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相続した土地を売却すると税金はいくら?特例を使った節税方法まで解説!

  • 更新日:2022年11月22日
相続した土地を売却すると税金はいくら?特例を使った節税方法まで解説!

相続した土地を売る場合、税金はいくらかかるの?」「節税できないのかな?

相続も土地売却も人生で何度も経験するものではありません売却後に税金を支払う場合、税額が大きいと手元に残る金額が少なくなってしまうので心配になる方も多いでしょう。

本記事では、相続した土地の売却にかかる税金の種類やいくらになるか、節税方法について解説しています。

相続した土地の売却にかかる税金

相続した土地を売却する場合、「登録免許税」「印紙税」「所得税・住民税」の税金がかかります。

▼相続した土地の売却にかかる税金

種類概要金額
登録免許税相続登記時に支払う税金固定資産税評価額×0.4%
印紙税売買契約時に支払う税金。売却価格によって異なる。2,000円~2万円
譲渡所得税(所得税・住民税)土地の売却益に課税される税金所得税:15%~30%
住民税:5%~9%

この中でも最も金額が大きくなるのが譲渡所得税(所得税・住民税)です。

譲渡所得がゼロ(=利益がゼロ)であれば納税は不要ですが、譲渡所得がプラスになる場合は売却後に必ず納税する必要があるため注意しましょう。

納税のタイミングは、所得税が売却の翌年2~3月(確定申告時)、住民税が売却翌年の6月以降に納税します。

土地売却にかかる税金はどう決まる?相続した土地を売る場合の税額の決まり方や節税方法

相続した土地の売却にかかる譲渡所得税の決まり方

本章では、相続した土地の売却にかかる譲渡所得税がどのように決まるのかについて解説します。

所得税と住民税(譲渡所得税)は以下の計算で算出します。

▼譲渡所得税の計算式

譲渡所得税
= 譲渡所得(売却益) × 税率

譲渡所得は売却代金から費用を差し引いて計算

売却によって得た利益は「譲渡所得」と呼ばれ、売却代金から土地の取得や売却にかかった費用(譲渡費用)を差し引いて求めます。

▼譲渡所得の計算式

譲渡所得
= 売却代金ー取得費用ー売却費用
取得費は土地の購入にかかった費用や相続税額、売却費用は売却時にかかった仲介手数料などの費用を含みます。
相続した土地の場合、取得費用(土地の購入にかかった費用)は被相続人から引き継ぐ(被相続人が支払った金額で計算する)ことが可能です。

取得費用が不明なら概算取得費で計算する

相続した土地の場合、被相続人が土地を購入しているケースが多いため、取得費がわからないことがとても多いです。

土地の購入価格を証明できる書類がない場合は、【譲渡価格の5%】を概算取得費として計算できます。費用のわかる書類があるのであれば、そちらで計算した方が支払う税金が少なくなりますが、取得費がわからない場合は概算取得費を利用しましょう。

税率は被相続人から引き継いだ所有期間で決まる

譲渡所得税の税率は土地の所有期間によって決まります。

具体的には、土地の所有期間が5年以内であれば税率は約40%(39.63%)、5年を超えていれば税率は約20%(20.315%)となります。(以下の表をご参照)

譲渡所得の種類所得税率住民税率合計税率
所有期間5年以下の場合30.63%9%39.63%
所有期間5年超の場合15.315%5%20.315%

※所得税に関しては平成25年から24年間(令和19年)まで、復興特別所得税が加算されます。

相続した土地の場合、土地の所有期間を被相続人から引き継ぐことができます。例えば、被相続人が10年保有した土地を売却する場合、所有期間が10年の場合の税率が適用されます。よって、一般的には相続した土地の場合の所有期間は5年超えとなり、合計税率は20.315%となります。

譲渡所得が出たら必ず確定申告

譲渡所得が発生した場合は必ず確定申告を行いましょう。

譲渡所得税は給与所得とは別に課税される税金(分離課税)のため、サラリーマンの方でも確定申告は必須となります。確定申告は売却した翌年の2月~3月に実施します。申告には書類が必要なので、売却益が出た場合は早めに揃えておきましょう。

不動産売却後に確定申告は必要?手続きの流れや必要書類を解説

相続した土地を3年以内売却する使える控除

相続した土地を相続から3年以内に売却すると譲渡所得を大幅に控除できる控除があります。

控除を利用する場合、譲渡所得税の計算式は以下になります。

▼控除を利用した際の譲渡所得税の計算式

譲渡所得税
= 譲渡所得ー控除額×税率

相続した空き家の3000万円特別控除

1つ目の特例は、「相続した空き家の3000万円特別控除」です。

この特例を適用すれば、相続した空き家を売却する際、譲渡所得から最大3000万円を控除することができます。

▼控除を利用した際の譲渡所得税の計算式

譲渡所得税
= (譲渡所得ー3000万円)×税率

大きな控除を受けられる特例ですが、売却価格が1億円以下の場合にしか使えないこと、耐震基準の条件があることなどに留意しましょう。

なお、相続した空き家に母屋と離れがある場合、控除対象となるのは母屋のみです。

【相続した空き家の3000万円特別控除の適用条件】

  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却している
  • 相続した空き家もしくは空き家の建っていた土地を更地にして売却している
  • 昭和56年5月31日以前に建築されている
  • 区分所有建物登記がされている建物でない
  • 相続の開始直前において、被相続人以外に居住者がいなかった
  • 売却時に一定の耐震基準を満たしている
  • 相続から売却までに賃貸に出したり、居住したりしていない
  • 売却代金が1億円以下である

No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

取得費加算の特例

2つ目の特例は、「取得費加算の特例」です。

この特例は、相続した土地を相続から3年10か月以内に売却した場合には、相続税の一部を取得費として加算できる特例です。

ここで言う取得費とは、前章でもお話しした売却した土地を取得するためにかかった費用のことです。

取得費が増えると譲渡所得が減るので、その分「譲渡所得税」として支払わなければならない金額が減少し、節税をすることができます。

▼控除を利用した際の譲渡所得税の計算式

譲渡所得税
= (譲渡所得ー取得費に加算する相続税額)×税率

取得費として加算できる金額は、以下の計算式で求めます。

取得費に加算する相続税額
=売却した相続人の納付すべき相続税額 × (売却する土地の相続税課税額 ÷ 売却した相続人の債務控除前の相続税課税額)
詳しい適用条件は以下のとおりです。

【取得費加算の特例の適用条件】

  • 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している
  • 相続や遺贈により財産を取得した者である
  • その財産を取得した人に相続税が課税されている

No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

また、取得費加算の特例と併用ができない点にも注意が必要です。

両方の特例の条件を満たす場合には、より控除額の大きい特例を選択して適用します。

相続した土地を3年以降に売却する場合も使える控除

本章では、相続した土地を3年以降に売却する場合も使える控除を解説します。

所有期間が10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

取り壊した家屋の所有期間が10年以上(※)になる場合、税率が更に安くなります

(※家屋を取り壊した日の属する年の1月1日時点で所有期間が10年を超える必要があります。)

課税長期譲渡所得金額所得税住民税
6,000万円以下の部分10.21%4%
6,000万円を超える部分15.315%5%

※所得税率に復興特別所得税として所得税額の2.1%相当が上乗せされています

低未利用土地等を売却した場合の控除

令和2年7月1日から令和4年12月21日までの間に個人が都市計画区域内にある低未利用土地等を売却した場合、その譲渡益の金額から100万円を限度に控除を受けることができます。また、その譲渡益の金額が100万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額が控除額になります。

低未利用土地等とは
居住や事業、その他の用途に利用されていない土地(及び権利)、利用されていても周辺地域の同じ用途の土地に比べて利用の程度が著しく劣っている土地(及び権利)のこと
たとえば空き地、空き家・空き店舗、耕作放棄地、管理を放棄された森林など

控除を受けられる要件は以下の通りです。

  • 都市計画区域内にある土地の売却であること
  • 売った年の1月1日において所有期間が5年を超えること
  • 売却相手が親子や夫婦など特別な関係にある人でないこと(法人も含む)
  • 土地にある建物なども含めた売却価格が500万円以下であること
  • 売却後に土地の利用がされること

分筆された土地である場合、一筆であった土地から分筆された他の土地が前年・前々年にこの特例の適用を受けている場合は適用を受けることができません。

また、これ以外の土地収用に関する控除(後の節で紹介します)や課税の繰り延べなど、他の譲渡所得に関する課税の特例との併用はできません。

平成21年・22年に取得した土地を売却した場合の控除

平成21年に取得した土地(及び権利)を平成27年以降に譲渡した場合、または平成22年に取得した土地(及び権利)を平成28年以降に譲渡した場合、得られる譲渡益に対して最大1,000万円の控除を受けることができます。また、その譲渡益の金額が1,000万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額が控除額になります。

ただし、親子や夫婦、生計を一にする親族、内縁関係にある人、または特殊な関係の法人など特殊な間柄にある人から取得した土地・相続や贈与された土地に対しての控除は適応されません。

また次節に紹介する土地収用に関する特別控除や、事業用資産の場合の課税の繰り延べなどとの併用は不可となっています。注意しましょう。

相続した土地を売却した際に特例以外で節税する方法

本章では、相続した土地の売却にかかる税金を特例以外で節税する方法について解説します。

取得費がわかる資料を用意する

取得費がわかる資料を用意しましょう。

概算取得費で計算する方法もありますが、概算取得費で計算すると譲渡所得が大きくなってしまいます。よって、取得費がわかる資料をみつけることが節税には有効です。

購入時の売買契約書が紛失している場合は、代わりに以下の方法で資料を取り揃えましょう。

【取得費の参考になる資料の取得方法】

  • 分譲地の場合、当時の販売ディベロッパーから購入当時の売買契約書の写しをもらう
  • 当時仲介してくれた不動産会社や売主から購入当時の売買契約書の写しをもらう
  • 通帳の出金履歴から購入額を推測する
  • 住宅ローンの金銭消費貸借契約書から購入額を推測する
  • 抵当権設定額から購入額を推測する
  • 一般財団法人日本不動産研究所が公表している市街地価格指数から土地の取得費を算定する

また、購入時の売買契約書以外を取得費とする場合には、事前に必ず税務署に相談するようにしてください。

また、取得時の費用が判明している場合、一部の費用について取得費に加えることができます。
費用によって取得費を若干大きくすることができますので、節税に繋がります。

取得費に加えることができる費用は以下のような項目です。

【取得費の参考となる資料の例】

  • 相続の際の不動産の登記費用(売却のために行った名義変更費用)
  • 取得時の仲介手数料
  • 取得時の売買契約書に貼付けした印紙代
  • 取得時の登録免許税
  • 取得時に司法書士へ支払った手数料
  • 取得時の不動産取得税
  • 取得に際して支払った立退料・移転料
  • 取得のための測量費
  • 取得のための建物の取り壊し費用
  • 購入時の整地、埋立て、地盛りの費用、下水道、擁壁の設置費用

該当するものがある場合には、ぜひ活用してください。

譲渡費用をしっかり計上する

譲渡費用をしっかり計上することも節税対策となります。
譲渡費用に計上できるものは、以下のような項目です。

【譲渡費用に計上できる費用】

  • 売却時の仲介手数料
  • 売買契約書の印紙代
  • 売却のために広告した場合の広告料
  • 売却のために測量した測量費
  • 売却のために鑑定をした場合の鑑定料
  • 売却のために借家人を立退かせるために支払った立ち退き料
  • 買主の登記費用を負担した場合はその負担額
  • 土地を売るために、その土地の上の建物を取り壊した場合、建物の取得費と取り壊し費用
  • すでに売買契約を締結していたが、さらに有利な条件で他に売却するため、その契約を解除した場合の違約金
  • 売却のために行った建物の補修費
  • 買主との交渉のために要した交通費、通信費等
  • 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

ただし、以下の費用は譲渡費用に加えることができないものとなっています。

【譲渡費用として認められない支出】

  • 抵当権抹消費用
  • 遺産分割のために要した支出
  • 移転先家屋の購入費、修繕費、移転費用等
  • 譲渡資産の維持管理費等
  • 引越代

相続した土地を売却する手続きにかかる税金

相続した土地を売却する場合、売却の手続きにも税金が発生します。

▼相続した土地を売却する手続きにかかる税金

  1. 登録免許税
  2. 印紙税

登録免許税

土地売却における登録免許税は、相続登記・抵当権の抹消登記の際などに必要です。

登記の内容登録免許税の計算式概要
相続登記土地の固定資産税評価額 × 0.4%相続による土地の名義人の変更をする登記
抵当権抹消登記土地1つにつき1,000円融資を受けた際に金融機関から土地に設定された土地を担保にする権利(抵当権)を抹消する登記

相続登記とは、土地の名義を被相続人から相続人(売主)へ変更するための登記です。
相続した土地は名義が被相続人のままになっているケースが多いので、名義変更が必要かは確認してください。

相続登記にかかる登録免許税は『固定資産税評価額×0.4%』で金額が決まります。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の土地の相続登記にかかる登録免許税は「1,000万×0.4%」で4万円になります。

抵当権抹消登記は、相続した土地に抵当権が設定されている場合のみ必要になります。
住宅ローンを完済している土地でも、抵当権抹消登記がなされていないと、土地の抵当権は消えません。抵当権の設定されている土地は原則売却不可なので、売却するためには抵当権抹消登記が行われているかを確認して実施しましょう。

印紙税

印紙税とは、土地を売却する際の売買契約書に貼る印紙に対してかかる税金です。売却額に対する印紙税の振り分けは以下の表の通りです。

契約金額本則税額軽減後税率
10万円を超え50万円以下のもの400円200円
50万円を超え100万円以下のもの1,000円500円
100万円を超え500万円以下のもの2,000円1,000円
500万円を超え1000万円以下のもの10,000円5,000円
1000万円を超え5000万円以下のもの20,000円10,000円
5000万円を超え1億円以下のもの60,000円30,000円
1億円を超え5億円以下のもの100,000円60,000円
5億円を超え10億円以下のもの200,000円160,000円
10億円を超え50億円以下のもの400,000円320,000円
50億円を超えるもの600,000円480,000円

※10万円以下の取引には印紙税は不要

売却価格が高くなるにつれて印紙税は上がっていきますが、一般的には1~5万円くらいだと認識しておきましょう。

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