金利は1%を切っており、また2016年から日本銀行がマイナス金利を始め、その状況は今もなお続いています。そのため超低金利の今が住宅ローンを借り換えるチャンスともいわれていますが、新しく入るには審査に通らなければなりません。その条件は金融機関によって違ってくるので、ここでは住宅ローンの選ぶポイントやおすすめランキングを掲載します。
1.住宅ローンを借り換える前に
借り換えた後に残高1,000万円以上、金利差1%以上、そして返済の残り期間10年以上の条件がそろっていれば借り換えるべきです。しかし中には料金が以前より増えて大損してしまうケースもあります。甘い言葉に惑わさないよう、借り換えファイナンシャルプランナーに無料診断しましょう。そのかわり新しいローンに入るには、今借りている住宅ローンを完済しなければなりません。両方のローンを完済できる保障を見立て、余裕をもって借り換えをしましょう。
2.住宅ローンを選ぶポイント
ローンを借り換えると言ってもたくさんあります。膨大な数の中から一点を絞るための3つのポイントについて解説します。
今よりお得なローンを選ぶ
借り換えにおいて注目することは、返済期間を短くするか、返済金額を減らすかの二択です。今の金額のまま返済できるなら期間をより短縮するローンを、期間を変えるつもりがないなら金額を減らすローンを重視していけば、どのローンがお得なのかおのずと見えてくるでしょう。
金利以外にかかる諸費用を知る
住宅ローンを借り換えるには、ローンだけでなく他にもかかる諸費用も支払わなければなりません。それは借り換え前後に共通しますが、支払う費用は金融機関によって違ってきます。詳しい諸費用については後程掲載しますが、こちらを比較対象で選ぶこともできますので、借り換え先にかかる費用をよく確認しておきましょう。
疾病保障やATM手数料等の付帯サービスも見ておく
住宅ローンには金利だけでなく付帯されているお得なサービスや特約もあります。返済途中に病気や事故に遭ってもスムーズに返済できるよう説明します。
疾病保障
借り換え主が指定された病気になってしまったときに住宅ローンの残っている分、もしくは保険金が支払われます。保障される内容や金額は金融機関によって異なり、条件も診断されたときや入院したとき、あるいは仕事が続けられなくなったときかでまた変わってきます。
団体信用生命保険
契約者が返済し終わる前に死亡してしまったとき、残りのローンが保険金で支払われ、残された遺族はそのまま住み続けることができます。他にも重度の障害を患ったり余命が6ヶ月以内と宣告されたりした場合でも適用されるケースがあります。
ワイド団信
糖尿病、高血圧症、肝機能障害などの生活習慣病にかかってしまっても団体信用生命保険の対象に該当されなかったときに異様出来る保険です。内容は同じく返済し終える前に契約者が亡くなっても保険金で賄うことができます。
他にもさまざまな判断基準はありますが、「変えておけばよかった」もしくは「変えるんじゃなかった」と後悔しないためにも判断を見誤らないようにしましょう。
・ローン以外の諸費用を比較
・特約とサービスを比較
3.住宅ローンの借り換えにかかる諸費用
前述の通り借り換えにはさまざまな費用が必要となります。ここでは主にかかる費用について公開します。
借り換える前の諸費用
- 繰り上げ返済手数料
期間内に一括返済する際に発生する手数料ですが、金融機関によって無料の場合もあるので事前に確認しておきましょう。 - 経過利息
ローンを一括返却するときに買い手が売り手に支払う利息のことです。その計算方法は直前の返済日以降から繰り上げ返済日までの日数×返済元本×金利で算出できます。 - 抵当権抹消登記費用
ローンを返済した後に抵当権を抹消しないと前の家を払い続けてしまうので、手続きをしましょう。家や土地1件につきそれぞれ1,000円です。 - 司法書士報酬
抵当権抹消は司法書士に依頼するのが一般的です。報酬は数万円程度かかりますが、銀行指定だと10万円かかることもあります。
借り換えた後の諸費用
- 融資(事務)手数料
金融機関に支払う手数料です。定率型と定額型の2種類があり、定率型は借入金額に対する一定の割合を手数料として支払うタイプで、定額型は予め手数料が一定の金額で指定されているタイプです。定率型は借入金額が少ないと手数料がその分少なくなりますが、定額型は数万円かかると言われており、定率型に比べると0.1~0.3%割合が高くなっています。 - 保証料
ローンが支払えなくなったとき保証会社に保証料を支払うことで、代用でローンを支払ってもらいます。 - 印紙代
住宅ローンに加入するときに契約書にかかる税金のことです。借入額が多いほど印紙代も多くなってきますが、ネットで契約を行う際は印紙税はあまりかかりません。 - 団体信用生命保険料
上記にもある通り、住宅ローンの借主が死亡もしくは高度障害になった場合に、ローンを一括で返済するための生命保険に加入するための費用です。 - 抵当権設定登記費用
家を購入したとき、抵当権も新しく登録しなければなりません。こちらも家と土地1件につきそれぞれ1,000円かかります。 - 抵当権設定の司法書士報酬
抹消時と同様に登録もまた数万円かかります。 - 適合証明書検査費用
物件が1981年5月31日以前に建てられたものであれば検査する必要があります。検査費用は数万円かかります。 - 火災保険料
火災保険とは住宅に被害に遭ったときに発生する保険で、加入する際に保険料がかかります。相場は建物のタイプや契約期間、保険会社によって違ってきます。保険会社は銀行に勧められることもあれば自分で選ぶこともできるので、複数から比較して慎重に選びましょう。
特に融資手数料と保証料はセットで扱われ、融資手数料が低ければ保証料が高くなり逆もまたしかりです。また両方が低くても金利が高いケースが多いです。借入金額が1,800万円以下の人は諸費用安めの金融機関を、借入金額が1,800万円以上の人は金利が低めの金融機関を、繰り上げ返済する予定がある人は、保証料が高い金融機関を目安に選びましょう。
・金額が少ないと金利低め
・繰上返済は保証料高め
4.固定と変動のメリット・デメリット
住宅ローンの金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。それぞれのメリットやデメリット、適している人の特徴について掲載します。
固定金利
指定された間の期間では月々の返済額が固定されているので、生活設計も組みやすい金利です。固定期間にも最低1年から最高全期間まで選ぶことができますが、金融機関によって期間の選択は違ってきます。
固定期間が終われば固定のままか変動に変えるか選べますが、場合によっては支払う金額が増えることもあるので、期間終了後の金利上昇にも対応しなければなりません。よってローンが重なるときや職場復帰するまではより短い期間に、教育費がかさばりそうなときはより長い期間にといった具合に、ライフプランや家計の状況に応じて抑える期間を把握することをおすすめします。
変動金利
返済額が月々に変わる変動金利ですが、固定金利より設定金額が低い上に低金利が進んでいる今、金利が上昇する可能性は低い反面、突然高くなるリスクも背負っています。少しでも負担を減らすべく、経済情勢や金利の動きを日々チェックしておきましょう。今の固定金利で返済に余裕があり、残高が少ない上に期間が短く、金利が高いときに借り入れた人には向いています。
違う銀行に借り換えしても金利が同じであれば、ほんの数パーセントの差が出るだけで大きな過失は基本起こりません。しかし固定から変動、あるいは変動から固定に変更する場合は支払う金額だけでなくリスクも変わってくるので注意が必要です。
・安定した金利なら固定金利
・金利移動は慎重に
5.住宅ローンの借り換え人気ランキング
ではここで各金利のランキングを見ていきましょう。
変動金利におすすめランキング
1位 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は当初引き下げプランの金利を大幅に引き下げており、より借り換えしやすくなっています。病気やケガで働けなくなっても返済は0円、その状態が続くと残高も0円となり、セブン銀行のATMが手数料なしで利用できます。
他にも保証料や一部の繰り上げ返済の手数料、返済口座への資金移動がすべてタダです。女性は特にガン診断給付金保証付き保険料が0円です。Webで5分簡単に手続きが済み、印紙代もかかりません。
2位 じぶん銀行
変動、短期固定金利が安く、保障が手厚いことで有名です。日本では二人に一人がガンにかかる今、「ガン保険特約」が付帯されており、ガンと診断されただけでローンの残高が半分になり、保険料が0円です。その上申し込みや契約はすべてネットで手続きできるので、印紙税は実質タダです。同時に火災保険も申込できます。他にも一部の繰上返済手数料や保証料、返金口座への資金移動も0円です。
3位 りそな銀行(Web限定)
金融業界において有名なりそな銀行ですが、インターネットでもローンを借り換えることができます。Webで手続きすると保証料と繰り上げ返済手数料が無料になるので、是非ともWebを活用しましょう。
さらにりそなならではの特定状態保障特約付住宅ローンである「団信革命」が付帯しており、「がん」「脳卒中」「心筋梗塞」といった3大疾病を始めに重度の障害や急性心筋梗塞のみならず、他のケガ・病気の状態や要介護の具合によって負担を減らすことができます。
4位 イオン銀行
イオングループが経営している銀行で、審査の基準は勤続6ヶ月以上、前年度の年収100万円以上と他の銀行より甘いので通りやすいです。他にも疾病保障付き、保証料、一部繰り上げ返済手数料0円です。さらにイオンで買い物すると毎日5%OFFというサービスが付いているので、近くにイオンがある人にはお得なサービスです。
5位 新生銀行
金利・利息以外のコストが抑えられていることで有名な新生銀行ですが、保証料や一部繰上げ返済手数料、団体信用保険料が無料なだけでなく、便利なパックも出そろっています。
- 安心パック
一部の繰り上げ返済によって返却期間が短縮している場合、元本返済がお休みできる「コントロール返済」と、要介護がレベル3になってしまったとき、介護保険金が支払われ、その分残高に宛がわれる「安心保障付団信」が合わさっています。 - 安心パックW
子供が急病にかかっても仕事が休めないときに子供を預けられる「チャイルドケア」と家事代行サービスを受けられる「ハウスケアサポート」が合わさっています。 - 安心パックS
自然災害に逢ったとき住宅ローンの返済が一部免除されます。
ただし半年過ぎると金利が高くなるので要注意です。
10年固定金利におすすめランキング
1位 イオン銀行
メガバンクや大手を差し置いて、インターネット専業銀行においても低金利を提供しています。中でも当初固定金利プランがあり、最大10年借入できますので短期間でローンを組む人におすすめです。他にも定期預金の金利が普通預金より高く設定され、ゴールドカードを無料で発行できます。
2位 じぶん銀行
三菱UFJ銀行と携帯電話会社KDDIが共同出資してできたのがじぶん銀行です。日本で初めてネットで手続きすべてが完結でき、本審査が最短で10日で終わるので時間がない人にはとても魅力的です。さらにauユーザーだと月々の料金が500円引きされ、auでんきも利用していると10,000ポイントもらえます。
3位 三菱UFJ銀行
国内最大金融の一つである三菱UFJフィナンシャルグループが運営している銀行です。自己資金を20%以上用意できれば、借り換え金利が0.2%優遇されます。借り換えにおいても適用される金利は変わらず、繰り上げ返済はインターネットで24時間受付されます。さらにはネット専用の住宅ローンもあり、来店して申し込むより0.1%得をします。
4位 ソニー銀行
電子機器を始めに保険業、不動産業等において大手を誇るソニーですが、銀行でも人気が高いです。保証料、団信生命保険料、繰り上げ返済手数料が全額タダになり、融資手数料も最低水準を保っています。変動から固定、固定から変動に金利を変更するときでも手数料はかかりません。
その分審査は厳しいですが、スペックとしてはかなり高い方です。またソニー銀行にはサービスや特約が付帯されてませんでしたが、2018年8月からガン保険特約が無料で付帯されるようになりました。
5位 住信SBIネット銀行
業界において変動金利だけでなく固定金利も最低金利を提供しています。そのためかなり人気がある分申し込みが殺到しており、ネットだけでなく郵送でも手続きをしているので審査をするのに一か月を要することもあります。余裕をもって申し込みをしましょう。
長期固定金利におすすめランキング
1位 ARUHI(アルヒ)
住宅ローン専用の金融機関で、保証人は不要で保証料、繰り上げ返済手数料はともに無料です。事前審査は最短当日、本審査は最短3営業日で済むことができます。専用の火災保険・失業保障特約などを用意しており、返済口座が全国1,000以上の金融機関から選べます。
2位 楽天銀行
楽天グループが運営している銀行で、業界最低水準の金利、融資手数料、そして諸費用全ての安さで総返済額も少ないというメリットがあります。それだけでなく全ての疾病特約と保証料、繰上返済手数料が無料になり、返金口座を楽天銀行に変えると融資手数料がさらに安くなります。加えてスカイプで22時まで相談を受け付けています。
3位 りそな銀行
りそな銀行は個人向けの商品に加え、上記にあった団信革命などオプション加入に力を入れています。その他にも女性限定のローン「凛next」があり、ケガや病気で仕事できなくなった人に返済をカバーできるローン返済支援保険と子宮頸がん、乳がん等といった女性特有のがん+3大疾病保障特約が金利に+0.15%で付帯されます。
4位 三井住友信託銀行
大手企業の一つで長期間なのに金利は非常に低い銀行です。期間や金額を変更するだけでなく、インターネットで繰り上げ返済をすると一部無料です。8大疾病や3大疾病、ガンの保障を付帯され、特に女性は出産後の1年間、0.1%金利が優遇されます。
5位 みずほ銀行
ベガバンクの一角であるみずほ銀行ですが「ワイド団信」「8大疾病補償プラス団信」「8大疾病補償団信」「3大疾病保障特約付き団信」等、付帯させるサービスが充実しているのが特徴です。8大疾病補償プラス団信と8大疾病補償団信の違いは、8大疾病のほかにケガや病気が入っているか否かです。他にもインターネットの利用で一部の繰り上げ返済手数料が無料です。
・固定はイオン銀行
・長期固定はARUHI
6.後悔しないようシミュレーションをしておこう
借り換えするにあたってチェックする点は多々ありますが、流されるままに借り換えてはいけません。各銀行に相談するだけでなく、加入後の金利がどうなるかシミュレーションをすることもできます。事前にしっかり調べることがなによりの安全策です。