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マンション売却の注意点とは?売却で失敗しないための方法を解説

  • 更新日:2023年1月16日
マンション売却の注意点とは?売却で失敗しないための方法を解説

マンションを売却する場合には、一般的に、3ヶ月〜6ヶ月程度の期間が必要となります。

また、売却に際しては、できるだけ損をしないように売りたいと考える方が多いでしょう。

本記事では、大切な資産であるマンションの売却に失敗しないために、把握しておきたい注意点を詳しく解説します。

マンションを損せずに売るための10のコツ【流れや相場・費用を分かりやすく解説】

マンション売却の基本的な5つの注意点

マンションの売却を効率良く進めるために、査定依頼の前に知っておきたい注意点は下記のとおりです。

  1. 売却査定は3社以上に依頼し相場価格を知る
  2. 売却査定の手順を把握する
  3. マンション売却には3ヶ月〜6ヶ月以上かかる
  4. 必要書類を準備しておく
  5. 紛失すると再発行できない書類がある

それぞれ順に解説していきます。

売却査定は3社以上に依頼し相場価格を知る

まず、マンション売却の査定は複数の会社に依頼しましょう。

不動産会社によって査定額や対応が異なるため、3社以上に依頼すると安心です。

不動産会社によっては、査定額に300万円〜500万円ほどの差が生まれることもあります。

複数の不動産会社から査定を取り寄せることは、質の良い不動産会社を選ぶための参考にもなります。

なお、不動産価格の取引相場は、国土交通省の「土地総合情報システム」でも、物件の所在地域や住居タイプを入力することで簡単に確認できるため、ご自身でも相場を調べておくと良いでしょう。

売却査定の手順を把握する

マンション売却の査定方法には、「机上査定」と「訪問査定」があります。

机上査定とは、担当者が訪問せず、物件情報や周辺の価格相場から査定額(概算)を算出する方法で、訪問査定とは、担当者が物件を実際に訪問して細部まで査定する方法です。

ここでは、ウェブ上の一括査定を利用した場合の、主な査定手順をご紹介します。手順は下記の表の通りです。

主な手順必要な期間
1一括査定(机上査定)を依頼(必要書類も準備しておく)当日(書類によって数日)
2机上査定の結果が届く当日〜3日程度
3訪問査定を依頼し、訪問査定後に結果が届く査定日から1週間程度
4不動産会社と媒介契約し、物件を売り出す準備をする1週間程度
5広告活動開始〜買主の内覧を経て買主が見つかるまでの期間おおむねね3ヶ月〜4ヶ月
6価格交渉の末、買主と売買契約の締結1ヶ月程度
7決済・引き渡し1ヶ月〜2ヶ月程度
8確定申告売却した翌年
(2月16日〜3月15日)

マンション売却には3ヶ月〜6ヶ月以上かかる

マンション売却の注意点には、売却に必要となる期間も挙げられます。

売却するマンションの築年数や状態、立地などにも左右されますが、売却には、おおむね3ヶ月〜6ヶ月程度の期間が必要です。

もちろん、売り出してすぐに買主が見つかるケースがある一方、売却に1年以上かかるケースもあります。

買主を見つけてからも、価格交渉が難航する場合もあるため、売買契約の締結までに日数を要することがあります。

必要書類を準備しておく

マンション売却に際しては、様々な書類が必要です。主な書類は下記の表をご覧ください。

必要な書類書類の内容
1身分証明書運転免許証・健康保険証
マイナンバーカード・パスポートなど
2実印・印鑑証明発行3ヶ月以内の印鑑証明を使うのが一般的
3登記事項証明書
(登記簿謄本)
土地や家の所在地、氏名、抵当権など登記情報が記載されたもの
4登記済証
(登記識別情報通知書)
土地や家の所在地、氏名、登記識別情報(12桁の暗証番号)などが記載されたもの
5固定資産税納税通知書固定資産税の納税通知書
6マンション管理規約規則や注意事項など、共用部分の使用方法などが記載されたもの
7マンション管理に伴う
重要事項調査報告書
管理費や積立金の総額、耐震調査の内容など、管理情報が記載されたもの

不動産会社によっては、上記以外の書類が必要になる可能性もあるため、担当者に確認すると良いでしょう。

紛失すると再発行できない書類がある

登記済証(登記識別情報通知書)は、所有移転登記などの登記申請時に、本人確認用として提出を求められる書類です。

この登記済証は、紛失すると再発行されないため注意しましょう。

ただし、登記済証を紛失しても、不動産の売却等の処分ができなくなるわけではないため、その際には最寄りの登記所に相談しましょう。

マンション売却活動・契約の7つの注意点

前項で、マンション売却の主な手順をご紹介しましたが、査定の依頼後にもさまざまな注意点があります。

  1. 優良な不動産会社を選ぶこと
  2. 媒介契約は慎重に判断すること
  3. 囲い込みのリスクを知ること
  4. 売却しやすい時期があること
  5. 売却価格は担当者に相談すること
  6. 内覧成功に向けた対策を行うこと
  7. 売買契約書の記載事項をよく確認すること

それぞれ順に解説していきます。

優良な不動産会社を選ぶこと

マンション売却において特に重要なのが不動産会社選びです。

売却に伴う大半の活動は不動産会社が担うため、不動産会社や担当者の質が、マンション売却の期間や金額に大きく影響します。

不動産会社や担当者の選定時に注目すべき点は下記の通りです。

  • 取引実績の多い不動産会社
  • 口コミが良い不動産会社
  • 宅建士の資格を持つ担当者がいる
  • 担当者の販売能力が高い
  • 売主に寄り添った提案をしてくれる

なお、仲介手数料も不動産会社によって異なるため、査定額の高さだけに捉われないようにしましょう。

媒介契約は慎重に判断すること

媒介契約には次の3つの契約があるため、自分にあった契約を結びましょう。

種類メリットデメリット
一般媒介契約
  • 複数社に依頼できる
  • 契約期間に規定がない
  • 買主を自分で見つけられる
  • レインズの登録義務なし
  • 活動報告義務がない
  • 積極的に活動しないリスク
専任媒介契約
  • 2週間に1回以上の活動報告
  • レインズの登録義務(7日以内)
  • 買主を自分で見つけられる
  • サービスの充実
  • 複数社に依頼できない
  • 契約期間3ヶ月
  • 囲い込みのリスク
専属専任媒介契約
  • 1週間に1回以上の活動報告
  • レインズの登録義務(5日以内)
  • サービスの充実
  • 複数社に依頼できない
  • 契約期間3ヶ月
  • 買主を自分で見つけられない
  • 囲い込みのリスク

例えば、築年数が浅く、好立地にある中古マンションの場合、ニーズが高いため一般媒介契約でも売却が見込めます。

一方で、築年数の古い中古マンションの場合、着実に売却へと進めるためには、サービスの手厚い専任媒介や、専属専任媒介がおすすめです。

囲い込みのリスクを知ること

「囲い込み」とは、不動産会社が利益を得るため、売主の物件情報の公表や、他の不動産会社への物件紹介を意図的に制限する行為です。

例えば、SUUMOやat homeのようなポータルサイトに登録せず、自社が運営するサイトにのみ公表するといった行為が囲い込みとなります。

囲い込みによる弊害は、買主が見つかりにくくなることです。

買主が見つからないことによって、売却期間が伸び、売れ残って価格を下げざるを得ないなど、売却価格にも悪影響を与える可能性があります。

媒介契約時には、囲い込みのリスクを避けるため、広告活動を含めた活動内容を入念に確認しましょう。

売却しやすい時期があること

マンションの需要が最も高まる時期は2月から3月にかけてで、新生活の始まる4月に向けて高まります。

そのため、2月から3月に広告や売却活動ができるよう、12月〜1月頃から不動産会社を探し始めておきましょう。

売却価格は担当者に相談すること

マンションの売却価格は自分で設定ができます

ただし、相場より高値を付けると敬遠されやすく、反対に安値を付けると利益が見込めません。

そのため、不動産会社の担当者と相談し、売却価格は慎重に設定しましょう。

最初は相場よりも少し高い売却価格に設定することがおすすめです。

売り出し価格のまま成約することは少なく、多くの場合、買主との価格交渉が行われるためです。

内覧成功に向けた対策を行うこと

マンション売却の内覧に向けて、室内は綺麗に掃除しておきましょう。

買主にアピールできる内覧に際して、入念に掃除しておきたい場所は、下記の表の通りです。

玄関
  • 靴は下駄箱へ綺麗に収納(玄関先に何も置かないのが理想)
  • ニオイは厳禁なので、消臭剤などで対策しておく
水回り
  • キッチン周りは余分な物を置かないようにしておく
  • トイレ・お風呂共に汚れを落としておく
  • カビやニオイの元を対策しておく
バルコニー
  • 眺望の邪魔になるような物を置かないようにしておく
  • 内覧当時は洗濯干しを控える
リビング
  • 取り付け収納も確認される場合があるため、綺麗にしておく
  • 日当たりや風通しの邪魔になる物は移動させておく

なお、内覧当日に買主から質問を受けた場合には、不利な点を隠したりせず、正直に伝えましょう。

売買契約書の記載事項をよく確認すること

買主と売買契約を結ぶときには、記載事項をよく確認しましょう。

誤りや不適合となる記載があれば、後のトラブルの原因ともなりかねないためです。

売買契約書には、主に下記のような内容が記載されています。

  • 物件の名前と所在地
  • 延べ床面積
  • 売買した代金
  • 支払いの方法や期限
  • 抵当権などの登記情報

売買が契約通りに行われなかった場合の、契約解除に関する決まりなども確認しておきましょう。

マンション売却の費用・税金の注意点

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マンション売却にはさまざまな費用が伴い、各種の税金も課されるため、注意が必要です。

ここでは、発生する費用や税金、最大で3,000万円の控除が受けられるマイホームを売ったときの特例について解説します。

売却に伴う費用や税金を知ること

マンション売却に伴う費用や税金の一覧は、下記表の通りです。

費用や税金内容
仲介手数料
  • 不動産会社への報酬
    「(売却額x3%)+6万円+消費税=仲介手数料」
印紙税
  • 売却額によって変動(国税庁HPで確認が可能)
登記に伴う費用(登録免許税も)
司法書士への報酬
  • 所有権移転登記や抵当権抹消登記など、登記手続きに伴う費用(登録免許税)
  • 司法書士への報酬
売却に利益が発生した場合の税金
  • 譲渡所得税
  • 住民税復興特別所得税(令和19年まで)
その他費用
  • 引越しなど、売却に伴った費用

売却するマンションの状態や築年数によるものの、売却額の5%〜7%程度の費用の支払いが発生します。

なお、譲渡所得税・住民税・復興特別所得税は、マンションを買った時の値段(取得費)や売却にかかった経費(譲渡費用)などの合計よりも高く売れて、売却利益が発生した場合にのみ課される税金です。

マンションの所有期間に伴う税率の違いを知ること

売却するマンションの所有期間が、5年以内か、5年を超えているかによって、売却利益が発生した場合に課される税金(税率)が変わる点に注意しましょう。

前述のように、家や土地を売却した際に利益が発生した場合、「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つの税金が課されます。譲渡所得(マンションを売却して得た所得)に売却利益が発生しなければ、これらの税金は課されません。

下記の表は、マンションの所有期間によって、譲渡所得にかかる税率が変わることを示したものです。

5年以下で売却した場合(短期譲渡所得)は、約40%近い税率を課されることが分かります。

一方で、5年を超える所有期間の場合(長期譲渡所得)、約半分の20%の税率です。

譲渡所得税復興特別所得税住民税税率
短期譲渡所得
(5年以下)
30%0.63%9%39.63%
長期譲渡所得
(5年超)
15%0.315%5%20.315%

節税をお考えであれば、5年以上経過した後の売却をおすすめします。

3,000万円の特別控除の特例を知ること

マンションを売却する際、一定の条件を満たすことで、最大3,000万円の特別控除の特例が適用されます。

その場合、売却利益が3,000万円未満の場合には、譲渡所得税は課されず、節税となります。

特例の詳細な適用要件は、国税庁「マイホームを売ったときの特例」をご確認ください。

別の特例を受けている場合や、売主と買主が親族の場合は適用不可など、いくつかの条件があるため注意しましょう。

マンション売却前にさまざまな注意点を理解しよう

ここまで、マンションを売却する上で、知っておきたい注意点について解説してきました。

ウェブ上で手軽にマンションの売却査定依頼ができる一方、実際の売却までには数ヶ月の期間が必要です。

売却に適した時期や、必要な書類や手順、費用や税金についてなど、事前に把握しておくことによって、売却で失敗しにくくなります。

特に、不動産会社選びは重要なため、質の高い不動産会社を見つけましょう。

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