相続などで住まなくなった家を処分しようと考えている方は少なくないと思います。
東京に住みながらも実家が地方にあったりすると、相続人になっても住むとなると別の話。
固定資産税など維持する費用のことを考え、家の処分を検討している方もいるのではないでしょうか。
空き家になった家の処分の選択肢の一つとして考えられるのが家の解体です。
しかし、家の解体はそう頻繁にするものでもないですし、相場がいくらくらいなのか検討もつかないのが現実だと思います。
そこで今回の記事では、家の処分にかかる費用の相場から費用を抑える方法まで紹介していきます。
家の処分費用の相場
解体費用は解体する家の構造や建材によって変わります。木造、鉄骨、鉄筋コンクリートと頑丈さが異なり廃棄しづらい建材になればなるほど解体する費用は高額になります。
構造による坪単価の違いは以下の表をご覧ください。
構造ごとの解体費用の目安(坪単価)
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 4~万円 |
軽量鉄骨造 | 2.5~4万円 |
重量鉄骨造 | 3~6.5万円 |
鉄筋コンクリート(RC造) | 5~6万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造) | 4.5~10万円 |
※比較Bizの調査(2023年7月14閲覧)をもと参考にすまいステップ編集部で作成
坪単価で考えるとあまり差を感じない額のように思えますが、例えば「50坪の木造住宅」であれば125万~200万、「50坪の鉄筋コンクリート」であれば175万~350万円と大きく開きが出ます。
材質によって解体する器具が変わってくることに加え、材質の固くなるごとに解体が完了する日数が増えてくるため、構造が頑強なもほど解体費用は高くなる傾向にあります。
家の処分費用を決定する判断基準
前章では、処分費用の目安となる相場価格を解説しました。
あくまでも目安の価格であるため、相場価格ピッタリの処分費用となることはありません。
以下では、処分費用を決定する上で重要となる3つの判断基準を紹介します。
家の処分費用を決める3つの判断基準
家の処分費用を決定づける条件には、以下の三つがあるといわれています。
- 家の構造
- 人件費・工事費用
- 廃棄物処理費用
それでは、それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。
① 家の構造
1つは、家の構造です。
ここでいう家の構造は、木造、鉄骨、鉄筋コンクリートなどの材質、平屋か2階建てかなどの家の坪単価の2つの項目を指します。
まず、材質としては固い材質で建てられた家ほど、解体費用は高くなります。
木造で2.5~6万円/坪、鉄骨造で3~6.5万円/坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で3.5~7万円/坪が相場価格となります。
また、家の大きさも影響を与える要因の一つです。
家が大きくなるほど解体費用はかさみます。
平屋の場合、1階に基礎工事部分があるために、床面積では2階建てと差が無くても坪単価は高くなります。
一方、2階は重機で崩して行くだけなので、延べ床面積による坪単価となると2階建ての方が安上がりになります。
さらに、建物に地下が存在する家は地下の解体費用が地上階の解体費用と同じくらいかかるため、解体費用は跳ね上がることを覚悟しましょう。
② 人件費・工事費用
人手が必要になればなるほど、また工事の期間が長くなればなるほど人件費は自ずと上がります。
また、施工条件が悪ければ悪いほど費用は高くなります。例えば、敷地が狭く隣家と近接している建造物の場合は、解体しにくいため費用が上がります。
解体現場までの道が通学路であったり見通しが悪かったりすると、交通整備をするガードマンを複数人配置しなければならないためさらに人件費は増えることとなります。
人件費は、1人15,000円前後が相場となり、おおよそ人数×作業日数での計算になります。
③ 廃棄物処理費用
家の解体作業は壊したら終わりではなく、解体により発生した廃棄物を撤去しなければなりません。
解体時に発生した廃材やがれきなどは、廃棄物処理業者によって見積もりが異なることも注意しましょう。
見積もりは業者によって、坪単価、材質、トラック1台ごとなど基準は様々です。
坪単価を基準にすると、1㎡あたり5,000円〜20,000円といったところが相場のようなので、これの金額を基準に想定しておくとよいでしょう。
また、材質によっては廃棄物処理業者以外にも委託することができます。
金属など廃材の種類によってはリサイクル業者に買い取ってもらうこともできるため、廃棄物処理業者やリサイクル業者など廃棄物の処理の委託先をうまく組み合わせながら処分すると費用を抑えられるかもしれません。
家の処分費用は相場より高くなることもある
家の解体にかかる費用が算出した額よりも高くなることもあります。
家の解体費用は、坪数より算出した建造物のみの解体費用です。
つまり先ほど紹介した工事で発生した廃棄物の処理に加え、塀や門、庭や物置、さらには花壇や井戸までそれぞれ家の解体費用とは別に撤去費用がかさむとみておきましょう。
さらには、家の下に知らない埋設物がある、アスベストが含まれる建材が見つかったなど想定していなかった出費が発生する可能性もあります。
家屋以外の解体や撤去費用は追加料金として加算されるため、事前にこれらの処理費を含めた見積もりを取ってしっかりと確認しておくことが必要となります。
以下の表が、家の解体で行うその他の出費の金額の目安となります。
アスベスト撤去 | 2万円/m²~8.5万円/m² (処分面積300m²以下) |
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解体前のお祓い | 3万円 |
門扉撤去 | 1.8万円~ |
外構撤去 | 樹木1本:3千円~3万円 ブロック塀:5千円/m²~8千円/m² |
家の解体費用について詳しく知りたい方はこちら
家の解体費用はいくら?相場価格より安く抑える方法や解体の必要性を解説
家の処分費用を踏まえて解体計画を立てよう
ここまで家の処分にかかる費用の相場から費用を抑える方法まで紹介してきました。
解体する家の構造や材質、工期や人件費などによっても費用が違ってきます。また、解体費用以外にも別途費用が加わる場合もあります。
これらの費用を抑える手段もありますので、事前に解体費用の相場を念頭に置いて、家の解体計画を立ててみてはいかがでしょうか。