土地売却における解体費用の相場はいくら?更地にすべきかの判断基準

建物付きの土地を売却する際には、建物付きで売るケースと、建物を解体して更地で売るケースとがあります。購入者が土地のみを希望したり、建物自体にほとんど価値がない場合は、建物を解体し更地にしてから売却する必要がでてきます。

このとき、建物の解体には費用がかかります。費用は数百万円となることが通常であるため、実際いくらかかるのかわからないと解体すべきか決められない人は多いでしょう。

この記事ではそうした方に向けて、「建物の解体にかかる費用相場」や「そもそも解体すべきかどうかを決める判断基準」を説明しています。


土地売却における建物解体費用の相場

「建物の解体にかかる費用」を大まかに把握するために、解体費用の内訳や各費用の相場を確認していきます。

解体費用は解体工事費用と付帯工事費用にわけられる

そもそも解体費用は、①解体工事費用②付帯工事費用の2つにわけることができます。

①解体工事費用とは、解体する建物の坪単価に建物全体の面積をかけ合わせることで算出でき、建物自体を取り壊す際にかかる費用のことを指します。

②付帯工事費用は、建物自体ではなく建物内外の付帯物(敷地内のブロック塀や樹木、室内における家電等の残置物)を処分・撤去する際にかかる費用ことで、解体工事費用とは別途で発生します。

それでは、①解体工事費用②付帯工事費用の各詳細を順に見ていきましょう。

解体工事費用の相場

解体工事費用は①坪単価②建物全体の床面積(坪数)で構成され、次の算出式で見積もることができます。

建物の解体費用=①坪単価×②建物全体の床面積(坪数)

また、①坪単価②建物全体の床面積(坪数)は以下の基準で決定されています。

①坪単価

多くの解体工事会社は建物の構造別に1坪(約3.3㎡)あたりで料金を設をしています。坪単価は建物の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)によって決められています。木造等の比較的柔らかい構造でてきている建物は安く、鉄筋コンクリート造のような堅牢な構造の建物は高くなる傾向があります。(以下の表をご参照)

▼解体費用の坪単価(建物構造別)

建物の構造木造鉄骨造鉄筋コンクリート造
坪単価3.1〜6.5万円3.4〜7.0万円3.5〜8.0万円

②建物全体の床面積(坪数)

「1㎡=約0.3坪」を基準に、建物全体の床面積を坪数に換算して算出します。

㎡→坪の換算はこちら)

坪数ごとの解体工事費用

以下は、坪数ごとの解体工事費用を一覧化したものです。こちらの表を参考に、検討している建物の解体工事費用が大凡いくらになるのかを確認してみましょう。

坪数木造鉄骨造鉄筋コンクリート造
20坪62〜130万円68~140万円70~160万円
30坪93~195万円102~210万円105万~240万円
40坪124~260万円136~280万円140〜320万円
60坪186~390万円204~420万円210~480万円
80坪248~520万円272~560万円280~640万円

全国における平均的な戸建の解体工事費用相場は約200万円程度

2018年に実際されたフラット35による土地面積調査を参考にすると、全国における戸建ての平均坪数は約38坪となっています。このことから、全国の平均的な戸建てにおける解体工事費用の相場は約200万円程度と見積もることができます。(以下、ご参照)

戸建(38坪)の解体費用

・木造:117~247万円

・鉄骨造:129~266万円

・鉄筋コンクリート造:133~304万円

→建物の構造にもよるが、100万~300万円の中央値である200万円が相場といえる

解体工事費用の内訳

解体工事費用の内訳は以下の3つに分類できます。

※各費用の相場は、建物の「構造」「坪数」「老朽化の度合い」「立地」によって異なります。詳細に知りたい場合は、不動産会社におすすめの解体業者を紹介してもらい、解体業者から見積もりを出してもらうようにしましょう。

項目内容
養生費(仮設工事費)工事現場以外で工事の影響が及ばないようにしたり、安全に工事ができるようにするために設置する設備にかかる費用。
防音防塵シートや、敷地の仮囲いゲート、仮設トイレ、仮設水道・電気、足場づくりなどがあります。
解体人権費作業に関わるスタッフ(重機を運送するオペレーター、現場作業をする人、廃棄物の運送をする人等)の人件費 。
作業員数と稼働時間によって金額が変わります。
重機使用料解体工事を行うために使用する重機(クレーンや建材の断材装置など)の費用。レンタルであるため使用日数で費用が計算されます。

付帯工事費用の相場

以下に付帯工事の種類と各相場を一覧化しています。いくらかを確認してみましょう。

種類費用相場
残置物(※)の処分8,000~1万円/㎥
樹木撤去地表面から上のみを処分する場合は、1万円~/樹木1本
根までを取り除く場合は、約5万円/樹木1本
ブロック撤去約2,000~3,000円/㎡
門扉・フェンスの撤去約2万円前後(ブロックごと撤去するかどうかや、ブロックの材質によって異なる)
倉庫・物置の撤去普遍的なサイズの倉庫・物置で約2万円~3万円/個
庭石の撤去約1万円/庭石1t
井戸や池の埋め戻し工事一式おおよそ3万円~5万円 ※井戸の埋め戻しに伴う「神事(お祓い)」も費用に含まれていることが多い

※残置物とは、建物に住んでいた住人が残した不用品(家具や家電製品、布団や衣類、本や雑誌等の全て)を指します。

解体費用が高額になってしまうケース

実際の解体費用は、土地の広さや建物の大きさ、周囲の相場などによって個別に算出されるのが実情です。土地が狭く、処理すべきものが少ない場合は解体費用が安くなります。一方で、残土処分の内容や地中埋設物の有無、樹木や庭石の有無や養生の分量などが理由となり、解体費用が高額になるケースがあるので注意が必要です。

解体費用は、どのように算出されているのか分かりにくい面があり、場合によっては不当に高額な請求をされる可能性もあります。よって、住んでいる地域の相場を知るためにも、建物を解体する場合は事前に複数の解体業者から見積もりを取ることをおすすめします。

解体費用相場をもっと正確に見積もるには

気軽に解体費用(解体工事費用と付帯費用)の相場を見積もる手段として、解体費用を見積もれるサイトを利用するのもよいでしょう。

リフォームや建物解体業者の一括紹介サイトである「ヌリカエ」では、建物や住んでいるエリア(都道府県や市区町村)の情報を入力することで、解体費用の相場を簡単に見積もることができます。

ただし、解体費用は解体業者によって金額が変わるため、実際の費用は見積もりサイトやここでお伝えした額とは異なる場合があります。最終的には自分自身の判断が大切になることから、解体業者を選ぶ際は複数の解体業者から見積もりを取り、慎重に決めるようにしましょう。

解体費用をできるだけ安く抑える3つのポイント

高額になりやすい解体費用ですが、できることなら少しでも解体費用を安く抑えたいものです。解体費用をできるだけ安くするためのポイントは、以下の3つになります。

  • 不用品は自分で処分しておく
  • 解体業者の閑散期を狙う
  • 自治体の補助金が利用できるか調べる

ここからは、それぞれのポイントを具体的に解説します。

不用品は自分で処分しておく

解体費用の内訳には、解体の際に発生したコンクリートや木材などの廃棄物処理費が含まれます。これらの処理費用は、一般的な家庭ゴミの処分費用よりも高く設定されており、廃棄物が多いほど解体費用が高くなるため注意が必要です。

解体費用をできるだけ安く抑えるためには、家庭ゴミや不用品などは、できる限り解体業者に任せず自分で処分して、不用品の量を少なくすることをおすすめします

解体業者の閑散期を狙う

12〜3月は、固定資産税の節税対策や年度末の区切りとして、建物や事務所の解体を依頼する方が多くなる傾向があります。そのため、解体費を安く抑えたいのであれば、4〜6月の閑散期を狙って依頼することがポイントです

この時期は解体の需要が低く、解体料金も比較的安くなる傾向があります。また、閑散期であれば予約も多くないことから、依頼者側が希望する日程で、解体作業が実施されやすいメリットもあります。

自治体の補助金が利用できるか調べる

解体費に対して、補助金を出す自治体は多くありませんが、補助金を用意している自治体も複数あります。補助金の支給要件や支給額は自治体ごとに異なります。

中には、補助金に100万円以上の上限を設定している自治体もあることから、解体する際には事前に対象の自治体に問い合わせるとよいでしょう。

土地の売却前に建物を解体したほうがよい2つのケース

建物が建っている土地を売却する場合、売却前に建物を解体するべきかどうかは悩ましいところでしょう。ここでは、土地を売却する前に建物を解体したほうがよいケースを2つ紹介します。

建物が老朽化している

国土交通省では、木造建築の寿命を22〜25年と定めていることから、築25年以上経過している古い建物であれば、土地を売却する前に建物を解体することをおすすめします。古い建物の場合は、予想以上に老朽化が進み、雨漏りの危険やシロアリ発生の可能性があり、売主側に瑕疵担保責任が発生する危険性があるため、気をつける必要があります。

立地が悪い

山奥や田舎、過疎地など、都会に比べて人が少なく立地が悪い土地は、一般的に売れにくい傾向があります。ただし、都会の中にも立地が悪い場所があり、売れにくい土地であれば、売主は土地が売れるように努力をする必要性が出てくるでしょう。

建物が残っている土地に比べて、更地のほうが売却される可能性は高いといえます。立地が悪い土地であればなおさら、土地を売却する前に建物を解体して、買主側の負担を軽減しておくことをおすすめします。

土地の売却前に建物を解体する3つのデメリット

ここでは、土地を売却する前に建物を解体する際のデメリットを3つ紹介します。

  • 解体費用が掛かる
  • 固定資産税の負担が大きくなる
  • 新しい建物を建てられなくなる可能性がある

建物を解体して更地にすることによって、土地を売却できる可能性が高まります。その一方で、更地にすることによるデメリットもあることから、安易に建物を解体する前に、きちんと検討することが大切です。

解体費用が掛かる

建物の解体後に土地を更地として売却する際は、建物の解体にかかった費用は原則として売主が負担します。解体費用は数十万〜数百万と高額になることから、安易に解体を決定することはあまりおすすめできません。

場合によっては、解体費用を買主が負担するケースもありますが、買主側の心証が悪くなり、思うように土地が売れなくなる可能性があることには注意が必要です。

固定資産税の負担が大きくなる

建物がある土地に対する固定資産税には、減免措置があります。しかし、建物を解体して更地にした場合は、減免措置が受けられなくなり、建物が建っていたときと比較して、最大6倍もの固定資産税を払わなければなりません

建物を解体したあとでなかなか土地が売れなければ、その間は売主自らが高い固定資産税を払い続けなければならないデメリットがあります。

新しい建物を建てられなくなる可能性がある

都市計画法の中には、市街地の中に建物を建築することを抑制する「市街化調整区域」が定められています。市街化調整区域の特則として、更地にした土地が市街化調整区域内であった場合、その土地に新しい建物を建てる際は、都道府県知事の許可がいるなど厳しく規制されています。したがって建物を解体する前に、市街化調整区域に当てはまるかを確認する必要があります。

建物を解体する流れ

ここからは、土地を売却するにあたり、建物を解体する流れを紹介します。

  1. 現場調査
  2. 見積もり確認
  3. 近隣挨拶
  4. 引込配管、配線の撤去の手配
  5. 解体工事

<現場調査>

解体業者に解体作業の見積もりを依頼すると、解体業者が現場に訪れて現地調査を行います。現場調査の際は立会いを行い、業者とともに調査の様子を確認することをおすすめします。

<見積もり確認>

現地調査が終われば、業者が現地調査に基づいた見積書を提出します。作業金額や納期、作業内容など見積書の内容を確認して納得したら、業者に解体を依頼して契約成立となります。

<近隣挨拶>

解体工事の際は、騒音や粉じんが発生する恐れがあります。周囲の方々に迷惑をかける可能性があることから、解体作業が行われる前に挨拶をしておくことをおすすめします。

<引込配管、配線の撤去の手配>

撤去工事をする前に、電気会社やガス会社に連絡して、引き込み線の撤去や配管の撤去の手配をしておきましょう。浄化槽や便槽は、汚物が発生する可能性があるため、専門の清掃業者に事前に相談して、対応してもらうとよいでしょう。

<解体工事>

事前の準備を終えたら、解体業者が解体工事に取り掛かります。解体業者によっては安全な作業を十分に行なっていない場合もあるため注意が必要です。解体作業が順調に進んでいるのか、現場に訪れて確認しましょう。

土地売却時の解体費用の扱い

ここでは、土地売却時に生じる建物の解体費用の取り扱いについて解説します。

解体費用は譲渡費用に含まれる

不動産を売却して売却利益が発生すると、その売却利益は譲渡利益とみなされて、所得税や住民税が発生します。譲渡所得や所得税の計算式は、以下の通りです。

譲渡所得=譲渡価格−取得費−譲渡費用
譲渡所得×税率=所得税

売却の際に発生する解体費用は、譲渡費用に含めることができるため、解体費用が大きくなるほど譲渡所得を低くすることができて、節税ができます

売却価格には上乗せしないほうが有利

解体にかかった費用を土地の売却代金に上乗せすると、相場よりも高い売値になり土地が売れにくくなってしまうため、あまりおすすめできません。解体費用はできるだけ売主が負担するとともに、更地になった土地の売値も、相場に合わせて販売することをおすすめします。

売主側の負担は大きくなりますが、解体費用を譲渡費用に含めて所得税を低くしたり、不用品はできる限り自分で処分したりするなどして、工夫するとよいでしょう。

土地売却や建物の解体をする際は一括査定サイトを利用しよう

土地売却にあたり、建物を解体したほうがいいのか判別できない場合は、自分で決める前に、できるだけ多くの不動産会社に問い合わせて相談することをおすすめします。

その際は、不動産の一括査定サービスを活用することで、条件のよい不動産会社に出会える可能性が高くなります。好条件で土地売却できるだけでなく、優良な買取業者を紹介してくれるケースもあることから、利用価値は高いといえます。

おすすめの一括査定サービスは「すまいステップ」です。すまいステップは独自の運営方針に従って厳選された優良企業のみと提携を組んでいるため、信頼して仲介を依頼できる不動産会社のみに査定依頼ができます。

最適な土地の売却方法を考えよう

実際に建物がある土地を売却する場合は、建物の大きさや形状、建物の築年数、土地の広さや立地などさまざまな要因が影響します。複数の不動産会社と相談することなく安易に進めると、思わぬトラブルが発生する可能性もあるので注意が必要です

また、解体費用に関しても純粋な解体作業だけでなく、廃棄物の処理費用などさまざまな費用が含まれることを想定しておくことが大切です。今後建物がある土地を売却する際は、今回の内容を参考にして最適な土地の売却方法を考えましょう。


不動産一括査定サイトを使って査定をしたら300万円以上の差も珍しくない

不動産一括査定サイトすまいステップを使って実際に不動産を査定してみると、査定額に300万円以上差が出ることも珍しくはありません。

不動産会社 査定価格
不動産会社A 1100万円
不動産会社B 1400万円
不動産会社C 1280万円

これだけ査定額に差が出ると、複数の不動産会社に査定を依頼することが、不動産を高く売るために必須だと言えるでしょう。

少しでも不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトで自分の不動産がいくらで売れるか調べてみましょう。

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