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離婚で家は売却すべき?財産分与の方法や税金・注意点についても解説

  • 更新日:2022年7月26日
離婚で家は売却すべき?財産分与の方法や税金・注意点についても解説

家はお金と違って簡単に分割ができないため、離婚の際の財産分与で対処に困る方が多くいます。

また、離婚後も家に住み続けたい方や、住宅ローンが残っている方など、状況もさまざまです。

本記事では、離婚時の財産分与に伴う基礎知識と注意点について解説します。

【弁護士監修】離婚時の家の財産分与の基礎知識│割合や方法を分かりやすく解説

財産分与とは?離婚で家を売却するための基礎知識

財産分与とは、婚姻中に夫婦で形成した財産を、公平に分配するよう相手に請求できる権利で、民法第768条に財産分与請求権として定められています。

財産分与には次の3種類があります。

  • 夫婦で形成した財産を分配する「清算的財産分与」
  • 元配偶者が離婚後の生活に困らないための「扶養的財産分与」
  • 離婚の原因となった側が相手に慰謝料の意味を含めて支払う「慰謝料的財産分与」

この中で一般的なのは、清算的財産分与です。

なお、請求できる権利は離婚から2年となっているため、2年以降は請求できる権利がなくなってしまうことに注意しましょう。

以下では、財産分与について分かりやすく解説します。

財産分与の対象になる財産

財産分与の対象になるのは「共有財産」です。

共有財産とは、婚姻中に協力して形成した全ての財産で、現金以外にも、家や土地、車など形のある財産も共有財産に含まれます。

他にも株式などの有価証券や、生命保険の解約返戻金なども共有財産です。

名義に関係なく、財産を得るまでの過程で配偶者の支援があれば、協力して得た共有財産とみなされます。

財産分与の対象にならない財産

一方、財産分与の対象にならない財産を「特有財産」と言います。

例えば、結婚前に購入していた車や家財道具などが特有財産に該当し、財産分与の対象にはなりません。

他にも、結婚前の貯金や、自身の親や祖父母からの贈与・相続で得た財産は特有財産となります。

共有財産か、特有財産かを判断するポイントは、結婚後に協力して形成した財産かどうかです。

財産分与額の決め方

一般的な清算的財産分与の際、金額の確定には、共有資産の寄与度(どれだけ貢献したか)も含めて夫婦間で協議します。

しかし、共有財産の基準を巡ってトラブルに発展するケースは珍しくありません。

例えば、離婚前に妻が家を出ていったケースでは、「離婚した日」か「別居した日」によって共有財産額が変わるため、トラブルとなる場合があります。なお、この場合は原則として、「別居が始まった日」です。

仮に、夫婦が別居した日の時点で共有財産が4,000万円だった場合、財産分与額はそれぞれ2,000万円になります。

別居後にそれぞれが得た収益は特有財産となり、財産分与の対象とはなりません。

なお、夫婦間の協議で合意できない場合は、裁判所に申し立てるケースもあります。

離婚では家の売却がおすすめ

離婚後も家に住まなければならない理由が無い場合は、売却が最もトラブルの少ない方法です。

家を売却して現金化することで、財産の分配がしやすくなり、財産分与を巡るトラブルを減らせるメリットがあります。

離婚での家をめぐるトラブルの例

家の財産分与でトラブルになるケースは、例えば、家の査定額が、家以外の共有財産の合計よりも少ないときです。

財産分与では原則として、共有財産を2分の1に分配するため、家が安い場合、片方が家、もう片方が家以外、という分け方ができなくなります。そのため、家の所有権を巡るトラブルになることがあります。

なお、片方が家を受け取る形で合意ができたとしても、その後の生活費や固定資産税の支払いには現金が必要です。そのため、扶養を受けていた方は、特に注意が必要です。

この場合、生活費や養育費について、扶養的財産分与という方法がありますが、生活費などの支払い期間や金額は夫婦間での合意が前提となるため、決着が付かない場合は協議が長期化することも少なくありません。

このように、家を巡ってはさまざまなトラブルがあるため、可能であれば離婚の際には売却が良いでしょう。

離婚での家売却と住宅ローンなどの問題

離婚で家を売却する際に、問題となることが多いのは、住宅ローンの残債です。

ここでは、離婚で家を売却せず、片方が所有して生活を続ける際に発生する、住宅ローンの問題やその他のリスクについて解説します。

離婚後に住宅ローンの返済が滞るリスク

住宅ローンが残っている状態で離婚するケースは多くありますが、住宅ローンの返済義務は名義人が負うため、もし夫の名義であれば、妻にローンの返済義務はありません

しかし、離婚後も夫が継続して住宅ローンを支払ってくれるとは限らないため、妻が家に住み続ける場合、完済されるまでリスクが伴います。

なお、連帯保証人が妻である場合は、夫のローン返済が滞ると、妻が返済を請求されるため、注意が必要です。

住宅ローンは名義変更ができない

住宅ローンの返済中は、基本的に返済人の名義変更はできません

名義人の返済能力については、金融機関の審査によって認められているため、金融機関にとっては、審査を受けていない第三者に名義変更をするのはリスクとなるからです。

もし、名義人でない方が家に住み続けるためにローンの残債を受け継ぐ場合は、別の住宅ローンに借り換えて、名義変更をする方法があります。その場合、改めて返済能力についての審査を金融機関から受けることとなります。

知らない間に家を売却されるリスク

元配偶者が家の名義人である場合のリスクとして、知らない間に家の所有権を第三者に売却されたり、立ち退きを迫られたりしてしまうケースが挙げられます。

たとえば、元配偶者の収入が減少して住宅ローンを払えなくなってしまい、ローンを滞納したことから、担保になっている家を債権者に差し押さえられてしまうケースなどが考えられます。

元配偶者名義の家に、離婚後も住み続ける場合は、不安とリスクを伴うこともあるでしょう。

贈与税を課されるリスク

離婚後、無事に長期間の住宅ローンが完済された場合でも、贈与税の支払いが発生するリスクがあります。

このケースは、家と住宅ローンの名義人が元配偶者で、かつ元配偶者が家を出ている場合に起こり得ます。

家が元配偶者から贈与されたとみなされ、贈与税が発生する可能性があるのです。

なお、贈与税とは、1年間に受けた贈与額が110万円を超えたとき、超えた金額に対し課税される税金です。

離婚で家を財産分与する際の手順とは

離婚で家を売却し、財産分与を行う際の一般的な手順は下記の通りです。

  1. 家の名義人を確認
  2. 住宅ローンの名義人・連帯保証人を確認
  3. 売却時価格を査定
  4. 当事者間で金額の協議

それぞれ順に解説します。

家の名義人を確認

まずは、家の名義人が誰かを確認しましょう。

確認は登記簿謄本(登記事項証明書)を取得してできます。最寄りの法務局(登記所)で誰でも1通600円の手数料で取得でき、他の都道府県の物件でも取得可能です。

この書類で、建物の概要、所有者の住所や氏名、抵当権といった登記情報を確認できます。

なお、登記情報提供サービスでは、インターネット上から登記情報をPDFファイルで閲覧(142円〜)することができます。

住宅ローンの名義人・連帯保証人を確認

次に、住宅ローンの名義人や連帯保証人を確認しましょう。

住宅ローン契約をした際の書類の控えや、金融機関によってはインターネット上でも確認ができます。

ただし、契約者本人でなければ閲覧が難しい(ログインができない)ため、当事者が揃っているときの確認がおすすめです。

このとき、契約内容の変更がされていないか、細かい部分も確認しておきましょう。

売却時の価格を査定

併せて、家を売却する際の査定額も確認しておきましょう。

住宅ローンが残っている場合、家の売却額で住宅ローンを完済できるのかがポイントになります。

仮に、家を売却してもローンが残ってしまう「オーバーローン」の場合、財産分与の対象にはなりません。

一方、家の売却金で住宅ローンが完済でき、かつ利益が発生する「アンダーローン」の場合、利益となった金額が財産分与の対象となります。

なお、家の査定額は、不動産会社によって変わるので、少なくとも3社程度に査定の見積もりを依頼しましょう。

当事者間で金額の協議

家の財産分与については、当事者間で協議しましょう。

上述の通り、家を売却した際に発生した利益は財産分与の対象となります。

仮に、家の売却金で住宅ローンを完済したあと、300万円の利益が手元に残った場合、清算的財産分与をすると、配分は1人2分の1となるため、150万円ずつ得ることができます。

離婚して家を売却する際の注意点

ここでは、離婚で家を売却する際の手順や、必要な期間、課される税金など、売却に伴う注意点について解説します。

家を売却する手順

家を売却する際の一般的な手順は下記の通りです。

  1. 不動産会社に査定依頼
  2. 不動産会社と媒介契約
  3. 不動産の売却活動・売買契約の締結
  4. 買主との価格交渉
  5. 不動産の引き渡し
  6. 確定申告

お伝えしたとおり、まずは不動産会社に査定依頼をしてから、査定額やサービスに納得できれば媒介契約を結びます。

次に、不動産会社が主に行いますが、売却するための活動(ポータブルサイトの登録・不動産広告の配布)をし、買主に良い物件であることをアピールしましょう。

買主の内覧、価格交渉を経て成約できれば、不動産の引き渡しや決済が行われます。

最後に確定申告は忘れずに行いましょう。

家の売却にかかる期間

家の立地や不動産会社の活動内容などによりますが、家の一般的な売却期間は、3ヶ月〜6ヶ月程度となります。

そのため、早く売却して関係を絶ちたい方や、現金化したい方には長く感じる場合もあるでしょう。

早く売りたい場合は、不動産会社に「仲介」をしてもらうのではなく、直接「買取」をしてもらうことで、早ければ1週間ほどで売却ができます。

買主が不動産会社となるため、広告活動や仲介の必要がなく、期間を大きく短縮できるのです。

ただし、売却価格が仲介の6割〜7割程度まで落ちてしまうことや、資金力のある不動産会社でなければ買取はできないため、どの不動産会社でもできるわけではないことに注意が必要です。

家を売却した際の税金は?

家の売却時に発生する税金は「印紙税」と、売却に伴う仲介手数料などに発生する「消費税」です。

他にも、移転登記に伴う「登録免許税」や、売却利益が発生した際に課される「譲渡所得税」、「住民税」、令和19年まで基準所得税に課税される「復興特別所得税」などがあります。

なお、令和6年3月31日までに作成された売買契約書に関しては、記載される金額が10万円以上であれば印紙税の軽減措置の対象になります。

円満離婚のためには家の売却がおすすめ

財産分与とは、婚姻生活の中で協力して形成した財産(共有財産)を請求できる権利です。

財産分与の割合は、当事者間で協議し合意した上で財産を2分するのが一般的です。

とはいえ、物理的に分割できない家などの所有を巡ってトラブルに発展するケースも多くあります。

そのため可能であれば、円満離婚をするには、家を売却して現金化する方法がおすすめです。

なお、財産分与を請求できる期間は「離婚した日から2年」という点も覚えておきましょう。

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