空き家の固定資産税は最大6倍⁉適切な対策と補助金・特例を活用!

相続したまま放置、家族との同居や施設への入居。
日本では、様々な理由により『空き家』の数が増え続けており、その管理状態の悪さによるトラブルが後を絶たなくなっています。

すまリス
平成30年の統計局の調査では、総住宅数6242万戸のうち、およそ14%の876万戸が居住世帯のない『空き家』として報告されたよ!
ここずっと空き家の数は右肩上がりだね。
(参照:総務省統計局「平成30年住宅・土地調査」

空き家の放置は様々なリスクが付きまといます。

これらのリスクの一つが固定資産税や都市計画税の上昇です。

空き家の場合どのように税金が変わるのか把握して、最も良い活用法を見つけましょう。

監修平井 美穂

金融機関で資産運用相談および融資業務に従事。出産を機に独立系ファイナンシャルプランナーとして活動をはじめる。現在は、住宅購入相談、資産運用相談業務を専門とするコンサルタント業務をなども務める。

【保有資格】ファイナンシャルプランナー

【URL】平井FP事務所

空き家の固定資産税・都市計画税

空き家には固定資産税や都市計画税がかかります。
このうち都市計画税は、都市計画区法による市街化区域内の土地や建物に市町村が設定することができる税金です。

固定資産税は不動産の固定資産税評価額に対して1.4%、都市計画税は0.3%となっています。(いずれも基準の税率であり、市区町村によって多少ことなる場合があります。)

すまリス
固定資産税評価額は、固定資産税等を計算する基準となる土地や家屋の価格で、不動産評価額の種類の一つといえます。
住宅地(住宅の立っている土地)では、固定資産税・都市計画税を求める際の土地の評価額が軽減される措置がなされています。
空き家を解体した更地は、この軽減措置から外れるため、『固定資産税評価額×税率』で通常通り計算されます。
これが、「更地にすると税金が高くなる」といわれる理由です。以下は軽減措置を含めた計算表です。
200㎡を境に計算が変わることに注意しましょう。
状態土地にかかる固定資産税土地にかかる都市計画税
土地の上に住宅(通常の空き家含む)が存在●土地面積200㎡以下の部分⇒
固定資産税評価額×1/6×1.4%
●土地面積200㎡超えの部分⇒
固定資産税評価額×1/3×1.4%
●土地面積200㎡以下の部分⇒
固定資産税評価額×1/3×0.3%
●土地面積200㎡超えの部分⇒
固定資産税評価額×2/3×0.3%
土地の上に特定空き家が存在固定資産税評価額×1.4%固定資産税評価額×0.3%
更地固定資産税評価額×1.4%固定資産税評価額×0.3%

ここからは、上の計算表を参考に土地にかかる固定資産税と都市計画税を「通常の空き家」と「更地」の場合とでシミュレーションし、違いを見ていきましょう。

計算シミュレーションの条件

  • 土地面積:300㎡
  • 土地 固定資産税評価額:2,000万円
  • 建物 固定資産税評価額:700万円

シミュレーションの結果はこちら

固定資産税の計算

固定資産税は、土地家屋の評価額に対し1.4%の税率でかかります。

通常の空き家の場合

軽減措置が適用されますので土地の固定資産税は以下の様になります。

●土地面積200㎡以下の部分
2,000万円×200㎡/300㎡×1/6×1.4%=31,100円
●土地面積200㎡超えの部分
2,000万円×100㎡/300㎡×1/3×1.4=31,100円
建物の評価額には軽減措置が適用されません。
700万円×1.4%=98,000円
合計して、年間160,200円となります。

特定空き家の場合

軽減措置が適用されない為、土地と家屋の評価額2,700万円に対し1.4%がかかります。
念の為別々に計算してみます。

土地にかかる固定資産税
2,000万円×1.4%=280,000円
建物にかかる固定資産税
700万円×1.4%=98,000
合計して、年間378,000円となります。

更地の場合

更地にも軽減税率の適用はありません。
また、家屋がないため土地のみの課税になります。

2,000万円×1.4%=280,000円
年間280,000円となります。

都市計画税

固定資産税は、土地・家屋の評価額に対し0.3%の税率でかかります。(一般的な税率になります。)

通常の空き家の場合

軽減措置が適用されますので土地の都市計画税は以下の様になります。

●土地面積200㎡以下の部分
2,000万円×200㎡/300㎡×1/3×0.3%=13,300円
●土地面積200㎡超えの部分
2,000万円×100㎡/300㎡×2/3×0.3%=13,300円
建物の評価額には軽減措置が適用されません。
700万円×0.3%=21,000円
合計して、年間47,600円となります。

特定空き家の場合

軽減措置が適用されない為、土地と家屋の評価額2,700万円に対し0.3%がかかります。
念の為別々に計算してみます。

土地にかかる都市計画税
2,000万円×0.3%=60,000円
建物にかかる都市計画税
700万円×0.3%=21,000円
合計して、年間81,000円となります。

更地の場合

更地にも軽減税率の適用はありません。
また、家屋がないため土地のみの課税になります。

2,000万円×0.3%=60,000円
年間60,000円となります。

計算のまとめ

  • 通常の空き家の場合
    ・固定資産税:年間160,200円
    ・都市計画税:年間47,600円
  • 特定空き家の場合
    ・固定資産税:年間378,000円
    ・都市計画税:年間81,000円
  • 更地の場合
    ・固定資産税:年間280,000円
    ・都市計画税:年間60,000円

 

コラム:固定資産税は誰がいつ払うの?

固定資産税は、1月1日時点の物件所有者が支払います。
あなたが不動産を購入した場合は、翌年の1月1日から納税義務が発生し、6月ころに納税通知書が郵送されてきます。自治体によって4期に分割又は1年分を一括で支払う方法があります。

なお、相続した場合も納税義務者となるのは翌年1月1日時点の所有者になりますが、相続登記が済んでいない場合は、相続人が立て替える、あるいは、相続財産から支払うことになります。

納税を滞ると、延滞税が発生します。
さらに延滞を続けると、「督促」⇒「差し押さえ」⇒「競売」の順に進行し、財産を失うことになります。

空き家の対策

空き家を放置することは所有者にとっても社会全体にとっても大きな損失につながります。

住んでいない家のせいで資産が減ってしまうのは避けたいですよね。そうならないためには、しっかりと空き家対策を行うことが大切です。

空き家対策には様々な手段が考えられるので、以下で一つ一つ確認しながら、ご自身の状況に最も適したものを考えてみてください。

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売却する

空き家の状態が良ければ、売却するのがオススメです。

売却による利益が得られるほか、相続してから3年以内の自宅などの売却では、結果的に譲渡所得税を減らすことのできる「取得費加算の特例」を利用することができます。

ただし、日本においては人口のドーナツ化現象が顕著であり、中古住宅市場においても都心の物件と地方の物件とでは需要に大きな開きがあります。

空き家が人口の少ない地方に所在している場合は、売れるまでかなり時間がかかることを覚悟しておきましょう。

空き家の買い主を探す手段として、「一括査定サイトなどから不動産会社に問い合わせる」、「地方自治体の運営する『空き家バンク』などに登録する」などの手段が考えられます。

不動産会社一社に問い合わせただけでは希望に沿う提案がもらえない可能性もあるので、できれば複数の不動産の査定を受け、話を聞いてみましょう。

なお、売却にかかる費用はおおよそ売却金額の3~7%ほどです。

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一括査定サイトを利用して空き家の売却

いすれにしても空き家を売却するには不動産業者を探す必要があります

すまいステップなら簡単60秒査定で、複数の不動産会社から査定を受けることができます。売却価格の目安を知る事ができるので、売却を少しでも検討している人にはオススメです。

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賃貸物件として貸し出す

空き家を賃貸にだせば、物件管理の手間はかかりますが、家賃収入で固定資産税が払えますし、人が住むことで建物のいたみが進まずに済みます。

空き家を賃貸にだす場合は、借り手がつきやすいようにリフォームなども選択肢に入ってくるかもしれません。ただし、リフォームは工事内容によって1000万円以上かかるケースもあり、リフォーム費用を家賃収入で回収できるか慎重な検討が必要です。

また、賃貸経営には、トラブル対応や空室になったときの入居者募集などの手間がつきものです。収支に余裕があるのであれば、賃貸管理業務は管理業者に委託することをオススメします。

管理業務の委託は、家賃の5%程度を管理会社に支払うのが相場です。

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更地にして売却又は賃貸

更地なら、家以外にも畑にしたり倉庫や太陽光パネルを設置したりなど買い手の用途が広がります。土地として貸し出したり、駐車場にしても良いでしょう。

ここで気を付けたいのは、本当に売れるのか、貸すあてがあるかということです。

無計画のまま解体に踏み切ると、いつまでも買い手や借り手がつかず、上がった固定資産税を払い続けることなります。

家の解体は家の構造・規模によって費用が変わりますが、木造30坪の一軒家の場合はおおむね100万~150万ほどかかります。

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親族に住んでもらう

親族など信頼できる人に居住してもらえれば空き家でなくなります。

固定資産税・都市計画税相当分を家賃として払ってもらえるだけでも、空き家のまま荒廃していくよりはよほどいいのではないでしょうか。

まずは親族に貸して、後々どうするかゆっくり考えるのも手です。

相続などで空き家が生じたときには、親族会議をして、住む人や管理する人などを決めておきましょう。

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売却時に利用できる特例や補助金

日本においては、中古市場を活性化させ、空き家を減らすために、空き家にかかる税金を軽減する特例がいくつか存在します。

減免措置を利用することで空き家にかかる税金を最小限に抑えることが可能になるので、どのようなものがあるのか以下で説明していきます。

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

相続で空き家になった被相続人の家を売却した場合に、売却益から3000万円を控除してもらえる特例です。

不動産を売却して利益を得た場合、その利益は譲渡所得と呼ばれ、所得税(復興特別所得税)・住民税が課されます。この特定を利用することで、譲渡所得から3000万円を限度に課税額を減額し、節税することができます。

この特例は、以下の条件にあてはまる場合に利用できます。

【売却する建物の条件】

  • 相続の開始の直前において被相続人が単身で居住していた
  • 昭和56年5月31日以前に建てられた戸建ての住宅である
  • 相続から売却までの期間、空き家であった
  • 一定の耐震基準を満たしていること

【その他の条件】

  • 売却金額が1億円以下である
  • 相続から3年目の12月31日までに売却する
  • 売却先が配偶者や生計を一にする親族などではない
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地方自治対の補助金制度を利用する

地方自治体ごとに、空き家の解体費用などに対する補助金などが用意されています。

ここでも、いくつかの補助金を取り上げますが、詳しくは「市区町村名+空き家+補助金」で検索してみましょう。

神戸市(老朽空き家等解体補助制度)

1.制度の内容

昭和56年5月以前に着工された家屋を解体する際に、最大100万円の補助金を支給するもの
(補助金額の算出に条件あり)

2.対象

次のいずれかを満たす家屋

  • 家屋の一部に腐朽・破損がある空き家
  • 腐朽・破損がない空き家又は、居住する家の場合は幅員2m未満の道路に接する土地に建つ家屋。あるいは面積60㎡未満の土地に建つ家屋。

川口市(空き家除去補助金)

1.制度の内容

敷地を更地とする工事かかる費用を最大100万円補助するもの
(補助金額の算出に条件あり)

2.対象

以下すべてを満たす空き家

  • 無接道の空き家であること
  • 事前診断により住宅地区改良法の「不良住宅」と判断された空き家であること
  • 空家法の空き家であること
  • 空家法の特定空き家である場合、同法14条の命令を受けていないこと
  • 市内にある空き家であること
  • 国または地方公共団体から補助を受けてない建造物であること

その他にも要件があります。詳しくは「川口市空家除去補助金交付要綱」をご確認ください。

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不動産会社 査定価格
不動産会社A 1100万円
不動産会社B 1400万円
不動産会社C 1280万円

これだけ査定額に差が出ると、複数の不動産会社に査定を依頼することが、不動産を高く売るために必須だと言えるでしょう。

少しでも不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトで自分の不動産がいくらで売れるか調べてみましょう。

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