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築40年でも不動産売却はできる?資産を無駄にしない方法とは

  • 更新日:2022年5月6日
築40年でも不動産売却はできる?資産を無駄にしない方法とは

不動産売却では、築年数が重要なポイントとなり、年数によって売却価格が変動します。基本的には築浅の物件ほど高額で売却しやすいですが、築40年でも売ることは可能です。

築40年を超える物件を売却するなら、売却のポイントや後悔しないためのコツを知っておくことが大切です。ポイントを押さえて契約を進め、損のないように築40年の不動産を売却しましょう。

築40年の不動産売却で知っておくべきこと

築40年の不動産を売却するなら、知っておきたいことがいくつかあります。

  • 経年劣化で資産価値は低い
  • 不動産の耐震性に不安
  • 購入する人の融資に支障

ポイントを把握しておくことで、築年数が経過した物件でも、売却しやすくなります。

経年劣化で資産価値は低い

築40年の不動産は、経年劣化によって資産価値が低下しているため、売却価格は安くなりやすいです。経年劣化による資産価値の下がり方は建物の構造によって異なりますが、鉄筋コンクリート造などの丈夫なものでも、築40年だと新築時の30%以下になることがほとんどです。鉄筋コンクリート造よりも耐久度の低い木造だと、さらに資産価値が下がることは覚えておきましょう。

不動産の耐震性に不安

築年数の古い物件は老朽化が進んでいるため、耐震性に不安が残ることが多いです。特に1981年以前に建築されたものは、旧耐震基準に沿って建築されているため、最新の建造物よりは耐震性が下がります。

1981年以前に建築されているものでも、耐震改修工事をおこない、新耐震基準に適合するなら問題はありませんが、老朽化が進んでいると耐震性には問題が出やすいことは理解しておきましょう。

購入する人の融資に支障

資産価値が低いと、売主が安値でしか売りづらいだけではなく、不動産を購入する人の融資にも支障が出ます。資産価値が低いと、融資を受けるときの不動産担保評価が低くなってしまうため、住宅ローンを申し込んでも審査が通りづらいです。

また、審査に通ったとしても、返済期間に制限が出てしまい、短期間でしか融資が受けられないこともあります。融資の条件が悪くなってしまうことから、築年数が古い物件は、売却が難しくなるといえます。

築40年でも売却しやすい不動産の特徴

築40年でも、次の特徴を持っているなら、不動産は売却しやすいです。

  • 不動産の立地がよい
  • 管理が行き届いている
  • 売り出し価格が相場に合っている

売却予定の不動産の状態を確認して、上記の特徴に当てはまるかをチェックしておきましょう。

不動産の立地がよい

好立地であるほど不動産は売れやすく、周辺環境が充実していたり、駅までのアクセスがしやすかったりすると、好条件での売却を目指せます。

たとえばスーパーや病院などの生活必需施設が周辺に豊富だったり、駅まで徒歩5分などの好アクセスの立地だったりすると、築40年でも売却はしやすいでしょう。

管理が行き届いている

定期的にメンテナンスがされていて、管理が行き届いている物件なら、築40年でも売却はしやすいです。こまめにメンテナンスがされていると、築40年以上でも住みやすい状態であるため、買主は見つけやすくなります。

特にマンションの場合は管理状況だけではなく、管理体制が充実しているかどうかも、重要なポイントです。管理人がいたり、修繕計画が念入りに立てられていたりするなら、築40年以上でも好条件で手放しやすくなります。

売り出し価格が相場に合っている

上手に不動産を売却するなら、売り出し価格をいくらに設定するかも重要なポイントです。売り出し価格が市場相場に合っているほど、スムーズに売却しやすくなります。

築40年の物件だと、資産価値が低下していることから、買主は安さを重視します。しかし、安さが求められているからといって、売り出し価格を下げすぎると、安値で手放すことになり、売主は損をするため注意が必要です。

必要以上に安値で手放さないためには、一括査定サイトを利用して査定を受け、売却価格の相場を調べておくとよいでしょう。一括査定サイトのすまいステップなら、一度の登録で同時に複数社から査定を受けられるため、効率的に相場価格を見極められます。

築40年の不動産を売却しやすくするコツ

築40年の不動産を売却しやすくするには、覚えておきたいコツがいくつかあります。

  • 築年数が古い物件の売却実績がある不動産会社へ依頼
  • ホームインスペクションで問題点を把握
  • リフォームせずに不動産の修繕

コツを把握して、少しでもお得に築40年以上の不動産を売却しましょう。

築年数が古い物件の売却実績がある不動産会社へ依頼

不動産会社によって、得意分野は異なります。業者によっては築年数が古い物件の売却実績が豊富なこともあるため、実績を確認して、売却を依頼する不動産会社を選びましょう。

実績のある不動産会社なら、古い家を売るためのノウハウが蓄積されており、他の業者よりもスムーズかつ、好条件で売却しやすいです。どこに依頼するかによって、売却の結果は変わることが多いため、利用する不動産会社は慎重に決めるようにしましょう。

ホームインスペクションで問題点を把握

築40年の古い物件を売却するなら、事前にホームインスペクションをして問題点を把握しておくこともおすすめです。ホームインスペクションとは、専門の業者に不動産の状態をチェックしてもらい、建物の現在の状態や改善点などを挙げてもらう、いわば建物の健康診断です。

ホームインスペクションを受けていることで、建物の詳細な状態を知ることができるため、買主の不安を解消できます。

また、インスペクションの結果、一定の基準をクリアしているなら、瑕疵保険にも加入でき、引き渡し後に瑕疵が見つかったとしても、保険を適用して売主の負担を減らせることもメリットです。

リフォームせずに不動産の修繕

不動産を売却するなら、基本的には事前のリフォームは不要です。リフォームをすることで状態はよくなりますが、リフォームにかけた費用をそのまま売却価格に上乗せできるわけではないため、損をするケースが多いです。

そのため、売却前に手を加えるなら、故障箇所の修繕程度にとどめておき、全面的な改修はしないほうがよいでしょう。築年数が40年以上経過していると、建物に不具合が起きやすく、そのままでは使用できない場合もあるため、実用可能な範囲で修繕をし、売却できる状態に戻しておくことがおすすめです。

築40年の不動産は売却方法も工夫

築40年の不動産を売るなら、売却方法も工夫することが大切です。

  • 不動産会社での買取依頼
  • 古家付きの土地で売り出し
  • 建物を解体し更地で売り出し
  • 最寄りの自治体の空き家バンクを利用

売却方法としてどのような手段があるのかを知り、損なく不動産を手放しましょう。

不動産会社での買取依頼

不動産は不動産会社に仲介を依頼して個人の買主を探すだけではなく、不動産会社自身に買い取ってもらうことも可能です。買取は仲介による売却よりも安値での取引になりやすいですが、修繕などの手間をかけずに売却できる可能性が高いです。

そのままの状態では仲介による売却が難しい物件でも、買取ならスムーズに手放せます。また、買取は不動産会社との契約のみで売買が成立するため、仲介よりも短期間で手放せることもメリットでしょう。

仲介による売却は、最低でも3ヶ月程度の時間がかかりますが、買取を利用する場合は、早いと1週間以内で売れることもあります。

古家付きの土地で売り出し

築40年以上の物件は、建物として売るだけではなく、古家付の土地として売り出す方法もあります。家ではなく、土地として売り出すことで、購入希望者の幅は広がるため、買主が見つかる場合も多いです。

また、あくまで土地として売り出しているため、家の状態が悪くても売れるケースもあるでしょう。注意点としては、購入後に解体を予定している場合は、売主に解体費用の負担を求め、値引き交渉される可能性があることです。

土地としての売り出しだと売却価格はそれほど高くなく、解体を理由に値引き交渉をされる場合があることは覚えておきましょう。

建物を解体し更地で売り出し

築40年以上で老朽化が進んでおり、建物としての売却が難しい場合は、建物を解体し、更地として売り出すことも選択肢の1つです。更地にして売る場合は、建物の解体費用がかかるため、売主の負担は大きくなります。

建物の規模によっても異なりますが、解体は100万円程度のコストがかかるケースが多いことは理解しておきましょう。また、更地にすると土地の固定資産税が上がり、場合によってはこれまでよりも所有コストが高くなることもあります。

解体してすぐに売るなら問題はありませんが、建物を解体してから1年以上土地を所有して売る場合は、固定資産税の負担が増えやすいことは理解しておきましょう。

更地にして売ることで、買主は建物の管理が不要なため管理コストが下がり、かつ土地をすぐに活用できる点は大きなメリットです。

最寄りの自治体の空き家バンクを利用

築40年以上の物件が空き家となっているなら、最寄りの自治体の空き家バンクを利用して、売却先を探してもよいでしょう。空き家バンクは自治体が運営しているサイトであり、空き家の売買や賃貸の情報を掲載できます。

不動産の所有者は買主や借主を探すことができ、利用者は安く購入、あるいは賃貸できる空き家を探せる仕組みが、空き家バンクです。空き家バンクは空き家を探す人を対象に物件情報を公開できるため、古い家でもスムーズに売却しやすくなります。

ただし、空き家バンクを利用する場合は、個人間取引となるため、契約書の作成も自身でおこなう必要があります。契約業務を不動産会社に依頼することは可能ですが、依頼しない場合は自身で手続きが必要であり、トラブルが起きやすい点はデメリットとして覚えておきましょう。

築40年の不動産を売却する注意点

築40年以上の不動産を上手に売却するには、覚えておきたい注意点がいくつかあります。

  • 戸建ては土地の境界が確定しているか確認
  • 損をしないため不動産の取得費を調査

注意点を正しく把握して、失敗なく築40年の不動産を手放しましょう。

戸建ては土地の境界が確定しているか確認

戸建ての不動産を売却するなら、土地の境界線が確定しているかを確認しておきましょう。境界が確定していない状態だと、どこまでが自身の所有する土地なのかわからず、売却後に隣地の所有者とトラブルに発展する可能性があります。

トラブルを防ぐには、事前に境界を確定させ、自身の所有分の土地面積を明確にしておかなければなりません。境界の確定は測量業者に依頼し、土地の広さや形状、作業車両の出入りのしやすさなどで費用は変動します。

明確にいくらと決まっているわけではありませんが、測量にかかる費用はだいたい30万円程度と考えましょう。

損をしないため不動産の取得費を調査

不動産売却で損をしないためには、不動産の取得費を調査して、明確にしておくことが大切です。不動産を売却すると、売却による利益に応じて税金がかかります。利益の有無は、次の式で計算しましょう。

売却価格-売却にかかった費用-不動産の取得費

利益がいくらかを考える上で不動産の取得費は重要なポイントであり、取得費が多いほど経費計上できる金額が増えるため、税金も安くなります。不動産の取得費がわからない場合は、売却価格の5%を取得費とする概算取得費で計算しますが、実際の取得費と比較すると安くなる場合がほとんどです。

取得費は正確にわかっているほうが経費計上できる金額は多くなり、節税にもつながるため、いくらかかったかは必ず調査しておきましょう。

築40年の不動産でも売却できる道はある

築40年以上の古い不動産でも、方法次第では売却は可能です。古い家を売却するには、売却方法を工夫したり、売却時のポイントを正確に把握していたりすることが大切です。

築浅物件のほうが好条件で売却できますが、築40年以上でも上手に売ることで、高値で手放せる場合もあります。売却で損をしないためにも、売り方を上手に工夫して、築40年以上の不動産を賢く売却しましょう。

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