ただでさえ大変な不動産の売却で、「旗竿地は売れない」と聞くと不安になってしまいますよね。
実は、一概に「旗竿地は売れない」というわけではないんです。では、どのような土地が「売れる」旗竿地なのでしょうか。
この記事で旗竿地についての知識を深めて、売却の成功を目指しましょう!
高く「売れる」旗竿地と「売れない」旗竿地がある
竿のついた旗のような形状であることから、『旗竿地』と呼ばれる土地。
その中でも、比較的に高く売れる旗竿地と、売却が難しい旗竿地があります。この章では、その特徴について見ていきましょう。
高く「売れる」旗竿地
立地条件のよさ以外に、満たしていると高く売れやすくなるポイントをまとめました。
竿部分の間口が広い
旗竿地の竿部分の間口(幅員)が広く、一定以上の面積があれば、駐車スペースやガーデニングスペースとして活用することができます。
おおよそ幅3m、奥行6mの面積を竿部分に確保できれば、普通乗用車1台まで利用できる駐車スペースを設けられるでしょう。
(接道している道路の幅が4mぎりぎりと狭い場合には、もう少しゆとりが必要です。)
敷地にできる限り広く家を建てたい人にとって、家を建てる部分の外側に駐車スペースを作れることはメリットになります。
工事用の重機や車両が敷地に進入できる
家を新しく建て替えたい買い手は、その費用まで含めて予算を考えています。
通常の土地の場合の工事のように工賃を抑えられるのは魅力的なポイントです。
日当たりがいい・風通しがいい
日当たりのよい物件・風通しのよい物件は一般に、人気が高いです。
また家ごと売却する場合、採光や風通しの工夫がなされている住宅であれば、買い手の高評価につながるでしょう。
プライバシー保護や防犯対策がされている
家部分がほかの住宅に囲まれる旗竿地では、生活空間が近隣の家から見えてしまわないか、空き巣に狙われてしまわないかといった点を不安視されることがあります。
そうした不安を払しょくできるような対策がしっかり取られている家は、買い手に魅力的に映るでしょう。
高く「売れない」旗竿地
反対に、価格が下がってしまったり、売却が難しくなってしまうポイントをまとめました。
接道義務を満たしていない
接道義務を満たしていない旗竿地は再建築不可物件となり、残念ながら売却が難しくなります。
建築物の敷地が、幅4m以上の道路に2m以上の幅で接していなければならないという義務。都市計画区域内と準都市計画区域内で適用されている。
これを満たさないと、その土地で新しく建物を建てることができない。
また建て替えの可否について、各自治体が独自に旗竿地の竿部分の幅と長さの規定を設けている場合があります。
(例:東京都では竿部分が長さ20m以上の場合、幅3m以上で接していなければならない。)
国の接道義務の規定が満たせている場合でも、お住まいの自治体の規定が満たせているかどうか、確認が必要です。
竿部分の間口が狭い
接道義務を満たせていても、車を停められるスペースがないなど、竿部分の土地の活用が難しいと買い手がつきづらくなります。
間口に対して竿部分の奥行が長すぎる
間口に一定の広さがあっても、それに対して奥行が長すぎる場合も土地の活用が難しくなります。
家も奥まった場所になってしまうため、買い手に敬遠されがちです。
間口が私道に面している
家の間口に接している道路が私道で、単独の所有者のものである場合は、その一存で利用ができなくなる恐れがあるため敬遠されてしまいがちです。
私道を近隣と共有していて、持ち分を所有している場合には合わせて譲渡すれば大きな問題にはなりません。
すでに旗竿地を売却することを決めている方は、一括査定依頼を通じて、不安に思っていることを不動産会社に相談してみませんか?
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なぜ旗竿地は売れないといわれるのか
前章で見てきたような旗竿地が高く売れにくい、売れないといわれる理由は、なぜでしょうか。この章では以下の3つの観点から、その理由をご説明します。
- 建て替えが規制される
- 形状のせいで土地の評価額が低い
- 土地の活用が難しい
建て替えが規制される
建築基準法上の接道義務を満たさない旗竿地は、いま建っている家を取り壊すともう新しく建物を建てることができません。こうした不動産物件を、再建築不可物件といいます。
再建築不可物件は、新築に建て替えたい買い手からの需要がないため、資産価値が大幅に下がってしまいます。
リフォームは可能ですが、工事内容に制限を受けたり、工事用機材の搬入が難しく費用が高額になったりしてしまうため、古い家であると中古住宅としての売却も難しいでしょう。
以上の理由から、再建築不可の旗竿地は売れない、売却が困難だといわれています。
形状のせいで土地の評価額が低い
旗竿地において、建物を建てることのできる「有効宅地部分」は旗状の四角形の部分のみです。(上図参照)
竿部分(路地状部分、敷地延長ともいいます)には建物を建てることができません。
つまり、土地の面積に対して、実際に家を建てることのできる部分が限られているため、旗竿地は近隣相場に比べて土地の評価額が低くなっています。
そのため立地や住環境などでメリットが見出されないと、土地の形状による評価額の低さが、そのまま売却価格に反映されてしまうのです。
土地の活用が難しい
一般に、土地の査定では間口が広く、奥行が長すぎない整形地が高く評価されます。建物を設計する上での自由度が高くなるからです。
面積が広大であれば土地の形状による影響は小さくなりますが、旗竿地は住宅の密集した都市部にあることが多く、敷地面積もそう広くはないケースが多いでしょう。
他の住宅に囲まれる場所に家を建てる都合上、日当たりや風通しの確保やプライバシー保護、防犯対策など、家づくりにおいてさまざまな工夫を凝らす必要があります。
また間口が狭い場合は、竿部分の土地の活用が難しいだけでなく、有効宅地部分における工事にも影響が出ます。
解体や建築工事用の重機や車両が敷地の中に入れないことがあり、そうなると通常ではないやり方で工事を行う必要があるのです。
こうした理由から買い手がつきづらく、「売れにくい」といわれてしまいます。
状況別!旗竿地売却のコツ
工夫によって旗竿地でもスムーズに売却できたり、より高値で売却できるようになることがあります。ここからはその方法について見ていきます。
売れる旗竿地の特徴に当てはまる場合
日当たりがいい・風通しがいい・プライバシーが守れるといった、買い手から重視されやすいポイントを満たせる旗竿地は、土地の評価額が近隣相場に比べると安くなることが「強み」になります。
都市部では、整形地でも住宅が密集しています。挙げたようなポイントを満たせる土地や家は多くなく、人気が集中して、価格も高いことが多いのです。
旗竿地について漠然とマイナスイメージを持っている買い手も多いですが、実際に生活してみないとわからないことがたくさんあるはずです。
内見の際に訊かれた場合に説明できるように、暮らしている中でわかる住居や住環境の良い部分・悪い部分について、改めて確認しておきましょう。
また、より高値で売るためには、お住まいの地域の物件や、旗竿地の売買が得意な不動産会社を選ぶことも重要です。見積もりの時点で、不動産会社によって金額に数百万円の差が出ることもあるため、必ず複数社に依頼をするようにしましょう。
再建築不可物件の場合
再建築が可能になるような対策を取ることで物件の価値を大きく高めることができます。
【接道している間口の幅が2m未満の場合】
旗竿地の竿部分の幅員が接道義務規定を満たしていない場合、竿部分が隣り合っている土地の所有者と交渉をしてみましょう。
竿部分の幅員2mを確保できるように隣地の土地を購入するか、借地することで、家の建て替えが可能になります。
隣地も宅地の場合、互いの土地の隣接している部分を等価交換するという方法もあります。等価交換を行う場合はこちら側に購入費用の負担がなく、隣地の所有者にとっても特例で所得税などの納税が繰り延べられるため、購入の場合よりも交渉を取りまとめやすくなるかもしれません。
(参考:国税庁「土地建物を交換したときの特例」)
普段からのご近所付き合いがあり、良好な人間関係を築けていれば交渉のハードルは下がるでしょう。
取引は個人間で行うことも可能ですが、不動産会社に間に入ってもらうことでトラブルを防ぎやすくなり、手続きもスムーズに行えます。
【間口が接している道路の幅が4m未満の場合】
旗竿地の間口が接している道路の幅員が4m未満の場合、土地の再建築を行うにはセットバックが必要です。
セットバックとは
敷地を境界から後退させること。
接道義務規定を満たすためには、土地の面している道路の中心線から2mを確保して(道路の反対側が川や崖、線路の場合は、反対側の境界から4m確保して)敷地を後退させる必要がある。
要セットバックの土地のまま売りに出すこともできますが、自治体がセットバックの費用負担や補助金の支給を行っている場合があります。セットバックを行うことで物件の資産価値を上げられるため、利用できる制度がないか確認してみましょう。
セットバックを行った土地については、塀や門の設置や、駐車場にするなどの私的な利用ができなくなることには注意が必要です。
また土地の周囲に公園や広い空き地がある場合など、セットバックが不要になる場合もあります。自治体への申請手続きが必要になるため、セットバックの要不要の判断については不動産会社に相談するとよいでしょう。
【再建築可能にできない場合】
上記のような手段が取れない場合には、不動産会社による「買取」を検討するとよいでしょう。
買取は、仲介を利用した売却よりも価格が安くなってしまいますが、確実に物件を売ることが可能です。
注意点として、旗竿地はもともとの土地の評価額も低いため、少しでも高値での売却を目指すには査定を複数の不動産会社にお願いしましょう。
間口が狭い場合
接道義務規定を満たしていても、活用するには間口が狭すぎる…という場合も、隣地の一部分の購入や借地、土地の等価交換が問題解決の糸口になりえます。
竿部分の幅を駐車スペースに利用したり、重機を入れられるくらいに広げることができれば、今よりも買い手がつきやすくなるでしょう。
隣地の所有者への売却が検討できる場合
あなたの土地にとっての一番の買い手は隣地の所有者です。
いまは不整形地であっても、隣の土地と合わさることで整形地に近づいたり、面積が広がることで、その土地の資産価値は向上します。
土地の価値が上がるメリットについて隣人に納得してもらえれば、お互いにとって良い取引となるはずです。
隣人の方と交流があるなら、土地の売却について声をかけてみたいところです。または不動産会社の人に営業を頼めないか、お願いしてみるとよいでしょう。
旗竿地を売却する際の注意点
旗竿地を売却する際に、注意すべき点が3つあります。
- 建っている家はむやみに解体しない
- 住み替えの場合は「買い先行」を視野に
- ノウハウのある業者に依頼する
1つずつ確認していきましょう。
建っている家はむやみに解体しない
1つ目の注意点は家をむやみに解体しないことです。
再建築不可物件に当たる場合、もとあった建物を壊してしまうと、新たに建物を建てることができません。しかし、リフォームを行うことは可能です。(増築は不可)
建て替えの規制を受けていない場合でも、住宅に魅力を感じて購入されるケースもあるため、むやみに解体はしないようにしましょう。
また、土地に家が建っていれば住宅用地の軽減措置特例を受けられますが、更地にしてしまうと減税を受けられなくなります。
特に旗竿地は、売却までに時間がかかってしまいがちです。売却できるまでの期間中は固定資産税を支払わなければならないことを考えると、やはり家は残しておく方が賢い選択であるといえます。
特別な事情がない限りは、家を残した状態で売却を行うようにしましょう。
住み替え時の場合は「買い先行」を視野に
2つ目は、住み替えによる売却の場合は、先に新居を購入し引っ越す「買い先行」を視野に入れることです。
理由は、内見時の印象をよりよくするためです。
旗竿地の売却は、整形地の物件に比べてどうしても買い手が見つかりづらい傾向があります。そのため買い手の候補が見つかった際には、その機会を逃さないようにする必要があります。
先に新居を購入し移り住むことで、買い手の内見の予定を入れやすくなるだけでなく、ハウスクリーニングを行ったり、室内を広く明るく見せたりすることができ、印象を上げることができます。
水回りやクローゼットの中など、買い手は気になるものの売主が住んでいる状態だとチェックするのを遠慮してしまう箇所についても、存分に見てもらうことができます。
ノウハウのある業者に依頼する
3つ目は、旗竿地売却に強い不動産会社に見積もりを依頼することです。
不動産会社にはそれぞれ得意分野・不得意分野があり、例えばマンションに強い業者、買取に特化した業者、エリアに特化している業者など、その特徴はさまざまです。
特に、旗竿地の売却の場合はそのノウハウを有している不動産会社を選ぶことが重要です。旗竿地や、不整形地の売却についての販売実績をぜひチェックしましょう。
また査定を依頼すると、業者によってその金額に大きく差が出てくることも珍しくありません。
そのような中で、1社のみに査定を依頼してそのまま契約をしてしまうとどうなるでしょうか?もしかすると本来はもっと高い金額で売却することができたかもしれないのに、その機会を逃してしまうかもしれません。
相場を把握するためにも、見積もりは複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。
ご自身で何社も訪問して検討するのは、時間も労力もかかってしまいます。ネットで簡単に査定依頼できる一括査定サイトの「すまいステップ」を利用すると、お家にいながら複数の不動産会社に無料で査定を依頼することができるのでおすすめです。
参考:旗竿地の評価方法
旗竿地も、整形地のように土地の評価額を計算することが可能です。不動産会社に本格的に査定を依頼する前に、ある程度の価格の目安を知っておきたいという人は、次の評価方法を参考にしてみてください。
評価方法の手順は大きく次の2つです。
- 整形地だった場合の評価額を出す
- 隣接地評価額を求め差し引く
以下で詳しく説明していきます。
ステップ①:整形地だった場合の評価額をだす
まずは土地が整形地だと仮定した場合の評価額を出していきます。
評価額は路線価を用いて求めます。
路線価とは、市街地的形態を形成する地域の路線に面する宅地の、1m²当たりの評価額のことです。この路線価は「路線価図・評価倍率表」で簡単に調べることができます。
調べた路線価で、土地の評価額を求める計算式は以下のようになります。
しかし旗竿地の場合、家の建っている場所が間口より奥まっていて、敷地全体が縦長になっていることが多いです。そのため土地の評価額に対して、奥行の長さに応じて評価を下げる補正を行います。
計算には、以下の表の補正率を利用します。
参考:奥行価格補正率表|国税庁
ご自身の土地の間口から奥の土地までの長さ(奥行)に対応する補正率を表から調べます。
調べた補正率を、計算式に組み入れると以下の通りになります。
ステップ②:隣接地評価額を求めて差し引く
次に、整形地だった場合の評価額から隣接地の土地分(土地のへこんでいる部分)の評価額を引いていきます。
隣接地の評価額の求め方はステップ①と全く同じです。隣接地の土地部分についても、奥行価格の補正を行うことに注意してください。
同じ計算で隣接地の評価が求められたら、ステップ①で求めた「旗竿地が整形地だった場合の評価額」から「隣接地の評価額」を引き算をします。
まとめると、旗竿地の評価額を求める計算式は以下のようになります。
「旗竿地は売れない」とは限らない!自分の土地に合った売却活動をしよう
本記事を読むことで、旗竿地が一概に売れないわけではないということをご理解いただけたでしょうか?
ご自身の旗竿地の状況についてきちんと把握して、売却活動に臨むことで、旗竿地売却を成功させましょう。
また繰り返しになりますが、旗竿地を少しでも高値で売却するためには、不動産会社選びが重要です。仲介の場合も、買取の場合でも、必ず複数社へ査定依頼をしましょう。
査定結果の比較を通じて、近隣エリアでの売却や、旗竿地の売却が得意な不動産会社を見つけられます。
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売却において重要なのが契約する不動産会社選びですが、どこの不動産会社にお願いすればいいのか、悩まれる方も多いと思います。
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記事のおさらい
高く売れる旗竿地と売れない旗竿地の特徴は?
高く売れる旗竿地の特徴は以下の通りです。
- 間口が広い
- 敷地に工事用の重機が侵入できる
- 日当たりや風通しがいい
- プライバシー保護や防犯対策がしっかりしている
売りにくい、売れない旗竿地の特徴は以下の通りです。
- 接道義務を満たしていない
- 間口が狭い
- 竿部分の奥行が長すぎる
- 間口が私道に面している
詳しく知りたい方は高く「売れる」旗竿地と「売れない」旗竿地があるをご覧ください。
旗竿地が売れないといわれるのはなぜ?
接道義務を満たしていない旗竿地は、建て替えが規制されるため売却が難しくなります。
また、土地の形のせいで評価額が低かったり、土地の活用が難しかったりすることが、旗竿地の売値の安さや売りにくさを招いています。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
売れない旗竿地を売るコツはありますか?
隣地への売却を検討したり、隣地から土地の一部を購入するか借地するなどして土地の資産価値を高める方法があります。
また、不動産会社の買取を検討するという手もあります。詳しくは状況別!旗竿地売却のコツをご覧下さい。
旗竿地を売却する際の注意点はありますか?
以下の3点に気をつけましょう。
- 建っている家はむやに解体しない
- 住み替えの場合は「買い先行」を視野に
- ノウハウのある業者に依頼する
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。