【不動産相続の基礎知識】手続き・遺産分割方法を一から解説

相続は、人生で何度も行うものではありません。

多くの人は十分な知識がないまま突然相続の手続きに追われることとなり、知らない間に損をしています。

特に相続財産に不動産が含まれる場合は、遺産分割の方法が複雑であるために、損をするだけでなく親族とトラブルになってしまうことも。

この記事では、スムーズな不動産の相続を行えるよう、相続の必要手続き・費用・不動産相続時の遺産分割方法などを解説します。

監修者:阿部 栄一郎
監修阿部 栄一郎
早稲田大学、千葉大学法科大学院卒業、平成19年弁護士登録(東京弁護士会)。離婚事件等に強みを持つ弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所において、リーダー弁護士を務める。中でも、不動産や賃貸契約に関する案件を多く扱い、不動産分野のコラム執筆やセミナー講師の経験を多数持つ。【保有資格】弁護士【URL】弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所

不動産を相続したらすぐに行うべき手続き

この記事を読んでいる人の中には、急に不動産を相続することになり相続に戸惑っている人もいるかと思います。

まずは家族と遺産分割や相続の話し合いを行っていく前に、すぐに行うべき手続きを進めておきましょう。

不動産相続のTODOリスト

期間内容優先度
死後2週間以内世帯主の変更届を提出する★★★
死後1カ月以内ライフラインの名義変更・契約変更
ローンを受けている金融機関への連絡★★
死後10カ月以内必要書類の取り揃え★★★

世帯主の変更届の提出

故人が亡くなった後も、思い出のある家に家族が住み続けることもあると思います。

故人が世帯主である場合、世帯主変更届の提出が必要です。

死後14日以内世帯主変更届を提出しないと、5万円以下の罰金が科されます。

住んでいる市区町村の市役所などで、必ず手続きするようにしましょう。

ただし、例えば夫と妻の二人世帯であり、夫が他界した後に妻が世帯主になるなど、残りの世帯員が1人となる場合は世帯主変更手続きは不要です。

ライフラインの名義変更・契約変更

故人名義で電気・ガス・水道・インターネットなどを契約している場合は名義変更を行いましょう。

この場合、利用料金の引き落とし口座の名義も亡くなった方になっている場合が多いので、合わせて変更するようにしましょう。

もし、故人の家には誰も住まない予定である場合はライフラインの解約を行います。

特に、水道の水抜き(解約)は早めに行いましょう。寒冷地などの場合、水道が凍結し水道管が破損してしまう可能性があるためです。

金融機関への連絡

もし亡くなった方に住宅ローンなどの借り入れがある場合は、金融機関へ亡くなった旨の連絡をしましょう。

住宅ローンなどの場合、団体信用生命保険が下りてローンの支払いが不要になる可能性があるためです。

後ほど詳しく説明しますが、団信生命保険とは、住宅ローンの返済期間中にローンの名義人が亡くなった場合、保険金によって残りのローンが返済される保険のことで、住宅ローンの借入時に加入することが多いです。

故人が団体信用生命保険に加盟していれば、残った負債を家族が負担することなく不動産を相続できます。

団体信用生命保険を使うには、金融機関への連絡が必要です。期限は死亡から3年以内ですが、余計なローンを払わなくて済むよう速やかに連絡を入れるようにしましょう。

必要書類の取り揃え

故人が亡くなってから10カ月以内に、相続税の申告が必要です。

さらに、不動産を相続することになった人は不動産の登記手続きも行わなければいけません。

手続きや申告の際には書類が必要です。市役所などで発行してもらう場合、早めに取り揃えておかないと後で慌てることに。

必要書類の取り寄せは早めに着手するようにしましょう。

【相続税の申告に必要な書類】

書類条件申請先
被相続人の戸籍謄本生まれたときからのものすべてを揃える各市区町村役場
被相続人の住民票の除票省略のないもの各市区町村役場
被相続人の死亡診断書のコピー
相続人すべての戸籍謄本家族全員の記載があるもの各市区町村役場
相続人すべての住民票家族全員の記載があり、省略のないもの各市区町村役場
相続人すべての印鑑証明各市区町村役場
遺言書または遺産分割協議書どちらかを持参
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不動産相続の流れ

1章の手続きを行ったら、もう少し詳しく不動産相続の流れを見ていきましょう。

不動産の相続は、6つのステップに分けることができます。

不動産相続の流れ(目安の時期と捉えてください)
  1. 遺言書を確認する(死後7日以内)
  2. 故人の準確定申告を行う(死後4カ月以内)
  3. 遺産分割協議書を作成する(死後10ヶ月以内)
  4. 相続税の申告・納税を行う(死後10ヶ月以内)
  5. 不動産の相続登記をする(相続確定後速やかに)

原則としては、遺産分割を終わらせてから相続税を支払います。

相続税の支払期限は、「被相続人(=亡くなった方)の死後10ヶ月以内」です。

相続税を支払う前に決定するべきこともいくつかあるため、「のんびりしていたら相続税申告の期限が間近になっていた!」ということがないよう早めに行動を起こしましょう。

①遺言書の確認

相続で一番初めにやるべきことは、遺言書の有無と、その内容を確認することです。

遺言書には、以下の3種類があります。

  • 自筆遺言書 本人の自筆の遺言書。(本文や署名等は、テキストファイルなどは不可。平成31年1月13日施行の改正民法によって財産目録については、テキストファイルも可になった。)
  • 公正証書遺言 公証人の立ち会いのもと作成され、原本が公証役場に保管されている遺言書。公証人が遺言者の意思や内容を確認するため、遺言が無効になるケースは少ない。
  • 秘密証書遺言 本人が作成し、公証人が存在を確認・証明した遺言書(テキストファイル・代筆も可)。秘密証書遺言の内容には公証人は関与しない。

自筆遺言書秘密証書遺言を見つけたら、その場で開けずに家庭裁判所で所定の手続きを行った上で開封しましょう。

また、遺言書には時効がありません。

そのため、相続手続きが終わって遺産を分け合った後でも、遺言書が見つかったら内容に沿って相続をやり直さなければいけません。

余計に手間がかかる上にトラブルの原因となりかねないため、遺産分割について話し合う前に必ず確認しましょう。

②故人の準確定申告を行う

死亡から4カ月以内に、以下の条件に該当する場合は故人の準確定申告を行います。

準確定申告が必要な場合
  • 不動産所得などで、年金や会社員としての給与以外からの収入がある
  • 不動産の賃貸・売却などの利益について控除を受ける場合
  • 年末調整を行っていない場合

上記に該当する場合、準確定申告を行うことで還付金が戻ってくることがあります。

反対に4カ月以内に準確定申告を行わないと、加算税がかかってしまいます

準確定申告には相続人全員から署名や書類を集める必要があるため、早めに準備を行うようにしましょう。

③遺産分割協議書を作成する

遺言書がない場合は、遺産の分割の話し合いを行い「遺産分割協議書」を作成します。

遺産分割協議書

森橋司法書士事務所より、遺産分割協議書のサンプル

遺言書がない場合、遺産分割協議書が必ず必要になるので、早めに作成しましょう。

遺産分割協議書は書式に指定はありませんが、自分で作成することが難しい場合は税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。

遺産分割協議書には、相続人の全員の同意が必要です。

直接会うことが難しい場合は、郵送で書類のやり取りをして、全員分の署名や印鑑を集めましょう。

不動産の相続に困ったら、売却して分割することも選択肢の一つです。まずは下のフォームから査定依頼を行い、不動産のプロに相談してみましょう。

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④相続税の申告・納税を行う

相続税が発生する場合、被相続人の死亡日から10カ月以内に「相続税の申告」と「相続税の納付」の両方を行う必要があります。

相続税を期限内に払えない場合には、延滞税と加算税が追加で課せられることがあります。

そのため遺産分割協議書が作成でき次第、納税の手続きを行いましょう。

もし10か月以内に遺産分割の合意ができない場合、法定相続分に従って相続税の申告し、先に納税をしておいた方が良いことがあります。

この点も信頼できる税理士に相談した上で決めることをおすすめします。

⑤不動産の相続登記をする

不動産の相続が決まったら、最後に「相続登記」を行いましょう。

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった際に不動産の名義を相続人へ変更する手続きのことです。

法務局で所定の手続きを踏むことで行います。

多くの場合は、司法書士に依頼して登記手続をしてもらうことになると思います。

相続登記には期限がないため、相続が決まってからもズルズルと後回しにしてしまいがちです。

しかし、他の相続人に勝手に相続登記をされるなどのトラブルを防ぐために速やかに登記まで行いましょう。

コラム:不動産相続に困ったら専門家へ相談を

不動産の相続手続きは、特別な資格などがなくても自分で行うことができます

ただし、煩雑な手続きや公的な書類の作成などを行わなければならず、忙しい人にとっては面倒なことも多いでしょう。

はじめて手続きを行う場合は専門家に依頼することもおすすめです。

専門家相談できる内容
弁護士遺産分割分割などで揉め事が発生した場合の調停
司法書士不動産の相続登記の依頼
税理士遺産分割協議書・相続税申告書の作成

不動産相続時の遺産分割方法

すまリス
ところで、不動産ってどうやって分けたらいいの?現金みたいに単純に分割できないよね?
相続などで不動産を遺産として分割する場合には工夫が必要です。
この章では、不動産相続について最低限知っておきたい3つの基礎知識を解説します。
  • 不動産を相続できる人
  • 相続の対象となる財産
  • 不動産の分割方法

不動産を相続できる人

遺言書が見つかった場合には、基本的に遺言書に書かれている人が不動産を相続します。

遺言書がなかった場合、相続ができる人は続柄人数にもとづいて民法で定められています

これを、「法定相続人」と言います。法定相続人は、基本的に戸籍を確認することでわかります

法定相続人には、相続の優先順位があります。

法定相続人の解説

相続の優先順位相続人の続柄
必ず相続人となる配偶者
第1順位被相続人の子供および代襲相続人
第2順位直系尊属(両親など)
第3順位被相続人の兄弟姉妹および代襲相続人

自分よりも優先順位の高い親族がいる場合、第2順位以下の法定相続人には相続権がありません

相続人については、配偶者がいる場合には必ず相続人となり、その他の相続人は、多くのケースで、子供⇒親⇒兄弟の順番に相続人となると考えていただいた方が良いでしょう。

また、法定相続人が既に故人であるケースでは、その子供などの直系卑属が、亡くなった法定相続人の代わりに相続することが可能です。

これを「代襲相続」と呼び、法定相続人の代わりに相続権を得る人を「代襲相続人」と呼びます。

遺産分割の合意は、相続人全員で合意しなければ無効となります。そのため相続人が誰に当たるのか必ず確認するようにしましょう。

コラム:「隠し子」や「養子」は不動産を相続できる?

いわゆる隠し子と呼ばれる子供についても、戸籍に記載があれば法定相続人かどうかが分かります。

仮に被相続人と血がつながっている子供がいたとしても、法律上の親子関係が確認できなければ相続人ではありません。

ただし、「死後認知」が行われた場合は隠し子も相続人になれます。

また「養子」が要る場合は、相続人や相続の優先順位が複雑になりがちです。

どちらの場合もトラブルとなる可能性が高いため、弁護士への相談をおすすめします。

相続の対象となる財産

財産を相続する人が決まったら、遺産分割の対象となる財産を確認します。

法律で定められた法定相続分」をもとにして相続する財産の割合が決められます。

法定相続分とは、財産の相続割合の目安を民法で定めたものです。

この法定相続分は、相続人の続柄や人数などを基に定められます。

不動産だけでなく、相続の対象となる他の財産を含めたすべての財産を、上記で決まった割合に基づいて分割します。

【財産分与の対象となる遺産】

  • 不動産
  • 預金・貯金・現金
  • 株式などの有価証券
  • 生命保険
  • 金・宝石・美術品など

また、「負債」も財産分与の対象となることに注意が必要です。

例えば、故人が1億円の価値があるアパートを遺して亡くなったとします。しかしアパートを建設した際のローンは返し終わっておらず、5000万円のローン残債があります。

このアパートを息子が相続した場合、息子は5000万円のローンを支払っていく義務も引き継ぎます。

すまリス
ローンが残っている場合は支払わなければならないってこと!?親が大事にしていた家に住み続けたいけど、とても払えないよ…
ただし、ローンを支払わなくて良いケースもあります。

相続した不動産の分割方法

不動産を含む相続財産を分割する場合には、下記の4つの遺産分割方法が考えられます。

  • 現物分割
  • 代償分割
  • 換価分割
  • 共有分割

それぞれの特徴を確認し、ご自身の状況にあった遺産分割方法を選びましょう。

相続する不動産に誰かが住み続けるのであれば「現物分割」か「代償分割」、誰も不動産に住まないのであれば「換価分割」がおすすめです。

現物分割

現物分割の解説

現物分割の典型例は、一つの不動産を一人が相続し、その他の財産を他の相続人で分ける遺産分割方法です。一つの物をそのまま形を変えずに相続人が取得するという遺産分割方法です。

もっともシンプルで手続きの簡単な方法といえるでしょう。

ただし、相続財産が一つの不動産しかない場合にはこの方法は使えないほか、不動産以外の相続財産の価値が不動産の価値に満たない場合には、誰が不動産を相続するかで揉める可能性があります。

代償分割

代償分割の解説

代償分割の典型例は、一人の相続人が不動産をすべて相続し、残りの相続人には相続分に相当する金銭を渡す遺産分割方法です。

例えば、不動産4000万円・預貯金2000万円の相続財産を代償分割で1/2ずつ分ける場合、不動産を相続した人は預貯金を相続した人に1000万円を渡します。

これにより、両者の取り分はいずれも3000万円となり、1/2ずつの分割が完了します。

注意点としては、不動産の相続人に現金の用意が必要となることが挙げられます。
また、代償分割をする際の不動産の時価評価は、相続税における時価評価と異なり、実際の時価額が原則となります。

なお、代償分割を行う際には、遺産分割協議書にその旨を記載しましょう。記載がない場合、代償金の受け渡しに贈与税が課せられることがあります。

換価分割

換価分割の解説

換価分割の典型例は、相続財産である不動産を売却し、その売却で得た利益を相続人間で分ける遺産分割方法です。

不動産を相続しても誰も活用できない場合や、代償分割・現物分割が難しい場合にこの手段が取られます。

不動産を手放すことにはなりますが、現金を平等に分配できるので、もっとも揉め事の起こりにくい遺産分割方法といえるでしょう。

換価分割の際には、相続した売却代金によって(売却によって利益が生じた場合)は、相続人に「譲渡所得税」が課せられることを忘れないようにしてください。

なお、換価分割も代償分割と同じく、遺産分割協議書に「換価分割であること」や仮に、相続人の1人が単独で相続登記をするときなどは、「単独での相続登記が手続き上のものであること」を明記しましょう。

換価分割で不動産を売却する際には、まずは不動産の査定を受ける必要があります。

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共有分割

共有分割とは、一つの不動産を共有名義にして相続する遺産分割方法です。

一見簡単な方法に見えますが、相続した不動産を売却する際や賃貸に出す場合に名義人全員の同意が必要になるので、トラブルにつながりやすい方法です。そのため、共有分割はできるだけ避けるのが無難です。

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不動産相続にかかる税金

不動産を相続する際には、「相続税」と「登録免許税」の2種類の税金がかかります。

  • 相続税
    相続にかかる税金。相続する金額によってはかからない場合もある
  • 登録免許税
    不動産の登記を変更する際に、必ずかかる税金

それぞれ見ていきましょう。

相続税はかからないケースも

基礎控除配偶者控除を使うと、相続税がかからないケースも多いです。

不動産相続税がかかるかのフローチャート

→基礎控除についてはこちら

→相続税がかかる場合の税額にはこちら

相続税がかからない場合は、相続税の申告は不要です。

すまリス
はっきりした価値のある預貯金などの現金と違って、不動産の相続額はいくらとみなせばいいの?
不動産の場合、経年劣化市場価値の変化によって購入したときの金額がそのまま相続額になるとは限りません。
そのため、不動産の相続額は「相続税評価額」をもとに算出します。
下記の記事などを参考に自分で算出することもできますが、不安な場合は税理士などに相談しましょう。
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『不動産評価額』は5種類ある!調べ方と計算方法を徹底解説!

基礎控除

相続税は、相続財産の額が相続税の基礎控除額内であれば発生しないというルールがあります。

相続税の基礎控除は、以下の計算で求めることができます。

相続税の基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 ×相続人の数

そして、法定相続分に応じる取得金額が1000万円以下の10%が下限、法定相続分に応じる取得金額6億円超の55%が上限となっています。

これによって算出される相続税の合計額が相続税の総額となります。

配偶者控除

相続人が亡くなった方の配偶者の場合、相続額が1億6000万円までは相続税がかかりません。

もし相続額が1億6000万円を超える場合でも、法定相続割合相当分までは相続税が控除されます。

すまリス
配偶者控除は控除額が大きいから積極的に活用しよう!

相続税早見表

もし相続税がかかる場合、相続税は相続する財産の総額によって税率が変動する仕組みとなっています。

以下に相続財産額・相続人数別の相続税早見表を掲載します。

相続額/相続人配偶者+子供1人配偶者+子供2人配偶者+子供3人
4000万円0円0円0円
5000万円40万円10万円0円
6000万円90万円60万円30万円
7000万円160万円113万円80万円
8000万円235万円175万円138万円
9000万円310万円240万円200万円
1億円385万円315万円263万円

※相続人が配偶者と子供のみのケースを想定
※法定相続人が法定相続割合で相続し、基礎控除および配偶者控除のみ適用したものとして算出

おおよその金額を知り、相続税として用意すべき金額を頭に入れておきましょう。

登録免許税

不動産の相続の際には「所有権移転登記(相続登記)」と呼ばれる登記簿上の手続きが必要です。

この手続きを行う際に、「登録免許税」という税金が課せられます。

相続登記における登録免許税は、以下のような計算で算出します。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
例えば、相続した不動産の固定資産税評価額が2000万円だった場合、8万円の登録免許税が課せられます。なお、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間は、免税措置がとられていますので、活用してみると良いと思います。
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不動産相続でトラブルを防ぐコツ

不動産の相続でトラブルになってしまうと、相続までさらに時間がかかり、多くの手間がかかります。

以下では、不動産相続でトラブルにならないように、未然に防ぐコツを解説しています。

  • 遺産分割でもめるポイントと対策
  • 相続した不動産が未登記だった場合
  • 相続税で申告漏れがあった場合

遺産分割でもめるポイントと対策

遺産分割では4つの分割方法があり、それぞれにもめるポイントがあります。

分割方法もめるポイント
現物分割相続する財産の額の差が異なる
換価分割例:長男がいずれ住むから売りたくないと主張する
代償分割他のきょうだいに渡す清算金が権利相当額より少ない
共有分割「売りたい」と言っても他の相続人が賛成しない

この様に、4つの分割方法にはもめるポイントがありますが、解決策もあります。
以下では、それぞれの分割方法の解決策を紹介しています。

現物分割の解決策:評価額でもめたら一番高い価格で決着つける

特定の財産を受け取る「現物分割」では、均等に分けることが難しいため、相続時にもめることがあります。

遺産分割は相続人の合意があれば、どの水準で行っても構いません。
それぞれが譲歩する気持ちがあるのであれば、「固定資産税評価額」や「路線価」など低い水準で遺産分割することもできます。

しかし、相手が目いっぱい権利を主張してしまうと、一番高い「時価」でしか決着がつかないのが現実です。

換価分割の解決策:「売る」「売らない」の争いの判断は「売る」が賢明

誰も住んでいない空き家や利用しない土地などの遺産分割に適しています。
売らずにそのまま放置をしていると固定資産税などの維持費がかかってしまいます。

そこで売却して現金化にすることで、相続人同士の明確な遺産分割ができ、トラブルリスクを減らすことが可能です。

すまリス
また現金化することで、節税対策もできます!

代償分割の解決策:当人が不動産を相続したいのならお金で精算する

代償財産をするには、清算金を支払えるような資金を持っていなければなりません。

たとえ高額だったとしても権利相当分の清算金を支払わなければ、争いは収まらないです。

資金がなければ自己資金で売却ができますが、その場合、売却益に所得税が課税されます。

共有分割の解決策:「とりあえず共有分割」という形はとってはいけない

遺産分割協議がもつれた結果、「とりあえず共有分割」というケースが多いです。

例:不動産を売却する際には、相続人全員の同意が必要になるため、意見が割れてトラブルになる傾向があります。

さらに、その不動産を次の世代に相続することになれば、共有名義人の人数が増えて身動きの取れない状態になります。

遺言があれば、効果があり、遺産分割協議の手間も省けるので、一番有効な策です。
しかし遺言がない場合は、遺産分割協議でしっかり話し合う必要があります。

相続した不動産が未登記だった場合

相続した不動産が登記されていない「未登記物件」だったというケースです。
他にも、増築してその部分だけ登記がされていない「一部未登記」の不動産もあります。

相続した不動産を売却する場合、スムーズに売買を行うにはしっかり登記がされていることです。

相続人全員で、所有権保存登記を行い、現在の不動産の所有者が誰なのかを明確にすることが大事になってきます。

相続税で申告漏れが合った場合

相続税の納付と申告を終えた後、納付した相続税が正しい金額かどうか、税務署が税務調査を行います。

税務調査の結果、申告漏れや不備が合った場合ペナルティとして、追徴課税や延滞税といった形で、追加で納税をしなければなりません。

相続税の納付と申告のタイミングで申告漏れや不備がないかどうか何回もチェックしましょう。

トラブルに発展しそうなら専門家に相談しよう

不動産の相続でトラブルになりそうな時、以下の専門家に相談すると良いでしょう。

不動産相続 トラブル

弁護士

裁判所などの手続きで代理人として依頼できるのが、弁護士のみです。
遺産分割調停や審判など裁判所が絡む相続の問題は、弁護士に相談しましょう。

「複数人の相続人がいて話がまとまらない」、「誰が相続人かわからない」時など1人で荷が重くなった場合は、弁護士への依頼を検討してみましょう。

司法書士

司法書士は、不動産の相続登記や金融資産の継承手続きの代理ができます。

相続した不動産や預金通帳、株式などの資産の手続きがわからない場合、司法書士に依頼すると良いでしょう。

税理士

税務申告の代理人となれるのは税理士のみです。相続する中で問題の一つは、相続税の申告ではないでしょうか。

どのように相続をすると税金が高くなるのか、逆にどのように相続をすると税金が安くなるのかアドバイスをもらえます。
相続税の申告手続きを依頼したいのであれば、税理士に依頼する必要があります。

行政書士

役所の諸手続きや遺産分割協議書の作成についてわからないことがあれば、行政書士に相談すると良いでしょう。

「面倒な役所での手続きを処理するのが大変」という場合には、代わりに対応してくれます。
また、遺産分割協議書の書類作成も依頼することが可能です。

書類関係の業務は行政書士に依頼すると良いでしょう。

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相続する際の各不動産ごとの注意点

相続する時に、各不動産ごとに注意するところが異なります。

以下では、土地、戸建て、マンションを相続する際の注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

土地を相続する時の注意点

土地を相続する際には、分割して相続する時に注意が必要です。

土地の価格は変動するため、値上がりした時、不満に感じる人が出て、トラブルになる可能性があります。

遺産分割協議の際には、将来の価格変動も見越した相談をする必要があります。

また、相続税評価額が高い土地を相続した場合、相続税も高額になるのはもちろんです。

そのほかにも、毎年の固定資産税の負担も大きくなっていきます。
現在の収入や土地活用をして、固定資産税が負担にならないかなど、相続前に検討しておく必要があります。

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戸建てを相続する時の注意点

相続人が別で家を所有して、戸建てを相続した時、居住予定がなければ空き家になる可能性があります。

空き家になった場合、特例空き家に指定される可能性があり、小規模住宅用地特例の対象外になってしまい、固定資産税が4倍ほど高くなってしまいます。

固定資産税は毎年支払わなければいけないので、空き家所持はかなりコストがかかります。
毎年払うことが難しければ、売却を検討すると良いでしょう。

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マンションを相続する時の注意点

マンションを相続した時、相続人がよく活用するのはマンションを賃貸に出すことです。

しかし、新築マンションの供給があり、中古マンションは築年数が増すごとに借り手が見つからなくなってしまいます。

リフォームして賃貸に出すか、経営する予定が無ければ売却することも考えておく必要があります。
不動産会社と相談しながら、マンションの活用方法を検討してみましょう。

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不動産相続に関するよくある質問

ここまで、不動産の相続について見てきました。最後に、不動産相続についてよくある質問を紹介します。

疑問点を解決して不動産相続を成功させましょう。

Q1:遺言書はどうしてすぐに開封してはいけないの?

自筆証書遺言秘密証書遺言を見つけた場合で、遺言書が封筒等に入っている場合には、その場で中身を確認してはいけません。

自筆遺言書・秘密証書遺言の場合、開封者による改ざんのリスクがあるため、勝手に開封する行為に対して5万円以下の過料(罰金のようなものですが、刑罰ではなく、あくまで行政罰と呼ばれるものです。)が課せられる可能性があります。

公正証書遺言及び後述の法務局で保管されている自筆証書遺言以外の遺言は、家庭裁判所に検認(一通当たり、印紙800円)」の申立てをし、所定の手続きを踏んで中身を確認します。

「公正証書遺言」と記載がある場合には、その場で確認して問題ありません。

公正証書遺言には、以下の3種類があります。

  • 原本(げんぽん)
    公正役場に保管されている公正証書遺言のこと。
  • 正本(せいほん)
    原本と同一の効力を持つ写しのこと。正本を紛失した場合には、公証役場に依頼すれば、原本に基づいて正本を再発行してもらうことができます。
  • 謄本(とうほん)
    単なる写しで、正本のような効力はない

上記の3種類は、内容は一緒ですが効力はことあります。

公正証書遺言の謄本が手元にあっても、金融機関や法務局で遺言の内容を実現する手続をとることはできません。

正本が手元にない場合は、公証役場で再発行してもらいましょう。

Q2:相続した不動産にローンが残っている場合、支払う義務はある?

基本的に、相続した不動産にローンが残っている場合は相続した人に支払い義務が発生します。

ただし、場合によってはローンの支払いが不要なケースも。

下記2つの例を見てみましょう。

  • 住宅ローンの場合、残債は支払わなくて良いことが多い
  • 賃貸経営のアパートのローンなど、投資目的の場合は支払う義務あり

住宅ローンの場合、残債は支払わなくて良いことが多い

住宅ローンの場合は支払わなくても良い場合が多いです。

なぜなら、住宅ローン借入時に「団体信用生命保険」に加盟している人が多く、保険金が下りてローンを完済できるケースが多いためです。

下のグラフは会計検査院が「団体信用生命保険への加盟割合」を調査した結果です。

団体信用生命保険への加盟率

※会計検査院『団体信用生命保険への全体加入割合(平成25年度)』より

平成25年時点の調査ですが、7割以上の人が団体信用生命保険に加入していることが分かります。

故人が団体信用生命保険に加盟している場合、保険金が下りてローンを完済できるためローンが残っていても残債を支払わなくて大丈夫です。

賃貸経営のアパートローンは「負債」も相続する

ただし、賃貸経営のアパートなどの場合は団信生命保険に加盟していないケースなども多いです。

アパート経営を通して月々支払うローンや諸経費以上の利益が出ているのなら、相続した方がそのまま経営を引き継ぐなどもよいでしょう。

ただし、以下の場合は所有していることで余計に費用がかかり赤字になるケースも。

  • 築年数が古く、修繕費がかさむ
  • 空室の割合が多く、固定資産税やローンの支払い額を賄えない

もし、月々かかるコスト(=キャッシュフロー)が赤字になる場合は売却も視野に入れましょう。

売却金がローン残債を上回り、利益が出る場合もあるからです。

それでも赤字の返済が難しい場合は、次の章で解説する「相続放棄」を検討しましょう。

Q3:相続放棄はできる?

すまリス
もし、亡くなった方の負債が不動産の価値よりも大きかったら、相続を放棄することはできるの?

故人が亡くなってから90日以内であれば、相続放棄をすることができます。

相続放棄とは、相続の権利を放棄することを指します。

不動産のローンなど亡くなった方に負債が多い場合には、相続放棄を行うことで負債の返済を免除されます。

相続放棄には2種類の方法があります。

  • 相続放棄
  • 限定承認

負債分が相続分より明らかに多いと分かっているときには相続放棄を、負債が多いか遺産が多いかはっきりしないときには限定承認がオススメです。

相続放棄

相続放棄とは、プラスの財産である「資産」とマイナスの財産である「負債」の両方を相続しないことです。

負債の返済は免除されますが、同時に不動産以外を含めた含めたすべての資産を相続することができません。

例えば、100万円のローン残債のあるアパート1000万円の預金を相続したとします。

この場合、相続放棄をするとアパートだけでなく、1000万円の預金の相続権を失うことになります。

すまリス
資産のほうが負債より多い場合、「相続放棄」を行うと損をしてしまうんだね!

限定承認

限定承認とは、相続した資産の範囲内で負債分を相続するという方法です。

100万円のローン残債のあるアパート1000万円の預金を相続した場合、預金の100万円分をアパートの返済に充てることで、現金900万円とアパートを相続するという方法です。

すまリス
もし資産を負債が上回ったらどうするの?
資産を負債が上回った場合は、負債分を支払う必要はありません
ただし、限定承認を行う場合は他の相続人全員からの承認が必要です。

記事のおさらい

不動産の遺産分割はどのように行ったらいいですか?

相続する不動産に誰かが住み続けるのであれば「現物分割」か「代償分割」、誰も不動産に住まないのであれば「換価分割」がおすすめです。詳しく知りたい方は不動産相続時の遺産分割方法をご覧ください。

不動産を相続すると、税金はかかりますか?

不動産を相続すると、「相続税」と「登録免許税」がかかります。詳しくは不動産相続にかかる税金をご覧ください。

誰がどのような割合で相続できますか?

遺言書が見つかった場合には、基本的にその記載通りに相続財産の分配が行われます。被相続人が遺言書を用意していなかった場合には、法定相続分を基にして相続する財産の割合が決められます。詳しく知りたい方は相続人を確定させるをご覧下さい。

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