アパートの経営に耐用年数は影響するのか|築古の対処法も解説

耐用年数が超えたアパートは利用できなくなるのでしょうか。また、古くなって入居率の悪くなったアパートを売却するときに、耐用年数が超えている場合は売却できるのか疑問に思うことはありませんか。
ここでは、耐用年数とはどのようなものなのか。また、耐用年数を超えたアパートは売却の際にどのようなことに注意すればよいのかなどを調べました。アパートを経営しているときの、売却のタイミングや購入のタイミングを考えるときの参考にして頂けたらと思います。

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1. アパートの耐用年数とは

耐用年数とは、減価償却資産が減価償却するさいに使われる年数のことです。

1.1 耐用年数と法定耐用年数

耐用年数とは、減価償却資産が利用に耐えることができる年数のことを言います。10万円以上のもので、1年以上使用できるものの経費を計上するときに使われる年数の基礎となるものです。この耐用年数は、建物の寿命を表すものではありません。したがって、建物の耐用年数がなくなったからといって、その建物で住めなくなるわけではありません。
法定耐用年数とは、減価償却できる資産の種類や構造、用途などを区別して税法上できめられた耐用年数のことを言います。アパートにも耐用年数は決められており、その構造や用途により耐用年数が変わります。

1.2 耐用年数と原価償却の関係

法定耐用年数は経理上の減価償却を行うときに使われるものです。減価償却できる資産は、安価な場合を除き、購入した年にすべての金額を一度に計上することはできません。そのため、その定められた法定耐用年数で割って、毎年、少しずつ経費として計上していくことになります。
減価償却には定額法と定率法の2つの方法があります。定額法は、毎年一定の額の減価償却費を計上する方法です。定率法は一定の率で減価償却費を計上する方法です。アパートを購入した際は、鉄骨造で3mm以下の構造のアパートだと、法定耐用年数が19年と決められているので、2,850万円で取得したアパートなら19年かけて減価償却することになります。

1.3 住宅用の建物の構造別の耐用年数

以下は住居用として使われる建物の法定耐用年数です。

構造耐用年数
鉄骨造 3mm以下19年
木造22年
鉄骨造 3mm超から4mm以下27年
鉄骨造 4mm超34年
鉄骨鉄筋コンクリート47年

住居用とする建物には、上記の耐用年数が定められています。なお、この耐用年数は国税庁のホームページで確認することができます。これらの法定耐用年数は新築時の法定耐用年数です。

・耐用年数は寿命ではない
・減価償却に使われている
・構造や用途により区別

2. 中古アパートの耐用年数と融資期間の関係

原則、金融機関の融資期間は法定耐用年数より短い期間に設定されることが多いです。

2.1 中古のアパートの耐用年数の計算の仕方

中古のアパートの残存耐用年数は法定耐用年数を利用して計算することができます。新築時に比べて減価償却の期間が短くなります

法定耐用年数内のアパートの場合

(法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 x 20%) = 残存耐用年数

例えば、築10年の中古の木造アパートの場合の耐用年数の計算は以下のようになります。

(22年 - 10年) + (10年 x 20%) = 14年(残存耐用年数)

そして、この計算から築10年のアパートを購入したときには、減価償却期間が短くなることがわかります。そして、築10年の木造アパートは14年で減価償却できるということです。また、この計算で2年以下になる場合は、原則2年として扱われます。

耐用年数を超えたアパートの場合

法定耐用年数 x 20% = 残存耐用年数

例えば、築25年の中古の木造アパートの耐用年数は以下のようになります。

22年 x 20% = 4年(残存耐用年数)

そして、すでに法定耐用年数を超えている木造アパートだと、減価償却を4年で行うことになります。短期間で減価償却を行うことで、経費を大きくすることができます。そのため、収益用のアパートを探している人の中には、節税対策に築古のアパートを探している人も多く存在します。

2.2 法定耐用年数を目安に定められる融資期間

法定耐用年数は、アパートを購入の時の金融機関が決める融資期間に深く関わっています。金融機関はこの法定耐用年数が何年残っているかを、融資期間の長さを決める目安としています。なぜなら、法定耐用年数は建物の価値を表していて、法定耐用年数がなくなると建物的価値はゼロになると評価するからです。
金融機関は建物評価がゼロの建物に対して融資を行うことはできません。そのため、その建物の法定耐用年数が何年残っているかで、建物価値を評価しその建物の価値と土地の価値を合わせた分だけ融資を行います。これは、金融機関がその建物と土地で、債務不履行の場合に残債務を確実に回収できるように計算されています。
アパートを投資目的で購入している人の中には、節税対策のために築古のアパートを購入する人もいます。しかし、この場合、ほとんどの金融機関では融資を受けることができないため、自己資金を多く用意するなどの工夫が必要なようです。

・融資期間は耐用年数を参考
・耐用年数越えで節税できる
・耐用年数越えは融資難しい

3. アパートの法定耐用年数と物理的・経済的耐用年数

建物の減価償却を行うときに使われる法定耐用年数は、物理的耐用年数や経済的耐用年数とは差があります。

3.1 アパートの物理的耐用年数の考え方

木造アパートの場合の法定耐用年数は22年と決められています。これは、経理上の減価償却を計算する際の年数です。そのため、アパートがこの年数で、物理的にその建物が利用できなくなることを表すものではありません。
例えば、建物を建築するときには建築基準があります。そして、地震が起きたときのために新耐震基準も定められています。その建物を建てるときの、建築方法や資材によっても物理的耐用年数は変わります。
また、建物は、その構造と築年数に合わせた正しいメンテナンスを行うことで、物理的な建物の寿命を延ばすことが可能です。物理的な耐用年数は、法定耐用年数とかけ離れていることが多いです。

3.2 アパートの経済的耐用年数

多くのアパートは、法定耐用年数が経過すると建物価値がゼロになり、建物を取り壊して売却することがあります。この場合には、建物自体はまだまだ使える状態であることが多いです。しかし、経営上、利益を上げることができなくなった場合には、取り壊してしまう場合があります。
また、築古のアパートで入居者を確保するための建て替えやリフォームが必要になり多額の費用が発生しそうなときには、アパート自体を取り壊して経営をやめることがあります。経済的耐用年数がゼロになるということは、経営上利益をあげることができなくなったということです。経済的耐用年数は法定耐用年数と同じ頃とは限りません。

・物理的な建物の寿命
・経済的な建物の寿命
・法定耐用年数とは違う

4. 耐用年数を超えたアパートはどうすればよいのか

耐用年数を超えたアパートは立て替えや大規模修繕、リフォームで再び、利益がでるようにすることができます。ただし、立地条件がよく人気があり、入居者を確保できるアパートに限ります。

4.1 建て替えを行うことで入居率をあげる

耐用年数を超えたアパートは、見た目にも年数がかなり経過していることがわかります。年数が経過すると、入居者の間取や設備のニーズも変わっています。そのため、日本人はきれいで新しい物件を好む傾向があるので、築古のアパートでは入居者を確保することが難しくなる場合があります。
また、耐用年数を超えたアパートは、修繕費用や維持・管理費も上がってきます。しかし、築古のアパートは建て替えを行うことで、その時代のニーズに合わせたアパートに変えることができます。また、建て替えることでその建物の維持・管理費も築古のものに比べて抑えることができます。

4.2 大規模修繕やリフォームを行う

建物の大規模修繕やリフォームを行う方法もあります。古くなったアパートを修繕したり、リフォームを行うことで、入居率の改善が見込まれ、建物自体の寿命も伸ばすことができます。特に、木造のアパートなら、修繕費用やリフォームの費用が、鉄筋などのアパートの修繕やリフォームする費用よりも手軽な価格で行うことができます。

4.3 売却する

アパートは投資目的で購入する人が多いと思われます。その場合、耐用年数を超えて入居率の悪くなったアパートでは利益をだすことが難しくなります。そのため、その後何年アパート経営を続けるかや、修繕や建て替えをした場合の費用とその後の入居率を考えなければなりません。そして、どれくらい経営を続けて、どれだけの利益をだせるかを試算し、収支のバランスを考えなければなりません。
立地条件がよく、入居者の確保も容易な地域であれば立て替えや修繕をすることで、再度、利益をだすことが可能かもしれません。しかし、条件があまりよくない場合には、売却を考えるのも1つの方法です。

・リフォームで入居率を改善
・修繕で建物寿命を延ばす
・利益が出せなければ売却

5. 耐用年数を超えたアパートを売却するときの注意点

建物の評価額がゼロの場合には、土地に対してのみ融資することができます。また、更地にすることで売却しやすくなります。アパートの売却には適切な不動産会社を選びましょう。

5.1 建物を残したままアパートを売却する

耐用年数が過ぎたアパートを売却する場合、問題となるのが購入者側の融資期間です。金融機関は法定耐用年数が経過したアパートは評価額をゼロとします。そのため、アパートの購入の際の金融機関からの融資を受けることができない場合があります。融資をうけることができない物件は売却が難しくなります。
そのため、アパートを売却する際には、法定耐用年数に気を付けながら、ある程度の法定耐用年数を残していると売却しやすくなります。また、アパートの建物価値はゼロでも、土地は減価償却資産ではないので、路線価による評価で価値を評価することができ、この評価額に応じて融資を行ってもらえる場合があります

5.2 アパートを取り壊してから売却する

法定耐用年数が経過したアパートは建物価値はゼロと判断されますが、そのアパートが建っている土地は、減価償却の対象ではないので、購入者はその土地を担保として融資をうけることができます。そのため、アパートを解体して更地にすることで売却することができます。
また、更地となることで、汎用性が高くなるので売却できるターゲットも広がります。そして、アパートがある場合には、購入者はそのアパートが不要の場合、解体費用を負担しなければなりません。更地にすることで、その解体費用をなくすことができ、売却しやすくなります。

5.3 適切な不動産会社を選んで売却する

アパートを売却するときには、不動産会社の選び方がとても重要になります。不動産会社にはそれぞれが得意分野を持っています。マンションの売買が得意であったり、分譲マンションの取り扱いがメインであったり、投資用物件の取り扱いをメインとしていたりと不動産会社の得意分野は多くの種類があります。
投資用のアパートを売却するときには、投資物件の取り扱い実績を多くもつ不動産会社を選ぶことが大切です。実績が多いほど、売却へのノウハウや知識も豊富でより高値でスムーズに取引を進めることができます。

・土地を担保に融資
・更地にすると売却しやすい
・適切な不動産会社を選ぶ

6. アパートを購入するときには耐用年数を考慮に入れる

アパートを投資目的で購入する場合、減価償却を行うことができます。この減価償却を行うことで税金の支払いを抑えることができ、キャッシュフローも大きくなります。減価償却の期間を考えると、法定耐用年数が長いものの方が得のような気がします。
しかし、法定耐用年数が長いものは、構造上、重量鉄骨が使用されていたり、高層の建築物の場合があります。そうなると、修繕時の規模も大きくなり費用も多額になります。また、建物の取得にかかる費用も高額になります。
それに対して、木造建築などの法定耐用年数が短いものは、鉄骨造のものに比べて比較的安価で取得することができます。そして、修繕などの費用も安く抑えることができます。このように、アパートを購入するときには、法定耐用年数を考慮に入れながら、経営期間や利益、経費などを試算する必要があります

7. アパートはメンテナンスを行い建物寿命を延ばして利用しよう

アパート経営で利益を出すためには、いかにアパートを入居率が高い状態を保ち、利益をだせるかということを考える必要があります。それには、適切なメンテナンスを行う必要があります。適切なメンテナンスを行うことで、物理的なアパートの耐用年数も延ばすことができます。また、経済的な耐用年数も延ばすことができます。そして、アパートを経営しているときには、アパートの売り時を見逃さないためにも、耐用年数を常に意識することは大切です。


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