「一生に一度の買い物」と考えて購入したマイホームでも、「ライフステージが変わった」「今の住まいに不満がある」などの理由で住み替えを検討する方は少なくありません。
しかし実際に住み替えをしようとしても、何から始めたらよいのか分からずスムーズに計画が進まないことがあります。
また住み替えでは大きな金額が動くため、資金計画が曖昧だと多額のローンを背負ってしまうリスクもあります。
この記事では住み替えを検討し始めたらまず知っておくべきことを紹介します。正しい知識を身につけて住み替えを行うか判断しましょう。
家を住み替えるタイミング
一生に一度の買い物と考えて購入する人も多いマイホーム。
しかし、最近はライフスタイルに合わせて「住み替え」を行う人も増えてきています。
住み替え経験者はどんな理由で住み替えを決意したのでしょうか?
住み替えへ行ったアンケート結果や体験談をもとに、住み替えに適したタイミングを見ていきましょう。
ライフスタイルに変化が生じたタイミング
住み替えを検討する理由で最もよくのが、下記のような「ライフステージが変わったから」というものです。
- 出産
- 子どもの進学や独立
- 転勤
- 定年退職
- ペットを飼い始める
住み替え経験者からも、以下のような体験談が寄せられました。
家が手狭になったため住み替えを検討
大阪府 40代・男性
夫婦と子供3人の5人家族ですが、部屋数が少なく、最低4LDKの家に住み替え希望でした。
※すまいステップ利用者へのアンケートより。
体験談①:家が手狭になったため住み替えを検討
福岡県 30代・女性
子供がクラブに入るのをきっかけで、クラブに少しでも近いところに引っ越せたらいいなと思って引っ越しを考えました。引っ越したら近所の人も親切で良かったなと思いました。
※すまいステップ利用者へのアンケートより。
子どもが増えて手狭になった、子どもが独立して部屋が余ったなど、子どもの成長に合わせて家のニーズが変わったという例はとても多いです。
また上記の体験談にはありませんが、急な転勤により遠くに引っ越さなくてはならなくなったなど、想定外のライフスタイルの変化が起こり、仕方なく住み替えなければならないこともあります。
家を住み替える人の平均年齢は「50代」
下のグラフは、国土交通省が住み替えを行った人の年齢を調査した結果です。
※国土交通省「住宅市場動向調査(令和2年度)」を元に編集部作成
どの物件種別でも住み替え時の平均年齢は50代です。
住み替え時の年齢が高くなるのは、今の家のローン残債が少ない方が新居の資金計画が立てやすくなると考える方が多いという側面もあるかもしれません。
しかし、住宅ローンの審査は定年退職が近づくほど厳しくなると言われています。住み替えのタイミングは計画的に考えることをおすすめします。
家を住み替える人の平均世帯年収はおよそ「950万円」
下の図は、国土交通省が住み替えを行った人に世帯年収を尋ねた結果です。
※国土交通省「住宅市場動向調査(令和2年度)」を元に編集部作成
住み替え先によってばらつきはありますが、平均世帯年収はおよそ900~1000万円だと言えます。
ただし、この調査では三大都市圏での住宅取得者が調査対象であるため、全国的な平均世帯年収はもう少し低くなる可能性があります。
世帯年収に合わせて、余裕を持った資金計画を立てましょう。
家の住み替え先はどこにする?
家を住み替えることを決意したら、まずは住み替え先をどこにするか考えてみましょう。
戸建てから住み替える際の選択肢には物件があります。
- 新築戸建て
- 中古住宅
- マンション
ここでは、住み替え先の物件種別ごとに住み替えで留意しておくべきことを解説します。
新築戸建て
子育てなどで住みよい間取り・立地を求める人を中心に、家の住み替えでは新築の戸建てへ引っ越す方が最も多いです。
ご存じの方も多いと思いますが、戸建てには下記の2種類の住宅があります。
- 注文住宅
- 分譲戸建て住宅
どちらを選ぶかで、住み替えで注意するべきポイントは異なります。
注文住宅
注文住宅は完成までに時間がかかります。土地探しから始めることを考えると、完成までのスケジュールはおおむね15カ月ほどです。
新居に入居するまで時間がかかるため、今住んでいる家の売却するタイミングがなるべく新居の入居日に近づけられるようにスケジュール調整しましょう。
また、仮住まいが必要になる可能性も考慮しておくと安心です。
分譲戸建て住宅
分譲戸建ての場合は、注文住宅に比べて入居までの時間は短いです。
完成予定日も決まっていることが多いため、新築の注文住宅に住み替えるよりはスケジュール調整が容易と言えます。
理想的には、新居への入居日と今住んでいる家の引き渡し日が同日にできることです。家の売却期間に余裕が持てるよう、売却に向けて早めに動き出しましょう。
中古住宅
中古住宅への住み替えでは、不動産会社の担当者に間に立ってもらい新居の売主と引き渡し日を交渉します。
新居への入居と今住んでいる家の売却のタイミングを同日にできるように、買う場合も売る場合も同じ不動産会社に仲介してもらうことがおすすめです。
築年数が古い中古住宅の購入では、耐震性や雨漏り、シロアリ被害など住まいの安全性に問題(=瑕疵)がないか、もし購入後に瑕疵が見つかったらどうするか事前に確認しておくようにしましょう。
また、建物や土地の状態によって担保価値が十分でないと判断されるとローンが通りにくい可能性があります。住宅ローンの事前審査を受けておくなど、融資を受けるための手続きは早めに動き出すと良いでしょう。
マンション
マンションは、新築・中古ともに価格の高騰が続いています。中古マンションを中心に現在は品薄も起こっていますが、資金計画をしっかり立てた上でどのマンションを購入するか検討しましょう。
また、マンションでは、毎月のローンの支払いの他に修繕費や管理費の支払いがあります。
今後もし売却をすることを考えると、管理体制がしっかりしているマンションは売りやすいです。
修繕費・管理費が単に安いという理由で選ぶのではなく、修繕計画や管理体制の妥当性を十分に検討することをおすすめします。
家の住み替えは売り先行・買い先行どちらがおすすめ?
住み替えでは、「売却」と「新居探し」の両方を行わなければなりません。どちらから始めるかの選択は、住み替え成功につながる重要なポイントです。
現在の家を売ってから今の家を売却する方法を「売り先行」、新居を購入してから家を売却する方法を「買い先行」と言います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
売り先行 | ・売却金額が先にわかるので、いくらくらいの新居が購入できるのかの目安を把握できる。 ・引っ越しが迫っているわけではないので、あせって値下げをする必要はなく、ゆとりを持って売却活動ができる。 | ・タイミングよく新居が見つからないと、仮住まいへの引っ越しが必要。 ・「仮住まいへの引っ越し」と「新居への引っ越し」と、2回引っ越さなくてはならない。 |
買い先行 | ・新居をゆっくり探すことができる。 ・仮住まいの必要がないので、引っ越しは新居への1回のみでよい。 | ・売却金額に頼れないので、預貯金等から新居の頭金を用意しなければならない。 ・家が売れるまでの間は、今の家の分と新居の家の分の2つの住宅ローンの同時支払いが必要。 |
基本的には「売り先行」がおすすめ
住み替えをする際の状況によっても異なりますが、特にこだわりがなければ「売り先行」がおすすめです。
売却を先に行うことで、資金計画が立てやすくなる点が売り先行のメリットです。
家の売却価格や売却時期の目途がついてから新居を探し始めるため、新居に充てられる予算が把握できます。
売却を優先することで、売却代金を新居の購入資金に充てることもできます。
一方で、タイミングよく新居が見つからないと仮住まいへ引っ越さなくてはならないというデメリットもあります。
資金に余裕があれば「買い先行」も選択肢に
資金に余裕があり住み替え先の家をじっくり選びたい方にとっては、「買い先行」も選択肢として考えると良いでしょう。
買い先行の大きなデメリットは、ダブルローンになる可能性があることです。
「買い先行」の場合、今の家の売却先が決まるまでの間、新居と今の家のダブルローンになってしまいます。
また、ダブルローンの支払いが長引き資金の余裕がなくなってくると、今の家を早く売るために不本意な値下げをせざるを得なくなる可能性も。
家の売却にかかる期間は余裕を持って見積もり、その間ダブルローンになっても問題ない資金力があるのかは十分検討しましょう。
また、あらかじめ不動産会社にもダブルローンになった場合の対応など住み替えにあたって不安な点は相談しておくこともおすすめです。
すまいステップなら経験豊富な不動産会社の担当者に相談できる
すまいステップは、大手不動産会社や地元の有力企業をはじめとして独自の基準でおすすめの不動産会社を厳選して紹介します。
そんな優良不動産会社の中でも、対応にあたる担当者は下記の条件に当てはまるエース級の担当者に限定。
- 宅地建物取引士の資格保有者
- 売買仲介営業経験が5年以上
- 累計100件以上の売買仲介実績
経験豊富な担当者だからこそ、住み替えにあたっての悩みが相談できると安心ですね。もし不安が解決できなければ、相談した後に住み替えをキャンセルしても料金は一切かかりません。
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家を住み替える際の注意点
家を住み替えるために、まずやるべきことがあります。住み替えをスムーズに進めるために、しっかり準備をしていきましょう。
家の残ったローンは売却代金で返済が基本
今住んでいる家にローンが残っている場合は、売却代金で完済できると理想的です。このような状態を「アンダーローン」と言います。
一方で、家の売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」になってしまうケースもあります。
オーバーローンの場合は、自己資金や「住み替えローン」「つなぎ融資」などで不足分を充足して返済する必要があります。
住み替えローン
住み替えローンとは、残債と新居の購入資金を一本化できるローンのことです。
例えば、住宅ローンの残債が2,000万円ある家が、1,800万円で売れたとします。
住み替えのために住宅ローンを完済するには、200万円足りません。新居の価格は800万円だとします。今の家の住宅ローンの残債の200万円を加算すると、1,000万円が必要です。
住み替えローンを利用すれば、この1,000万円の住宅ローンをまとめて借り入れできます。
住み替えローンは通常の住宅ローンに比べて借入金額が多くなりがちであるため、一般的に審査は厳しいと言えます。
また、住み替えローンが借りられるのは物件購入のタイミングと同時であります。
売り先行などで先に家を売却し、オーバーローンになる場合などでは住み替えローンは使えない可能性もあります。その場合は「つなぎ融資」を利用しましょう。
つなぎ融資
「つなぎ融資」とは、住み替えのタイミングで一時的な融資を受けることです。例えば、以下のようなケースで利用されます。
- 売り先行でオーバーローンになり、新居の購入タイミングと今の家の売却タイミングを合わせられない場合
- 買い先行でアンダーローンになるが、今の家が売れるまで資金が必要な場合
「つなぎ融資」は、住宅ローンよりも金利が高いです。
また、「つなぎ融資」借り入れできる期間は通常6カ月〜1年と短期間に設定されている点にも注意が必要です。
住み替え前にしっかり資金計画を行い、無理のない計画を立てましょう。
まずは今の家の売却価格を査定する
新居の予算を決めるためにも、まずは今住んでいる家の売却価格を査定しましょう。
この際、注意しなければいけないことは「査定額通りに家が売れるとは限らない」と言うことです。
家の売却における査定額とは、「その物件を直近3カ月ほどで売却するとしたらいくらで売れそうか」を不動産会社が市況や過去の実績から算出した価格だからです。
車や古着などの場合、査定した業者がそのまま買取を行います。そのため、査定額と売却価格には大きな差がありません。
しかし家を売る場合、不動産会社があなたの家を購入するわけではありません。
不動産会社に仲介してもらい一般の購入希望ユーザーに家を売却します。そのため不動産会社が出した査定額通りに家が売却できるとは限らないのです。
複数の不動産会社に査定を依頼する
家の査定額は、不動産会社によって差が出ます。
そのため1社のみに査定依頼をすると、正確な査定額なのか判断を間違えてしまう可能性があります。
必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格とその根拠を確認することが重要です。
複数の不動産会社に査定を依頼するなら、不動産一括査定サイトを利用すると手間がなくて便利。すまいステップは、最大4社の査定価格を比較することができます。
資金計画が狂うことを避けるためにも、まずは複数社から査定を受けてみましょう。



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まとめ
ここまで、家の住み替えを検討し始めたら確認するべきことを見てきました。
家を住み替えるにあたって、特に重要なポイントは下記の3つです。
- 「売り先行」のほうが資金計画が立てやすく、住み替えがはじめての方におすすめ
- 資金に余裕があり住み替え先をじっくり選びたい人は「買い先行」も選択肢になる
- 「査定額通りに売却できる」とは限らない。資金計画を狂わせないためにも複数の不動産会社に相談してみることが重要
住み替えでは少なくない金額が動きます。
今後のライフプランにも関わるので、家族とも相談し慎重に計画を立てましょう。
自分で判断に困る場合は、不動産売買のプロである不動産会社に相談してみることもおすすめです。
すまいステップで複数社から話を聞き、住み替えを成功させましょう。