一生のうちに、何度も戸建てを売却する機会はあまりありません。そのため「戸建てを売りたいけれど、何からはじめたらいいのかわからない」と悩む方は多いようです。
不動産の売却額は高額なため、売り方次第では売却額に数百万の違いが出ます。何も知らないと不動産会社の担当者の言いなりになってしまい、後悔するかもしれません。そのため情報収集はとても重要です。
この記事では、戸建ての売却相場を知るメリットや、売却額を左右する要因、相場の調べ方、戸建てを少しでも高く売却する方法などをお伝えしています。
戸建て売却を始める際に必要な情報をたくさん網羅しているので、家を売りたいと考えたらぜひ参考にしてみてください。
築年数と地域で見る戸建て売却相場
戸建ての売却相場は、築年数と地域の影響を大きく受けます。
実際の査定価格は、物件の綺麗さや日照など様々な細かい要因で上下しますが、築年数と地域に紐づいた相場価格を知ることで大まかな価格を把握できます。
以下では、最新の情報(2021年)で築年数、地域別の売却相場を解説いたします。
コロナウイルスやウクライナ進行など、世界情勢による市況変動も盛り込まれた相場になります。
築年数でみる戸建て売却相場
戸建ての建物部分は、築年数の経過によりその価値を落としていきます。
東日本不動産流通機構(REINS)が発表した、『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)』から、首都圏の築年数別相場を確認してみましょう。
価格 | 土地面積 | 建物面積 | |
---|---|---|---|
築0~5年 | 4,557万円 | 112.89㎡ | 97.35㎡ |
築6~10年 | 4,155万円 | 118.13㎡ | 98.87㎡ |
築11~15年 | 3,955万円 | 138.56㎡ | 103.32㎡ |
築16~20年 | 3,810万円 | 137.61㎡ | 105.84㎡ |
築21~25年 | 3,421万円 | 141.25㎡ | 111.37㎡ |
築26~30年 | 2,917万円 | 159.59㎡ | 116.15㎡ |
築31年~ | 2,355万円 | 171.48㎡ | 101.71㎡ |
東日本不動産流通機構(REINS)『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)』を参考にすまいステップ編集部が作成
まず価格の列を見ても、築年数の経過によって価格が下がり続けていることが分かります。
土地面積は、築年が古い戸建ての方が面積は大きい傾向にありますが、売却価格は大きく下落しています。
築年数の経過によって価値が低下するのは建物部分ですので、建物の劣化が売却価格によほど大きく影響することが分かります。
以下は、上表価格欄の下落率を数字に起こしたものです。
(築0~5年までは下落率0.0%としていますが、実際には入居時点で価値は下がり、建物の資産価値は毎年約5%ほど下落し続けます。)
価格 | 価格下落率 | |
---|---|---|
築0~5年 | 4,557万円 | 0.0% |
築6~10年 | 4,155万円 | -8.8% |
築11~15年 | 3,955万円 | -13.2% |
築16~20年 | 3,810万円 | -16.4% |
築21~25年 | 3,421万円 | -24.9% |
築26~30年 | 2,917万円 | -36.0% |
築31年~ | 2,355万円 | -48.3% |
地域でみる戸建て売却相場
戸建てのみならず不動産は、どの地域にあるかで価値が変わるため、売却相場も大きく違いがあります。
首都近郊の中古戸建て売却相場を確認してみましょう。
売却価格相場 | 平均平米単価相場 | 築年数 | 専有面積 | |
---|---|---|---|---|
東京都 | 7,479万円 | 60.08万円 | 14年 | 126㎡ |
神奈川 | 4,103 万円 | 32.09 万円 | 15 年 | 151 ㎡ |
千葉県 | 3,131 万円 | 18.82 万円 | 17 年 | 200 ㎡ |
埼玉県 | 3,104 万円 | 24.38 万円 | 14 年 | 161 ㎡ |
茨城県 | 1,887 万円 | 7.59 万円 | 21 年 | 322 ㎡ |
栃木県 | 1,897 万円 | 7.62 万円 | 19 年 | 339 ㎡ |
群馬県 | 1,783 万円 | 7.57 万円 | 20 年 | 307 ㎡ |
茨城県、栃木県、群馬県は、土地の面積自体が大きく築年数は古めです。
売買における建物の価値は築20年を超えるとほとんどないため、土地の大きさで売却相場を支えている印象があります。
以下のリンクから調べたい地域の売却相場を調べてみましょう。
戸建て売却相場データベース
自宅の売却相場を的確に調べる方法
前章では、築年数や地域から見る大まかな売却相場を見てきました。
実際には、戸建ての劣化状況や立地条件等、様々な要因で査定価格は変動しますので、もっと適格に相場を調べていく必要があります。
以下では、売却相場の調べ方を3つ紹介します。
戸建て売却相場を調べる方法
- 不動産ポータルサイトで売り出し物件を比較する
- 過去に売られた物件と比較する
- シミュレーションツールを利用する
不動産ポータルサイトで売り出し物件を比較する
相場を一番知っているのは購入希望者側だとも言えます。
購入希望者はSUUMOなどの不動産ポータルサイトで相当数の売り物件を見ています。
「この条件でこの価格は安い」「この地域でこの価格は妥当だ」と無意識的に選別しながら見定めているのです。
売りたい物件と似た条件の戸建てを複数見ることで、いくらかの相場感が身につきます。
見つけた物件の価格を複数メモしておき、その平均値を出してみましょう。
過去に売られた物件と比較する
国土交通相の運営する『土地総合情報システム』や『レインズマーケットインフォメーション』を利用すれば、過去に売却された物件の詳細情報を検索できます。
条件検索ができますので、似た条件の物件を検索し価格を見ていきましょう。
面積の違い等、条件完全一致で探すのは困難ですが、坪単価まで表示されるので最後に面積と掛け合わせましょう。
シミュレーションツールを利用する
前述した『過去に売られた物件との比較』を自動で行う価格シミュレーションツールを利用すると便利です。
すまいステップの価格シミュレーションツールは、過去の膨大な売買物件情報を参照し、自動で価格を算出します。
前項の方法とは参照元が異なりますが、国土交通相の公的なデータを元に作成されています。
下のフォームに入力すると、他のページに移動することなく瞬時に価格が表示されます。
戸建てを高く売却する方法
ポイントを押さえて売却活動をすることで、戸建ての売却金額は大きく変わります。ここでは戸建てを高く売る方法について解説します。
戸建ての売却に強い不動産会社に依頼する
不動産会社は、その会社ごとに強みもあれば独自のサービスを提供しているところもあります。戸建てを高く売りたいなら、戸建ての売却が得意な不動産会社に依頼する必要があります。
また高い査定額を出したからといって、優良な不動産会社であるとは限りません。相場からかけ離れた高い価格だった場合、なかなか買い手が見つからず、結局売り出し価格を下げるケースがあります。自分自身でも相場を調べ、不動産会社が妥当な提案をしているか見極めてください。
不動産会社の良し悪しは、自分自身で判断する必要があります。ホームページで実績やエリアを確認しましょう。また査定依頼を出して、不動産会社の提案する査定額やサービス、担当者との相性で判断するのもよいです。
信頼できる担当者と手を組む
優良な不動産会社は、優良な担当者を抱えている場合が多いです。担当者の役割は重要で、売り出し価格の設定、買主を探すための広告準備、購入価格の交渉、必要書類の準備などをサポートしてくれます。
担当者の技術や経験、力量によって売却成功までのスピードや精度が変わります。
例えば築40年以上の戸建て売却を、不動産会社の担当者に相談したとします。担当者によって「古家付き土地として売る」「更地にして売る」「古い家をリフォームして売る」「買い取ります」など提案が異なるかもしれません。
不動産売却が成功するまで、長ければ1年以上かかります。その間信頼して物件を任せられる、信頼できる担当者と手を組みましょう。また問題があると感じたら、不動産会社に担当の変更を交渉するとよいです。
戸建ての相場が高くなる時期に売る
同じ条件の戸建てでも、売り出し時期によって相場は変わります。不動産業界の繁忙期に売り出せるように、余裕をもってスケジュールを組む必要があります。
戸建てが高く売れる繁忙期は1月から3月と、9月から10月です。1月から3月は、4月の新年度のために多くの人が転勤や引っ越しをします。また9月から10月は、企業からの辞令や、ボーナス後の転職による人の移動が多い時期です。
繁忙期が来たときに慌てて準備を始めても、間に合いません。売却活動をするためには、事前準備が必要です。戸建ての売却を考えたら、まず自分自身で相場を調べましょう。それから複数の不動産会社に査定依頼を出して、不動産会社を決定します。
担当者とともに売り出し価格を決め、広告を掲載してようやく販売活動がスタートします。そのため不動産業界の繁忙期の少なくとも約2か月前から準備を開始してください。
また広告掲載が始まったら、すぐに内覧希望者が戸建てを訪れる可能性があります。購入希望者に物件を気に入ってもらうためにも、売り出し前に戸建ての清掃を行い、内覧受け入れ準備も併せて進めましょう。
戸建ての売却相場を事前に把握しておこう
不動産の売却成功の秘訣は、自ら能動的に動くことです。「相場はいくらか」「どこの不動産会社にするか」「担当者は信頼できるか」など、自分自身で判断して動かなければなりません。
特に不動産会社選びで失敗すると、相場以下の価格で売り出されたり、売却がスムーズでなかったりすることがあります。必ず複数の不動産会社に査定依頼を出し、優良な不動産会社と担当者を見極めましょう。
もしもいくつも不動産会社を回る手間や時間がないならば、自宅で簡単に行える不動産無料一括査定サービスが便利です。
不動産会社によって査定額や、提案するサービス内容が異なります。どの不動産会社の提案が優れているか自分自身で判断するためにも、戸建ての売却相場を事前に把握しておきましょう。
記事のおさらい
築年数と地域で見る戸建て売却相場は?
戸建ての売却相場は、築年数と地域の影響を大きく受けます。実際の査定価格は、物件の綺麗さや日照など様々な細かい要因で上下しますが、築年数と地域に紐づいた相場価格を知ることで大まかな価格を把握できます。詳しく知りたい方は築年数と地域で見る戸建て売却相場をご覧ください。
戸建ての売却相場を詳しく調べる方法は?
戸建ての売却相場を詳しく調べる方法は以下の通りです。
- 土地総合情報システムを活用する
- レインズマーケットインフォメーションを活用する
- 路線価から算出する
- 不動産ポータルサイトを利用する
- 不動産一括査定を利用する
詳しくは戸建ての売却相場を詳しく調べる方法をご覧ください。
戸建てを高く売却する方法は?
戸建てを高く売却する方法は以下の通りです。
- 戸建ての売却に強い不動産会社に依頼する
- 信頼できる担当者と手を組む
- 戸建ての相場が高くなる時期に売る
詳しく知りたい方は戸建てを高く売却する方法をご覧下さい。