一口に戸建てやマンションをリフォームをするといっても、部分的な修繕から大がかりな間取りの変更まで様々です。このため、リフォームの価格というのは内容によってかなり異なるものです。
今回は、リフォームの内容別に価格相場を紹介します。相場を知ることで、お金をどれだけ貯めたらよいか、ローンをいくらで組むかなど具体的な計画を立てやすくなります。また自分にとって費用対効果がある最優先のリフォームも絞れてくることでしょう。
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データで見るリフォームの相場
予算の相場
住宅リフォーム推進協議会が2019年2月に発表している調査報告書によれば、戸建ての平均予算は269万円、、マンションの平均予算は261万円というデータが出ています。
しかし、リフォームはどの箇所を修繕するかによって価格が大きく変わります。
全面リフォームの費用相場
全面リフォームとなると、1,000万円以上をかける人も多数います。また住宅の面積や、内装のみ全面リフォームするのか、外装も一緒にするのかで価格は変動します。坪数別の坪単価の費用相場は以下のとおりです。坪単価は坪数が少ないほど割高となる傾向にあります。
リフォーム内容 | ~20坪 | ~25坪 | ~30坪 | ~40坪 | ~50坪 |
---|---|---|---|---|---|
内装のみの | 38万円~58万円/坪 | 36万円~53万円/坪 | 34万円~49万円/坪 | 30万円~43万円/坪 | 28万円~50万円/坪 |
内装・外装 | 50万円~70万円/坪 | 48万円~64万円/坪 | 45万円~60万円/坪 | 40万円~53万円/坪 | 38万円~50万円/坪 |
フルリフォームをするなら1000万円~2000万円が相場になってきますが、相場として知っておくべき情報は、修繕が必要な場所のリフォーム費用の相場です。そこで次の章では、リフォーム場所別の相場を紹介していきます。
部分別のリフォーム費用
ここでは、リフォーム箇所ごとの費用相場を紹介します。どの部分のリフォームにどれくらいの金額が必要なのか検討がつかなければ、リフォームの計画も立てられないので参考にしてください。
内装リフォームの相場
箇所 | リフォーム相場 |
---|---|
壁紙(10㎡) | 1万円∼2万円 |
フローリング(6畳) | 7万円∼9万円 |
畳(1枚) | 5000円~8000円 |
外装リフォームの相場
箇所 | リフォーム相場 |
---|---|
屋根塗装 | 40~50万円 |
外壁塗装 | 65万円∼80万円 |
玄関 | 30万円∼40万円 |
外堀・エクステリア | 60~90万円 |
駐車場・ガレージ | 50万円∼100万円 |
バルコニー・ベランダ | 30万円~40万円 |
設備のリフォーム相場
箇所 | リフォーム相場 |
---|---|
キッチン取替工事 | 40~100万円 |
浴室 | 80~100万円 |
トイレ(和式→洋式) | 25万円~40万円 |
トイレ(様式→洋式) | 15万円~25万円 |
洗面台取換(間口75cm) | 7~25万円 |
給湯器 | 12万円∼20万円 |
以上がよくあるリフォーム箇所の相場です。リフォームする部分の規模や差し替えるパーツのグレードによってリフォームの費用も変わりますので、参考値して活用してください。
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目的別のリフォーム相場
リフォームする方の中には「耐震強度を高めたい」「バリアフリーな家にしたい」など様々な目的があります。
そこでリフォームする目的別の相場情報をお伝えしておきます。
省エネリフォームの費用相場
省エネリフォームは内容により費用がかなり異なります。各項目ごとの費用相場は以下のとおりです。すべてを行うと、200万円~300万円はかかります。
太陽光発電設置 | 28万円/kW~ |
内窓設置 | 3万円~ |
節水トイレに買い替え | 16万円~ |
高効率給湯器に交換 | 25万円~ |
太陽熱温水器導入 | 15万円~ |
省エネ塗料・断熱塗料などで外装 | 50万円~ |
断熱・気密リフォーム | 90万円~ |
耐震リフォームの費用相場
耐震リフォームでは、一戸建ての所有者がどこを補強したいと決めるのではなく、専門家が問題箇所を判断した上でそれに合わせたリフォームをしていくといった形式が多くなっています。また費用相場は一戸建ての築年数により費用相場は異なってきます。
バリアフリーリフォームの費用相場
バリアフリーリフォームの費用相場は、100万円~500万円とかなりの幅があります。リフォーム内容によって費用に差が出ており、内容によっては10万円以下でできるものもあります。具体的な費用目安は以下のとおりです。
トイレの手すりの設置、トイレの滑りにくいクロスへの交換、トイレの間口拡張 | ~10万円 |
段差のある開き戸を段差のない開き戸に交換 | 15万円~20万円 |
トイレの間口の拡張や取っ手の設計と便器交換 | 10万円~20万円 |
バリアフリーのユニットバスへの交換と浴室へ取っ手の取り付け | 50万円~100万円 記に加え暖房や浴室乾燥機を取り付ける場合は20万円程度の追加費用 |
家全体のバリアフリー化 | 200万円~ |
ホームエレベーターなどの設置を含む全体のリフォーム | 300万円~ |
玄関の勾配の緩和と階段の改良、スロープ取り付け等玄関回り一式 | 400万円~ |
リフォームローンについて
リフォーム費用は高額なため自己資金だけでなくリフォームローンを利用する方も多いです。
リフォームローンでは、借入できる金額が最大1000万円程度で、返済期間は10年程となります。
借入金額の上限 | 500万円~1000万円 |
借入可能な期間 | 最長10~15年 |
金利相場 | 2~5% |
審査期間 | 最短で1∼7日 |
通常のローンと同様にローン審査は行われ、年齢・年収・勤続年数が問われますが、それほど審査は厳しくないのが実情です。
「リフォームしたいが、自己資金だけだと難しい。」という方は金融機関でリフォームローンの相談をしてみると良いでしょう。
確定測量ってなに?確定測量が必要なケースや費用感についても解説!
リフォーム費用を抑える減税制度
耐震リフォーム・省エネリフォーム・バリアフリーリフォームをした際には、所得税、固定資産税が減税されます。こていらで、適用範囲の広い所得税の減税について取り上げます。
減税額は?
リフォームをした際に、減税される額はローンを組むか組まないかで変わってきます。ローンを組まない、または5年以下のローンの場合は、投資型減税方式が適用されます。5年以上のローンを組んだ場合はローン型減税、10年以上のローンを組んだ場合は住宅ローン減税方式が採用されます。
控除適用期間 | 控除対象限度額 | 適用リフォーム種類 | ||
---|---|---|---|---|
投資型減税 | 1年 | 工事費用等の10% |
| 耐震リフォーム・省エネリフォーム・バリアフリーリフォーム |
ローン型減税 | 5年 | 省エネやバリアフリーリフォームにかかった費用の2%+その他のリフォーム費用の年末ローン残高の1% |
| 省エネリフォーム・バリアフリーリフォーム |
住宅ローン | 10年 | 住宅ローン等の年末残高の1% | 10年間で最大400万円 | 耐震リフォーム・省エネリフォーム・バリアフリーリフォーム |
リフォーム別の減税される条件
リフォームごとに投資型減税、ローン型減税を適用されるための条件が異なります。主な条件は以下の表のようになります。
耐震リフォーム投資型減税の条件 | バリアフリーリフォーム投資型減税・ローン型減税の条件 | 省エネリフォーム投資型減税・ローン型減税の条件 |
---|---|---|
| リフォーム行う一戸建ての所有者がいずれかの条件を見たいしている場合
さらに、床面積の二分の一以上が居住用、改修工事完了後6カ月以内に入居、改修工事後の床面積が50平米以上である |
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建て替えと全面リフォームのどちらをすべきかの判断基準とは?
全体リフォームとなると費用もかなり高額となります。そうなると新築にした方が良いのではないかと思う人もいるでしょう。建て替えと全面リフォーム、どちらにすべきか判断ポイントについて考えていきましょう。
建築された時期
建築された時期は、建て替えと全面リフォーム、どちらにするかの判断基準となります。その時期とは、1981年以前か以降かです。1981年以前に建築された一戸建ては、耐震基準を満たしていないものが多く、広い一戸建てとなると耐震リフォームだけでもかなりの費用となります。それに加えて古くなった設備や、間取りの変更などを行うとさらに費用はかさみます。
また、現在の家屋にあと最低何年住むのかということも同時に考えた方が良いでしょう。後々住む人がいないという場合は、最優先の箇所のリフォームを繰り返しながら住むのも一つの方法です。しかし、今後数世代にわたって住む予定があるなら、どこかのタイミングで建て替えが必要となりのではないでしょうか。
新築建築可能かどうか
新築か全面リフォームかを考える際に、今現在の一戸建てが新築可能かどうかを知る必要があります。建築基準法では都市計画区域内および準都市計画区域内の敷地において「幅員(幅)4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ、原則として建て替えができない」と定めています。
もし指定された区域内で幅4m以下の道路に接している場合は、セットバックしなければなりません。セットバックとは、接している道路の中心線から2m、敷地を後退させることを言います。セットバックした後に充分な敷地がない場合は、再建築不可となり、この場合はリフォームするしかありません。
最終的には見積もり総額
建て替えする場合でも、リフォームより価格が安くなることがあります。それは、以前より面積を縮小して一戸建てを新築する場合です。子供が巣立ち、住人が減った場合など、今までの家が広すぎになることがあります。また家の面積を縮小することで、消費エネルギーが少なくなるため省エネにも繋がります。
家の面積を減らすリフォームを、減築リフォームと言いますが、減築の場合2,000万円以上かかることもあります。2,000万円で建つ新築もあるため、減築を検討している場合は、リフォームと新築、どちらが良いか見積もりをとって判断しましょう。
リフォームを成功させるためのポイント
リフォームする際、どこをリフォームするかやその費用に注意が向きがちです。しかし、リフォームを成功させるには、ほかにも注意した方が良いポイントがあります。そのポイントとは何でしょうか。
仮住まい費用やトランクルーム費用がかかることも
リフォームをする場合、施主が家にいながら可能なものもありますが、仮住まいをしなければならないケースもあります。スケルトンリフォームなどの大規模なリフォームの場合は、家財などもすべて移動させなければなりません。
その場合は、仮住まいの費用や荷物を置くためのトランクルームが必要になります。これらは、リフォームがどれくらいの期間で終了するかによって利用期間が違ってきます。仮住まいなどが必要ならその費用も予算に入れてリフォームを考えましょう。またこれらに費用を少しでも浮かせるために、施工業者に工期を短くしてくれるように頼むのも大切です。
予算がオーバーするときは専門家に相談しよう
ほとんどの場合、各社が打ち出しているリフォームの価格を見て「水回りと外装を直したいから、いくら必要」といったように、内容を決めて必要な費用を計算します。しかし、この時点での費用は絶対的なものではありません。特に、計算した必要な費用が、自分の思っていた予算を上回っていた時は、正直に専門業者に相談しましょう。
自分の思っていた予算がどれくらいなのか、絶対に外したくないポイントはどこなのか、逆に妥協できるポイントはどこなのかをきちんと業者に相談しましょう。そうすることで専門家の立場からの提案をしてもらえます。どうしたら自分の希望をかなえつつ予算内に抑えるには何ができるのかをしっかりと考え、後悔のないリフォームをしましょう。またそうするには、対応力が高く、良心的な施工費用の業者を探すこともポイントになります。
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リフォームの相場を知り、自分にあったプランニングを
リフォームの相場は内容によって様々です。内容ごとの相場を知り、どれくらいお金が必要かを知っておきましょう。そうすることで、自己資金の目標額ができたり、ローンを組むためのプランを練ったりすることができます。
また費用だけでなく自分にとって妥協できないリフォームポイントは何なのかの情報整理も大切で、自分のプランをはっきりと決めることによって、より良い提案を専門家から受けることができます。後悔しないリフォームのために、リフォームの相場を知り、最優先のリフォーム内容を定めましょう。
不動産売却に向けてリフォームを検討している方は、リフォームを実施すべきかどうか、まずは不動産会社に相談するのがおすすめです。
物件によっては、リフォームしない方が売却後に手元に残るお金が多くなることもあります。
不動産会社に相談する時は、一括査定サイトを利用して複数の会社に査定依頼して、広く意見を聞くのがおすすめです。