不動産を売却したいと思ってインターネットを検索すると、「不動産一括査定」が便利だと、おすすめされているのを見かけることがあるかもしれません。
「初めて聞いたけれど、利用しても大丈夫なのかな…?」「無料でできるらしいけれど、デメリットはないのかな…?」と疑問に思う方に向けて、この記事では不動産一括査定の仕組みと、利用した際に起こり得るデメリットについて解説します。
そもそも不動産一括査定とは
この章では「そもそも『不動産一括査定』とはどんなものなのか」ということについて、詳しく解説します。
怪しいサイトなのではないか? 利用すると損をしてしまうのではないか?といった疑問に、わかりやすくお答えしていきます。
不動産一括査定の仕組み
不動産一括査定とは、一度に複数の不動産会社に査定依頼を送れるサービスです。主に、インターネットのサイト上で、提供されています。
不動産の価格について、いわゆる「相見積もり」を取るのに便利なサービスです。
利用者が不動産一括査定サイトにアクセスし、必要な情報を入力して査定を申し込むと、一括査定サイトから各不動産会社に対して、利用者から査定依頼を受けた旨と、不動産の情報が送られます。
査定依頼を受け取った不動産会社は、送られてきた情報をもとに簡易的な査定をします。
その後、各不動産会社から利用者に対して、電話やメールが送られてきます。
不動産会社からの連絡を受けたら、利用者は更に詳しい査定を行ってもらうか決めたり、不動産会社と契約して売却するかどうかを決めたりすることになります。
不動産一括査定は無料で利用できる
不動産一括査定を申し込む人には、利用料はかかりません。無料で、一括査定を受けることができます。
これは、不動産一括査定の仕組みが、不動産会社側が一括査定サイトにお金を払うことで成り立っているからです。
不動産会社の査定では、売却予想価格の提示だけでなく、「うちで売却すれば、いつまでにいくらで売れますよ」というような売り込みも行われます。
一括査定に参加することで、お客様になる可能性のある人に売り込みをする機会を得られるので、不動産会社は不動産一括査定サイトと提携して、お金を支払っています。
不動産査定の種類
仕組みの説明の中で「簡易的な査定」と「詳しい査定」という説明をしましたが、不動産査定には「机上査定」と「訪問査定」という2種類の査定方法があります。
- 机上査定:簡易的な査定
- 訪問査定:詳しい査定
▼机上査定
机上査定とは、以下の情報をもとに、売却予想価格を算出する査定方法です。
- 住所
- 間取り
- 面積
- 築年数
実際に不動産を見ることなく価格を査定するので「机上査定」と言われています。
▼訪問査定
訪問査定とは、現地で不動産を調査した結果を踏まえて、売却予想価格を算出する方法です。
机上査定の価格に加えて、以下のような事柄を踏まえて、価格が算出されます。
- 周辺環境
- 建物の外観や室内の状態
- (マンションの場合)共用部の管理状況
- 日当たり・風通し
など
不動産の実際の状態を見た上で価格の見積もりをするため、机上査定よりも正確な査定額を出すことができます。
現地調査には1~2時間、調査から結果が出るまでに1週間程度かかります。
【訪問査定とは】訪問査定を受けるべき理由や不動産会社を見極めるポイントを解説
不動産一括査定の流れ
不動産一括査定を利用する流れは、以下の通りです。
- 一括査定サイトにアクセスする
- 住所や築年数など、必要な情報を入力する
- 査定依頼先の一覧を確認して送信する
- 不動産会社からの連絡を待つ
- 訪問査定を受ける
- 査定結果を受け取る
各社の査定結果を受け取った後は、実際に不動産を売却するか、売却するならどの不動産会社に任せるかを決めることになります。
不動産査定とは?査定を依頼する前に知っておきたい基本を解説!
不動産一括査定サイトのデメリットと対策
ここからは、不動産一括査定サイトを利用した場合に起こり得るデメリットと、デメリットを解消・軽減するための対策について解説していきます。
どの査定額が正しいかわからず迷ってしまう
実は、不動産会社の査定には、国で決められた基準などがありません。
また査定額は、あくまで「不動産会社が仲介を担当した場合に売却が見込める価格」です。この価格で必ず売れると保証してくれる訳ではありません。
そのため、各社から提示される査定額には、バラつきがあることがよくあります。
不動産が「いくらで売れるのか」を知りたいのに、提示される金額がバラバラで、かえって迷ってしまうことは、一括査定で複数社に査定を依頼するデメリットといえるでしょう。
しかし、不動産会社や営業担当者によって「どの取引事例と比較するのか」「不動産の状態をどのくらい価格に反映させるのか」が異なるため、査定額に差が生じるのです。
全ての不動産会社に査定依頼できる訳ではない
不動産一括査定サイトから査定依頼を送れるのは、その一括査定サイトが提携している不動産会社のみです。
つまり、一括査定サイトが提携していない不動産会社には、一括査定を通じて査定依頼することはできません。
対策としては、一括査定サイトの不動産会社の提携社数を確認しておくとよいでしょう。
また、提携している会社数の多さだけではなく「質」の基準があるかも、確認しておきましょう。
なお、不動産会社には一括査定サイトを通さなくても査定を申し込めます。
「査定依頼をしたい」と思っている会社が既にある場合は、一括査定とは別に、直接査定を依頼するのもおすすめです。
地域によっては査定してくれる会社が見つかりづらい
先述の通り、不動産一括査定では、サイトと提携している不動産会社にしか査定依頼を送れません。
そのため、一括査定サイトと提携している不動産会社が少ない地域では、サイトを利用しても、査定依頼を送れる会社が少なかったり、見つからない場合があります。
不動産一括査定サイトは、同時に複数利用することもできます。
そこで、複数の一括査定サイトを併用することで、少しでも多くの不動産会社を探してみましょう。
個人情報を送信しなければならない
不動産一括査定サイトを利用するためには、以下の情報をサイトに入力する必要があります。
- 売却したい不動産の情報
(住所・間取り・面積・築年数など) - 利用者の連絡先
(氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど)
これらの個人情報は、机上査定や連絡のために、不動産会社にも送られます。
個人情報の取り扱いが心配な方は、不動産一括査定サイトの「利用規約」や「個人情報保護方針」をしっかり確認しておきましょう。
営業電話がたくさんかかってくる
査定依頼を送った不動産会社から電話がたくさんかかってきてしまうことも、一括査定サイトを利用するデメリットといえるでしょう。
まだ不動産を売却するか悩んでいる時に電話がたくさん来ると、急かされているようで焦ってしまいますよね。
また、日中お仕事をしているため、電話が何度もかかってくると困る方も多いでしょう。
不動産会社からの営業電話に対しては、以下の3つの対策がおすすめです。
- 「価格をちょっと知りたい」時は匿名査定を利用する
- 一括査定時にメールでの連絡を希望する
- 一度に査定依頼する会社数を絞る
いくらで売れるのか、ちょっと気になる…という時には、個人情報を不動産会社に送信しなくてもよい「匿名査定」を利用するのがおすすめです。
匿名査定の査定額を見てから不動産を売却してみようと思ったら、一括査定を利用して、不動産会社に詳しく査定してもらいましょう。
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また、複数の会社に査定してもらうと相場がわかりやすくなる一方で、依頼した全ての会社と連絡を取り合わなければなりません。
より多くの会社に査定してもらいたい場合は、査定を申し込む時期を少しずらすなどの工夫をしましょう。
不動産一括査定サイトの「すまいステップ」は、独自の審査基準をクリアした売却力の高い不動産会社のみと提携しています。
一度に最大4社までの査定依頼で、不動産会社からの連絡の対応がしやすいのも特徴です。
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不動産一括査定サイトのメリット
不動産一括査定にはデメリットがある一方で、仕組みを理解し、対策を取れば、一括査定サイトを利用することならではのメリットもあります。
スムーズかつ簡単に査定依頼ができる
一括査定の最大のメリットは、複数の会社に一度にまとめて査定依頼を送れることです。
複数の会社に査定依頼をする時に、一括査定を利用する場合と、自分で1から依頼を行う場合の手順の違いは、以下の通りになります。
一括査定を利用する
- サイトで必要な情報を入力する
- 不動産会社から机上査定結果や連絡が届く
- 各社の訪問査定を受ける
- 不動産会社を決める
自分で依頼する
- 不動産会社の候補をピックアップする
- 不動産会社に問い合わせする
- 査定に必要な情報を伝える
- 机上査定結果を聞く
- 訪問査定を受ける
- 他の不動産会社でも②~⑤をする
- 不動産会社を決める
不動産売却に不慣れな人にとっては、「不動産会社の候補をピックアップして、問い合わせをする」のが特に難しいところではないでしょうか。
また、一括査定サイトを通じて査定依頼を受けた不動産会社は、他にも依頼を送られている会社があることをわかっています。
交渉事が苦手な方でも、直接申し込む場合に比べて「他の査定結果を聞いてから決めます」ということを伝えやすいでしょう。
知らなかった不動産会社に出会える
査定依頼を通じて、今まで知らなかった不動産会社に出会えるのも、一括査定を利用するメリットです。
テレビCMや広告、チラシで目にする機会が多いのは、大手の不動産会社に偏りがちです。
一括査定サイトを利用すると、入力した情報をもとに不動産会社のマッチングをしてくれるので、不動産会社について詳しくなくても、様々な会社に査定依頼を出しやすいです。
不動産一括査定サイトランキングTOP10!比較するポイントも詳しく解説
契約前に不動産会社とやり取りする機会を持てる
不動産の売却は、1人の担当者が不動産の査定から販売活動、契約まで担当するのが基本です。
つまり、不動産の購入検討者への対応も、同じ担当者が受け持ちます。
そのため、不動産会社を選ぶ時には、担当者が信頼できるかしっかりチェックしておくべきです。
不動産売却に関する知識については、素人にはなかなか判断しづらいところです。
しかし、担当者の身だしなみや言葉遣い、説明が丁寧でわかりやすいか、時間を守ってくれるかということについては、最初の連絡から査定までの間に、ある程度見えてくるでしょう。
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不動産一括査定サイトを選ぶ時の注意点
不動産一括査定サイトを利用する時は、以下のポイントを踏まえて利用するサイトを選びましょう。
エリアが対応しているか確認する
不動産一括査定サイトが、査定依頼をしたい不動産のある地域をカバーできているかを確認しましょう。
提携している会社の全体数が多くても、売りたい不動産のあるエリアで売買を行っている不動産会社や支店と提携していなければ、一括査定のメリットを活かせません。
査定できる物件の種類を確認する
不動産は、土地、戸建て、マンション、店舗・事業所、投資用物件(ビル、アパート、マンションなど)といった物件種別に分けられ、不動産会社によって売却の得意分野が分かれます。
不動産一括査定サイトも、マンション売却が得意な会社と多く提携している一方で、土地を売却できる不動産会社とは提携していなかったりと、必ずしも売りたい不動産の物件種別に対応しているとは限りません。
一括査定を申し込む際に、査定できる物件種別を必ず確認しておきましょう。
提携している会社の質で選ぶ
不動産一括査定サイトが、提携している不動産会社に基準を設けているかも確認しておきましょう。
また、万が一クレームがあった際に、どのような対応をしているかも確認しておくと、安心して利用できるでしょう。
デメリットへの対策をして不動産一括査定を活用しよう
本記事では、不動産一括査定の仕組みや、デメリットとその解消方法、メリット、実際に一括査定サイトを選ぶ時のポイントについて解説してきました。
一括査定は、不動産がいくらで売れるのか、複数の会社に査定してもらうのに便利な一方で、不動産会社にとっては顧客を獲得する機会でもあります。
利用者にとってはデメリットに感じることもあるかもしれませんが、対策を講じればデメリットを抑えつつ、メリットを享受できます。
この記事で紹介したことを、ぜひ不動産一括査定の活用にお役立てください。