不動産の売却は人生で何度も行うものではないため、手順がわからず困る人は多いです。そのため、マンションを売却するとなったのなら、どのような流れで手続きを進めていくのかを知っておく必要があります。
スムーズにマンションを手放すのはもちろん、少しでも好条件で売れるように、売却の流れからポイントまで知っていきましょう。
マンションを売却する前に準備しておくべき3つのこと
多くの人は一生のうちに何度もマンションを売却する機会はないことから、初めてマンションを売却する場合は時間的な余裕を持って手続きを進める方が安心です。マンションを売却する前には、以下の3つのことを準備しておきましょう。
- 売却までのスケジュールを立てる
- マンションの売却方法を決める
- 必要な書類を揃えておく
売却までのスケジュールを立てる
購入時から5年以内に不動産を売却した場合、戸建ての場合、売りに出してから売却までの期間は8カ月である一方で、マンションの場合は6カ月と言われいます。調査結果から分かる通り、わずかですが戸建てよりもマンションの方が、売りに出してから売却されるまでの期間が短い傾向があります。
したがってマンションを売却する場合は半年間を目安にして、販売から売却までの大まかなスケジュールを立てることが求められます。事前にスケジュールを立てることにより、精神的にもゆとりを持ちながら手続きを進めることが可能になるでしょう。
また、目標の期日までにできるだけ多くの売却益を得るために、目標金額を設定することをおすすめします。不動産の売却価格は仲介する不動産会社によって異なります。不動産会社を探す際は一括査定サイトなどを上手に活用して、できるだけ多くの不動産会社と接触して最終判断すると良いでしょう。
マンションの売却方法を決める
マンションを売却するには、「仲介」と「買取」の2つの方法があります。いずれの方法にもメリットやデメリットがあり、どちらかを安易に選ぶことはあまりおすすめできません。ここでは、「仲介」と「買取」のメリットやデメリット、いずれか選ぶポイントを紹介します。
仲介とは、不動産会社に売買の仲介を依頼して、買主を探してもらう方法です。仲介は買取よりも高値で売れる可能性がある一方で、買い主が見つかるまで売却できないことから時間がかかるデメリットがあります。また、不動産に何らかの欠陥があった場合、売主が責任を負う「瑕疵担保責任」を負う可能性があるのもデメリットと言えます。
買取とは、不動産会社に直接不動産を購入してもらう方法です。買取の場合は、所有者と不動産会社が合意すれば売買が成立することから、仲介に比べて早く売却できるメリットがあります。一般的にマンションを売りに出してから、約1カ月で売却が決まると言われています。さらに仲介手数料が発生しない点や、瑕疵担保責任を負わない点も、買取のメリットといえるでしょう。
買取のデメリットは、買取金額が仲介に比べて低くなる点です。売主と買主の間に仲介業者が入ることから、一般的に市場価格の2〜3割ほど買取金額が安くなると言われています。
必要な書類を揃えておく
マンションを売却する際には、売主が用意しなければならない書類がいくつかあります。書類の中には取得に手間や時間がかかるものがあるため、事前に把握して余裕を持って準備することが大切です。
ここではマンションの売却にあたり必要な書類を紹介します。
必要な書類 | 具体例や内容 |
身分証明書 | 免許証や保険証 |
権利証 | マンション購入時に取得する書面 |
登記簿謄本 | 法務局で入手する書面 |
印鑑証明書 | 最寄りの市役所やコンビニで取得可能 |
マンションの管理規約 | マンション購入時に受け取った書類 |
施設維持費などを記載した書類 | マンション購入時に受け取った書類 |
固定資産税納税通知書 | 税務署から自宅に郵送されます |
売買契約書 | マンションを購入した際に作成した書類 |
マンションを売却する際のみ必要な書類として、マンションの管理規約や施設維持費などを記載した書類があげられます。これらはマンションを購入した際に受け取る書類になることから、受け取った後は無くさないように大切に保管しましょう。
【不動産仲介】マンション売却する時の流れ
不動産会社が仲介としてマンションを売却する際の流れは、以下の通りになります。
- 情報収集
- 一括査定サイトを利用して不動産会社を探す
- 不動産会社との媒介契約を選ぶ
- 査定額から売り出し価格を決める
- 購入希望者の内覧
- 価格交渉をして契約する
- 住宅ローンを解約しマンションを引き渡す
それぞれ具体的に解説します。
情報収集
不動産を売却する際は、まずは情報収集から始めることをおすすめします。販売予定の不動産の相場や販売状況、売却価格が上がる時期など、できる限り多くの情報を収集して知識を深めることが大切です。
一括査定サイトを利用して不動産会社を探す
情報を収集した後は、できるだけ多くの不動産会社から売買予定の不動産の査定をしてもらうといいでしょう。不動産会社は、一括査定サイトを利用して効率よく探すことをおすすめします。
不動産会社を選ぶ際は、不動産会社の特徴を見極めることが大切です。会社によっては得意不得意があり、仲介業に不得手な会社もあるため注意が必要です。査定額だけを見て判断するのではなく、販売力がある会社なのか冷静に見極める必要があります。
一括査定サイトの中でも特におすすめのサイトが「すまいステップ」です。すまいステップには1,700社以上もの不動産会社が登録しており、手軽に優良な会社を見つけやすい特徴があります。日本全国の地域密着型の不動産会社の中から選ぶことができるため、地方に住んでいても安心して利用できます。
不動産会社との媒介契約を選ぶ
不動産会社と媒介契約を交わす際、以下の3つの契約の中からいずれか選択するがあります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
ここからは、それぞれの契約の特徴を紹介します。
一般媒介契約
「一般媒介契約」は、複数の不動産会社と媒介契約を交わすことができるのが特徴です。多くの不動産会社が販売活動を行ってくれることから、早く買主を見つけてもらえるメリットがある一方で、仲介業者である不動産会社が積極的に販売活動を行わないデメリットがあります。
専任媒介契約
「専任媒介契約」は、特定の1社のみと媒介契約を交わすことができる契約です。不動産会社が買主を探すだけでなく、所有者自身も買主を探して直接売買契約を交わすことができます。不動産会社には、定期的に販売状況を売主に報告する義務が発生します。
専属専任媒介契約
「専属専任媒介契約」は専任媒介契約と同様に、特定の1社のみと媒介契約を交わすことができます。しかし所有者自身が買主を探して直接契約を交わすことができません。こちらも専任媒介契約同様、不動産会社には、定期的に販売状況を売主に報告する義務が発生します。
この中でおすすめの契約は「専任媒介契約」です。専任媒介契約は売主自ら買主を探すことができると同時に、不動産会社が優先的に売却活動を行ってくれるため買い手が見つかりやすい特徴があります。
また専任媒介契約では2週間に1回以上、販売状況の報告をする義務があります。売主は定期的に売買状況を把握できることから、この点も専任媒介契約のメリットと言えます。
査定額から売り出し価格を決める
不動産会社の査定額をもとに、売主が実際の売り出し価格を決定します。始めから販売価格を相場より低めに設定すると、売却益が少なくなる可能性があるため気をつけましょう。
不動産売買において、値引き交渉は当たり前に行われています。販売価格を決定する際は事前に値引きする金額を考慮して、やや高めに設定するといいでしょう。
販売価格が決定したら不動産業者の販売サイトに掲載します。さらにチラシやネット広告などにも掲載して、本格的に販売を開始します。
購入希望者の内覧
購入希望者から内覧の依頼が来たら、迅速に対応しましょう。内覧の際は事前に掃除したり不用品を処分して、できるだけ部屋の中を整理することが大切です。清潔感の有無は販売状況に大きく影響します。内覧者が訪れる前に隅々まで綺麗に掃除して、気持ちよく購入希望者を迎えましょう。
価格交渉をして契約する
買主が見つかったら条件面や価格面の交渉を行い、合意に至れば売買契約を交わします。その後売買代金の決済を行いマンションを引き渡します。引き渡す前に、電気料金やガス料金など、最終利用月の精算は忘れずに行いましょう。
住宅ローンを解約しマンションを引き渡す
住宅ローンが残っているマンションの場合は、引き渡し前に住宅ローンを解約して抵当権の抹消手続きをする必要があります。抵当権の抹消登記や所有権の移転登記など、登記手続きが必要になるため、司法書士に相談してスムーズに手続きを進めることが大切です。
【不動産買取】不動産を売却する時の流れ
不動産会社が直接売主からマンションを買取する際の流れは、以下の通りになります。
- 買取価格の提示と引渡しの打ち合わせ
- 不動産会社と売買契約を結ぶ
- マンションの引渡しを行う
買取価格の提示と引渡しの打ち合わせ
マンションの査定を依頼した不動産会社と直接買い取り価格の交渉を始め、売買スケジュールを確認します。家財道具を処分する費用の負担や決済時期など、細かな契約内容を確認します。
不動産会社と売買契約を結ぶ
売主と不動産会社の交渉の結果、両者が合意に至れば売買契約を結びます。売買価格や引き渡し時期、諸費用の負担など気になる点は必ず確認し、両者納得の元契約を結ぶことが大切です。
マンションの引渡しを行う
マンションの残代金の支払いを確認したら、引き渡しを行います。引き渡しの手続きは一般的に契約当事者や司法書士立会いのもと、金融機関で行われます。
マンションの売却が終わったら確定申告を行う
マンションの売却が終わると、確定申告をする必要があります。ここでは確定申告の流れを紹介します。
売却益が出た場合は確定申告を必ず行う
マンションを売却して売却益が生じた場合は、必ず確定申告をする必要があります。具体的にはマンションの売買契約を交わした翌年の2月16日〜3月15日の間に、税務署に所得の申告を行い、所得に応じた税金を支払う必要があります。
売却益が出なくても確定申告を行えば税金が戻ってくる
一般的に売却益が出なかった場合は、確定申告する必要はありません。しかし、同じ年に複数の譲渡所得がある場合には損益通算することにより税金を抑えることができます。売却益を生じた不動産売買が他にもある場合は、確定申告を行うことをおすすめします。
マンション売却を成功させるための2つのコツ
ここからは、マンションの売却を成功させるコツとして、売却のタイミングとパートナーとしての不動産会社の2つは注意して選ぶ必要があります。
マンションを売却する最適なタイミングを見極める
不動産の価格は景気に左右されやすく流動的であることから、売却する時期によって価格が変動するため注意が必要です。確実に売却益が発生するように、価格の相場を見極めながらタイミングよく売却するといいでしょう。
一般的に年度末にあたる1月〜3月は、不動産市場が活発化するシーズンだと言われています。1月〜3月は転勤や新生活などを理由に引越しをする人も多くなり、マンションを売却しやすい時期だと言えます。
不動産業者選びを慎重に行う
不動産を売却する前に、複数の不動産会社に査定を依頼してそれぞれの値段を比較することが大切です。マンションなど不動産の査定額は不動産会社によって異なります。不動産会社の中には不動産の売却があまり得意でない会社もあるため、不動産会社の特性を見ながら慎重に依頼するといいでしょう。
査定の際は一括査定サイトを利用することをおすすめします。一括査定サイトを利用すると、日本全国の不動産会社に査定することができ、それぞれの会社の特徴や強みを元に優良な業者を探すことが可能となります。短時間で複数の不動産会社に査定依頼することができるため、一括査定サイトを利用して効率的に業者選びを行いましょう。
初めてマンションを売却する場合は売却の流れを確認しておく
初めてマンションを売却する際は、分からないことが多く何かと不安な点もあるでしょう。特に不動産の取引は用意する書類も多く手続きが煩雑になることから、ある程度余裕を持って手続きを進めることが大切です。
初めてマンションの売却をするのであれば、事前に売却の流れを把握しておくことが重要です。取引の具体的な流れを確認することで、安心して手続きを進めることができるようになるでしょう。
マンションを売却する場合は、今回の記事の内容を参考にしてスムーズに手続きを進めて見てはいかがでしょうか。