日本国内でも時代の流れとともに住宅選びのトレンドが変化しつつあり、以前のように必ずしも新築物件が優先的に選ばれる状況ではなくなりました。中古住宅の購入にあたって参考にすべき情報とチェックポイントについて具体的にお伝えしていきます。
中古住宅の購入は不動産会社選びを慎重に行う
中古住宅購入をはじめて検討にあたってネットのクチコミサイトを参考にする方も多いのではないでしょうか。ネットのクチコミは有効に活用すればとても参考になりますが、クチコミに振り回されないように注意する必要があります。
口コミを確認する
ネットの普及によって情報化社会が進み、誰もが自宅にいながらにして手軽に不動産業者の評価を調べられるようになりました。中古住宅購入は特に周囲に相談しづらい部分が多く、自宅であらゆる情報を手に入れられるクチコミサイト、およびランキングサイトの存在は中古住宅購入で悩む人たちにとって大きな支えとなります。
不動産業者のスキルを評価するための基準としては、取引実績、仲介手数料の水準、スタッフとの相性などが挙げられます。不動産業者にはそれぞれに強みがありますので、業者ごとのおおよその個性をクチコミサイトで調べたうえで、自分に合ったところを選ぶ方が効率的であると言えます。
ただし、クチコミの過信は非常に危険です。クチコミサイトに掲載されたレビューはあくまでも主観に基づいており、不動産業者の実際の力量を必ずしも正確に反映しているとはかぎりません。可能であれば、クチコミサイトの情報だけで不動産業者を選択するのではなく、実際に店舗の雰囲気などを感じ取ったうえで最終的に判断するようにしましょう。
購入経験者の話を聞く
信頼できる不動産業者を探すうえで、実際に物件を購入した人のクチコミほど貴重な情報はありません。より参考になるクチコミをあつめる場合は、サイト内でできるだけ具体的な質問をするようにしましょう。質問の趣旨がぼやけていると、相手側は答えにくく、ぼんやりとした回答しか返ってこない可能性があります。
ネット上の情報だけでは心もとないという場合は、中古住宅購入経験者のサークルのようなものに加入し、生の体験談を直接聞くこともひとつの方法です。
ただし、ネットでの情報とは異なり対面での意見交換はどうしても気恥ずかしさがともなうものですし、まして中古住宅購入となると非常にプライベートな領域になりますので、はじめのうちは思うように情報が集められないかもしれません。場合によっては興味本位だと思われて、かえって相手に警戒されてしまう可能性さえあります。情報収集は根気が命、と心得ておきましょう。
「仲介手数料無料」に注意する
不動産業者のスキルについて知りたいなら、CMやウェブサイトなどの外部広告も有益なツールですが、その種のPRをチェックする際にはおさえておくべきポイントがあります。まず第一に、サイト上で極端に魅力的なキャッチフレーズばかりを並べたてているような不動産業者は注しましょう。特に、仲介手数料の安さばかりを喧伝しているところはスキルの低さを安さでカバーしようとしている可能性があるため、選択肢からはずしたほうが良いかもしれません。反対に手数料が高額であっても、その理由についてきちんとわかりやすく説明している不動産業者は、良心的だと言えます。
・複数のサイトを活用
・CMなどもチェック
中古住宅の購入後にリフォームで注意したいこと
購入した中古住宅をより住みやすいかたちに変えていくためにはリフォームが不可欠です。中古住宅のリフォームポイントにはいくつかありますが、ここでは毎日使う機会の多いトイレを中心にリフォームの注意点をお伝えしていきます。
トイレリフォームの費用相場
キッチンやお風呂とならんでリフォーム需要が高いトイレ。毎日使う空間のため汚れやすく、なおかつにおいもつきやすいために定期的なリフォームを検討する必要があります。一般的な中古住宅の場合、トイレリフォームの費用相場はおよそ30万円から50万円程度だと言われています。
実際のトイレリフォームでは、トイレ全体の広さや奥行き、排水芯の長さなどによってトータルの費用が変わってくるため一概には言えませんが、100万円かければある程度豪華で理想を詰め込んだトイレリフォームが可能になると言われています。
トイレリフォームにあたって大切なのは、あらかじめコンセプトをきっちりと決めておくことです。機能性を重視したいのか、開放感を優先させたいのか、あるいは趣味の空間としてデザインしたいのか。
トイレリフォームだけでも多様なバリエーションがあります。オプションの組み合わせをくわえれば、考慮に入れるべき要素はさらに広がるでしょう。コンセプトに沿ったかたちで費用をシミュレーションすれば見通しが立てやすくなり、トータルの予算がふくれあがることもなくなるはずです。
中古住宅のトイレリフォームは一戸建てよりも自由度が低く、選択肢がかぎられているイメージがあるかもしれません。しかしながら、最近では中古住宅でもかなり自由にトイレリフォームが可能になっており、なおかつトータルの費用相場も年々低くなっています。
トイレのリフォームで重要なのはバリアフリーの発想であり、その家に長いスパンで暮らすつもりであれば体が元気なうちからバリアフリー設計のトイレにリフォームしておいたほうが老後も安心して住みつづけることができます。バリアフリー工事はオプションの範囲なのでその分費用が割り増しになりますが、トイレは毎日使うものであり、年齢を重ねても快適に暮らせる生活空間を手に入れるためには必要な投資だと考え、トータルの予算に組み入れておくことが大切です。
リフォームでかかる費用が知りたい|工事費の相場や削減する方法
オプション工事もチェック
トイレのリフォームでは基礎工事以外に、トイレをより快適な空間にするためのオプション工事を依頼することもできます。オプション工事でわかりやすいものとしてはウォシュレットがあり、これは既存の便器にウォシュレット専用の設備を増設するだけなので非常に手軽であり、費用相場も決して高くはありません。
高齢者世帯ではトイレに床暖房をとりつけるケースも増えてきており、冬場の早朝にリスクが高まる脳梗塞や心筋梗塞などを防ぐ意味でも効果があります。高齢化にともないバリアフリーリフォームの需要も高まっており、便器の左右に安全のための手すりをつけたり、トイレ入り口の段差をなくしたりと体が不自由でも問題なく使えるようにする工事も人気のようです。
より高度なところでは、微粒子による脱臭機能を搭載した装置を導入するなどの工事も増えており、トイレという空間そのものが日本人にとってより重要さを増していることがうかがえます。キッチンや浴室にくらべ、トイレのリフォームは比較的安い費用相場で工事がすませられる特徴があります。
ただ、オプション工事をいろいろと組み合わせていくうちに当初の予定よりもトータルの予算がふくらんでしまうことは充分にあり得るので、必要以上にオプションをつけて予算オーバーになることのないように注意しましょう。
・トイレリフォームは50万円
・バリアフリーも重要
・オプションも要チェック
中古住宅選びは情報収集が肝心
中古住宅を選ぶポイントとしては購入価格以外にも、リフォームコスト、立地、不動産業者との相性などがあります。中古住宅以外の選択肢も視野に入れつつ、リタイア後のライフスタイルに合った住まいをデザインしましょう。