不動産売却でかかる消費税!課税対象のケースや計算方法を紹介

不動産の売却で動くお金は時に数千万円から数億円になることもあります。
現在の10%の消費税が課税されるかどうかは、今後の売却の行く末を決定する大きな問題です。

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山田 幸平
監修山田 幸平
慶應義塾大学経済学部在学中に公認会計士第二次試験に合格。大手監査法人の金融部や会計コンサル会社にて会計監査・IPO・M&Aなどを担当。現在はLR会計の代表を務める。
【保有資格】公認会計士、税理士
【URL】 LR会計

不動産の売却に消費税は発生するのか?

消費税とは、「商品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税金」であり、以下4つの条件を満たす取引が課税の対象となります。

  • 国内において行うもの(国内取引)であること
  • 事業者が事業として行うものであること
  • 対価を得て行うものであること
  • 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供であること

この記事では、「具体的にどういった取引で消費税が課税されるのか」「消費税が発生した場合にどういったアクションをとるべきか」を解説していきます。

消費税の発生に関してはなかなかに理解が難しいので、以下のフローチャートに沿って確認していきましょう。

消費税発生のフローチャート

土地の売却は非課税

土地の売買や貸付課税対象とならない取引とあらかじめ決められています。
ゆえに、土地のみの売却では消費税が発生しませんし、建物があっても課税されるのは建物部分になります。

他にも、「有価証券等の譲渡」や「支払手段(現金など)の譲渡」などは同様に非課税取引とされています。

参照:国税庁『No.6201 非課税となる取引』

ただし、土地を駐車場や地下車庫等にしている場合には、土地ではなく設備と評価されるため消費税の課税対象になります。

個人の居住用財産(自宅や別荘)の売却は不課税

事業を目的としない個人の居住用財産の売却は不課税です。
自宅やセカンドハウス、別荘が該当します。

一方で、投資用のマンションなどの売却は事業の一環に含まれるので、前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合は課税事業者となるため消費税が発生します。

前々年の課税売上が1,000万円を超えていなければ免税

個人の居住財産の売買以外の、個人事業主や法人が行う売買では消費税は原則課税対象となります。

ただし、ここでは『課税事業者』と『免税事業者』のいずれかであるかが重要です。
課税事業者の場合は課税され、免税事業者の場合は免税されます。

課税事業者かどうかの判定は、個人事業主か法人で多少異なります。

【個人事業主】課税事業者の判定

  • 前々年の課税売り上げが1,000万円超の場合(基準期間)

又は

  • その年の前年の1月~6月の売り上げが1,000万円を超え、給与支給額が1,000万円を超えた場合(特定期間)

【法人】課税事業者の判定

  • 前々年の課税売り上げが1,000万円超の場合(基準期間)

又は

  • 前期の期首から6ヶ月の売り上げが1,000万円を超え、給与支給額が1,000万円を超えた場合(特定期間)

▶参考:国税庁『No.650 納税義務の免除』

不動産売却でかかる消費税の計算方法

1章でも触れていますが、土地の取引には消費税が発生しません。

一戸建てやマンション1棟などを売却した際は、土地部分には消費税がかからないため、全体の売却金額で消費税を計算すると誤った消費税を算出してしまいます。

すまリス
不動産の売却価格から建物価格と土地価格を分けて計算しよう!

不動産売却でかかる消費税は「建物」

例えば、売却価格3,000万円のうち建物の価格が1,200万円の戸建てを売却した場合で考えていきましょう。
建物価格1,200万円に対して10%の税率がかかるので、消費税120万円となります。

売却価格3,000万円と合計すると、3,120万円が税込み価格となります。

「土地は消費されてなくなるものではなく、消費税の性格上適さない」という考えから純粋な土地に消費税は課税されないです!

仲介手数料でも消費税がかかる

不動産会社に仲介を依頼して売買契約が成立した時、不動産会社に対価として仲介手数料を支払う必要があり、消費税の課税対象にもなります。

仲介手数料は、宅建業法によって上限が決まっており、ほとんどの不動産会社では上限額で請求されるので、上限を知ることで大まかな価格がわかります。

仲介手数料は売却金額に応じて決めっており、計算方法は以下の通りです。

売却価格仲介手数料の上限額
200万円以下の場合売却価格×5%+消費税
200万円超400万円以下売却価格×4%+消費税
400万円超えの場合売却価格×3%+消費税
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不動産売却で発生した消費税の納税手続き

上記で記載した課税対象の条件に当てはまる場合には、消費税を納税する必要があります。

以下では、不動産売却で発生した消費税を納税するために必要な知識を見ていきましょう。

消費税の申告・納付方法

消費税の申告は、確定申告をもって行われます。

個人事業主は翌年3月末日までに、法人は課税期間の末日の翌日から2ヶ月以内に税務署へ申告・納付するのが通例となっています。

なお、直前の課税期間の消費税の額が48万円超の場合、「中間申告」と「中間納付」が義務付けられています。

直前の課税期間の消費税額中間申告の回数納付金額
48万円超400万円以下年1回直前の課税期間の消費税額の1/2
400万円超4,800万円以下年3回直前の課税期間の消費税額の1/4ずつ
4,800万円超年11回直前の課税期間の消費税額の1/12ずつ

不動産売却の場合ですと、課税対象者が直前の課税期間に480万円超の建物を売却した場合に、中間申告と中間納付が必要になります。

中間申告と中間納付を行わない場合は、加算税・延滞税などの税金が余計にかかってしまうことがあるので注意しましょう。

消費税の具体的な納付方法としては、以下のようなものがあります。

  • 窓口での現金支払い
  • 口座引き落とし
  • インターネットバンキングによる納付
  • クレジットカード決済
  • コンビニでの納付
  • e-Taxでのダイレクト納付

不動産売却で発生した消費税の仕訳方法

不動産売却で発生した消費税は、帳簿上では「仮受消費税」という勘定科目を使用します。

この時、売却した不動産が建物と土地に分かれている場合には、課税対象である建物部分のみを計上します。

ただし、不動産売却で売却益が生じている場合、その売却益の計上は「固定資産売却益」として土地と建物の両方を計上する必要があります。

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不動産売却で発生する消費税の注意点

以下では、不動産売却をする上でどういった部分に注意すればよいのかを、具体的にみていきましょう。

不動産価格は税込で表示される

不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」により、不動産に消費税や地方消費税が課せられる場合は、その額を含めて表示されることが通例になっています。

売却価格をもとに仲介手数料は計算されますので、この仕組みはしっかり覚えておきましょう。

売却する不動産が課税対象か判断できない場合は専門家に相談する

売却物件が、個人で住宅として利用しているものであれば、課税対象ではありません。ただし、なかには個人で所有はしているものの、事務所としても利用していた場合や、テナント物件として使われていたものもあるでしょう。

そういった、自分で判断することが難しいケースでは、仲介の不動産会社や税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

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不動産売却にかかる消費税を正しく理解することが大切

不動産の売却には、さまざまな諸費用が発生するので、どうしても大きなお金がかかります。

不動産売却にかかる支出を少しでも抑えるためには、何に対して消費税がかかってくるのか、また何が非課税なのかを理解して正しい試算を行うことが大切です。

とはいえ、「自分の計算・判断で本当に誤っていないだろうか……」と不安に思われる方も少ないと思います。

その場合は、不動産会社に税のことも含めてしっかり相談するのがおすすめです。

信頼できる不動産会社であれば、税金まわりのことを加味しながら、依頼者にとって最もメリットのある方法を提示してくれる可能性が高いです。

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もちろん、税金まわりのことも親身になってお話を伺いますので、不動産売却で分からないことがあれば、査定と合わせて気軽に質問してみましょう。

なお、不動産売却で成功するためのコツは、これだけでOK!不動産売却を成功させるポイント3つと基礎知識の記事で詳しく解説しています。

マンション売却の注意点を知りたい方は「マンション売却で失敗しないための注意点」ご覧ください。

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記事のおさらい

不動産売却に消費税はかかる?

個人間の不動産売買には消費税は課せられません。ただし、売却する不動産が事業用の不動産の場合、納税義務が発生する場合があります。詳しく知りたい方は個人間の不動産売買に消費税はかからないをご覧ください。

不動産売却で発生した消費税はどのように納付すればいい?

不動産売却で発生した消費税は翌年3月末日までに確定申告で申告し、以下の方法のいずれかで納付します。詳しくは不動産売却で発生した消費税の納税手続きをご覧ください。

  • 窓口での現金支払い
  • 口座引き落とし
  • インターネットバンキングによる納付
  • クレジットカード決済
  • コンビニでの納付
  • e-Taxでのダイレクト納付


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