「マンション査定の注意点は?」「査定時はどんなことに気を付けたらいいんだろう」と疑問を持っている方は少なくないでしょう。
- マンション査定の注意点
- 相場感を把握して提示される査定額が適正なものか判断できるようにしておく
- 売却を急いでいる素振りは見せず隙を与えないようにする
- 担当者が「信頼できそうかどうか」を見極める場として有効活用する
マンション売却を考えている方にとって欠かせないものが「マンション査定」です。
正しい査定額を算出してもらうために、注意点をしっかり押さえて査定に臨みましょう。
この記事では、「マンション査定の注意点」について徹底解説します。
マンション査定でよく見られるポイントも紹介しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
マンション査定の流れ
マンション査定の流れは以下の5ステップです。
マンション査定を申し込む
机上査定の結果を受け取る
訪問査定の日程を調整する
現地調査に立ち会う(必要書類を提出する)
査定結果を聞く
マンション査定は、主に以下の2つの方法があります。自分に合った方法を選びましょう。
詳しいマンション査定の方法や流れについては、以下の記事も参考にしてみてください。
マンションの売却を少しでも検討している方は、訪問査定を受けることがおすすめです。
訪問査定では、日当たりや眺望・室内の管理状況などが加味されて査定額が算出され、正確な査定額が分かるからです。
訪問査定を受けるなら、「すまいステップ」の不動産一括査定がおすすめです。
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マンション査定の注意点
マンション査定を受けるにあたって、以下の3つの注意点をしっかり頭に入れておきましょう。
この章では、それぞれの注意点を詳しく解説し、対策も合わせて紹介します。
- 査定は1社だけで済ませない
- 高い査定額を鵜呑みにしない
- 独断でリフォームしない
査定は1社だけで済ませない
マンション査定を受ける時、1社の査定だけで済ませることは避けましょう。
マンションの査定額は不動産会社によって異なり、100万円以上の差が出ることも珍しくないからです。
下のグラフは、株式会社Speeeが不動産を売却した1,500人に「不動産会社によって査定額にどの程度差が出たか」を尋ねた結果です。
グラフを見ると分かるように、約7割の人が「100万円以上の差が出た」と答えています。
マンションの査定額は、不動産会社が過去の売却実績や直近の相場動向を加味して「マンションを3か月以内に売却するとしたらいくらで売れそうか」を算出した金額です。
そのため、不動産会社の実績や経験、査定基準とするポイントが異なれば査定額にも差が付いて当然です。
査定を1社だけで済ませてしまうと、提示された査定額が高いのか低いのか判断できません。
マンションの適正価格を見極めるための対策として、以下のことを実施しましょう。
- 複数社に依頼して査定額を比較する
対策①複数社に依頼して査定額を比較する
マンションの適正価格を見極めるために、最低でも2~4社に査定依頼して査定額を比較しましょう。
提示された査定額を比較すれば、マンションの適正価格が見えやすく、売り出し価格の決定にも役立ちます。
これからマンション査定を申し込む方や、複数の不動産会社への問い合わせの手間を省きたい方は、「すまいステップ」の不動産一括査定がおすすめです。
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高い査定額を鵜呑みにしない
マンション査定を受ける時は、複数社に依頼して提示される査定額を比較することが大切です。
ただし、根拠のない高すぎる査定額を出してくる不動産会社には注意が必要です。
数ある不動産会社の中には、高すぎる査定額を提示して売主を囲い込んだあと、しばらくしてから「やっぱりこの価格では売れないので値下げしましょう」と値下げ交渉する不動産会社があります。これを業界用語で「高預かり」と言います。
高預かりをされると結局は値下げすることになり、希望の価格でマンションを売却できない可能性があります。
高い査定額を鵜呑みにせず、正しい査定額を知るためには、以下の対策が効果的です。
- 自分でも相場を調べておく
- 書類はできる限り取り揃えておく
対策①自分でも相場を調べておく
マンション査定を受けるにあたって、自分でも相場を調べおきましょう。
相場感を身に付けることで、適正価格を提示している不動産会社、明らかに高すぎる査定額を提示している不動産会社を見極められるようになります。
そのため、自分でも事前に相場を調べておき、いくらで売却できそうなのか目安を付けておくことが非常に重要です。
マンションの売却相場を調べるには、すまいステップの「マンション売却データベース」がおすすめです。
近隣のエリアの相場や売却事例が閲覧できるので、自分のマンションの売却相場が分かります。
適切な査定額を見極めるために活用してみましょう。
対策②書類はできる限り取り揃えておく
マンションを正しく評価して適正な査定額を出してもらうために、できる限り必要書類を揃えておきましょう。
査定時に必要な書類の中に、マンションを高く売るためのアピールポイントになる情報が見つかることがあるためです。
例えばマンション査定時に必要な書類に、マンションの管理状況が分かる「マンションの管理規則」や「修繕計画」があります。
きちんと管理されているマンションは、購入希望者が見つかりやすいため、高く査定されやすくなります。
マンション査定時に必要な書類の一例としては以下の通りです。
必要書類 | 書類の内容 |
---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | マンションの登記情報が記載されたもの |
登記済権利証・登記識別情報(登記識別情報通知書) | 登記識別情報(12桁の暗証番号)などが記載されたもの |
間取り図・購入時のパンフレット | 間取りや分譲時のセールスポイントが分かるもの |
固定資産税納税通知書 | 毎年届く固定資産税の納税通知書 |
マンション管理規約 | マンション利用に伴う共用部分の使用方法などが記載されたもの |
マンション管理に伴う重要事項調査報告書 | 管理費や積立金の総額、耐震調査の内容など、管理情報が記載されたもの |
正確な査定額を知るためにも、書類はできるだけ準備するようにしましょう。
独断でリフォームしない
マンションの査定前は、独断でリフォームしないようにしましょう。
なぜなら、リフォームしたことでかえって売却しにくくなる可能性があり、リフォームしたからといって必ずしも査定額に影響するとは限らないからです。
そんな方は、以下の対策を行いましょう。
- 簡単な掃除や片付けは行う
対策①簡単な掃除や片付けは行う
マンション査定を受ける前に必要最低限の掃除や片付けを行いましょう。
部屋の散らかり具合や床や壁紙の傷自体は、査定額に直接的な影響を与えません。
掃除する際には、特に以下の項目に気を付けましょう。
- タバコの吸い殻を捨てたりペットのトイレを掃除したりする
- キッチンの設備の型を確認しやすいように油汚れや水垢は取り除く
- トイレやお風呂・洗面台などの水回りは特に清潔にする
マンション査定で不動産会社とのやり取りでの注意点
マンション査定では、不動産会社の担当者がやって来て室内や建物を調査します。
また、室内や建物の調査だけでなく、売主へのヒアリングも行われます。
ネットから査定依頼していた場合は、ここで初めて不動産会社の担当者と顔を合わせることになるため、不安を覚える方もいるでしょう。
この章では、不動産会社とのやり取りで注意すべき点について、以下の3つを解説します。
- 瑕疵を隠してしまう
- その場で媒介契約してしまう
- 焦っていると思わせる言動をする
瑕疵を隠してしまう
マンション査定でやってはいけないことの1つとして、「瑕疵(故障や不具合がある箇所)を隠してしまう」ことが挙げられます。
マンション査定のヒアリングでは、不動産会社から「故障や不具合箇所はないか?」と尋ねられます。
この時、査定額が低くなることを恐れて、故障している設備や不具合が起きている部分を隠してしまうことは絶対にやってはいけません。
売却したマンションに瑕疵が発覚すると、売主は「契約不適合責任」に問われ、最悪の場合は損害賠償などを求められる可能性があるからです。
- 故障や不具合があれば必ず伝える
対策①故障や不具合があれば必ず伝える
マンションの室内に故障している設備や不具合箇所(瑕疵)があれば事前にまとめておき、査定時に不動産会社の担当者に伝えましょう。
先にも述べたように、瑕疵を隠してマンションを売却してしまうと、売主は契約不適合責任に問われて大きなトラブルへと発展する可能性が高いです。
マンション売却後のトラブルを避けるためにも、把握している瑕疵は必ず不動産会社の担当者に申告しましょう。
瑕疵には以下のようなものがあります。
- 物理的瑕疵:住むことに影響の出る要因。雨漏り、シロアリ被害、耐震性、設備の故障など。
- 心理的瑕疵:住むには問題ないが、心理的に住むことがためらわれる要因。殺人事件、住人の自殺や孤独死など。
- 環境的瑕疵:マンションの周辺環境による要因。近隣に嫌悪施設(暴力団施設や廃棄物処理場、パチンコなど)があるなど。
- 法律的瑕疵:法律上問題となる要因。接道義務を果たしていないなど。
その場で媒介契約してしまう
いくら不動産会社の担当者と共通の話題などで盛り上がったとしても、その場で媒介契約を結ぶことは絶対にしてはいけません。
不動産会社が訪問査定を行うのは、売主と直接会って媒介契約を取ることが目的であり、あの手この手で媒介契約を結ばせようとします。
「この人は信頼できる!」という直感も大事ですが、その場では媒介契約を結ばずに返事を待ってもらいましょう。
理由もなく契約を迫ってきたり、急かしてくるような担当者は自分の利益だけを考えている可能性があるため、媒介契約を結ぶことは避けたほうがよいかもしれません。
まずは複数社の査定結果が出そろうのを待って、それぞれしっかり見比べてみましょう。
ここでは、以下の対策を紹介します。
- 査定額の根拠や販売戦略を聞く
- 誠実な担当者か見極める
媒介契約については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。
対策①査定額の根拠や販売戦略を聞く
不動産会社から査定額を提示されたら、「なぜこの査定額になったのか」をしっかり尋ねてみましょう。
たとえば、「築年数はやや古いがファミリー層に人気のエリアで使いやすい間取りである」など、査定額が上がる具体的なポイントがあるはずです。
また、査定額の根拠と一緒にどんな販売戦略があるのかも聞いておきましょう。
より具体的な販売戦略を持っているなら、実績があり信頼できる不動産会社と言えるでしょう。
対策②誠実な担当者か見極める
マンション売却では、担当者との相性の良さが非常に重要なポイントです。
共通の話題があり話が盛り上がるような担当者であれば、つい売却を任せてみてもよいと思えてしまいますが、それこそが契約を取るための手法である可能性があります。
もちろん全ての担当者が同じとは限りませんが、話が弾むかどうかだけで誠実な担当者かを見極めることはできません。
誠実な担当者を見極めるには、以下のようなポイントをしっかりチェックしてみましょう。
- 話をしっかり聞いてくれるか
- 説明は丁寧で分かりやすいか
- 専門用語を多用していないか
- メリットだけでなくデメリットも伝えてくれるか
- 発する言葉に迷いや違和感はないか
マンション売却を成功させるためにも、査定は「担当者を見極める場」として有効活用しましょう。
焦っていると思わせる言動をする
マンション査定では、不動産会社の担当者に「売却を急いでいる素振り」を見せないように注意しましょう。
なぜなら、こちらの事情を逆手に取って隙を付き、不動産会社側が有利になるようにされかねないからです。
「売却を急いでいる」と悟られれば、隙に付け入られて「両手仲介」や「囲い込み」の対象になりやすいです。
時間に追われた売主は、最後は妥協して売却を決めることになります。そのため、相場よりも安く売り叩かれ、不動産会社側だけが得をする結果となる可能性が高まります。
対策①明確な時期が決まっていない場合は伝えなくてよい
明確な売却時期が決まっていない場合は、不動産会社の担当者には「いつまでに売りたい」という希望は伝えないほうが得策です。
たとえ急を要する売却だとしても、査定時は「早く売りたい」といった発言はできるだけ控えるようにしましょう。
マンション査定で見られるポイント
- 室内の状態
- 共有部分の管理状況
- 日当たり・眺望
- 建物の構造
- 間取り
- 築年数
- 駅までの距離
- 市況
(参考:不動産流通推進センター『既存住宅価格査定マニュアル』2023/2/22閲覧)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
室内の状態
マンション査定では、まずの室内の状態がチェックされます。
具体的には以下のようなポイントが見られます。
- 室内の維持管理状況
- 柱・梁・天井の状態
- 収納の有無
- インターネットへ接続状況
- 騒音・振動の有無
大掛かりなハウスクリーニングや査定前のリフォームは不要ですが、不動産会社の担当者が状態を確認しやすい程度に最低限の掃除をしておきましょう。
日当たり・眺望
日当たりや展望は査定額に影響を与えます。
下のグラフは、査定したい部屋の階数と査定における評価を表したグラフです。
(引用:不動産流通推進センター「既存住宅価格査定マニュアル」)2022.02.22閲覧
査定での評価は、高い階層になるほど高くなることが分かります。
また日当たりについては、南向きの部屋ほど評価が高くなります。
共有部分の管理状況
マンションの共有部分の管理状況が悪いと、査定額が安くなってしまいます。
例えば、以下のような項目が見られます。
- エレベーターの有無
- 駐車場・駐輪場の有無
- エントランスの設備
- セキュリティ設備
- 管理人の勤務体系
- 保守・清掃の状況
- 修繕が計画通りに行われているか
- 修繕積立金の納付額
建物の構造
建物の構造、特に耐震性などの安全にかかわる部分に問題がある場合は査定額が下がってしまいます。
下のグラフは、耐震性が査定額の評点に与える影響を示したものです。
(引用:不動産流通推進センター「既存住宅価格査定マニュアル」2022.02.22閲覧)
新耐震基準(現行の耐震基準)に準拠していない物件は、査定額が下がってしまうことが分かります。
反対に、「長期優良住宅」に相当される場合は査定額が上がります。
間取り
マンション査定では、「間取り」は重要度が高く、どの不動産会社も注意して見ているポイントです。
多くの人の生活スタイルに合わないような特殊な形をしていて、生活動線を確保しにくい間取りは査定額が低くなりやすい傾向です。
築年数が古いマンションやワンルームなどの場合は、マンションの購入希望者のうち多くの人のニーズに合わないケースが多いと言われています。
特に、以下のようなケースに当てはまる場合は査定額が下がってしまうケースが多いです。
- バス・トイレが一緒
- 和室がある
しかし、上記のケースに該当したとしても査定前のリフォームはおすすめできません。
そのままの状態で査定してもらい、リフォームをしてから売り出すべきかを含めて不動産会社の担当者に相談しましょう。
築年数
マンションの査定額は、築年数が経つにつれて低くなっていくことが一般的です。
以下のグラフは、首都圏で売却された不動産の平均価格を築年数ごとにまとめたものです。
(参考:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」)
中古マンションの成約価格である緑色の線を見ると、築25年を超えたマンションの価格は新築時のおよそ半額となることが分かります。
マンションが高く売れるよう、少しでも築年数の新しいうちに査定を受けることをおすすめします。
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駅までの距離
マンションは、立地条件の良さが査定額に大きく影響します。
そのため、駅までの距離が遠いマンションも査定額が低くなってしまいます。
下のグラフは、不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」をもとに駅からの徒歩分数と評点の関係をグラフに表したものです。
(参考:不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」)
不動産流通センターの「価格査定マニュアル」では、評点が高いほど査定額も高くなる仕組みを取っています。
つまり、駅から遠くなるほどマンションの査定額は低くなってしまいます。
市況
マンションの査定額は、その時の市況によっても左右されます。
そのため、中古マンション売買市場の市況が良くないタイミングであれば、マンションの査定額は安くなってしまうでしょう。
下のグラフは、国土交通省が発表している不動産価格指標です。
マンションの価格を表す緑色の線は上昇を続けています。
まとめ
マンション査定では、いくつか注意点があります。
注意点を事前に把握しておけば、良い査定結果やスムーズな売却活動に繋がるため、知見を深めておいて損はありません。
マンション売却で損しないため、良い不動産会社をパートナーとするためにも、マンショ査定時は入念な準備をしておきましょう。
なお、マンション査定を検討中なら、「すまいステップ」の不動産一括査定がおすすめです。
マンションとお客様の情報を入力するだけで、厳選された売却実績多数の不動産会社(最大4社)から査定結果を受け取れます。
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