日本においては空き家が年々増加しており、社会問題としてたびたび取沙汰されています。
平成25年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、平成 25 年10月時点で全国の総住宅数 6,063万戸のうち、空き家の数は820万戸にも及びました。(参考:総務省)
そんな空き家の増加による財政への悪影響を危惧した日本では、昨今、国をあげて空き家の対策に力を入れています。
その一環として制定されたのが、平成27年の「空家等対策特別措置法」です。
空家等対策特別措置法の内容を簡単に説明すると、「管理の行き届いていない空き家を放置した場合には、固定資産税が6倍になる」ということです。
本記事では、空き家を相続予定の方や空き家を既に相続されている方に向けて、空き家にかかる税金の概要・空き家の節税方法・空き家の対処方法の3つを解説しています。
【この記事の結論】
- 空き家にも固定資産税はかかる
- 空き家の固定資産税は登記上の名義人が年一括あるいは四季ごとの4分割で支払う
- 特定空き家に指定された場合、空き家にかかる固定資産税の税率が6倍になる
- 空き家は放置せず、売却・賃貸・解体などの適切な対策をとる
空き家にかかる固定資産税はいくら?
不動産を所有していると「固定資産税」がかかります。
この固定資産税は、所有している不動産が空き家であっても例外なくかかります。
「親から実家を相続したが、自分は結婚してマイホームがあるので、実家に住む予定はない」という人は、自分の家と住んでいない実家両方の固定資産税を支払わなければいけないということですね。
さらに地域によっては、都市計画事業・土地区画整理事業に必要な費用として「都市計画税」がかかることもあります。
空き家にかかる税金の計算方法
空き家にかかる固定資産税・都市計画税の計算方法は、以下のように定められています。
税の種類 | 税率 |
---|---|
固定資産税 | 課税標準額×1.4% |
都市計画税 | 課税標準額×上限0.3%(市区町村ごとに変動) |
固定資産税の税率は全国一律で決まっていますが、都市計画税は市区町村ごとに税率が違います。
ご所有の空き家にかかる都市計画税が気になる方は、『市区町村名+都市計画税』で検索して、各自治体の公式HPを参照してください。
なお、固定資産税・都市計画税ともに、課税標準額が家屋20万円・土地30万円に満たない場合には課税されません。(免税点)
空き家の固定資産税は住宅用地の特例で減税されている
不動産にかかる固定資産税・都市計画税は、不動産が住宅用地となっている場合、大きく減額することができます。
この減免措置を「住宅用地の特例」と呼びます。
「住宅用地の特例」が適応されると、固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3まで減額されます。
ただし、「住宅用地の特例」の適用は住宅用地であること、つまり「住宅が建っていること」が条件です。
更地の場合には適用されないので、注意しましょう。
さらに、先述の「空家等対策特別措置法」により、「特定空き家」に該当した空き家にも適用されなくなりました。
住宅用地の特例適用後の税金の計算方法
不動産の区分 | 特例の適用 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|---|---|
更地 | 建物が無い状態 | × | 課税標準×1.4% | 課税標準×0.3% |
小規模住宅用地 | 住宅1戸につき200㎡までの土地 | ○ | 課税標準×1/6×1.4% | 課税標準×1/3×0.3% |
一般住宅用地 | 200㎡を超える土地 | ○ | 課税標準×1/3×1.4% | 課税標準×2/3×0.3% |
特定空き家 | 特定空き家として国から指定された空き家 | × | 課税標準×1.4% | 課税標準×0.3% |
例えば250㎡の土地に戸建てが1戸ある場合、固定資産税の計算は以下のようになります。
固定資産税の計算例
課税標準額(土地:250㎡) 2000万円 / 課税標準額(建物) 1000万円 とする
【特例適用の場合】
2000万円÷250㎡×200㎡×1/6×1.4% = 約3.7万(小規模住宅用地にかかる税)
2000万円÷250㎡×50㎡×1/3×1.4% = 約1.9万(一般住宅用地にかかる税)
1000万円×1.4% = 14万(建物にかかる税)
合計 約19.6万円
【特定が適用されない場合】
2000万円×1.4% = 28万(土地にかかる税)
1000万円×1.4% = 14万(建物にかかる税)
合計 約42万円
【更地にした場合】
2000万円×1.4% = 28万(土地にかかる税)
合計 約28万円
このように、固定資産税は通常「特例適用外の場合>更地の場合>特例適用の場合」の順で高くなっていきます。
更地にすると空き家の時より税金が高くなることは知らない方も多いので、これを機会に覚えておきましょう。
「空き家の維持費がもったいない」と安易に空き家を解体して更地にしてしまうと、逆に経済的負担が増えてしまう可能性があります。
空き家の固定資産税は誰がいつまでに支払う?
ここまでで、空き家にかかる税金の算出方法を解説してきました。
それでは、その税金が誰がいつまでに支払うのでしょうか。以下で一つずつ見ていきましょう。
空き家の税金は登記上の名義人が支払う
空き家の税金は、登記登録で名義人に指定されている方が支払います。
相続時に相続登記(名義変更)を行っている場合は相続人の名義で届きますが、行っていない場合は元の登記人宛もしくは代表相続人宛に届きます。
代表相続人は家族内で話し合って決めることになります。
相続人が決まってない場合は、「代表相続人を誰にするか」「それぞれいくら税金を負担するか」「いつまでに代表相続人へ送金するか」を親族間で事前に決めておくことでトラブルを防げます。
固定資産税の納税タイミングは年4回
固定資産税・都市計画税の納税は、年に1度まとめてか年4回に分ける2パターンから選べます。
支払い時期は各地方自治体によって異なりますが、多くの自治体では6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)頃が支払いの目安となります。
詳細は納税通知書に記載されているので確認しましょう。
ちなみに、納付方法には以下のような選択肢があります。
固定資産税の納付方法(東京23区の場合)
- 郵便局・金融機関・コンビニなどで直接納付
- クレジットカード
- ペイジー
- 口座振替
空き家の税金を払わないとどうなる?
固定資産税や都市計画税を滞納してしまうと「延滞税」が別途課せられるほか、滞納期間が長引くと、納税義務者の財産が差し押さえられ、最悪の場合強制徴収されることもあります。
このように税金を滞納してしまうと大きなリスクがあるため、家族内で空き家を相続することになったら、相続人を早めに決定しましょう。
なお、経済的な問題で納税が難しい場合には、早めに不動産の所在する市区町村に相談しておきましょう。
分割による返済提案を受けられる可能性があるほか、被災者の場合・生活保護受給者の場合などには免除の措置をとってもらえることがあります。
空き家を放置していると、悪臭や害虫の原因になって近隣の迷惑になるだけでなく、倒壊の危険性が高まります。
こうした事故に対処するために、国は先述の「空き家対策特別措置法」を制定しました。
これにより、倒壊の恐れがあるとみなされた「特定空き家」には、ペナルティが科せられます。
具体的には、自治体からの助言・指導に応じず放置し続けると、「住宅用地の特例」が適用されなくなり、毎年固定資産税の税率が6倍、都市計画税の税率が3倍になります。
先程の試算の「課税標準額(土地:250㎡) 2000万円 / 課税標準額(建物) 1000万円」の空き家の場合、特例を受けられなくなることで、課せられる税金が約19.6万から42万まで跳ね上がります。
さらに、行政の指導を無視して「特定空き家」を放置し続けると、行政によって空き家が取り壊され、その解体費用が請求されるという事態にまで発展します。
この特定空き家への措置の件数は、平成27年に制定されて以来増加の一途を辿っています。
国土交通省の行った調査によると、平成30年度末までに市区町村長が特定空き家の助言・指導を行った件数は15,586件にものぼります。決して形だけの制度ではないということですね。(参考:国土交通省)
特定空き家になる条件
これから紹介する4つ条件のうち、1つでもに該当した空き家は特定空き家に指定される可能性があります。
条件①:劣化による倒壊などの危険がある場合
1つ目の条件は劣化による倒壊などの危険性があることです。
これは建物の傾斜や、基礎の部分との亀裂や柱のヒビ、梁などのずれによって、放置しておくと倒壊によって周囲に危険を及ぼす恐れがある状態を指します。
条件②:衛生上有害となるゴミなどが放置されている場合
衛生上有害となるゴミなどが放置されている場合も、特定空き家に認定されます。
ここでいうゴミは空き家の名義人のゴミだけに限定されない点に注意が必要です。
例えば、空き家を放置している間に第三者によってゴミの投棄などがなされている場合も条件に当てはまります。
条件③:周辺の景観を著しく損なっている場合
周囲の景観を損ねてしまっている場合も、特定空き家に認定される可能性があります。
これは空き家が放置されることで、敷地内に樹木・雑草が生い茂ったり、ゴミが転がっていたりなどして、周囲の景観にそぐわない状態になっていることを指します。
また、第三者による落書き・野生動物による被害などの場合もこの条件の範囲内です。
条件④:近隣住民の生活に負担を与える状態の場合
動物の住み着きによる鳴き声や糞尿の臭いがある、不審者の侵入を許してしまっているなどのケースでも、特定空き家に認定されます。
シロアリやハエの繁殖元となったりする場合も近隣住民からの苦情などによって、特定空き家に認定される可能性があります。
これらは普段居住していないと気づきにくく、建物自体に問題がなくても起こりえる事例なので注意が必要です。
固定資産税の税率があがるのはいつから?
空き家の固定資産税の税率が6倍に上がるのは、「特定空き家」に指定された翌年からです。
例えば2020年9月に特定空き家と指定され放置した場合、2021年1月1日の時点で住宅用地の軽減措置特例から外れてしまいます。
一方で、空き家の状態を2020年12月31日までに改善して、特定空き家の指定がなくなると、従来通り「住宅用地の特例」が適応されるようになります。
特定空き家に指定されるまでの流れ
特定空き家に指定されると、最悪の場合には役所によって当該空き家が取り壊され、解体費を請求されます。
特定空き家に指定され、解体されるまでの流れは以下のとおりです。
- 市町村長から助言・指導
- 修繕or除去するよう勧告
- 猶予期限付きの命令
- 空き家の除去など行政が代執行
それぞれどのようなことが起こるのか解説していきます。
Step1:市町村長から助言・指導
特定空き家の条件に当てはまると、まずは市町村長から空き家の状態の説明され、改善するよう指導を受けます。この指導に従わない場合、特定空き家の指定を受けます。
Step2:修繕or除去するように勧告
所有者に対して、空き家に対し必要な措置を取るよう書面が勧告されます。
また、勧告を受けた翌年から「住宅用地の特例」の適用を受けられなくなります。
勧告に従えば、特定空き家の指定は解除されますので、放置せずに対処をしましょう。
Step3:猶予期限付きの命令
勧告を放置していると、猶予期限付きで勧告にかかる措置をとるように命じられます。
猶予期限内に空き家の対処をおこなわなかった場合、50万円以下の過料が科せられます。
Step4:空き家の除去など行政が代執行
事前に通知した上で、所有者に代わって行政が空き家を解体します。
空き家の除去後、所有者にかかった費用などが請求されます。
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空き家に固定資産税以外の費用はかかる?
ここまでで空き家にかかる固定資産税・都市計画税について解説してきましたが、実は空き家には固定資産税以外にかかる税金や費用があります。
項目 | 費用 |
---|---|
相続税 | 相続遺産の総額・相続人数によって変動 |
登録免許税 | 不動産の評価額×0.4% |
譲渡所得税 | 譲渡所得金額 -( 取得費用 + 譲渡費用)×20.315%~39.63% |
光熱費 | 年間2~3.5万円 |
火災保険料 | 保険の契約内容によって変動 |
庭の剪定費 | 年間4~6万円 |
管理費・修繕積積立金 | 年間24~36万円 |
空き家管理代行費用 | 年間6~12万円 |
具体的にどういった費用なのか、以下で確認してみましょう。
相続税
相続税は遺産を相続した時に遺産の総額に対して課税される税金なので、空き家を相続した場合には、遺産の総額に空き家の評価額も含まれます。
「小規模宅地の特例」という制度を利用すれば、空き家の土地部分(330㎡まで)にかかる税金を80%節税することができます。
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登録免許税
不動産の相続の際には、相続登記と呼ばれる手続きが必要です。法務局にて所定の手続きを行い、登記簿上の名義人を変更します。
この名義変更に登録免許税と呼ばれる税金が発生します。
登録免許税は、『不動産の評価額×0.4%』で計算することができます。
譲渡所得税
これは、空き家を売却して利益が出た場合にのみ課税される税金です。
具体的には、空き家の売却価格が空き家の取得費用が上回った場合(譲渡所得を得た場合)に発生し、譲渡所得額に住民税・所得税が課税されます。
なお、空き家を取得して5年以内の売却は39.63%の税率、5年以上経過後の売却は20.315%の税率がかかります。
譲渡所得税については、以下の記事で詳しく解説しています。
不動産を「購入時にかかった価格」より高い価格で売却したとき、その売却益(譲渡所得)に所得税と住民税が課税されます。売却益が全て利益になると考えていると、思わぬ出費がかさむので注意しなければいけません。しかし、不動産売却で生じ[…]
光熱費
空き家は定期的に換気・清掃を行わないと激しくいたみます。
そのため、月に一度程度は空き家を訪れてメンテナンスをする必要があります。
その際に電気・水道がないと非常に不便なため、空き家の場合でも光熱費はかかるものと認識しておくべきです。
また、水道管は使用しないとサビなどが発生しやすくなり、劣化するので、換気などと同じく定期的に利用が必要です。
空き家の年間の光熱費は、水道代1万~1.5万円・電気代1万~2万円ほどをみておけば良いと思います。
火災保険料
普段人気のない空き家は、放火の被害に遭いやすい物件です。
実際に放火をされてしまった場合、焼け跡の瓦礫の撤去を行わなければなりませんが、保険に入っていないとこの撤去費用が全額自己負担になってしまいます。
空き家は放火リスクが高いことから通常の住居よりも保険料が高くなりますが、万が一のことを想定し、火災保険の解約はしないことをおすすめします。
ただし、保険の内容によっては空き家は補償対象外の可能性もあるので、一度保険会社に確認が必要です。
庭の剪定費
庭付きの空き家の場合、敷地内の植物の管理も空き家の管理人に責任があります。
特に、雑草などが生い茂ると、虫や獣の被害が起こりやすくなり、近隣住民から苦情がくる可能性もおおいにあるので、定期的な剪定が必要です。
年に4回剪定を行うと仮定すると、庭の広さによりますが年間でおよそ4万~6万円の剪定費用がかかります。
管理費・修繕積立金
これは、所有する空き家がマンションのみ、月々でかかる費用です。誰も住んでいない空き家の場合でも、支払う義務があります。
一般的な分譲マンションの管理費・修繕積立金はおおよそ月で2万~3万円ほどなので、年間にすると24万~30万円ほどの出費になります。
空き家管理代行費用
遠方に住んでいて空き家のメンテナンスを定期的に行えない場合は、空き家の管理代行会社にメンテナンスの依頼を検討しましょう。
空き家の管理代行は、換気・水道の開栓・屋内外の点検・清掃・雑草の剪定・郵便物の確認を行ってくれます。
管理代行費は業者によりまちまちですが、月額5千円~1万円ほどが相場です。よって年間では6~12万円ほどの費用がかかります。
空き家にかかる税金を節約する特例
日本においては、空き家市場・中古物件市場を活性化するために、空き家にかかる税金を節約する特例がいくつか存在します。先程記事に出てきた「住宅用地の特例」もその一つです。
減免措置を利用することで空き家にかかる税金を最小限に抑えることが可能になるので、どのようなものがあるのか以下で説明していきます。
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
これは、「相続で空き家になった被相続人の家を売却した場合に、売却で得た利益から3000万円を差し引いた金額に譲渡所得税を課す」という特例です。
不動産を売却して利益を得た場合、その利益は譲渡所得と呼ばれ、譲渡所得税(所得税・住民税)が課されます。この特定を利用することで、譲渡所得から3000万円を限度に課税額を減額し、譲渡所得税を節税することができます。
この特例は、以下の条件にあてはまる場合に利用できます。
【売却する建物の条件】
- 被相続人が単身で居住していた
- 昭和56年5月31日以前に立てられた戸建ての住宅である
- 相続から売却までの期間、空き家であった
- 現行の耐震基準に適合している
【その他の条件】
- 売却金額が1億円以下である
- 相続から3年目の12月までに売却する
- 売却先が配偶者および生計をともにする親族などではない
相続した空き家の管理には多くの税金や費用、労力を費やします。一方売却してしまえば税金がかかることもないし、管理に手をこまねくこともない。うまくいけば手元にも現金として残る。実家の管理に困り、空き家として放置し続けてしまうよりも断[…]
地方自治体ごとの解体補助金制度
空き家の所在する地方自治体によっては、空き家の解体などに対して補助金を給付する特例があります。
特例の名称・条件・内容は地方自治体によってそれぞれ異なるので、探す際には「市区町村名+空き家+補助金」などのキーワードで検索してみてください。
以下で例として、川口市の「空家除却補助金」をとりあげます。
川口市空家除却補助金
対象空き家 | ・ 空家法の空家等であること。 ・ 空家法の特定空家等となり、同法14条の命令を受けていない空き家。 ・ 市内にある空き家(所有者等が個人のものに限ります。)。 ・ 事前診断により住宅地区改良法の不良住宅と判定されている空き家。 ・ 接道が無く建て替えができない敷地に建つ空き家。 ・ 国又は地方公共団体から同一の部位に対して補助を受けていない建築物。 |
---|---|
対象者 | ・ 空き家の所有者(二親等以内の親族を含む)または購入する方。 ・ 市税を完納している方。 ・ 事例として紹介されることに了承いただける方。 |
対象工事 | ・ 着工前の工事(交付決定を受けた後に着工する工事)。 ・ 市内に本社を有する事業者が行う工事。 ・ 空き家の全てを除却し、敷地を更地にする工事 |
補助金額 | ・ 次のいずれか低いほうの額(上限は100万円) 補助対象工事に要した費用のうち、5分の4に相当する額 床面積1㎡につき2万円の額(千円未満切り捨て) |
引用:川口市HP
空き家の対策方法
空き家を放置することが所有者にとって大きな損失につながることは、もう理解していただけていると思います。
住んでいない家のせいで資産が減ってしまうのは避けたいですよね。そうならないためには、しっかりと空き家対策を行うことが大切です。
空き家対策には様々な手段が考えられるので、以下で一つ一つ確認しながら、ご自身の状況に最も適したものを考えてみてください。
売却する
空き家の状態が良ければ、売却するのがオススメです。
売却による利益が得られるほか、相続してから3年後までに売却すれば、先述の「」も適用されます。
ただし、日本においては人口のドーナツ化現象が顕著であり、中古住宅市場においても都会の物件と田舎の物件では需要に大きな開きがあります。
空き家が人口の少ない田舎に所在している場合は、売れるまでかなり時間がかかることを覚悟しておきましょう。
空き家の買い主を探す手段として、「一括査定サイトなどから不動産会社に問い合わせる」、「地方自治体の運営する『空き家バンク』などに登録する」などの手段が考えられます。
不動産会社一社に問い合わせただけでは希望に沿う提案がもらえない可能性もあるので、できれば複数の不動産の査定を受け、話を聞いてみましょう。
なお、売却にかかる費用はおおよそ売却金額の5~7%ほどです。
「家を売りたいときどうするの?」「初めて家を売るので失敗しないか不安・・」家を売ることは人生で何度も経験することではありません。いざ「売りたい!」と思っても何から手を付けていいか分からず不安ですよね。この記事では、家を売る流[…]
一括査定サイトを利用して空き家の売却
いすれにしても空き家を売却するには不動産業者を探す必要があります
すまいステップなら簡単60秒査定で、複数の不動産会社から査定を受けることができます。売却価格の目安を知る事ができるので、売却を少しでも検討している人にはオススメです。
賃貸物件として貸し出す
空き家を賃貸にすれば、物件管理の手間はかかりますが、家賃収入で固定資産税が払えますし、人が住むことで建物のいたみが進まずに済みます。
賃貸に出す場合はある程度設備が整えた方が貸しやすくなるので、空き家のリフォームなども選択肢に入ってくるかもしれません。ただし、リフォーム内容は慎重に検討しないと費用を家賃収入で回収できず、大きく損をするため注意が必要です。
また、賃貸経営には、設備トラブルの対応や空き家になったときの入居者募集などの手間がつきものです。資産に余裕があるのであれば、空き家の賃貸業務は管理業者に委託することをオススメします。
管理業務の委託は、家賃の5%程度を管理会社に支払うのが相場です。
転勤や相続などで住まなくなった家ができたとき、売るか、貸すか迷う人は少なくありません。どちらの選択肢も一長一短があるので、慎重に判断をしなければいけません。この記事では、家を「売る」と「貸す」のメリットとデメリット、結局どちらを[…]
更地にして売却又は賃貸
更地なら、家以外にも畑にしたり倉庫や太陽光パネルを設置したりなど買い手の用途が広がります。土地として貸し出したり、駐車場にしても良いでしょう。
ここで気を付けたいのは、本当に売れるのか、貸すあてがあるかということです。
無計画のまま解体に踏み切ると、いつまでも買い手や借り手がつかず、上がった固定資産税を払い続けることなります。
家の解体は家の構造によって費用が変わりますが、木造30坪の一軒家の場合は100万~150万ほどかかります。
相続などで住まなくなった家を処分しようと考えている方は少なくないと思います。東京に住みながらも実家が地方にあったりすると、相続人になっても住むとなると別の話。固定資産税など維持する費用のことを考え、家の処分を検討している方もいる[…]
親族などの誰かが住む
親族などの信頼できる人を住まわせて、居住してもらえれば、空き家ではなくなります。
その住人に家賃を入れてもらうか、その家の固定資産税分を払ってもらうとなお良いです。
家は人が住んで初めて管理が行き届くもの。
ますは親族が住んで、後々どうするかをゆっくり考えるのも手です。
相続などで空き家が生じたときには親族会議をして、可能であれば住む人・管理する人など決めておきましょう。
両親や兄弟との同棲や死別など、様々な理由から空き家となってしまう家の増加が近年社会問題となっています。相続した側の人が空き家の処分に悩むのも無理はありませんが、「面倒だから...」という理由で空き家のまま放置を続けると後々トラブルの[…]
記事のおさらい
空き家にはどのような税金がかかるの?
空き家には以下の5つの税金が課せられます。詳しく知りたい方は空き家に固定資産税以外の費用はかかる?をご覧ください。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 相続税(相続時のみ)
- 登録免許税(相続時のみ)
- 譲渡所得税(空き家の売却で利益がでた時のみ)
空き家の固定資産税は誰に支払い義務がある?
空き家の税金は、その空き家の登記上の名義人に支払い義務があります。詳しくは空き家の固定資産税は誰がいつまでに支払う?をご覧ください。
空き家の固定資産税が6倍になるのはどのような時?
空き家の固定資産税が6倍になるのは、その空き家が「特定空き家」に指定され、「住宅用地の特例」という減免措置が受けられなくなった場合です。詳しく知りたい方は空き家を放置すると固定資産税の税率が6倍になるをご覧下さい。
空き家にかかる税金を節約する方法はある?
空き家にかかる税金を節約できる特例としては、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」「住宅用地の特例」などが代表的です。詳しくは空き家にかかる税金を節約する特例をご覧ください。