不動産を相続するときの遺産分割はどうするのか|方法を把握しよう

遺産を相続する場合、遺産の内容が分け易いものばかりであれば相続人が複数いても、分割をスムーズに行えるはずです。しかし、実際には不動産などの分けづらい遺産も存在します。
相続人にはそれぞれ法律で定められた相続分の割合があるため、協議が難航することもあるでしょう。あるいは、思いもよらぬ相続人の登場で驚くことがあるかもしれません。
遺産分割についてあまり知らないまま、その時を迎えるのは危険です。本来貰えるはずの遺産を失ったり、うっかり手をつけた遺産によって本意ではないトラブルに巻き込まれる恐れがあります。遺産の相続と分割方法について、しっかり把握しておきましょう。

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1. 不動産の遺産分割は相続争いになりやすい?

遺産の相続は遺言がない限り、法律で決まっている法定相続分と遺産分割の話し合いで決定します。遺産が現金ばかりなら、すぐにでも分割できますが不動産はそういうわけにはいきません。とくに遺産の中で不動産の割合が大半を占めている場合、相続人が複数いるとすれば争いになりやすいです。

1.1 不動産は分けづらい資産

想像するだけでも不動産は分けづらい資産です。家を切って分けることはできないでしょうし、一軒家が建つ程度の土地であれば分割したところで、あまり使い道はありません。その一方で、遺産は各相続人の立場に対して法律で相続分が決まっています。その権利を考えると不動産についてはよく検討しなければなりません。

法定相続分

故人(被相続人)の遺言がない場合の遺産分割は、法律によって決まっている法定相続分を用います。割合は次の表を見てみましょう。

被相続人との関係配偶者父母兄弟
遺産分割の割合1/21/200
2/31/30
3/41/4
100
1
1

割合が1、つまり100%になっているとしても、子や兄弟は複数人いることも多いです。子供が二人いれば二分の一をさらに分割するため四分の一となります。この法定相続分は権利であり、他の相続人が侵害してはいけません。だからこそ、分けづらい遺産があるときは慎重になる必要があります。

遺産分割が必要な場合に不動産がネック

遺産が全て現金であれば法定相続分に基づいて全てを分割できます。しかし、不動産は単純に分割できることのほうが少ないです。このことを例を挙げながら考えてみます。
相続人が故人の配偶者と兄弟のみで、遺産は配偶者が故人と住んでいた家しかないとしましょう。法定相続分だけで考えれば兄弟が四分の一を相続する権利があり、配偶者が住んでいる家の持ち分を主張できます。
とはいえ、配偶者を家から追い出して分割の正当性を主張するのは心情的にも難しいでしょう。このような、本来は相続できる分をどうするのかについて、遺産分割協議でよく話し合って決める必要があります

1.2住宅ローンの残債があることも

遺産の相続はプラスの財産だけでなくマイナスの財産に対しても行われます。その1つとして考えなければならないものが住宅ローンです。
故人が自宅を住宅ローンで購入していた場合、配偶者が連帯保証人になることが多いでしょう。しかし、連帯保証人と主債務者は法律上では別の存在です。配偶者は連帯保証人としての債務を逃れることはできませんが、主債務者の立場は相続人全員に分担されます。
このような場合、自分が住むこともない住宅のために残債の債務を負ってくれる相続人がいるとも思えません。不動産を売却して住宅ローンを完済するか、主債務者の名義の変更を金融機関に相談するか、といった協議が必要です。

・不動産は分割しづらい
・法定相続分を確認
・住宅ローンに注意

2. 不動産の遺産分割方法

不動産に限らず遺産分割の方法は4種類あります。相続人が一人ずつ選択できるものではなく、相続人全員で協議して決めなければなりません。これを遺産分割協議と言います。また、不動産の遺産分割については、協議の前にやらなければならないことがあります。

2.1 まずは不動産の価値を調べる

遺産分割をするためには、まず遺産の総額を知らなければ始まりません。調査した結果、マイナスの財産が上回っていれば相続人全員が相続を放棄する可能性もあります。この判断をするためにも、遺産の全てについて細かく査定することが大切です。
さて、不動産に関しては査定が難しい部分があります。税金を決定するための固定資産税評価額は市場の価値よりも低い値段で設定されているため、これを基準にしてはいけません。固定資産税評価額が1,000万円の土地であっても、相続人がすぐに売却して2,000万円で売れたら他の相続人は不公平感を感じます。
そのため、一般的に遺産分割をする際の査定基準は時価です。しかし、この時価というのは不動産会社や鑑定士によってバラつきがあります。実際に売れるかどうかも重要ですから、査定の段階から慎重に進めましょう。

2.2 不動産をそのまま活用する場合

不動産を現金化せずに遺産分割する場合は3つの方法があります。それぞれ現物分割、代償分割、共有という名前がついており、相続した人の負担が異なります。

現物分割

現物分割は、一人で単独取得するものと、土地を分割してそれぞれ取得する方法があります。前者の考え方は簡単です。たとえば1,000万円の価値がある不動産とその他の分けやすい資産が2,000万円の総額3,000万円が遺産だとしましょう。遺産分割の割合が同等の三人で分割するとき、一人が不動産を取得したら、その他の資産を残りの二人で分ければ良いといわけです。
土地を分割して相続することは、広い更地の場合でしょう。建物がそのままの場合や狭い土地の場合は現実的ではありません。

代償分割

相続人が三人いて、それぞれ1,000万円ずつの遺産を貰う権利として持っているとします。しかし、実際の資産は不動産が2,000万円で、現金が1,000万円といった事情は少なくありません。不動産を売却しすることで現金3,000万円を3等分することが最も平等ですが、相続人の一人がその家に住みたいという事情もあるでしょう。
もし不動産を相続したい一人が単独で不動産を相続してしまえばどうなるでしょうか。残りの二人は本来1,000万円の相続の権利を持っていたのに、分け易い現金500万円ずつしか貰えません。これでは不公平ですよね。そこで、不動産を相続する相続人が1,000万円の銭を出すことで最初の分割割合を守る方法が代償分割です。

共有

共有は遺産分割の方法の1つではありますが、あまりおすすめはしません。将来のことを考えると面倒事が多すぎるからです。まず共有とは何か、どんなときに使う方法かを解説します。
共有は同一の資産に対して、それぞれの持ち分を得る方法です。兄弟がどちらも親の遺産である家に住んでおり、これからもまだ住む予定があるときは共有が便利です。
どちらか一方だけの事情で売却できなくなるため、安心して暮らすことができるでしょう。しかし、どちらかが家を出ることになっても家を売却して現金に換えるにはもう一方の合意が必要となります。
そして仮に兄が家を出て結婚した後に死亡した場合、妻が共有持ち分を主張してきます。子供がいればその子供にも遺産分割の権利が来るため、ややこしいことになるはずです。

2.3 不動産を売却する場合

不動産を売却して得られた利益を分割する方法は換価分割といいます。現金で分けられるため不公平感はありません。ただし、相続人全員の合意がなければ売却が難しいことがネックです。売却方針の合意だけでなく、売却額も合意をとらなければなりません
家を3,000万円で売却して三人で1,000万円ずつ分けようという点においては合意がとれていたとします。しかし、実際に売りに出してみると2,500万円でしか売れないということもあります。こうなった場合、2,500万円で売却するか、他の購入希望者を待つかで意見が分かれるところです。

・不動産の価値を知る
・不動産を売るか否か
・分割の種類を選ぶ

3. 相続税の税制改正

以前に遺産分割を経験したことがあり、遺産分割に関しては概ね知っているという人も注意してほしいことがあります。それは2015年に相続税の税制が改正されているという点です。改正内容の中で多くの人に関わる2つを解説します。

3.1 基礎控除の引き下げ

相続税の改正によって基礎控除の計算方法が変わりました。

  • 改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
  • 改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

この計算式を基に考えてみましょう。法定相続人が三人であれば、改正前は8,000万円が基礎控除となり、8,000万円以下であれば納税の必要がありませんでした。しかし、改正後は4,800万円が基礎控除です。改正前であれば納税不要だった金額でも、改正後は納税しなければならないかもしれません。このような法改正には注意しましょう。

3.2 小規模宅地の特例

故人と生計をともにしていた相続人が居住用として土地を相続するときには、小規模宅地の特例の要件に当てはまる可能性があります。限度面積までの部分について、固定資産評価額を50~80%減額できるという制度です。法改正前はその限度面積が240平方メートルでしたが、法改正後は限度面積が330平方メートルに拡大されました。

・相続税の改正に注意
・基礎控除は引き下げ
・限度面積は拡大

4. 遺留分減殺請求を覚えておこう

あまり無いことだとは思いますが、相続人であるにもかかわらず、自分が知らないまま遺産が分割されてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。他の相続人に詰め寄っても明確な回答を得られないかもしれません。そんなときは、遺留分減殺請求を行いましょう。この請求によって、満額とはいかないまでも一部の遺産を取り返すことができます。

4.1 遺留分減殺請求とは

法で定められた遺留分を侵害されたときに請求できるものが遺留分減殺請求です。2018年7月6日に改正が成立したため、施行されれば一部変更はあります。とはいえ施行前であるため、ここでは現行法にしがって解説します。
故人の兄弟姉妹を除く法定相続人には最低限度の取り分が確保されており、これを遺留分と呼びます。遺留分は原則として法定相続分の二分の一となります。ただし、故人の親(直系尊属)であれば法定相続分の三分の一、故人の兄弟姉妹には遺留分がありません。
何らかの理由でこの遺留分が侵害されているときは、その侵害を知ったときから1年以内に遺留分減殺請求を行いましょう。また、遺産相続後に発覚した場合は、故人の死亡から10年で遺留分の権利が消滅するため、それまでに行う必要があります。

通知と家庭裁判所への申し立て

遺留分減殺請求は内容証明郵便によって通知すると良いでしょう。その通知によって協議で解決すれば問題ありませんが、それでも応じてくれないのであれば家庭裁判所へ調停の申し立てをします。もし、これでも解決しないとなれば訴訟です。

4.2 生前贈与分を取り返す

親の遺産の相続にあたってよく耳にする話に、兄弟だけ生前にお金を出してもらい、自分はもらっていないというケースがあります。親から孫への教育資金やマイホーム購入の頭金の援助は生前贈与にあたる可能性が高いです。
生前贈与が行われたことで分けられる遺産がなくなる、または極めて少ない場合、遺留分を侵害する恐れがあります。親の遺産を相続する兄弟であれば法定相続分の二分の一が遺留分ですから、六分の一は貰う権利があるわけです。そこで遺留分減殺請求を行えば、遺留分を侵害している部分を取り戻せます。
ただし、これは自分の兄弟が生前贈与されていたケースです。兄弟は相続人であり「特別受益」にあたる可能性が高いとされています。特別受益は何年前に贈与が行われていても遺留分減殺請求の対象です。しかし、それ以外の生前贈与は別です。相続開始前1年以内に贈与されたものが対象になることが原則とされています。

4.3 遺言で赤の他人が相続人になっている場合

サスペンスドラマなどで、故人の不倫相手に「遺産の全額を渡す」といった遺言が出てくるシーンがあります。現実にこんなことが起きれば驚いてしまいますが、冷静に行動することである程度のトラブルを回避できます。
たしかに、こういった遺言が有効となった判決はあります。とはいえ、それは配偶者と故人が長年の別居状態にあり、不倫関係も公然となっている場合です。不倫関係になってから年月が経過しておらず、関係を継続させるがために遺言をちらつかせた場合は無効とされています。
このように赤の他人が遺言によって相続人として浮上した場合でも、故人との関係性で判断ができます。状況によって遺言が無効になることもあれば、遺留分減殺請求ができることもあるため弁護士に相談しましょう。

・遺留分減殺請求を知る
・生前贈与も対象になる
・悩んだら弁護士へ

5. 遺産分割の方法を把握して準備をしよう

遺産相続の話が出るということは、誰かが亡くなったということです。近しい存在であればあるほど、しばらくは心情的に事務的な手続きへの活力が出ないかもしれません。そんな中で遺産相続についての知識を蓄え、対処していくのは困難でしょう。今の内から遺産の分割方法や関連する情報を把握しておくことをおすすめします。
また、これらの知識は自分が遺産を残す立場になったときにも役立ちます。法改正なども行われますから、都度情報を更新し、いざという時のために備えておきましょう。


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