「ワンルームマンション投資はやめとけ」
このように言われるのはなぜなのでしょうか。
ここではワンルームマンション投資について、投資の仕組みやリスクについて解説していきます。
ワンルームマンション投資とは
ワンルームマンション投資とは、ワンルームマンションの一室を購入し、オーナーとなって居住者へ貸し出すことです。
「入居者がいれば毎月家賃収入が入ってくる」と注目を集めています。
ワンルームマンション投資の仕組み
ワンルームマンション投資ではどのように利益を得るのでしょうか。
ワンルームマンションの相場は2000万円ほど、物件の購入には金融機関の融資を受けて購入します。
月々の返済は、購入したマンションを入居者に貸し出して得た家賃収入から返済していきます。
融資のほとんどを家賃収入から支払い、支払いが終わり物件を売却すれば売却益を得られるという仕組みです。
ワンルームマンション投資の現状
仕組みだけを聞けばお手軽に聞こえるワンルームマンションですが、やめるべきという評価の方が多いです。
それはなぜなのでしょうか。
マイナス収支が発生してしまう
1つ目の理由として、マイナス収支が発生してしまうことが多いということが挙げられます。
つまり、月々の支払いを家賃収入を下回ることです。
マイナス収支となる原因にはこのようなものがあります。
- 築年の経過により物件が古くなり、家賃を下げなければならなくなる
- 入居者が入れ替わるたびに回復費用がかかる
- 住宅ローン返済以外にも運営コストがかかる
始めた当初は、収入と返済のバランスが取れていても、建物が古くなることで家賃を提げることになり、結果収支のバランスが取れなくなることが多いです。
また、入居者が入れ替わるたびに、原状回復をしなければならないのですが、それには大体15万円程度の費用がかかります。
そのほかにも以下のように、住宅ローン以外の出費があります。
- 管理費
- 修繕積立金
- 賃貸管理の委託費
- 故障個所の修繕費用
- 広告費
- 固定資産税・土地計画税
- 火災保険
詐欺にだまされてしまう
また、ワンルームマンションの運営の容易さから、仕事の副業として始める若い世代に注目されていますが、詐欺被害に遭ってしまうことも少なくないようです。
実際の詐欺事例をいくつか紹介します
- 手付金を支払ったらマンションを引き渡さずに持ち逃げされてしまった
- 投資のリスクを説明されることなく契約させられてしまった
- 悪質なデート商法にひっかかってしまった
このような事例が存在するので、ワンルームマンションの投資を考えている方は、しっかり対策してから始めましょう。
ワンルームマンション投資のメリットとデメリット
続いて、ワンルームマンション投資のメリットとデメリットについてみてみましょう。
ワンルームマンション投資のメリットとは
ワンルームマンションは、他の不動産と比べて物件の値段が安いのが普通です。その結果、以下のようなメリットを上げることができます。
少ない元手でも始められる
都心の新築マンションでも、ワンルームであれば2,000万円〜3,000万円ぐらいから始めることが可能です。まして中古であれば、数百万円から始められる場合もあります。
ワンルームマンション投資は他の不動産投資と比べると必要資金が少なくて済むのが大きなメリットです。
条件によって全額フルローンを利用できる場合もあるため、頭金の確保が難しい方でも始めることができます。
より「安定した収入」が期待できる
株式やFXは、短期的に大きな収入を得ることができますが、逆に大きな損失を出してしまう場合もあります。
しかし、ワンルームマンション投資であれば、価格などの動きが少なく低リスクのため、毎月安定した収入を長期的に得ることが可能です。
節税効果が期待できる
個人でのワンルームマンション投資は不動産賃貸業に該当します。ですから、物件の購入費用等(土地部分は除く)は耐用年数に渡って減価償却費を計上することができるので、節税効果が生じます。
また、費用の合計が家賃収入を上回った場合でも、赤字部分は給与所得と損益通算できます。その場合、給与所得で支払った税金の一部が返還されることになるのもメリットの一つといえます。
将来の生活の安定に役立つ
昨今、年金制度の破綻について囁かれることが多いですが、自身の老後の生活について不安を感じている人は少なくありません。ワンルームマンション投資は長期にわたって家賃収入が見込めるため、退職以降も年金の代役として機能させることができます。
また、銀行から融資を受ける際に団体信用生命保険に加入していれば、万が一のリスクが生じたときにもローンの残債は保険から返済されることになります。すなわち、被保険者の身に何かあっても、物件を相続する家族はローン返済をする必要はなく、家賃収入を失うこともありません。
相続税対策になる
相続税の対象となる現金・預金や有価証券は時価で評価されます。しかし、不動産の場合は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価されます。
路線価は時価よりも低く評価されるのが特徴で、だいたい時価の約70〜80%で評価されることが多いです。固定資産税評価額も同様で、建築価額の約50%〜70%になるようです。
ですから、不動産を相続することで、実際の価格よりも低い評価金額となり、相続税を抑えることができるようになるわけです。
ワンルームマンション投資のデメリットやリスクとは
ワンルームマンション投資は始めやすく魅力的ですが、それでもリスクは存在します。リスクをきちんと把握することで、リスクに備えた準備をしていくことができます。
収支のバランスに気を付ける
たとえ、マンションの管理を不動産管理会社に一任するとしても、オーナーとして必要最低限の知識を学習しておく必要があります。
不動産投資の収支では、収入である家賃の他に経費とのバランスを意識して賃貸経営に取り組む必要があります。
家賃減少リスクに気を付ける
- �@ 空室・滞納リスク
退去者が出て次の借主が決まるまでの一定期間は空室となります。この間、維持管理費はかかりますが収入はありません。また、入居者が家賃を滞納しても収入はありません。
空室をできるだけ生じさせないためには、需要の高い物件を選定することが大切です。 - �A 災害リスク
マンションが地震や台風などの災害に見舞われて大きな被害を受ければ、収入が途絶えることになります。さらに、災害で損傷すれば修繕費が必要となり、想定外の経費がかかることになってしまいます。
大規模な修繕に備えて、修繕積立金を十分に用意しておくことが重要です。 - �B 家賃下落リスク
マンションの賃料は様々な要因で下落することがあります。基本的に家賃は年数が経過するほど下がるものですが、人気がなく借り手の少ない地域の物件は下落率が大きくなります。
家賃の水準を高く維持するためには、リフォームなどの手入れをしっかりと行うことが大切です。
資産価格の下落に気を付ける
マンションの資産価格は、周辺環境の変化や経済状況によって変わってきますが、基本的には経年劣化するために徐々に下落していくのが一般的です。ですから、下落幅をある程度見込んだ上で収支計画を立てることが大切ですし、「売却する」タイミングも考慮しておく必要があります。
金利上昇リスクに気を付ける
金融機関から変動金利で融資を受けている場合、市場金利が高騰すれば支払利息の負担も増大します。
売るタイミングに気を付ける
マンションを売却しようとしても、買主が現れるまでに相当の期間を要することがあります。
ですから、急な資金が必要で売却を決断した場合、必要な時期に無理やり間に合わせるため大幅に値下げせざるを得なくなる可能性も出てきます。
売却には一定の期間が必要であることを念頭に置いて、ゆとりを持って準備をしておく必要があります。
ワンルームマンションの投資で失敗する原因
ここまで、ワンルームマンション投資の魅力について紹介してきましたが、ネットで調べてみれば「うまくいかなかった」といった意見もたくさんあることに気が付きます。
しかし、ネガティブな意見をじっくり読んでみると、「基礎知識が欠けていて、下調べが不十分だった」という共通点があることに気が付きます。
以下、失敗する原因の共通点について見てみましょう。
物件選びが業者任せ?
ワンルームマンションを選ぶときに大切なことは「物件選び」です。確実な収入を見込むためには、入居率が高いと予想される物件を選ぶ必要があります。
物件選びを不動産任せにしてしまうのではなく、自分自身で高い入居率が望めそうな物件なのかどうかを調べ、納得してから購入するべきです。
そのためには、部屋の間取りだけでなく、物件の設備はもちろん、周りの環境もみておく必要があります。
近くに、入居者が見込めそうなオフィスや学校があるかどうか。また、設備が整っていて入居者が住みたいと思えそうな物件であるかどうかなどをチェックしてみることで、失敗を防ぐことができる場合があります。
利回りの高さに目を奪われ、リスクを見落としている
不動産投資の利回りとは、「年間の家賃収入を物件購入価格で割ったパーセンテージ」のことです。これが高ければ高いほど利益が出ていることになるわけですから、高いほうがいいに決まっていると考えます。
しかし、利回りのいい物件は、その分、リスクが高くなってい場合が多いことを知っておく必要があります。
一般的に、都心部よりも地方のマンションのほうが利回りは高くなっています。しかし、地方のマンションは都心部に比べて空室が埋まりにくいというリスクがあります。利回りが高いのには、理由があるわけです。
そうした理由をきちんと調べた上で、慎重に物件を選べば失敗するリスクも小さくなります。
ランニングコストを把握しておらず、収益が出ない
投資を始めてみると、家賃収入があるにもかかわらず、収支が赤字となってしまっていることがあります。
そういうケースは、ローン返済金や管理費だけでなく、修繕積立金や各種保険料などの費用の計算がしっかりできていない場合が多いようです。
家賃収入とともに物件を維持するためにかかるランニングコストをあらかじめしっかりと計算した上で、収支の望める物件を選んでいくようにしましょう。
営業が提示する収支シミュレーションが甘い
営業担当者の中には、固定資産税や家賃の下落を考慮しないまま収支シミュレーションをする人もいるようです。
その話をうのみにして投資を始めても、家賃収入以上に費用のほうが大きくなり、赤字続きの不動産投資となってしまいます。
営業担当者に任せっきりにするのではなく、自分でしっかりと下調べをした上で、投資に値する物件かどうかを見極めていく必要があります。
利益を上げるためのポイント
それでは、ワンルームマンション投資で利益を上げるようにするにはどのようにしたらいいのでしょうか。
以下、利益を上げるためのポイントについて紹介します。
中古にするか、新築にするか
新築マンションの場合、物件価格の30〜40%ぐらいはマンションを建築するデベロッパーや販売会社の利益になっていることが多いようです。
そうなると、価格が高くなるので利回りも低くなり、利益が出にくい物件になる可能性が高いです。
中古の場合は、瑕疵の具合によっては大規模な修繕が必要となり、大きな費用かかってしまう場合がでてきます。
新築にしても中古にしても、それぞれ一長一短がありますので、どちらのほうががいいということは一概には言えません。
どちらであったとしても、十分な下調べを行った上で、「割安な物件」であると判断できるものを探していくことが大切です。
立地のいいマンションを選ぶ
投資物件の立地は、空室リスクを抑えるためにも大変重要です。
「駅から徒歩で何分なのか」、「通勤・通学に便利な場所なのかどうか」などの条件は、入居者にとって大きな影響を及ぼす条件となります。
また、騒音や悪臭などの環境条件が悪い物件も避けるべきでしょう。下水処理施設がすぐ近くにあるとか、線路や幹線道路の近くといった物件は、なかなか家賃を高く設定することができません。
物件の確認や周りの環境については、現場に行くことで直接自分の目で確かめてみることが大切です。
入居者の審査は厳しくする
現在の日本の賃貸借契約は借主が有利になっています。
いったん契約を結んでしまうと、たとえ滞納されたとしても簡単には契約解除をすることができません。ですから、入居者の審査は厳しく行う必要があります。
入居希望者の職業や収入はもちろん、その人柄も見極めていくことが必要です。
また、一般的には、家賃は収入の3分の1以下がよいとされています。それより低い収入の場合は、注意したほうがいいでしょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産投資で利益を上げるためには、不動産会社との付き合いにも注意していく必要があります。
物件の購入から管理の委託、そして売却と、信頼できる会社を選ぶことが重要なカギとなります。
正しいランニングコストを提示してくれない担当者がいるような会社では、何であっても信頼して任せることができません。
物件購入から売却までトータルで相談可能な信頼できる不動産会社を選ぶことが、不動産投資で成功する大きなポイントとなります。
そこで、役立つツールとして、「一括査定サイト」があります。
一括査定サイトであれば、必要事項を一度入力するだけで、複数の不動産担当者に査定依頼ができます。
複数の担当者に合う中で、自分にとって信頼のおける担当者を見つけることができます。
そんな一括査定サイトの中でも、全国の信頼できる不動産会社だけが登録されているすまいステップはおすすめです。
ワンルームマンションの不動産投資では物件選びがとても重要
いかがでしたでしょうか。ワンルームマンション投資では、物件選びが成否のカギを握っているといっても過言ではありません。
また、いい物件を見つけるためには、自分自身が不動産投資について勉強し、収支の見積もりをある程度立てることができるようになることも必要です。
そして、もう一つの重要な要素としては、信頼できる不動産会社を選ぶことです。
本当に信頼できる不動産会社を見つけることができれば、収支の見積もりのサポートもしてくれるでしょうし、購入後の維持管理を任せることもできるでしょう。
また、家賃を高額に維持するための原状回復やリフォームも、安心して任せることができます。
不動産物件の検索はすまいステップが便利
このように、不動産投資を成功させるには、物件選びと共に、不動産会社選びが重要です。
すまいステップでは、一度の入力で実績豊富な不動産業者へ一括査定依頼がなされます。
その結果、複数の不動産会社から査定内容を受け取ることができ、複数の担当者と会えることになります。
そうすることで、自分の信頼できる相手を見つけ、納得できる物件を見つけることができるでしょう。