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譲渡所得の特別控除とは何か|不動産譲渡における特別控除の例

  • 更新日:2024年1月17日
譲渡所得の特別控除とは何か|不動産譲渡における特別控除の例

高額な資産を譲渡する場合、その対価として得られた収入には所得税がかかります。しかし不動産となると、その譲渡する理由も様々で、地域に与える影響や、社会の要請によるものもあります。そんな場合、他の一般的な譲渡とは性質が異なるため、譲渡して得た収入から一定の金額を控除する制度があります。

ここではそんな譲渡所得における特別控除について詳しく見ていきます。譲渡する理由や要件によって様々なものがありますから、詳しく知り賢く活用したいものです。

1. 譲渡所得とはなにか

「年間収入」とは1年間に手にするお金のこと。個人事業主であれば売上、会社員であれば給料を指します。よく混同されますが「所得」は収入とは全く違います。

所得とは、収入から「必要経費」を差し引いた残りの金額をいいます。その中の「譲渡所得」は、不動産などの資産(建物や土地など目に見えるものだけでなくゴルフ会員権などの権利も含む)の譲渡による所得をいいます。ただし、事業用の商品などの棚卸し資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはなりません。譲渡所得は、以下のような計算式で表されます。

課税譲渡所得金額=収入金額+(取得費+譲渡費用)ー特別控除額

譲渡所得を正しく知るために、各要素について詳しく見てみましょう。

1.1 収入金額

収入金額とは「譲渡価額」ともいい、資産を譲渡したことによって買い手から受け取る金銭の金額を言います。土地や建物など不動産の場合は売却代金、土地や建物を現物出資して株式を受け取った場合のように、金銭以外のものや権利で受け取った場合はそのものや権利の時価が収入金額となります。

1.2 取得費

取得費には、売却した資産の購入代金はもちろん、建物なら建築にかかった費用や購入手数料、設備費や改良費なども含まれます。ただし、建物の取得費の場合、購入代金または建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額が取得費になります。

それ以外にも、不動産の場合は購入・贈与・相続した時に収めた登録免許税や登記費用、不動産取得税などの税金や、賃貸物件の場合は借主を立ち退かせるために支払った立退料、土地の埋め立てや土盛り・地ならしをするための造成費用なども含まれます。

1.3 譲渡費用

取得費が「手に入れるためにかかった費用」と考えると、譲渡費用は「譲り渡すための費用」です。

●      土地や建物を売るために支払った仲介手数料

●      印紙税で売主が負担した金額

●      賃貸物件を売るため借主に立ち退いてもらう時に支払う立退料

●      土地などを売るために建物を取り壊した時の費用とその建物の損失額

●      すでに売買契約を締結している資産をより有利な条件で売るために支払った違約金

●      借地権を売る時に地主の承諾をもらうために支払った名義書換え料など

ここからもわかるように、譲渡費用には譲渡に直接かかる費用のほとんどを指します。そのため修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかる費用や売却代金の土地にかかる費用は含まれません。

1.4 特別控除額

特に土地や建物を譲渡した場合は、その状況に応じて一定の要件を満たすことを条件にさらに所得を減額できる特別控除額が適用されることがあります。要件に応じて控除される金額に上限が設けられており、複数の要件が適用される場合はその順序も定められています。

・譲渡所得は収入引く費用

・取得費用と譲渡費用

・要件に応じて特別控除も

2. 譲渡所得の特別控除とは

不動産を売却した場合に得られる譲渡所得は、要件に応じて「特定として」特別控除を受けられる場合があります。どれも1,000万円から5,000万円という高額な控除ですから、よく調べて適用かどうかを確認しておきましょう。

2.1 制度の概要

譲渡所得の特別控除は、譲渡の種類によって6つの特例が設けられています。

公共事業などのために土地建物を売った場合の特別控除

土地収用法やその他の法律で収用権が認められている公共事業のために土地建物を売った場合は、収用などの課税のうち2種類の特例のうちどちらか1つをを受けることができます。

1つは、収用等に伴い代替資産を取得した場合、特例を受けると売却金額より代替資産の金額が多ければ所得税の課税が将来に繰り延べられ当年には譲渡所得がなかったものとされ、少なければその差額を収入金額として譲渡所得とされます。

もう1つは、譲渡所得から最高五千万円までの特別控除を差し引かれるものです。どちらも個別に細かく要件が設けられているので、確認が必要です。

マイホーム(居住用財産)を売った場合の特別控除

居住用財産、いわゆる「マイホーム」を売却した時は、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例です。この特例は最も適用が多いと考えられるため、別項目としてより詳しく見ていくことにします。

特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の特別控除

特定土地区画整理事業とは、国土交通省の市街地のまちづくり活性事業の1つです。国の施策の1つですから、それにまつわる土地の売却についての優遇措置として設けられたのがこの特別控除です。適用を受けられれば譲渡所得から最高で2,000万円の控除ができます。

特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の特別控除

これは地方公共団体の事業の用地や収用の代償地として買い取られる場合など、一定の買い取りパターンで土地を譲渡する場合、譲渡所得から最大1,500万円を控除する特例です。ただし、特例居住用財産の買換え・交換の特例、特定事業用資産の買換え・交換の特例等所定の特例を受ける場合は適用できません。

平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の特別控除

この特例は、平成21年・22年に取得した国内の土地を、それぞれ平成27年・28年以降に譲渡した場合に譲渡所得から一千万円を控除できるものです。譲渡所得金額が一千万円に満たない場合はその譲渡所得の金額が控除額となります。

農地保有の合理化などのために土地を売った場合の特別控除

個人または農業生産法人が農地を売却して譲渡益が発生すると、その譲渡益に対して所得税または法人税がかかりますが、農業委員会の斡旋などにより農地を地域の担い手に売却した場合は、その譲渡益から800万円が控除されます。

2.2 特別控除についての注意事項

特別控除には様々な種類があり、控除額にも限度額が設けられています。特殊な要件を含みこのいくつかの控除を同時に受けられる場合は、それぞれの控除の限度額を控除できますが、一定の順序で適用され、控除額の合計は5,000万円までとされています。

またそれぞれの特別控除には、さらに細かい要件が設けられています。詳細を確認して適用されるかどうかを判断しなくてはなりません。

・不動産譲渡独特の特別控除

・売却理由を考慮して優遇

・細かな要件を確認する

3. マイホーム(居住用財産)売却の特別控除

譲渡所得の特別控除の中で、おそらく最も多いのがこのマイホーム(居住用財産)売却に関する特別控除ではないでしょうか。これは建物が建っている土地の固定資産税の軽減措置と同様、昨今の「空き家問題」、「中古住宅市場の活性化」を目的とした施策の1つで、一定の条件を満たしていれば、譲渡所得から3,000万円が控除されます。

3.1 特例を受けるための適用要件

この特別控除の特例を受けるための要件は以下の通りです。

●      自分が住んでいる住居を売却するか、住居とともにその敷地や借地権を売却すること

●      空き家の場合は空き家となった日から3年を経過する日の含まれる年の12月31日までに売却すること

●      売却した年の前年または前々年にこの特例またはマイホームの譲渡損失について位の損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと

●      売却した年およびその前年・前々年にマイホームの買い替えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと

●      売却した住居・敷地について、他の特例の適用を受けていないこと

●      災害によって滅失した住宅の場合や、敷地に済まなくなった日から三年を経過する日を含む年の12月31日までに売却すること

●      売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと

ここからわかるのは、あくまで「住んでいた実態がある」、「長期にわたって空き家としないこと」とされていることから他の用途などへの悪用や「空き家としないため」であることです。そのため、この特例には「適用除外」する場合が明記されています。

3.2 適用除外される場合

この特例の適用から除外される場合は以下のようになっています。

●      この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる場合

●      居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる場合

●      別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する場合

居住用であること、居住の実態があることが明確に記されています。例えば、老人ホーム入所中に亡くなった方の住居を売却する場合は、入所期間が長期であれば生活の拠点がすでに老人ホームとなっていますからこの特例を受けることができません。「生活の実態がなくなる」ことを基準に、早めに対応・検討した方が良いかもしれません。

3.3 適用を受けるための手続き

この特例を受けるためには、確定申告の際「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)土地・建物用」を添えて提出しなくてはなりません。また、売却する住居の契約前日に、すでに売り手がその住居に住んでいない場合は、間違いなくその住居に住んでいたことを示す書類も必要です。具体的には戸籍の附票の写しや消除された戸籍の附票の写しなどになります。

・生活実態がある住居が対象

・控除額は3,000万円

・確定申告時に書類を提出

みんなの不動産売却体験談

male

大阪府八尾市 / 30代

査定価格2,800万円売却価格2,750万円

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何社かに依頼して一番査定額が高かったし、担当してくれた人が気さくで喋りやすかったし、いろんな事を提案して頂いたりしたから決めた。大手やったから安心した。
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京都府京都市右京区 / 40代

査定価格2,490万円売却価格2,290万円

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female

東京都調布市 / 40代

査定価格2,500万円売却価格2,500万円

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査定価格2,500万円売却価格2,450万円

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4. 長期に空き家となる前に売却する

この「マイホーム売却の特別控除」は、明らかに「空き家対策」を狙っています。空き家は増加を続けており、放置されれば不法占拠や犯罪の温床、また放火や一部の損壊のより周囲の住居への被害など悪影響が大きく、近年特に問題視されています。空き家の管理について所有者の責任を従来より重くするといった法改正もあり、国も空き家問題の解決に本腰を入れ始めています。

4.1 空き家となる住居の多くは「相続物件」

しかし、土地を含め不動産は本来放置するような資産ではありません。人間にとって住居は、文字通り「拠り所」であり生活の基盤です。ではなぜそのような重要な資産が空き家のまま放置されるのでしょうか。

今空き家となっているのは、多くが「相続」されたものです。築年数の古い住居であるほど、以前住んでいた人が亡くなり、相続すべき親族は他の場所、場合によっては遠方にすでに住居があり、法的な制度としてその家屋を相続することになります。遠方であれば管理も行き届かなくなりがちですし、管理会社に管理を委託すれば少なからず費用もかかります。売却しようにもこの地域に来ること自体難しい場合もあります。

法的な権利として「不動産を相続した」とはいうものの、相続後に所有し続けるのは簡単ではありません。万全な管理のもとで所有し続けられる人は決して多くないのです。

4.2 築年数が古くても建物があれば税金が安くなる

では、建物を解体して更地にすれば良いと思うかもしれません。しかし、不動産とりわけ土地には固定資産税がかかり、固定資産税は「建物が建っていれば土地の固定資産税が六分の一になる」という制度があります。そのためたとえ「住めなくても」建物を解体できない場合があるのです。

ただ、現在は建物の状態によってはその軽減措置が適用されない場合があります。一定の管理状態を審査されるため、今はまだ適用を除外されていなくても、いつそうなるかわかりません。そうなる前に売却する方が賢明です。買い手もそれを知っていて求めている場合もあります。売買の状況に詳しい不動産業者と相談することをおすすめします。

・空き家が問題視されている

・相続物件に空き家が多い

・空家は早期売却がおすすめ

5. 譲渡所得の特別控除は適用要件を確認する

仕事上で仕方なく転勤したり、家族の事情によって住居を変わらなくてはならなくなることがありますが、住み慣れた家を離れるという気持ちの上だけでなく、家を売るということ自体が大仕事であるだけでなく、経済的に追い詰められてしまうこともあり得ます。多くの世帯では、持ち家から転居することはあまり考えられないでしょう。

しかしどうしても住居を売却しなくてはならなくなったら、できるだけ早くに対処する必要があります。生活の実態があった住居については譲渡所得の特別控除が適用されますが、長く空き家にしておくと適用されないだけでなく元の家の管理費用も重なりより経済的に苦しい状況になってしまうからです。

この「早めの対処」も特別控除の適用要件の1つです。このように特別控除の特例には細かに適用要件が定められており、一般で詳しく知る人はおそらくないでしょう。できる限り早くに不動産業者などに相談し、特別控除の適用を含めて具体的な売却額、売却費用について検討することをおすすめします。

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