相続する家の売却方法を徹底解説!税金対策もして失敗をしない

両親が亡くなって家を相続したものの、「売却の手続きや流れが知りたい」「売却にどれくらいの費用や税金が必要なのか分からない」など、不安と疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。

売却を滞りなく前に進めるには、相続に関するこれらの疑問点を解消する必要があります。手続きを間違えて、後々ほかの相続人と遺恨を残すことがないよう、売却までの流れや基本の知識を確認しておきましょう。

ここでは、相続する家の売却の流れを始め、相続から売却までにかかる費用や税金、また、税金対策のコツや便利な控除・特例の紹介までを、基本からわかりやすく解説します。

参考:【はじめて家を売る人のための鉄則5つ】売却の流れや基礎知識

相続する家を売却する基本の流れ

手続きを間違えると、資産形成だけではなく、ほかの相続人との関係もこじれるケースがあります。家の売却をスムーズに進めるためにも、まずは、相続する家の売却方法を順を追って確認しておきましょう。

遺言書が残っていないか探す

まずは、被相続人が遺言書を残していないか探す必要があります。遺言書の有無で、相続の方法や手続きが大きく異なるからです。

遺言書には主に、自分で作成する「自筆証言遺言」と、証人2名以上の立会いのもと作成し公証役場に保管する「公正証書遺言」があります。

また、本人が遺言書を作成して封をした後、証人2名以上の立会いのもと公証役場で証明してもらう「秘密証書遺言」もあります。ただし、こちらは手続きが複雑なため現在はあまり利用されていません。

自筆証言遺言の場合、故人と親しかった友人や弁護士、司法書士などに確認を取るほか、遺品整理の過程で遺言書を見つける方法が一般的です。自力で探すのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼する方法もあります。

一方の公正証書遺言の場合、数年間にわたって遺言原本が役場に保管されているため、探すのは比較的簡単です。

全国どこの公証役場からでも照会できますが、遺言の謄本を請求するには、保管している役場に直接出向く必要があります。

相続する財産や人を調査

遺言書の有無を確認後、故人が残した財産や相続する人を調査しましょう。

相続財産には、不動産や預貯金、有価証券などのプラスの財産のほか、住宅ローンやカードローンのような、マイナスの財産もあります。

相続財産は、これら不動産以外の財産も含めて算出するのがポイントです。また相続税は、プラス財産からマイナス財産と葬儀代を差し引いた額に対して課税されます。

【主な相続財産】

  • プラスの財産:不動産・預貯金・有価証券・宝石貴金属・ゴルフ会員権など
  • マイナスの財産:住宅ローン、カードローンなどの借金・未払いの税金など

また相続人は、遺言の内容に沿って手続きを進めるのが一般的です。遺言書が見つからなかった場合は、民法で定められている相続人の範囲に従って相続の手続きを進めます。

法定相続人を確定するには、故人の戸籍謄本や除籍謄本を取得して親族を洗い出すほか、法務局に、故人の戸籍や相続人の住民票などを提出することで、相続人情報を一覧図にしてくれる制度を利用する方法があります。

【民法で定められた相続人の範囲】

  • 常に相続人:配偶者
  • 第1順位:故人の子ども、もしくは直系卑属(孫・ひ孫)
  • 第2順位:故人の直系尊属(父母・祖父母)
  • 第3順位:故人の兄弟姉妹、もしくはその子供(甥・姪)

参考:国税庁|No.4132?相続人の範囲と法定相続分

遺産分割の話し合いで合意した内容で相続手続き

相続する財産や人を調査したら、相続人全員で遺産分割を話し合う遺産分割協議を行う必要があります。

遺産分割協議に期限はありませんが、放置すると遺産分割が複雑で困難になる可能性もあるため、なるべく早めに行うのがポイントです。

相続手続きは、遺言書の内容に従うのが基本ですが、遺産分割協議で相続人全員の同意があれば、それ以外の分割方法を取ることも可能です。また不動産の相続には、家の名義変更や必要書類などに費用が発生します。

また遺産分割協議では、後でトラブルに発展しないよう「遺産分割協議書」を作成するのが一般的です。遺産分割協議書は分割内容の協議をまとめたもので、遺産相続をするに当たり重要な役割を担います。

売却する家の査定を受けて相場を調査

遺産分割協議で話がまとまり相続手続きを行ったら、売却物件の査定を不動産会社に依頼します。

査定額は不動産会社によって異なるため、査定結果が妥当かを判断するためにも、1社だけではなく複数社に査定依頼するのがポイントです。

査定を依頼する際は、不動産一括査定サイトを利用するのも1つの方法でしょう。

「不動産会社に直接出向く時間がない」「手間をかけたくない」という場合でも、会社に足を運ぶことなく、自宅で複数社に査定依頼できるのがメリットです。

(株)Speeeが運営する一括査定サイトの「すまいステップ」なら、厳選な審査を通過した優良不動産会社の中から、自分の条件に合った最大4社を無料で一括査定できます。

査定方法は、エリアと必須項目を入力するだけと簡単な上、担当者は、宅地健物取引士の資格を保有し実績豊富なエース級が対応してくれるので、家の早期売却が期待できます。

売却を依頼する不動産会社と媒介契約

査定依頼をして見つけた、信頼できる不動産会社と「媒介契約」を結びましょう。媒介契約とは、会社との間で業務内容や条件などを取り決める約束事です。

媒介契約の形態は、大きく分けて次の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

複数社と同時契約できる「一般媒介契約」と、1社のみの契約で、販売状況の報告義務が14日に1度以上の「専任媒介契約」、同じく契約は1社のみで、販売状況の報告は7日に1度以上の「専属専任媒介契約」です。

売出価格にこだわりがなく早期に売却したい人は、一般媒介契約が適しているでしょう。専任媒介契約は、希望の売却価格が決まっていて、自分でも売手を見つけたい人に向いています。

また、活動内容を詳細に知りたい人や取引相手を自分で探すつもりがない人は、専属専任媒介契約を選択すると良いでしょう。

条件を決めて売却活動

不動産会社と媒介契約を結び、売却時期や売出価格などが決まると、売却活動がスタートします。

不動産会社は、住宅情報雑誌やインターネットなどに広告を出すほか、新聞の折り込みチラシやポスティングなどを通じ、物件情報の周知活動を行うのが一般的です。

また主な売却活動に、国交省が運営する不動産業者用のサイト「不動産流通機構(レインズ)」への登録があります。

レインズに物件を登録すると、全国の不動産業者と物件情報を共有できるため、早期の売却が期待できます。

また、購入希望者に物件をアピールする内覧や、買主との条件交渉なども売買活動の一部です。内覧や条件交渉は売主も対応する必要があるため、事前に不動産会社と打ち合わせしておくと安心です。

売買契約を結んで家の引き渡し

買主が決まり条件交渉で合意に至ったら、売買契約を締結し家の引き渡しを行います。

売買契約時に、買主から受領される「購入申込書」には、購入希望価格や代金の支払い条件、また契約・引き渡し希望日などが記載されています。

売主がこの内容に合意できなければ、話し合いで双方が納得するまで条件を調整します。

売買契約が締結すると、売主は、引き渡しまでに家の所有権を買主に移転させる移転登記を行います。加えて物件に住宅ローンが残っている場合は、完済して金融機関に設定された登記の抹消が必要です。

また、売主は物件の引き渡しまでに、引越しはもちろん、電気やガス・水道にほか、郵便物やインターネットなどの解約手続きなども済ませる必要があります。

相続する家を売却するまでにかかる費用・税金

不動産を相続して家を手放すまでには、さまざまなコストが発生します。手続きをスムーズに進めるためにも、相続する家を売却するまでにかかる費用や税金を、事前に確認しておきましょう。

家の相続までにかかる費用・税金

家を相続すると、もれなく税金がかかるほか、相続に伴うさまざまな費用が発生します。

家の名義変更に必要な手続きである相続登記に「登録免許税」、登記を司法書士に依頼した場合は「司法書士手数料」、また登記や関連書類の「取得費用」などが必要です。

また相続財産の総額によっては、「相続税」が課税される場合もあります。課税の対象となるのは、相続したプラス財産からマイナス財産を差し引いた額が、基礎控除を超えた部分のみです。

【家の相続にかかる費用】

  • 登録免許税:固定資産税評価格×0.4%
  • 司法書士手数料:6万円から7万円程度
  • 相続税:基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた部分のみ
  • 関連書類の取得費用(書類によって異なる)

家の売却にかかる費用・税金

家を売却する場面でも、費用や税金はかかります。

不動産会社に支払う「仲介手数料」や、金融機関に設定された抵当権を抹消する「抵当権抹消費用」のほか、売買契約書に貼って納める「印紙税」などが必要です。

さらに、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得に応じた所得税や住民税などの税金も支払わなければなりません。譲渡所得は、売却価格から取得費用と譲渡費用を差し引いて求めます。

【家の売却にかかる費用】

  • 仲介手数料:(売却額×3%+6万円)+消費税
  • 抵当権抹消費用:1,000円程度(司法書士に依頼する場合1万円から5万円程度)
  • 印紙税:1,000円から6万円程度
  • 譲渡所得税
  • 住宅ローン返済手数料:5,000円から3万円程度

譲渡所得は売却価格−(取得費用+譲渡費用)で求められます。譲渡所得にかかる税率は、家の所有期間が5年以下の短期譲渡所得と、5年を超える長期譲渡所得によって異なります

  • 短期譲渡所得の税率:39.63%(所得税 30.63%・住民税 9%)
  • 長期譲渡所得の税率:20.315%(所得税 15.315%・住民税 5%)

そのほか、必要に応じてかかる費用は次の通りです。

  • ハウスクリーニング費用:3万円から10万円程度
  • 測量費用:50万円から80万円程度
  • 解体費用:100万円から300万円程度

金融機関によって異なりますが、住宅ローンを返済する際は、返済手数料も必要です。そのほかにも、必要に応じてハウスクリーニング代や、更地にする場合には測量費や解体費などが必要です。

相続する家を売却するときのコツ・税金対策

相続する家を売却すると、さまざまな費用や税金が発生します。ここでは、利益を最大限に増やすためのコツや税金対策を確認しておきましょう。

家の取り壊しは不動産会社に相談してから

条件にもよりますが、相続した家を解体して売却すると節税対策が期待できます。

家を解体して更地で売却した場合、「相続空き家の3,000万円控除」の適用が可能です。適用には、相続した家が昭和56年5月31日以前の建築物で、その家を更地にして、相続から3年以内に売却するのが条件です。

ただし、解体費用が節税効果よりも高い場合や、更地を売却する際、売却額に解体費用を上乗せできないなどのデメリットもあります。

また、家付きの土地には、固定資産税が最大6分の1になる優遇措置が取られているため、更地にすると優遇措置の適応外となり、固定資産税が跳ね上がる可能性もあります。

全ての相続人が合意すれば家の解体は可能ですが、1度解体してしまうと後で取り返しがつきません。相続した家の取り壊しを検討する際は、専門家である不動産会社に相談してから行うことが重要です。

家にかけられた各種保険は解約手続き

家にかけられた火災保険や地震保険などの各種保険は、売却をしても自動的に解約されるわけではありません。みずから解約手続きををして、未経過分は返還してもらいましょう。

加入する保険会社やサービス内容によって返還額は異なりますが、手続きを行うことで、途中解約であっても残りの保険期間に応じた保険料を返還してもらえます。

各種保険を解約するベストタイミングは、家の「引き渡し完了時」です。引き渡し前に解約すると、仮に家が火災のトラブルに見舞われた際、売主自身が修繕費用を全負担することになります。

また火災保険は、火事だけではなく、台風による風災などの自然災害にも対応するなど、適用範囲の広さも特徴です。万が一を想定し、各種保険の解約のタイミングにはくれぐれも注意しましょう。

適用できる特例・控除は全て申請する

土地や家の売却によって利益(譲渡所得)が出ると、所得税や住民税、復興特別所得税などの税金(譲渡所得税)が発生します。しかし、特別控除を利用することで税金を安く押さえることが可能です。

適用するには条件をクリアする必要がありますが、適用可能な特例・控除を申請することで、一定の節税効果が期待できます。

ただし、併用すると一方の節税額が減るケースもあるため、しっかり検討した上で申請するのがポイントです。

【相続不動産の売却に使える特例・控除】

  • 3,000万円の特別控除の特例(売却利益の最高3,000万円分が非課税)
  • 10年超所有軽減税率の特例(売却利益の6,000万円以下の部分の課税率が14%軽減)
  • 空き家の譲渡所得の特例(譲渡所得税を最高3,000万円まで軽減)
  • 相続税の取得費加算の特例(相続税の一部を取得費として計算できる)

売却する家の取得費はできるだけ正確に調べる

税金で損しないためにも、売却物件の取得にかかった「取得費」はできるだけ正確に調べましょう。

取得費が不明だと、譲渡所得税を計算する際、おおよその見積もりである概算法(譲渡収入金額×5%)が適用され、大幅に損をする可能性があります。

取得費は、被相続者が購入した土地建物の購入・建築代金や、仲介手数料、設備・改良費、また相続人が支払った登記費用や不動産取得税などの合計金額から、建物の減価償却費を差し引いた金額です。

減価償却とは、「資産は時間の経過とともに価値が下がる」という考え方で、減価償却費は、その価値の下がった分を資産価値から差し引いた価格を指します。減価償却費の計算方法は次の通りです。

  • 減価償却費=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

償却率は、建物の価値が1年間に失う価値の指標で、建物の耐用年数により値は異なります。また、経過年数は耐用年数ではなく、不動産の購入から売却までの年数です。

建築材質耐用年数償却率
木造33年0.031
鉄筋コンクリート70年0.015

契約不適合責任のリスクを容認事項で下げる

契約不適合責任とは、売買契約に記載されていない瑕疵(欠陥・不具合)が契約後に見つかった場合に、売主が買主に負う責任のことです。

買主が、家の欠陥や不具合を見つけてから1年以内であれば、売主に対して、代金減額や損害賠償を訴えることができます。そのため、売買契約書に瑕疵の記載があるかどうかは重要なポイントです。

買主が容認事項(重要事項説明書の記載事項)に了解済みであれば、それだけ契約不適合責任のリスクは下がります。買主とトラブルに発展しないためには、売買契約書に不動産の状態をしっかり明記することが重要です。

一方、引き渡し後に欠陥が見つかった場合に補修費用を負担してくれる、契約不適合責任向けの保険制度もあります。

既存住宅売買瑕疵保険は、検査事業者が中古住宅の検査をして、その住宅の機能・性能を補償するというもので、仮にあとで瑕疵が見つかっても、売主は補修費用を負担する必要がありません。

【Q&A】相続する家の売却

「住宅ローンの残債があっても売却できるのか」「売却にかかった費用や税金は誰が支払うの?」「なかなか家が売れない場合、どうすれば良いのか」など、相続した家の売却にまつわる、よくある質問に答えます。

ローンが残っていても売却できるのか

売却物件に住宅ローンが残っていても、売却は可能です。それには、家の売却代金でローンの残債を完済し抵当権を外すことが条件となります。

仮に売却代金がローンを下回るオーバーローンであっても、自己資金や借入金で補填できれば売却可能です。

一方、自己資金が用意できずローン一括返済が難しい場合、任意売却という方法もあります。任意売却とは、金融機関の同意を得れば、一括返済できなくても売却が可能な権利です。

ローンを分割返済できるのがメリットですが、審査は比較的厳しいのがデメリットと言えるでしょう。

なお、故人が団体信用生命保険に加入している場合は、死亡時の保険金で完済が可能です。団体信用生命保険とは、債務者が死亡した場合に、保険金で住宅ローンを一括返済できる生命保険を指します。

どちらにしても、相続した家を売却する際は、住宅ローンが残っていないかをしっかり確認した上で、資金計画を立てることが大切です。

売却までにかかった費用・税金は誰が負担するのか

家の相続人が複数いる場合、売却までにかかった費用・税金は、相続した人全員が負担します。売却してから遺産を分割する場合、手続きの都合で、遺産の名義が一時的に代表者に移ります。

この代表者が相続登記にかかる登録免許税と、作成文書に課税される印紙税を立て替えるのが一般的です。そのあとに、そのほかの相続人と分割します。

なお、物件に利益が出た場合の譲渡所得かかる所得税や住民税、復興特別所得税は、相続人がそれぞれ売却の翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行って納めます。

いつまでも売却できないときはどうするか

相続した家の買手がいつまでも見つからない場合は、「買取」を検討するのも1つの選択肢です。

買取とは、不動産会社に不動産を直接買い取ってもらう方法で、売主と買主の間を取り持って不動産を販売する仲介とは異なります。

買取価格は、仲介による販売よりも安くなりますが、即売が可能なため短期間で現金化できるのがメリットです。また、仲介で発生する仲介手数料も必要ありません。

加えて、地方自治体が運営する「空き家バンク」に登録するのも良いでしょう。不動産サイトに物件を登録することで、空き家を探している人に情報提供するというサービスです。

営利目的ではないため、積極的な営業活動を行うわけではありませんが、登録することで購入希望者が見つかる確率は高まるでしょう。

相続手続きをして家の売却を進めよう

相続した家の売却を進めるには、相続の方法や手続きに大きな影響を与える遺言書探しから始めます。その後、相続財産や相続人を調査して、遺産分割協議を開き合意した内容で手続きを行うのが一般的です。

また、家の相続や売却には様々な費用や税金が発生します。節税対策も行って利益を最大限増やすのが売却成功のカギと言えるでしょう。節税効果のある、特例・控除に申請するのもおすすめです。

資産形成だけではなく、ほかの相続人との間で遺恨を残さないためにも、相続手続きはしっかり段階を踏んで進めることがなにより大切です。


不動産一括査定サイトを使って査定をしたら300万円以上の差も珍しくない

不動産一括査定サイトすまいステップ を使って実際に不動産を査定してみると、査定額に300万円以上差が出ることも珍しくはありません。

不動産会社 査定価格
不動産会社A 1100万円
不動産会社B 1400万円
不動産会社C 1280万円

これだけ査定額に差が出ると、複数の不動産会社に査定を依頼することが、不動産を高く売るために必須だと言えるでしょう。

少しでも不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトで自分の不動産がいくらで売れるか調べてみましょう。

【完全無料】うちの価格いくら?