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マンション売却の譲渡所得税の計算の仕方と節税のポイント

マンションを売却して利益が出た場合には譲渡所得税と呼ばれる税金を支払う必要があります。大きな金額が動く不動産売却では課税される税金の額も大きくなる可能性が高いため事前にある程度の見積もりをしておくことも必要です。

この記事では、マンション売却で支払う譲渡所得税の計算の仕方について解説します。あわせて節税のポイントについても紹介しますので参考にしてください。

マンション売却で支払う譲渡所得税とは?

まずはマンション売却で支払う譲渡所得税とはどのようなものなのか理解していきましょう。譲渡所得税はマンションを売却した場合にだけ課税されるものではありません。そのためここではマンションを売却することも含めて譲渡所得税そのものについて解説します。

資産を譲渡した時に支払う税金

そもそも譲渡所得とは、土地、建物といった不動産だけでなく、株式、ゴルフ会員権などを譲渡した際に得られた利益のことを指します。つまり簡単に説明すると譲渡所得税は、資産を譲渡した際に利益が生じた場合に支払う必要がある税金のことです。

マンションも大きな資産であるため売却して売却益が出た場合には譲渡所得税が課税されることになります。

具体的な税金は3種類

譲渡所得税は3つの税金をまとめたものを指すことも特徴として覚えておきましょう。具体的には住民税、所得税、復興特別所得税の3つを合わせて譲渡所得税と呼びます。

住民税は地方税のひとつであり、都道府県が課税する税金です。税金の用途としては都道府県の福祉・教育・救急・ゴミ処理などの公共サービスの提供を維持するために利用されています。

所得税は個人が稼いだ所得に対して課税される税金です。1人の人が1年間に得た所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を乗じて算出されるのが所得税になります。

会社に雇用されている場合には給与から差し引かれるのが一般的ですが、個人事業主などの場合には確定申告を行うことで納税します。売却で課税される場合には売却額が所得とみなされるため所得税が課税されます。

復興特別所得税は東日本大震災から復興するための施策として設置された特別措置法に基づいて課税される税金です。納税義務者全員に支払い義務があるためこれだけを支払わないということはできません。

所有している期間で税率が異なる

譲渡所得税で用いられる税率は不動産を所有していた期間によって変動します。具体的には、5年を境として短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられ、税率が変動することになります。税率については次のとおりです。

短期譲渡所得:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
長期譲渡所得:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%

このように短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が2倍近く異なります。そのため5年よりも短いタイミングでマンションの売却を検討している場合には、税率についても考えながら売却のタイミングを考えることをおすすめします。

支払うためには確定申告が必要

譲渡所得税はどのように支払うのかと疑問に感じている人もいるかもしれません。譲渡所得税は確定申告を行なって支払う必要があります。確定申告期間は資産を譲渡した翌年の2月16日から3月15日の間と定められているため注意が必要です。

期間内に確定申告を行わないと納税ができなくなり、そのままにしておくと追徴課税を課せられる可能性があるため申告忘れがないようにしましょう。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税がいくらになるのかはかなり気になる点でしょう。譲渡所得税には決まった計算方法があります。ここでは譲渡所得税の計算方法を順を追って解説します。

取得費を計算する

まずは取得費を計算する方法についてみていきましょう。取得費に含むことができるものは次のとおりです。

  • 土地・建物の購入代金
  • 購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
  • 仲介手数料

主には上記のような費用が取得費に含まれます。取得費は基本的にこれらの金額を足して計算します。仲介手数料については、売却金額×3%+6万円+消費税で計算します。

譲渡費用を計算する

次に譲渡費用を計算する方法についてみていきましょう。譲渡費用とはマンションを売却するのにかかった費用のことです。具体的には次のものが含まれます。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費用
  • 立退料
  • 解体費用

主には上記のような費用が譲渡費用に含まれます。譲渡費用は基本的にこれらの金額を足して計算します。仲介手数料については、売却金額×3%+6万円+消費税で計算します。

譲渡所得と売却益を計算する

譲渡所得と売却益を計算する方法についてみていきましょう。具体的な計算方法は次のとおりです。

譲渡所得=譲渡価格-「取得費+譲渡費用」

譲渡価格はマンションの譲渡代金のことで、取得費は実額法と概算法で計算して金額が大きい方を取ることが可能です。

実額法はマンションの購入代金と取得に必要だった費用を合計した金額から建物の減価償却費を差し引いた金額です。概算法は、マンションを購入した際にかかった費用がわからない場合に用いられる方法で、譲渡収入金額×5%で計算します。

譲渡所得が計算できたらそこからさらに特別控除を差し引く必要があります。

不動産売却益=譲渡所得-特別控除

3,000万円の特別控除をはじめとしてさまざまな控除があるため自分が適用対象かどうかをしっかりと確認してみましょう。

既に売却を決めていて、売却前に譲渡所得をある程度把握しておきたい場合は、査定金額を譲渡価格として試算してみましょう。

もしもまだ査定を受けていないなら、インターネットの一括査定サイトの利用がおすすめです。
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譲渡所得税額を計算する

譲渡所得が算出できたら譲渡所得税額を計算することが可能になります。算出した不動産売却益に所有期間に応じた税率をかけることで譲渡所得税額を算出しましょう。具体的には次の計算式を用います。

譲渡所得税=不動産売却益×税率

事前にどの程度の税金が課税されるかを知っておくこともマンションをスムーズに売却するためには必要な情報です。

譲渡所得税の種類とそれぞれの支払い方法

譲渡所得税に含まれる税金は3種類あることはすでに説明しました。所得税、住民税、復興特別所得税の3種類です。ここではそれぞれの支払い方法について解説します。支払い忘れで滞納にならないようによく理解してきちんと支払える方法を選択しましょう。

所得税

所得税の納税方法は、自分で振り込みを行うか自動引き落としにするか選択可能です。詳細を見ると納税方法には6つの方法があります。具体的には次の方法です。

  • 振替納税制度
  • ダイレクト納税
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード
  • コンビニ
  • 金融機関や税務署の窓口

振替納税制度は、確定申告を行なった本人名義の口座から自動で引き落としが行われる方法です。メリットとしては、一度手続きをすることで翌年からは手続きなしで自動で引き落としが行われる点があげられます。ただし事前に書類の提出が必要であり、領収書が発行されない点はデメリットといえるでしょう。

ダイレクト納税は、オンラインで納税する方法のひとつです。e-Taxを利用することでインターネット上で比較的簡単に納税を行うことができます。手数料もかからず自宅から納税できる点はメリットです。ただし事前の手続きが必要な点とシステムに慣れる必要がある点、領収書が発行されない点はデメリットとなるでしょう。

インターネットバンキングは、金融機関のインターネットバンキングやATMを利用して納税する方法です。納税にはe-Taxに登録する「登録方式」と登録せずに納付する「入力方式」の2種類があります。パソコンだけでなくスマートフォンからの納税が可能で多くの金融機関で利用できる点はメリットです。

ただし利用するには事前に手続きが必要となり、領収書の発行がない点はデメリットとなるでしょう。

クレジットカードでも納税が可能です。クレジットカードでの納税を希望する場合には「国税クレジットカードお支払サイト」と呼ばれる専用サイトを利用します。自宅から納税できるためクレジットカードがあれば比較的簡単に手続きが完了します。さらに分割払いやリボ払いを選択することも可能です。

ただしほかの納税方法とは異なり決済手数料がかかる点には注意が必要です。

コンビニでの納付を希望する場合には、税務署で確定申告を行う際にバーコードのついた納付書の発行を依頼します。最近ではQRコードを利用して納税することも可能となっています。コンビニでの納税の場合は金額が30万円以下の場合のみ利用可能です。

金融機関や税務署の窓口での納付は手数料がかからず手続きも必要ないため利便性が高いといえるでしょう。窓口に出向くことができる場合は確実でスマートな納税方法といえます。ただし、窓口が開いている時間帯にしか納付できず窓口まで足を運ぶ手間がかかる点はデメリットになるでしょう。

このようにそれぞれの納付方法にメリットデメリットがあるため、よく検討して自分にあったものを選ぶとようにしましょう。

住民税

住民税の納付方法は普通徴収か特別徴収の2種類が選択可能です。 普通徴収は一括で支払うか、4回に分けて支払う方法があります。会社員の場合は特別徴収になり給与から毎月天引きされるため自分で支払いに行く必要がない点がメリットです。

復興特別所得税

復興特別所得税は平成25年から令和19年までに生じた所得に対して課税される税金です。東日本大震災の復興のために使われる費用を国民全員で支えようということが目的となって設定された税金となります。

基本的には所得税と一緒に納税することになります。納付方法は所得税と同様に、振り込みか引き落としとなります。

譲渡所得税額を減らすためのポイント

譲渡所得税の支払金額を少しでも減らすためのポイントについて解説します。自分に当てはまる条件があるかどうか確認して上手に節税しましょう。

5年間所有してから売却する

譲渡所得税は不動産を所有していた期間によって変動します。具体的には、5年が境です。5年以内の不動産は短期譲渡所得、5年以上の不動産は長期譲渡所得になります。税率については次のとおりです。

  • 短期譲渡所得:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
  • 長期譲渡所得:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%

短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が2倍近く異なるため売却のタイミングは重要です。5年所有してから売却することで譲渡所得税を減らすことができます。マンションの売却を検討している場合には、税率についても考えながらタイミングを考えましょう。

できるだけ多くの経費を計上する

譲渡所得税を少しでも節税したい場合には、できるだけ多くの経費を計上することがお勧めです。不動産を購入した時の経費と売却した時の経費の両方を計上することで、不動産売却益を減らすことができ結果的に税額も減らせることになります。

経費として計上できるものは次のとおりです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費
  • 広告費
  • 鑑定料
  • 登記費用
  • 解体費用
  • 修繕費用

おおよそこれらの費用が経費として計上できます。特に金額が大きなものに関しては計上し忘れないように一つひとつ確認しながら計上していきましょう。

特別控除を活用する

マンションを売却する際に特別控除を活用すると譲渡所得税額を大幅に減らすことができます。特別控除にはいくつかの種類がありそれぞれに条件が設定されています。特別控除を利用するには必要要件を満たす必要があるため、事前に確認しておく必要があるでしょう。

特別控除の種類については次の項目で詳しく解説しますので参考にしてください。

マンションの売却で活用できる特別控除の種類

マンションの売却で活用できる特別控除には次の3つがあります。

  • 3,000万円の特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • マイホームの買い替えの特例

これらについて詳しく解説します。適用条件なども確認して上手に利用してください。

3,000万円の特別控除

3,000万円の特別控除はマイホームを売却した際に適用される特別控除です。所有期間に関係なく活用できるため税金を大幅に減らすことができる制度になります。適用条件として重要となるのはマイホームであるという点です。

ただし、相続した不動産の場合には、一定の条件を満たす空き家と認定されれば3,000万円の特別控除を利用することは可能です。具体的には戸建ての不動産であり、昭和56年5月31日より前に建てられた家であることなどがあげられます。

控除については次のような計算で算出することができます。

譲渡所得=譲渡価額ー取得費ー譲渡費用ー3,000万円

この計算式を用いて譲渡所得から3,000万円を差し引くことで税金を軽減できます。

10年超所有軽減税率の特例

売却予定の不動産の所有期間が10年を超えている場合には、10年超所有軽減税率の特例が適用されます。具体的には、6,000万円以下の税率が下がることで税金を減額することが可能となります。

3,000万円特別控除を適用した後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分については、所得税が10.21%、住民税が4%で合計14.21%が税率となります。6,000万円超の部分については、所得税が15.315%、住民税が5%で合計20.315%が税率です。

この特例についてもマイホームの譲渡であるという条件がつく点には注意が必要です。さらにポイントとなるのは3,000万円の特別控除を適用した後の譲渡所得の金額が税率に関係してくる点となります。

マイホームの買い替えの特例

住み替えのためにマンションを売却した場合、マンションを売却して利益が出てもその額よりも高い家を買えば税金がかからないのが、マイホーム買い替えの特例です。

たとえば次のようなマンションを売却したとします。

  • マンション購入額 2,000万円
  • マンション売却額 4,000万円
  • マイホーム買い替え金額 6,000万円

この場合通常であれば2,000万円の譲渡益が課税対象となります。ただしマイホームの買い替えで売却額よりも高額な出費をしているためこの場合にはマイホーム買い替えの特例が適用されます。

特例を受けると売却した年分で譲渡益への課税が免除され、買い換えたマイホームを将来譲渡するまで譲渡益に対する課税が繰り延べられるようになります。

たとえば、買い換えたマイホームを将来7,000万円で売却したときに、売却価額7,000万円と購入価額6,000万円との差額になる1,000万円の譲渡益に対して課税されるのではなく、実際の譲渡益1,000万円に特例の適用を受けて課税が繰り延べられていた2,000万円の譲渡益を加えた3,000万円が譲渡益として課税されます。

この特例を受けるための条件としては、次のようなものがあげられます。

  • マイホームである
  • 居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
  • 解体した場合にはその家が解体された日が属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること

上記のようにさまざまな条件があるため自分が適用されるかどうかは事前にきちんと調べておく必要があります。

譲渡所得税は工夫すれば安くすることができる?

マンションを売却する際には売却額が全額手元に入ると考えていると後々トラブルになる可能性があります。住み替えの場合には次の家を購入する資金の一部として売却額を利用することもあるでしょう。資金プランが狂わないようにするためにも譲渡所得税についてしっかりと理解しておくことも必要となります。

譲渡所得税はさまざまな控除を適用させることで安くすることが可能です。ただし、控除の適用には条件があるため自分が条件に当てはまるかを確認しておくことも大切になります。

さらに諸経費をきちんと計算することで譲渡所得を少しでも少なくすることができれば、譲渡所得税の節税にも繋がります。マンション売却の場合にはマンションを購入する際に使った費用がきちんとわかるような資料を用意しておくことも重要です。
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