不動産売却を検討していると路線価や実勢価格などという言葉を耳にすることがあるでしょう。路線価とは不動産に課税される税金を計算するために用いられるものです。国税庁が道路に値段をつけたものが路線価です。
実勢価格とは不動産が実際に取引された価格のことです。不動産の売却価格を決める場合は相場を基準にすることが多いですが、実際の取引ではさまざまな事情で相場と異なる価格で取引されることもあるため実勢価格を参考にすることもあります。
この記事では、路線価と実勢価格の違いについて詳しく解説します。不動産売却での活用方法についても紹介しますので参考にしてください。
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路線価と実勢価格の違い
まずは路線価と実勢価格の違いについてみていきましょう。路線価と実勢価格はどのような違いがあるのかを理解しておくことで不動産売却の際に役立つこともあります。具体的には次の内容について解説します。
- 価格の決め方の違い
- 知ることができる不動産の種類の違い
- 表示金額の違い
- 用途の違い
それぞれの項目について具体的に解説します。
価格の決め方の違い
路線価と実勢価格は価格の決め方に違いがあります。路線価の価格は国税庁が決定します。評価時点は1月1日で発表は7月1日に行われます。
土地が面している道路ごとに価格を決めるため路線価と呼ばれます。路線価は具体的にいうと相続税路線価と固定資産税路線価の2種類がありますが、一般的には相続税路線価を指します。
実勢価格は、不動産が実際に取引された価格です。そのため誰かが価格を決めるというものではありません。実勢価格は過去の取引から調べることも可能ですが、目安となる実勢価格は公示価格や路線価から算出することも可能です。
知ることができる不動産の種類の違い
路線価と実勢価格の違いとしてあげられるのが知ることができる不動産価格の種類です。路線価は道路に面した土地の価格を表すものであるため知ることができるのは土地価格のみです。
これに対して実勢価格は売買が行われた不動産の種類ごとに価値を知ることができます。たとえば、マンション、戸建て、中古物件などがあげられます。
表示金額の違い
路線価と実勢価格では表示金額にも違いがあります。路線価の表示は1㎡あたりの価格で表示されます。路線価は路線価図上に表示されており、1㎡あたりの価格を千円単位で表示しています。
実勢価格は基本的には売買価格が基準となります。ただし路線価をもとに算出することも可能です。路線価をもとに算出する場合には「実勢価格=路線価÷0.8×1.1」で計算されます。
用途の違い
路線価と実勢価格は用途にも違いがあります。路線価は一般的には相続税路線価と呼ばれ、相続税の計算を行う際に使われることが多いものです。これ以外には固定資産税路線価として固定資産税を算出する際にも用いられます。
実勢価格は、あくまでも目安として扱われる金額なので、不動産取引の際の目安として用いられることが多いと覚えておくとよいでしょう。
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路線価の調べ方
路線価を調べるには、国税庁の路線価図や評価倍率表を利用することができます。国税庁のホームページにアクセスすれば自分で簡単に無料で調べられる点が特徴です。おおまかに次のような方法で路線価を調べることが可能です。
- 国税庁が公開している路線価の専用ページを開いて、地図やテキストから調べたい都道府県を選択
- 路線価図をクリック
- 「この市区町村の索引図ページへ」をクリック
- 牽引図が表示される
- 知りたい場所の上にマウスを乗せてクリック
- 路線価図に表示された数字から路線価を判断する
実勢価格の調べ方
実勢価格は不動産の取引価格になるため、正確に判断することは難しいですが、次の2つの方法で調べることが可能です。
- 土地総合情報システムで調べる
- REINSマーケットインフォメーションで調べる
それぞれについて詳しく解説します。
土地総合情報システムで調べる
実勢価格は、土地総合情報システムで調べることができます。土地総合情報システムは国土交通省が運営しているサイトです。国土交通省が公開している専用のサイトにアクセスすることで不動産の種類別に検索することが可能になっています。調べ方を簡単に解説しておきます。
- 国土交通省が公開している専用サイトにアクセス
- 航空写真で探す、地図で探すのいずれかを選択
- 調べたい都道府県をクリック
- 具体的な地域をクリック
- 詳細を表示をクリック
- 表示された取引価格情報を参考に実勢価格を判断する
おおまかにこのような方法で実勢価格を調べることが可能です。
REINSマーケットインフォメーションで調べる
実勢価格は、REINSマーケットインフォメーションで調べることができます。REINSマーケットインフォメーションは国土交通省指定の不動産流通機構が提供しているサイトです。
- REINSマーケットインフォメーションのサイトにアクセス
- 調べたい不動産の種類を選択
- 都道府県を選択
- 地域を選択
- 検索をかける
- 詳細条件を指定して検索する
おおまかにこのような方法で実勢価格を調べることが可能です。
実勢価格が不動産売却で役立つシーン
実勢価格は不動産売却で役立つことが多い数値です。具体的には次のようなシーンで役立ちます。
- 不動産売却の計画を立てる時
- 仲介手数料の上限を知りたい時
- 売り出し価格を決める時
- 不動産売却で支払う税金額の概算を出す時
- 売り出すタイミングを決める時
それぞれについて詳しく解説します。
不動産売却の計画を立てる時
不動産の売却をして住み替えを行う場合には、しっかりとした住み替え計画を立てるでしょう。不動産を売却する場合、住宅ローンが残っていても不動産売却は可能ですが、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しておかなければ売買契約を結ぶことができません。
売却した金額で住宅ローンが完済できればよいですが、不動産が高く売却できない場合には手持ちのお金で残った住宅ローンを完済しなくてはならなくなります。
この場合に気になるのは、売却に出している不動産がいくらくらいで売れるのかという点です。実勢価格を調べれば、不動産をどのぐらいで売却できるかを知ることができます。おおまかな売却価格がわかれば資金繰りがしやすくなるため、計画を立てる前に調べておくとよいでしょう。
仲介手数料の上限額を知りたい時
不動産の売却では、売却が成功した際に仲介してくれた不動産会社に仲介手数料を支払います。どのくらいの仲介手数料を用意しておけばよいのかわからないという人もいるでしょう。この際に役立つのが実勢価格です。
仲介手数料は下限はありませんが上限が定められています。具体的には、売買価格×3%+6万円+消費税の計算式で算出します。
仲介手数料は売買価格によって変動するため、実勢価格を調べることでおおよその仲介手数料を算出することが可能です。
売り出し価格を決める時
不動産の売却では、売り出し価格を適正に設定することが重要となります。売り出し価格が相場よりかけ離れていると損をするだけでなく、家がなかなか売れなくて困ることになる可能性もあるでしょう。
仲介の場合は売主が自由に売り出し価格をつけることが可能です。できるだけ高額で売りたいという気持ちになるのは当然ですが、売り出し価格が高すぎると売れ残る可能性が高い点には注意が必要です。
的確なタイミングで売却できるようにするためには、実勢価格を参考にして適正な売り出し価格を決めることが大切です。相場に沿った価格であれば売れる可能性を引き上げることもできるでしょう。
不動産売却で支払う税金額の概算を出す時
不動産売却ではさまざまな税金の支払いが発生します。具体的には次のような税金が必要となります。
- 印紙税
- 登録免許税
- 譲渡所得税
- 消費税
これらの目安を算出するのにも実勢価格が活用できます。ここではそれぞれの算出方法などについて解説します。
印紙税
不動産売買契約書を交わす際に必要となるのが印紙税です。印紙税額は不動産の売却額によって決定します。具体的には次の表のとおりです。
金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
1万円を超え10万円以下 | 200円 | 200円 |
10万円を超え50万円以下 | 400円 | 400円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
参考:国税庁 印紙税
登録免許税
登録免許税は名義変更と抵当権抹消登記を行う際に必要となる税金です。抵当権抹消の登録免許税は不動産1つに対し1,000円となります。土地と建物を売却する際にはそれぞれが個々の不動産とみなされるため2,000円が必要になります。
名義変更については、不動産価格から算出するのが通常です。厳密には固定資産税評価額から算出されますが、不動産価格から概算することはできます。固定資産税評価額は実勢価格の約7割とされています。
譲渡所得税
不動産を売却して利益が上がったら譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税額は売却額をもとに算出されるのが一般的です。譲渡所得税の計算には短期譲渡所得と長期譲渡所得の2種類の税率が用いられるのが特徴です。
不動産の所有期間が売却した年の1月1日時点で、5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超えている場合は長期譲渡所得に区分されることになります。具体的には次のとおりです。
- 短期譲渡所得:所得税30.63%+住民税9%=39.63%
- 長期譲渡所得:所得税15.315%+住民税5%=20.315%
譲渡所得は、不動産を売却した金額から購入金額や売却にかかった費用を差し引いた金額です。かかった費用が不明な場合には、売却金額の5%を乗じて算出します。
消費税
不動産の売却では、消費税も考えておかなければなりません。売却するのにどこに消費税がかかるのか不思議に思う人もいるでしょう。消費税は仲介手数料にかかります。仲介手数料は売却額で変動するため実勢価格がわかればおおよその消費税額を算出することができます。
ちなみに仲介手数料は上限が定められており、「販売価格×3%+6万円+消費税」で計算されます。下限は定められていないため、稀に仲介手数料無料という不動産会社もあります。この場合には消費税は課税されません。
ただし、仲介手数料が無料という場合には、なぜ無料なのかをきちんと確認しておくほうが安心です。本来であれば成功報酬として数十万円のお金が不動産会社に入るところを無料にするには何かしらのカラクリがある可能性が高いでしょう。
両手仲介といって、1社の不動産会社が売却サポートと購入サポートを同時に行うことで仲介手数料を2倍獲得するケースもあります。このケースではどちらか片方を値引きしたり無料にしたりすることも稀にあります。
このケースでない場合の仲介手数料無料は注意が必要なこともあるでしょう。
売り出すタイミングを決める時
不動産の売却では売り出しのタイミングも重要になってきます。売り出しのタイミングで、周辺に同じような条件の不動産が多く売り出されてしまうと、買手市場になってしまうため余程条件がよくなければ売れ残ってしまう可能性も考えられます。
不動産を売却するのであれば周辺の不動産があまり売りに出されておらず、不動産価格が高い時期を狙って売り出すことが重要です。たとえば、不動産の売却金額が購入価格を超えるタイミングがあれば、まさに売り時となります。ほかにも不動産の売り時はいくつかあります。具体的には次のとおりです。
- 購入金額が売却金額を超えた時
- 相場が上がっている時
- 金利が低い時
購入金額が売却金額を超えることは稀ではありますが、より購入金額に近い金額で売れるタイミングは逃さずにいたいものです。相場については、売却することで得られる利益が多くなる可能性が高いため相場もしっかりと把握しておきましょう。
金利については、金利が低いと住宅ローンを利用しやすくなるため不動産の購入を検討する人が増えるタイミングです。買手が増えるタイミングであれば多少高額でも不動産が売れる可能性が高いでしょう。
とはいえ、売り出しのタイミングを素人が見極めるのは難しいものでしょう。不動産の売り出し価格を見極めるのに役立つのが実勢価格です。実勢価格を調べれば売り出すタイミングを見極めやすくなります。
売却を検討しているタイミングで、現在の不動産価値を実勢価格から把握することが不動産売却に役立つと言えるでしょう。
不動産売却では査定額を調べるほうがメリットが多い
不動産売却を検討している場合、実勢価格を調べることで不動産の価値を把握することができるでしょう。実勢価格を参考にして不動産の売り出し価格を決めるケースもあるでしょう。
ここでおすすめなのが、不動産会社の査定依頼です。不動産売却で売り出し価格を決める際には実勢価格を調べるのもよいですが、不動産会社に査定を依頼したほうが、より正確な価格を知ることができるということです。実勢価格を自分で調べるのは手間がかかり、正確性が曖昧になることもあります。
不動産会社の査定はサービスの一環なので料金がかからないため、プロの査定を利用したほうが手間もかからず正確性も高くなるでしょう。不動産会社の査定には机上査定と訪問査定の2種類があります。
訪問査定は売却したい不動産を実際に不動産会社の担当者が訪問して詳しい査定を行う方法です。そこまでするのはまだ必要ないという場合は机上査定で十分でしょう。机上査定でよい場合には無料一括査定サイトが便利です。
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不動産売却で役立つのは実勢価格
路線価は国税庁が定めた土地の価格です。国税庁のホームページにアクセスすれば無料で簡単に調べられる点が特徴です。ただしあくまでも土地の価格であるため、不動産の売却を行う場合には土地価格しか参考にならない点に注意が必要です。
実勢価格は国土交通省が提供している「土地総合情報システム」や「REINSマーケットインフォメーション」で調べることが可能です。掲載されているのは、実際に取引された不動産価格になります。
路線価と違って実勢価格は不動産の取引価格になるため、売却の際に役立つ情報として利用することが可能です。ただし、実勢価格についてはほかの不動産の取引価格が提示されているものであるため、自分の不動産が必ずその価格に近い金額で売れるとは限りません。
不動産の売却でさらに正確な不動産の価値を知りたい場合には、実勢価格よりも不動産会社の査定を利用することをおすすめします。自分が所有している不動産の価値を正確に把握したい場合には、ピンポイントで査定を依頼したほうがより正確な価値を把握することができます。
不動産の査定では、まず机上査定といってインターネットなどを利用して気軽にできる無料一括査定サイトの利用がおすすめです。すまいステップの不動産一括査定サイトは、厳しい審査基準をクリアした全国の優良な不動産会社のみが登録しているため安心して利用することが可能です。一度情報を入力するだけでまとめて複数社に査定を依頼できるため、査定額を比較することもできて便利です。