「中古マンションはどんな流れで売却するの?」
「費用はどれくらいかかるの?」
中古マンションの売却を検討している方で、このような疑問や不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
中古マンションは以下の流れで売却します。
不動産会社に査定依頼する
媒介契約を結ぶ
売り出し開始
内覧対応
売買契約を結ぶ
決済・引渡し
確定申告
ほかにも、かかる費用や売却時の注意点なども詳しく解説します。
売却についてお悩みの方はぜひ参考にご覧ください。
中古マンション売却の流れ
中古マンションを売却する基本的な流れは次のとおりです。
ステップ | かかる期間 | |
---|---|---|
売り出し前 | ①査定依頼 | 1週間程度 |
②媒介契約の締結 | 1~3日 | |
売り出し中 | ③売り出し開始 | 1カ月~ |
④内覧対応 | 都度対応 | |
⑤売買契約の締結 | 1週間程度 | |
契約後 | ⑥引渡し | 2週間~ |
⑦確定申告 | 2週間~ |
売り出し前から後まで大きく7つのSTEPで進めていきます。
特に③は、売り出し開始から成約まで半年、遅いと1年以上かかる場合もあります。
不動産会社に依頼したからといって必ず売れるとは限らないため、余裕をもった計画を立てましょう。
中古マンション売却にかかる費用
中古マンションの売却には費用がかかり、売却価格から各種費用を差し引いて、実際の利益を判断しなければなりません。
中古マンション売却で発生する費用は、マンション売却金の5%程かかると言われています。
ただし、費用は絶対に必要なものから、場合によっては必要ないものまであるので、何に対してどのようなコストが発生するのかを知りましょう。
仲介手数料
仲介手数料は、マンションの売却が成功した際に不動産会社に支払います。
仲介手数料がいくらかかるかは、下のフォームからシミュレーションできます。
仲介手数料は法律で上限が決められており、以下のように金額に応じて制限が異なります。
売買価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の場合 | (売却価格×5%+6万円)+消費税10% |
200万円を超え400万円以下の場合 | (売却価格×4%+6万円)+消費税10% |
400万円を超える場合 | (売却価格×3%+6万円)+消費税10% |
例えば、マンションの売却価格が4000万円だった場合の仲介手数料の上限は以下の計算となります。
(4000万円×3%(税率)+6万円)+9.6万円(消費税)=135.6万円
仲介手数料は下限の設定はないため、不動産会社によって、上限の範囲内でいくらに設定しているかは異なります。
場合によっては、格安や無料で請け負うこともありますが、別途費用を請求されることや、営業力に問題があることも多いため、注意しなければなりません。
また、仲介手数料には消費税がかかることも、覚えておきましょう。
マンション売却の手数料はいくら?その他の費用・税金も分かりやすく解説!
マンション売却の手数料の計算方法を解説!いくらかかるかシミュレーションしよう
譲渡所得税
マンションを売却して利益が出ると、その利益(=譲渡所得)に対して譲渡所得税がかかります。
ただし、マンションの購入価格より売却価格が安くなるなどマンション売却によって利益が出なかった場合には支払う必要がありません。
譲渡所得税がかかる場合、税率はマンションの所有期間によって変わります。
長期譲渡所得(5年以上) | 短期譲渡所得(5年以下) | |
---|---|---|
所得税 | 15% | 30% |
住民税 | 5% | 9% |
※税制度は年単位で変更されることがありますので、必ず税理などの専門家にご確認ください。
保有期間は不動産を購入してから、何回1月1日を迎えたかで決まります。
保有期間の違いによって税率は大きく異なるため、5年ぎりぎりでの売却なら、長期譲渡所得になるまで待ったほうが良いでしょう。
特別控除を使うと譲渡所得税が節約できる
譲渡所得税がかかる場合、控除を使うことで節税することもできます。
代表的な特別控除は「3,000万円特別控除」という制度です。要件を満たしていれば、売却時に得た金額から3,000万円分利益を控除することが可能です。
例えば、各種費用を差し引いて譲渡所得が2,000万円だった場合、2,000万円に対して保有年数に応じた税率をかけた値が課税額です。
しかし、特別控除を使った場合、さらに3,000万円が控除されるため、譲渡所得はなしと判断され、課税対象にはなりません。(個々の条件により異なります)
中古マンションの売却では、譲渡所得が3,000万円を超えるケースはほとんどないため、特別控除を使用すると、かなりの確率で税負担をなくせるでしょう。
確定申告を忘れない
マンションを売却した場合、利益の有無に関係なく、翌年に確定申告が必要です。
利益が出ているのに確定申告をしていないと、追徴課税でペナルティが課せられる可能性があります。
また売却で損をした場合でも、確定申告をすることで、払い過ぎた税金が回収できる場合があります。
確定申告は、定年、2月の16日から3月15日(土日の重なりによって若干変動する)となっていますので、きちんと手続きを済ませましょう。
マンション売却における確定申告の基礎知識を徹底解説!不要なケースや必要書類など
印紙税
印紙税は売買契約書に貼り付ける印紙の代金で、これは必須の費用です。売却価格によって印紙の費用は異なりますが、売却価格が高いほど、印紙代も高くなると考えましょう。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
10万円を超え 50万円以下 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下 | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 5千円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 6万円 |
登録免許税
登録免許税は、不動産登記を行う際の税金です。売却金額によって異なります。
登記登録は、自身で行うことも可能ですが、司法書士に頼むのが一般的です。
司法書士への報酬
抵当権付きの中古マンションを売却する場合には、引き渡しまでに抵当権抹消登録が必要です。
抹消登録は司法書士に依頼する方がほとんどで、この報酬は売主が負担しなければなりません。
不動産会社と提携している司法書士は多いため、それを利用すると便利でしょう。ただし、抵当権がない物件の場合は、抹消登録は不要のため、その分の司法書士への報酬も必要ありません。
その他中古マンション売却で発生する費用について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンション買い替えにかかる税金・特例から確定申告まで徹底解説!
中古マンション売却時の6つの注意点
中古マンションを売却する際に気をつけたい6つの注意点を解説します。
売却を成功させるためにもしっかりと抑えておきましょう。
- 相場を調べる
- 書類を揃える
- スケジュールに余裕をもつ
- 売り時を見極める
- リフォーム
- 内覧
①マンションの売却相場を事前に調べておく
中古マンションの売却を上手く行うためには、売却相場を調べておきましょう。
以下のフォームで、あなたのマンションのおおよその売却相場を簡単に調べられます。
②必要書類は早めに揃える
中古マンション売却には様々な書類が必要です。
中には、市役所などに取りに行かなければいけないものもあるため、早めに取り揃えるようにしましょう。
中古マンション売却に必要な書類は、以下のようなものがあります。
|
これらは売却時に必須であるため、あらかじめ用意しておきましょう。
状況に応じて、別途必要な書類が増えることもありますが、まずは上記の書類があれば問題ありません。
また、印鑑証明書に限っては、発行から3カ月以内という期限があるため、注意が必要です。
その他の書類は有効期限がないので、仲介会社と媒介契約を結んだ段階で揃えておくようにしましょう。
不動産売却に必要な書類はこれで全部!重要度や入手方法などわかりやすく解説
③スケジュールに余裕を持つ
中古マンションに限らず、不動産の売却には時間がかかるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。
不動産の中でもマンションは比較的売却しやすいですが、それでも3カ月以上かかるのが一般的です。
三井住友トラスト不動産のデータ(2020年3月)によると売却期間の平均は、首都圏では3.7ヶ月・大阪では3.4ヶ月・中部圏では3.4ヶ月となっています。
査定から媒介契約の締結だけで1カ月、そこからスムーズに買主が見つかり売買契約を結んでも、決済までに2カ月前後はかかります。
最低で3カ月のため、各種手続きの状況次第では、半年や1年はかかることを理解しておきましょう。
④売り時を見極める
中古マンションを上手に売るためには、売り時の見極めが重要です。
住宅の需要は、1年のうちでも時期によって変化し、最も需要が高まりやすいのは、3、9、10月などです。
下の図は、首都圏の中古マンションの月ごとの成約件数です。
※レインズマーケットインフォメーションのデータをもとに作成
これは、進学や異動が多い4月や転勤がある10月を目前に控えているためで、この時期から逆算して売りに出すと、好条件な買主を見つけやすいでしょう。
マンション売却は最短でも3カ月のため、さらに余裕を持って、半年程度前から売りに出すことが大切です。
⑤売却前のリフォームはしなくてもよい
中古マンションは、部屋の状態が良いほど好条件で売却しやすいですが、売却前のリフォームには注意が必要です。
リフォームできれいな状態になっていれば査定額はプラスになりますが、金額の上昇は基本的にわずかほどしか期待できません。
リフォームのコスト分のプラスが見込めず、実質的には損をする可能性もあります。
また、前述のとおり、個性的なリフォームをすると万人受けしない部屋となる可能性があるため、かえって売りにくくなる場合があります。
基本的には売却前のリフォームはせずに、手を加える場合でも簡単かつ費用のかからないものに限定しましょう。
⑥内覧の対応も重要
購入希望者が現れた場合、内覧で実際に物件を確認してもらいますが、この際の対応にも注意が必要です。
内覧では、ただ自由に見回ってもらうだけではなく「物件の魅力」をしっかりアピールすることが大切です。
水回りや玄関が汚れていると第一印象が悪くなってしまうため、内覧前には必ず掃除をしておきましょう。
掃除が苦手な人は、ハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。
特に「浴室」「トイレ」「キッチン」などの水まわりが汚いと古さが出てしまうため、魅力を感じてもらえません。
なお、ハウスクリーニングの相場は以下のとおりです。
箇所 | 費用相場 |
---|---|
費用は数万円程度かかりますが、高くに売却するための「投資」だと思えば依頼する価値はあるでしょう。
また、何らかの瑕疵がある場合は、それも含めて説明しましょう。
告知していない瑕疵が後から見つかると、トラブルに発展する可能性があるため、物件の情報は細かく開示することが大切です。
中古マンション売却で実際にあった失敗談5選
中古マンションを実際に売却した方の失敗談を5つ紹介します。
どのような点が失敗と感じたのか参考にしてみましょう。
失敗談①:担当者のやる気を感じられなかった
知り合いから紹介されて売却を依頼したが、結果的には失敗だった。
対応が遅く、連絡もくれないためどんな客づけをしてくれているのか全く分からなかった。
こちらから月一で状況確認していたが、やる気を感じられなかった。すぐに売れると言われたため安心していたが、実際に売れたのは依頼してから10ヶ月後だったため。
家主の焦る気持ちに寄り添ってくれず、やる気の無さが明らかだったため二度と関わりたくないと感じています。
この方は、担当者の対応の悪さによって売却が失敗だったと感じています。
特に、連絡の遅さや積極的な報告がない点に不満を抱いており、自分から聞かなければ答えてくれなかったようです。
不動産売却は売主と不動産会社のコミュニケーションは必須であり、頻繁に連絡を取り合うことで状況も明確に把握できます。
不動産会社へ依頼する際は、企業だけでなく担当者の質にも着目するとよいでしょう。
福岡県北九州市小倉北区 / 30代 / 不要物件の処分 / マンション / 築41年~45年 / 1DK
査定額200万円→売却価格45万円
不動産会社 | 株式会社タウンワークスなし(担当者:非公開) |
---|---|
不動産会社の決め手 | 信頼できる担当者だった |
担当者の特徴 | 該当なし |
満足度 | 1 |
失敗談②:大手なのに信頼できなかった
最初の依頼から数年はかかった 本当に早く売却したかったから減額して複数社に依頼したが、それでも1年以上かかった しかも相場より減額してやっと売却できた。
あまりやる気が感じられない 大手なのにダラダラしてる 率先して動こうとしない 他の知り合いに聞いても同じ意見だった 信頼出来る不動産屋ではなかった
この方は、依頼先の大手不動産会社に対して不満を抱いているようです。
不動産会社は大手であれば実績や売買のノウハウもあるため、信用しやすい特徴があります。
しかし、実際に取引するのは担当者であり、担当者の質が低ければ満足できる取引はできないでしょう。
また、大手企業だからといって担当者も優秀とは限らないため、「大手だから安心」と思わない方がよいです。
実際に会話してみて、言動や態度などを見てから依頼するかどうかを判断するとよいでしょう。
茨城県水戸市 / 40代 / 不要物件の処分 / マンション / 築16年~20年 / 2LDK
査定額2,100万円→売却価格1,900万円
不動産会社 | 香陵住販株式会社 県庁南大通り支店(担当者:忘れた) |
---|---|
不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 該当なし |
満足度 | 1 |
失敗談③:売却するのに2年かかった
もともとの取り扱いの関連会社であり、販売実績があった。
ただし、紹介は自社中心で、他の不動産屋を断っているときがあった。
はやく売りたかったが、販売活動に2年かかった。
2年かかったため、満足度は低い。 一社で専属媒介をすることはすすめない。
かなり自社の利益を重視し、あまり売主の立場にたった対応はしてくれない。販売担当者の対応が悪かった。
なかなかしんらいできなかったため、一般媒介に切り替えて、活動を行った。
不動産屋さんは専属媒介をすすめるが 一般媒介のがメリットが大きいと思う。
この方は、不動産会社から囲い込みをされたことに不満を抱いているようです。
囲い込みとは、自社で取引するために他社からの買主紹介を断ることをいいます。
自社で買主を見つけられれば売主と買主の双方から仲介手数料を受け取れるため、このような手法を行う企業が存在します。
しかし、せっかくの買主紹介を意図的に断るため、自社で買主が見つかるまでは取引できなくなってしまいます。
その結果として売却の長期化につながり、不動産業界内でも問題視されています。
囲い込みを避けるためには「一般媒介契約」で契約するのがおすすめですので、媒介契約時は検討してみましょう。
愛知県名古屋市南区 / 30代 / 転勤 / マンション / 築1年~5年 / 3LDK
査定額4,100万円→売却価格3,980万円
不動産会社 | 株式会社大京穴吹不動産(担当者:伊藤) |
---|---|
不動産会社の決め手 | 売却実績が豊富だった |
担当者の特徴 | 該当なし |
満足度 | 1 |
失敗談④:契約前と後で態度が変わった
契約前は情熱的で何でも相談に乗ってくれたが、契約後はドライ。
こちらの要望には行動してくれないし、前項の事もあり、クレームいれたら担当が変わった。
変更後はなんとかまとまったが契約前より大分下がった。
この方は、契約前と後での担当者の対応の違いに不満を抱いているようです。
担当者としては、成約して仲介手数料を受け取れば自分の利益となるため、契約前だけ熱心に対応する人もいます。
ただし、どの担当者もそうとは限らないため、依頼する前に担当者の質にも意識を向けておくとよいでしょう。
埼玉県川口市 / 40代 / 不要物件の処分 / マンション / 築6年~10年 / 1R
査定額2,200万円→売却価格1,780万円
不動産会社 | リヴァイアンスわからない(担当者:八木橋、中村) |
---|---|
不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 積極的に販売活動を実施 |
満足度 | 1 |
失敗談⑤:不動産会社全体に不満を感じた
不満。対応が不十分。 売却という事業を自分事のように考え、真摯に向き合う姿勢が足りない。
通り一遍な回答、フォーマット化された営業体制に残念。全く満足していない。
結局、査定は客寄せのオトリ額。不動産事業社の体質改善を求む。
不動産業の思考性は昭和のままという認識に気がつかされた。確認事項の即レスは無く、ストレスを感じるやり取りです。
営業日以外に回答が届かないのは理解しがたい。顧客優先度が足りない事業社のように感じる。
この方は、依頼先の不動産会社全体に対して不満を抱いているようです。
不動産会社は今やコンビニより多くあるため、実績や質も異なります。
なかには真摯に対応してくれなかったり適当な回答をしてきたりする企業も存在します。
このような事態を回避するためにも複数の不動産会社へ依頼し、それぞれの対応を比較してみるとよいでしょう。
福岡県福岡市博多区 / 50代 / その他 / マンション / 築10年~15年 / 1R
査定額1,380万円→売却価格1,200万円
不動産会社 | 不動産福岡(担当者:名を伏せます) |
---|---|
不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 該当なし |
満足度 | 1 |
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まとめ
中古マンションを売る流れや費用、注意点などを解説しました。
中古マンションを売る際は、さまざまな費用がかかり、理解しておかないとトラブルに発展する可能性があります。
また、必要書類の準備やスケジュールの立て方などにも注意が必要です。
中古マンション売却が初めての方は、この記事を参考に売却活動を進めてみましょう。
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