこともあるため、そうなると中古住宅を選んだ意味があまりなくなるということは覚えておきましょう。
実際に住むまでにそれなりの期間を要する
中古住宅のリノベーションとなると、まず設計から始めて実際に住み始めるまでに4カ月~6か月はかかるとされています。新築だと購入してから引き渡しまではそこまで時間はかかりません。
また、引き渡しまでの間は違う家で暮らすことになるので賃貸なら家賃もかかり、住宅ローンがあればローンも払うといった経済的に余裕が無ければ苦しい思いをしてしまう可能性があります。今すぐに引っ越しを考えている人には向いていないでしょう。
中古住宅の購入前チェックポイント
簡単に中古住宅の購入を決めないようにしましょう。購入前のチェックポイントを知り、クリアしているならば慎重に考えた上で踏み切っても良いでしょう。チェックポイントは以下の通りです。
- 住宅の構造を知っておく(場合によってはお好みの間取りにできない)
- 新耐震基準に沿っているか(沿っていなければ基準に合わせた工事が必要)
- 基礎や土台の状態は良好か(白アリ対策などの補修や駆除は費用がかかる)
- 欠陥住宅ではないか
- 違法建築ではないか(違法建築だとローンが通らない)
- 住宅の図面が必要(リノベーションするなら必ず必要)
- 家の外側の状態が良好か(悪ければ外壁や屋根なども補修は必要)
- 庭や外構スタイル
- 前住人のものがないかどうか(あれば処分)
大まかにまとめましたが、上記のポイントをチェックすると良いでしょう。特にリノベーションなので図面や構造のチェックは必要です。欠陥・違法建築でないかどうか、耐震基準に関しても重要な部分ですので忘れずにチェックしましょう。
リノベーションのことはリノベーション会社に相談しよう
チェックポイントを踏まえて、困ったことがあったり分からないことがあればリノベーション会社に相談してみましょう。リノベーションの知識に長けた専門業者なので分からないことは解決できるはずです。中古物件のリノベーションにはリスクもあります。そのリスクを避けるためには相談してみることで希望通りにリノベーションできるかどうかを知ることができるのです。
中古住宅をリノベーションした成功事例
続いては、中古住宅をリノベーションした2つの成功事例を紹介していきます。一例ではありますが、成功事例では空間をどのように作るのか、どのようなアイデアがあるのかを知ることができます。
1階部分を改修したことによって明るい空間を作ることが出来た
築16年~20年の戸建て住宅 | 全体価格2,750万円 | 3か月以上の工期 |
1つ目のこちらの事例では中古物件を全面改修し、家族のライフスタイルに合わせた間取りに変えています。リビングに面していた和室を壊してLDKが一体型となった空間スペースを作って階段や廊下をLDK内に入れることで、帰宅すると必ずリビングを通って各々の部屋に入るという流れにしています。自然と家族がコミュニケーション取れるような設計です。
水回りの設備や配置を見直して風通しの良い空間に出来た
築16年~20年の戸建て住宅 | 全体価格1,480万円 | 2か月の工期 |
築年数がかなり経過していたために水回りの老朽化が進んでいたので戸建て住宅を一新させました。一新していくと共には配置関係も見直し、薄暗い場所にあった洗面は明るい場所に移すなどをしています。窓を増やしたことで風通しの良い空間を演出しています。
中古住宅をリノベーションした失敗事例
自由度が高いリノベーションですが、成功事例もありながら反対に失敗事例も多くあります。失敗事例を踏まえてリノベーションをどうするか慎重に考えましょう。一例ではありますが失敗事例から学べることもあるので参考にしましょう。
予算ギリギリでリノベーションの予算が足りなくなった
中古住宅でリノベーションをと考えているならば、物件の購入費用だけではなくリノベーションの費用のことも考えて費用の工面をしないといけません。リノベーションのの費用もどこをリノベーションするのかによっても金額はさまざまですが、1,000万円は用意しておくと良いでしょう。
長期での住宅ローンが組めなかった
金融機関にもよるのですが、築年数が古いマンションの場合だと担保価値が認められずに住宅ローンを長期で組むことができないということがあります。ローンの借り入れ期間が短くなればその分月々の返済額に響きます。金融機関を相談し、住宅ローンはどうなるのか確認しましょう。
・アイデアを得られる
・リノベ予算も考えておく
・ローンが組めない可能性
まとめ
リノベーションをすることで中古住宅は綺麗に新しく生まれ変わります。リノベーションは自由度が高いため好きなように変えていくことができるのがメリットの1つ。しかし、リノベーションされた中古住宅を仮に売りに出した時、確実に売れるかどうかは分かりません。
もしかしたら売れずに残ってしまう可能性もあるのです。リノベーションは家主の好みが反映されるので、買い手からしたら好みではないことも有り得ます。
中古住宅をリノベーションしようと決断してしまう前に、必ず不動産会社に相談してみましょう。そして、買い手がどのような気持ちで購入をしようとするのかも考えて行動しましょう。