住宅ローン3,000万円はきつい|諸費用を考慮し賢く返済

住宅ローン3,000万円がきついかどうかは、人によって異なります。それは安定収入がどれだけ見込めるかにかかっており、見込みが甘いほど後々苦労するでしょう。住宅ローン自体の返済計画だけでなく、現実問題として発生するその他の費用も考慮してシミュレーションをすることが大切です。

1. 住宅ローン3,000万円の返済計画

住宅ローンはどの方法を選ぶかによって、返済シミュレーションが異なります。まずは選択肢を理解した上で具体的な返済計画を見てみましょう。この項目ではあくまでも、返済そのものの負担についてを考えていきます。

1.1 住宅ローンの種類を把握しよう

住宅ローンは固定金利と変動金利、そして元利均等方式と元金均等方式の組み合わせで設定されています。いずれにしてもメリットとデメリットがあるため、自分が返済できるプランを比較検討すると良いでしょう。

固定金利と変動金利

固定金利は決められた期間内の金利が変わらない方法です。一方、変動金利は年2回金利の見直しが行われます。この2つを合わせた形の、一定期間だけ固定、後に変動金利になるタイプもあります。2018年12月現在のネット銀行系の住宅ローンの金利を比較してみましょう。

A社B社C社D社
変動金利0.418%0.525%0.457%0.600%
10年固定0.800%0.800%0.640%1.050%
20年固定1.320%1.353%1.600%
35年全期間固定1.480%2.230%

現状では、変動金利の初回分がお得に見えていますが、今後もこのレベルで金利が推移していくとは限りません。市場の景気によって左右されるため、プロでも予測するのは難しいといえます。

元利均等と元金均等

元利均等方式と、元金均等方式という方法があります。これを固定金利または変動金利とかけあわせることで住宅ローンの選択肢が生まれるわけです。

元利均等方式というのは、毎月の支払い額は一定でもその内で利息が占める割合が変わっていく方法です。当初の利息分が最も高く、それでも元金の支払いは遅いながらも進むため、最終的には利息分も少なくなります。ただし、元金がなかなか減らないため総支払額は高めです。支払額が同じ10万円でも当初は利息分が90,000円、元金返済分は10,000円かもしれません。

元金均等は、毎月の元金の返済分を固定して利息分が上乗る方法です。毎月の元金返済を70,000円とした場合、当初支払額は10万円程度になりますが、毎月元金から70,000円が減っていくため最終的な月支払額は元金返済分とほぼ変わらない金額のみになります。総支払額も元利均等よりは安いです。

1.2 住宅ローン3,000万円のシミュレーション

借入額3,000万円、返済期間35年間の固定金利1.5%として、元利均等方式と元金均等方式のそれぞれをシミュレーションをしてみましょう。なお、変動金利に関してはシミュレーションが難しいため、その理由も記載します。

元利均等方式・35年固定金利の場合

毎月の返済額91,855円
総支払額3,857万9,007円

元利均等方式の場合、返済額は35年間同じですが最初は利息分が大半を占めています。つまり、元金の返済が鈍く、その元金に対して利息がつくため総支払額は元金より850万円以上も高くなります。

元金均等方式・35年固定金利の場合

当初返済額108,928円
総支払額3,789万3,750円

元金均等方式の場合、初回の返済額は108,928円ですがこれは次の月から下がっていきます。毎月の元金返済は71,428円で、この金額が固定で減る元金に金利がかかっていくからです。最初の半年分のみ表でみてみましょう。

返済金額利息
110万8,929円37,500円
210万8,839円37,410円
310万8,750円37,321円
410万8,661円37,232円
510万8,571円37,142円
610万8,482円37,053円

このように、利息分が下がるにしたがって月々の返済金額も下がっています。35年目の最後の支払いでは返済金額が71,518円、その内金利息分は89円となります。

変動金利はシミュレーションが難しい

変動金利はその名の通り、今後の金利はわからないためシミュレーションは難しいです。年2回の金利の見直しが行われるところが多いですが、返済額は5年間は一定となります。

これは、返済額のうち金利が占める割合だけが変動するということです。仮に月々の返済額が金利と合わせて10万円で、その内最初の半年は90,000円が元金の返済、金利が10,000円だったとします。しかし、金利が上昇したことによって、支払額は10万円のままでも元金の返済が80,000円、金利が20,000円になることもあり得るというわけです。

半年ごとの金利がいくらになっているかを把握していないと、毎月返済しているつもりなのに元金が全然減っていないという状況に陥ります。その上、5年後も金利が上昇していれば、残された元金に対してさらに高い金利がかかり、当然ながら月々の返済額も高くなります。

1.3 保証料と手数料

住宅ローンに関する支払額には、返済だけでなく保証料と手数料もあります。保証料は住宅ローンの融資を受けた金融機関ではなく、自分が払えなくなったときに肩代わりしてくれる保証会社への支払いです。借入金の2%を一括で支払うか、借入金利に0.2%を上乗せして月々分割で支払う方法が多いです。とはいえ、保証料は不要になっている住宅ローンも増えてきています。

保証料が不要な住宅ローンはネット銀行系に多いです。その分事務手数料が取られます。借入金額に2.16%を乗じた金額を設定していることが多く、それ以外では10~30万円程度のものもあります。保証料の支払いと手数料の支払いでは、それほど大きな違いがあるとはいえません。

・返済方法を選択
・支払総額を把握
・月々の支払を試算

2. 住宅ローンの審査に通れば安心というわけではない

住宅ローンの融資審査に通ったからといって、100%返済可能な人物と認定されたわけではありません。消費者金融などの借金と住宅ローンの大きな違いは購入する物件が担保にされる点です。この担保の有無は大きく、その人の財産の状況だけでなく資産価値が考慮されるため、長期ローンが可能となっています。その他、審査で見られる点も含めて解説します。

2.1 返済負担率の計算

返済負担率を理解するために、まず計算式から見てみましょう。

年間のローン返済額÷年間の手取り収入×100=返済負担率(%)

この返済負担率が35%以内であることが住宅ローン審査の基準となります。仮にローン返済額が10万円で、手取り収入が30万円であれば年間としても33%ですから返済負担率に関する審査の基準はクリアしているということです。

審査金利

実際に返済するときにかかる金利が1.5%だとしても、審査金利は3~4%で計算されることが多いようです。ギリギリの審査基準のクリアではなく、余裕をもたせた基準にすることで返済が滞るリスクを回避しています。つまり、返済負担率をクリアしていれば現状の収入で返済を続けられる可能性が高いということです。

2.2 完済時年齢も審査対象

借り入れた年齢と完済時の年齢が考慮されます。完済時の年齢が80歳未満であることが基準となります。つまり、45歳で返済期間35年の住宅ローンを組むのは難しいということです。審査に通るためには返済期間を短くする必要があり、そうすると月々の返済額も高くなります。

2.3 勤務先や勤続年数

勤務先に関しては公務員が有利ですが、企業の正社員であれば安定収入が見込めるため審査落ちすることはまずないでしょう。ただし、正社員であっても勤続年数が浅い人は審査に落ちる恐れがあります。

とくに転職を短期間で繰り返している人は収入が不安定とみなされます。これは社会保険料の支払い、源泉徴収票等で確認できる事項であるため誤魔化すことはできません。

自営業者の場合、高収入であっても安定収入という面でみると不安要素になるため住宅ローンの審査が厳しくなりやすいです。高収入の自営業者と平均収入の正社員では正社員のほうが高い評価になる傾向があります。

2.4 住宅ローンには担保がある

返済負担率、完済時の年齢、勤務先をクリアしていれば返済を続けられる可能性が高いと考えられますが「完済できる」とは言い切れません。貸す側の立場になってみればわかります。消費者金融のように相手の収入と信用だけで貸し出せば、その人が仕事ができなくなれば返済が滞り、最悪の場合不良債権になるでしょう。

しかし、住宅ローンの場合は購入した物件を担保にできます。つまり、返済をとりあえず続けてもらい、返済ができなくなれば物件を取り上げて売ってしまえば良いわけです。借りる側の立場になってみると、最悪の場合、住宅が取り上げられてしまうのですから頑張って返済しようとするはずです。

このように、貸す側にとっての安心材料が揃っているからこそ、低金利で長期間のローンが可能となっています。審査は借りる側の立場ではなく貸す側の基準であることを理解しましょう。

・返済負担率35%
・年齢や勤務先も審査
・審査は貸手の基準

3. 返済がきついのは住宅ローン以外の費用が理由

住宅ローンの月々の返済額だけを見れば、返済が可能だと考えやすいです。しかし、住宅ローンの返済以外にかかる費用のことを忘れていると、生活がきついです。どのような費用が「きつい」のかを具体的に想像しなら読み進めてみましょう。

3.1 住宅の維持管理費

住宅の維持管理費は多くの人が購入後に悩まされる費用です。マンションであれば管理組合に半ば強制的に徴収されるため、最初からシミュレーションに入れている人も多いでしょう。一般的なマンションの場合、10,000~30,000円を各戸から毎月徴収し、掃除や点検などの管理や、電気設備等の修理費用にあてます。

これらの費用は、一戸建てでも当然かかるものです。徴収されないからといって無視していると、点検が疎かになり、結果として思わぬ修繕が必要となったときに資金がないという状況に陥ります。

建物や設備は経年劣化を避けられず、いつかは必ず修繕や取り替えをする必要があります。維持管理費も住宅に直接かかわる費用として積み立てておかなければなりません。

3.2 水道光熱費の上昇

住宅ローンを組んでマイホームを持つということは、今よりも広い家に住むことがほとんどでしょう。今までは家族4人で2LDKの家に住んでいた人が、3LDKに住むとなれば、明かりや空調にかかる電気代がアップするのは確実ですし、電力が必要になるため基礎の料金からして高くなります。

また、マイホームを持ったことで感覚がリッチになってしまうことも水道光熱費の上昇要因です。風呂が大きくなったためシャワーで済ませずに入浴する、駐車場を持ったことで洗車が増える、パワーのある家電製品を使用するなどが挙げられます。

3.3 介護保険料の上乗せ

30代までに住宅ローンを組む人は、現在の手取りで考えることが多いですが、40歳以降に給料から介護保険料が天引きされることを忘れてはいないでしょうか。介護保険料の支払いは40歳から64歳まで続きます。介護保険料がどの程度になるか、東京都小平市の2018年から2020年までの介護保険料を参考にしてみましょう。

年間所得計算方法年間保険料額
200万円以上300万円未満基準額(63,600円)×1.595,400円
300万円以上400万円未満基準額(63,600円)×1.64104,300円
400万円以上500万円未満基準額(63,600円)×1.78113,200円
500万円以上600万円未満基準額(63,600円)×1.92122,100円
600万円以上700万円未満基準額(63,600円)×2.06131,000円
700万円以上800万円未満基準額(63,600円)×2.2139,900円

住宅ローン3,000万円を組める人は年収400万円以上がほとんどであるため、所得(手取り)は300万円以上です。年間の介護保険料が100,000円を超えてくるため、計算に入れておくべきです。

3.4 子供の進学

子供が小さいうちにマイホームを持つ場合、養育費や進学に関するお金の見込みが甘いとあとできつくなります。大学まで進学させるにしても、国公立と私立、理系と文系とで費用は全く異なります。また、よくある養育費と学費のシミュレーションには習い事や予備校に通わせる金額が含まれていないことが多いです。

現実的には、一般に言われる金額よりも、さらに数百万が必要だと考えるべきです。なんとなくの感覚で「今はまだ余裕があるから」と子供にお金をつぎこんでしまえば、50歳以降でそろそろ老後を考えるときに貯金がなくなっていることも考えられます。それでも住宅ローンの返済は続くため、精神的な余裕が持てなくなるかもしれません。

3.5 消費税増

1989年に消費税が3%でスタートしてから30年、2019年には10%への引き上げが見込まれています。消費税が上がれば住宅購入にかかる費用も増えてしまうため、5%から8%に上がるタイミングでは駆け込み需要も増加しました。しかし、消費税が上がるということは生活に関わる支出が増大するということでもあります。

食費で考えてみましょう。毎月の食費の税抜価格の合計が30,000円とした場合、消費税8%であれば32,400円です。しかし10%に引きあがれば33,000円となります。わずか600円の差と見れば少なく感じるかもしれませんが、これがあらゆる消費行動に関わるのですから、支出は無視できない金額になるでしょう。10%に上昇する前の生活費だけを考えて、ギリギリ返済できるシミュレーションをするのは危険です。

3.6 固定資産税と都市計画税

忘れてはならない費用に、固定資産税と都市計画税があります。3年に一度行われる固定資産の評価額に基づいて税金が計算され、毎年支払わなければなりません。土地と建物双方にかかるため、購入しようとしている物件の評価額の見込みと、軽減措置を適用できる条件に当てはまるかを事前に調べましょう

・維持管理費に注意
・生活を考える
・税金を忘れない

4. 住宅ローン返済の安全圏

住宅ローンの返済以外にかかる費用も考慮した場合の、安全圏となる収入と返済額のバランスを考えてみましょう。よく耳にする「家賃の支払いと天秤にかけたらマイホームがお得」といううたい文句に惑わされてはいけません。「なんとなく返済できそう」ではなく「確実に返済できるかどうか」を考えるべきです。

4.1 住宅ローンの支払と家賃の支払を同一にしてはいけない

「家賃と返済額が同額ならマイホーム」という人がいますが、この考え方はとても危険です。住宅ローンに対する考え方がそもそも間違っています。住宅ローンと賃貸の家賃は「自分で金額を調整できるか否か」において大きく異なっています。

収入が減少して毎月の支払いがきつくなったとき、賃貸なら家賃の安いところに引っ越せば済みます。立地や間取りなどに不満はあるでとしても、生活は保たれるわけです。しかし住宅ローンで手に入れたマイホームではそういうわけにはいきません。

住宅ローンは借金ですから、どこに住んでいようと関係なく、借りた人が返す必要があります。万が一のときは売却して返済も可能ですが、完済しきれないことも少なくありません。そして、任意売却という手段を用いて住宅の抵当権は外すことはできても借金は残ります。

4.2 返済負担率20%程度

住宅ローンは、想定外の病気などのリスクを別として「このまま順当に働いていれば完済できる」という見込みが高くなければ組むべきではありません。その基準の一つが返済負担率20%というラインです。融資の審査自体は返済負担率35%以下で通りますが、35%に近いほど返済によって生活はカツカツになります。

返済負担率を試算するときは、不確定要素であるボーナスや昇給は含めないで計算することがポイント。現在の手取りだけで20%を下回るのであれば安全圏といえます。

・家賃と比べない
・安全圏と審査基準は違う
・返済負担率20%以下

5. 幸せになるためのマイホームであることを念頭に

住宅ローン3,000万円を組むときの現実的な問題について見てきました。マイホームを手に入れるということは、今よりもさらに幸せな生活をすることが目的のはずです。

しかし、現実にはマイホームを手に入れたことによって返済に苦しみ、幸せを失ってしまう人もいます。そうならないためには、より詳細なシミュレーションを行い、現実的に可能かどうかをよく検討することが大切です。


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