初めて土地を売却する際に、どれくらいの税金がかかるのか、最終的に売却益はどれぐらい残るのか、予めシミュレーションしておきたい人は多いのではないでしょうか。
土地含む不動産の売却では多くの税金がかかる上に、専門用語も多く、初めての売却であれば尚更覚えるのは大変です。
この記事では、土地売却にかかる税金を手軽にシミュレーションしたい人のために、以下の3つのポイントで初心者にも分かりやすく解説しています。
- 土地売却にかかる税金一覧と最も重要な税金「譲渡所得税」
- 知っておきたい節税対策
- 手軽に自分で税金をシミュレーションしたいときのおすすめサイト
土地売却における税金は、事前に知っているかどうかで売却益に大きく差が出る場合があります。この記事を最後まで読んでいただき、是非今後の売却活動に活かしてください。
【2023年4月最新】土地売却にかかる税金はいくら?計算方法や節税のための特例控除を解説
土地売却でかかる4種類の税金
まずは土地の売却でかかる各税金についてざっくり把握しておきましょう。土地売却では主に以下の表にあるような税金がかかってきます。
税金の種類 | 税率 | 内容 |
---|---|---|
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税 | 土地の所有期間5年以下の場合:39.63% 5年超えの場合:20.315% ※10年超えのマイホームの場合:(売却した得た利益のうち6000万円まで)14.21% | 土地を売却して得た利益(=譲渡所得)に課税される税金 |
印紙税 | 契約金額に準ずる 例)500万円を超え1000万円以下:5000円 5000万円を超え1億円以下:3万円 | 売買契約時に必要な収入印紙にかかる税金 |
登録免許税(抵当権抹消登記) | 不動産の個数1つにつき1000円 | 売主買主双方で連帯する税 売主:ローン残債がある際の抵当権抹消登記費用 |
消費税 | 10% | 仲介手数料、司法書士報酬費用に課税される税金 |
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譲渡所得税と住民税
税金の中で特に注意しておきたいのが譲渡所得税と住民税です。
譲渡所得税とは、土地などの不動産を売却した際に得た利益(譲渡所得)に対して課税される税金のことを指します。
当然、売却した際の利益が大きくなればなるほど課税される金額も大きくなりますし、利益が小さければ課税も小さくなります。譲渡所得税に関しては計算方法や税率が複雑なので、第2章でより詳細に解説しています。
印紙税
印紙税とは土地の売買契約時に添付する印紙を貼って納税する形の税金です。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
100万円を超え500万円以下 | 2000円 | 1000円 |
500万円を超え1000万円以下 | 1万円 | 5000円 |
1000万円を超え5000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5000万円を超え1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
登録免許税
売主には抵当権(=融資やローンの担保となっている不動産にかかっている権利)を抹消する税金を納税する必要があります。
登録免許税は不動産の個数1つにつき1000円です。
抵当権は、土地でも土地と建物そのものに設定されています。ですので、土地を売却する際には登録免許税は土地と建物の二つの不動産がありますから2000円ということになります。
消費税
売主が不動産会社で売却した場合は、建物に消費税がかかります。一方、売主が個人の場合は事業目的でないので消費税はかかりません
ではどのような場合に消費税が課税されるのでしょうか?
それは司法書士に支払う報酬や仲介手数料に消費税が課税されます。
仲介手数料は「売却価格の3%+6万円」という上限が設定されています。ここに消費税が課税されますので、当然売却価格が上がれば上がるほど仲介手数料は増え、消費税も増えます。
売却活動だけでなく、売却後に税金がいくらかかるのかや、税金の支払い方法についての相談も承ります。
以下のフォームからカンタンにお近くの不動産会社にお問合せできますので、ぜひご活用ください。



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税金のシミュレーションで最も重要な「譲渡所得税」
土地売却では様々な税金が存在しますが、最も売却額に影響を与える税金が譲渡所得税と住民税です。
その他の印紙税や登録免除税、消費税などの税金は多く見積もっても数万円で済む程度ですが、譲渡所得税は100万円を超える場合もあります。
つまり、売却益をざっくりシミュレーションしたければ、譲渡所得税がいくらかかるか把握することが重要なポイントとなります。
※このシミュレーションでは減価償却を加味していません
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税の基本的な計算方法は以下になります。
取得費とは、売却する土地を購入したときにかかった金額で、譲渡費用は譲渡するにあたって必要なった経費(仲介手数料など)になります。
土地の所有期間で税率が変わる
譲渡所得は土地の所有期間によって税率が変わります。
- 所有期間が5年以下の場合(※短期譲渡所得):39.63%の税率
- 所有期間が5年超えの場合(※長期譲渡所得):20.315%の税率
- 所有期間が10年超えする場合:14.21%の税率(※利益の内6000万円まで)
例えば2000万円で購入した土地を2500万円で売却した際、減価償却を考慮しない場合は差額の500万円が譲渡所得となり、この500万円に税金が課税されます。
この場合、土地の所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得に該当し、
土地の所有期間が5年を超えている場合は長期譲渡所得に該当し、
となります。
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所有期間の算定方法に注意!
所有期間とは、土地を取得した日(取得日)から売却した日(売却日)までの期間です。ただし、取得日と売却日の判定にはルールがあるため注意が必要です。
売却した日は、原則として売主が買主に不動産を引き渡した日ですが、税務上ではその年の1月1日で所有期間を判定されます。たとえば、売却したのが3月12日で所有期間がちょうど5年を超えていたとしても、1月1日で判定しますので、5年を超えていないことになります。
翌年に確定申告が必要
譲渡所得に対する税率は所有期間ごとに異なり、これに復興特別所得税が上乗せされる形になります。復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するために創設された新しい税金です。 この税額を売却した翌年の確定申告によって納めます。
⇒確定申告の必要性について
譲渡所得税がかからないケースとは?
譲渡所得税の税率や計算方法について解説してきましたが、中には譲渡所得税が特例控除によりかからなくなる場合があります。どのようなケースなのか以下で解説していきます。
① 3000万円の特例控除が適用される場合
近年、マイホームを売却した際に売却益から3000万円が控除される「3000万円の特例控除」という特例があります。
【3000万円の特例控除の特例が適用される条件】
➀自分が住んでいた家(=マイホーム)であること、つまり投資用土地や別荘は特例を受けることができません。
➁住まなくなった日から3年以内の12月31日までに売却していること
➂売却の前年、前前年にこの特例を受けていないこと
➃売却する相手が親子や夫婦など特別な間柄でないこと
上記の条件に該当する居住者に限り、売却益から3000万円を差し引くことができるという嬉しい制度です。つまり先の例で言うと、譲渡所得は500万円ですので、条件に適用する場合は税金がからないということになります。
② 購入時の価格よりも安く売却する場合
前述でもお伝えした通り、譲渡所得税は以下の計算式で求められます。
※減価償却をを考慮しない場合
この場合、3000万円の土地を2800万円で売却することになれば、
になり、譲渡所得税がマイナスになりますよね。譲渡所得税は売却益に課税される税金なので、購入した時よりも安く土地を売却することになった場合、譲渡所得税はかからないということです。
譲渡所得税のシュミレーション例
それでは実際にケース別に土地を売却した際にかかる税金をシュミレーションしてみます。
例➀ 通常の土地(購入金額が分かり、特例を受けない場合)
3000万円で購入した土地を3500万円で売却、所有期間は7年で、諸費用は250万円
上述の式に当てはめて計算すると、
となり、この51万円が譲渡所得税となります。
例➁ 購入金額が分からない土地の譲渡所得税
購入金額が分からない土地を3000万円で売却、所有期間は4年、諸費用は150万円
購入金額が分からない場合は3000万円×5%=150万円で購入したものとして計算されます。
上述の式に当てはめて計算すると
(3000万円ー150万円ー150万円)×39.63%=1070万円となります。
ちなみに特例を受ける場合は・・・
(3000万円ー150万円ー150万円ー3000万円)×39.63%はマイナスとなり、この場合の譲渡所得は0円となります。
【注意】購入金額が分かる書類を用意しておこう
購入金額が不明な場合、売却金額の5%として計算されてしまいます。
この場合、課税額が大幅に増えてしまいます。ですから、できる限り購入金額が分かる書類を見つけ出しましょう。
書類が見つからなくても、通帳の記録などが認められる場合もあるので、税務署に相談してみてください。
例➂ 相続した土地の譲渡所得税
相続した土地を売却する場合にも基本的には上述した計算式で求めることができます。
ここで注意したいのが
- 相続の場合、所有期間は相続してからではなく、被相続人が購入した時から売却した時までの期間となります
- 一定の条件を満たせば、相続した時にかかった費用を取得費として、諸費用に加算することができる
例➃ 10年超の住んでいた土地の譲渡所得税
購入金額が3000万円の土地を4000万円で売却、所有期間は11年、諸費用は200万円
ここで10年超の住んでいた土地の場合は税率が14.21%となるのでご注意ください。
上述の式に当てはめて計算すると
(4000万円ー3000万円-200万円)×14.21%=約114万円となります。
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【節税対策】税金シミュレーションで知っておきたい特例制度
この章では知っておきたい節税の特例をご紹介します。せっかく特例があっても、知らなければ特例を受けないで売却してしまい、損をしてしまう場合があります。
ご自身に使える特例があるかどうかしっかりと確認しましょう。
① 3000万円の特例控除の特例
一定の条件を満たした場合、売却益から3000万円まで控除できる制度です。
② 自分が住んでいる土地を売却した際の軽減税率の特例
10年以上保有している自分が住んでいる土地を売却した際に軽減税率が適用される制度です。
③ 自分が住んでいた土地を買い換えたときの特例
10年以上保有している自分が住んでいた土地を買い替えた際に課税を繰り延べることができる制度です。
④ 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続税を取得費用として諸費用に加算できる制度です。
手軽に税金をシミュレーションしたい人は「smlt.jp」がおすすめ!
自分の土地を売却したらどの程度の税金がかかってくるか手軽に知りたい人のために、以下では税金を手軽にシミュレーションできるサイトを紹介します。おすすめは「smlt.jp」というサイトで、簡単に使い方を紹介します。
① TOPページから「譲渡所得税」へアクセス
まずはsmlt.jpのTOPページへアクセスし、「譲渡所得税」の項目をクリックしてください。
② 譲渡所得税の計算に必要な項目を入力
譲渡所得税の計算に必要な以下の項目を入力します。
- 譲渡価格(売却額)
- 譲渡時にかかった諸経費は?
- 取得価格(購入時の価格)
- 取得時にかかった諸経費
- 譲渡した年の1月1日においての所有期間(5年以下or5年超or10年以上※居住用のみ)
- 3000万円特例控除の要件を満たしているか
売却活動前のシミュレーションの場合、自分の近隣の土地の相場価格を調べておくとよいでしょう。自分で出来る土地売却相場の調べ方は以下の記事で詳しく解説しています。
土地売却相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法をわかりやすく解説!
まとめ
いかがでしたでしょうか?ご自身で土地売却にかかる税金のシュミレーションができたら次は一括査定サイトを使って実際にどれくらいの金額で売却できるか調べてみませんか?
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土地売却で必要なことって?売る流れや税金、高く売るコツや注意点