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土地譲渡とは?贈与と相続の違いや失敗しない方法

  • 更新日:2022年10月17日
監修者:木村ゆり
監修木村 ゆり
地方銀行に勤務後、都内の不動産鑑定士事務所でマンション等の評価を数多く経験。現在は千葉県内で独立開業し、土地活用や相続対策など不動産に関するお悩み解決に尽力している。【保有資格】不動産鑑定士【URL】株式会社よつば不動産鑑定
土地譲渡とは?贈与と相続の違いや失敗しない方法

「土地を無償で譲りたいけど、譲渡がいいのかな?」

自分の土地を親族に譲る場合、受け取る際にかかる金銭的な負担はできるだけ抑えたいと考えますよね…

譲渡は「譲り渡す」と書くので「無償で与える」と認識していらっしゃる人も多いかもしれません。しかし、「譲渡」とは金銭的対価と引き換えに土地を有償で引き渡す行為です。

土地を無償で譲り渡せるのは「贈与」か「相続」になりますが、いずれも受け取った側は税金(贈与税または相続税)の支払いが義務付けられるので、実質、無償で渡すことはできません。

この記事では、受け取る側の支出をできるかぎり抑えて土地を譲りたいと考えている人に向けて、譲渡・贈与・相続の違い、譲渡の流れ、譲渡にかかる税金と注意点を解説しています。

土地売却の流れを図解で解説!基本の7ステップと古家つきや相続した土地の場合

土地の譲渡とは

冒頭でも述べましたが、土地の譲渡とは、一般的には所有地の権利を「有償で譲り渡す行為」を指します。

例えば、土地をもっているAさんがお金と引き換えに土地の所有権をBさんに譲り渡す場合、「AさんはBさんへ土地を譲渡した」といいます。
つまり、土地の「譲渡」とは「売却」することと同じなのです。
この点をまずはしっかり理解しておきましょう。

土地譲渡・贈与・相続の違いは?

有償で引き渡すのが「譲渡」ですが、似た意味をもつ言葉として「贈与」と「相続」があります。

譲渡・贈与・相続の概要は以下のとおりになります。

方法概要
譲渡金銭と引き換えに財産の所有権を引き渡す有償行為
贈与無償で財産の所有権を引き渡す行為
相続被相続人の死後、財産の所有権を無償で引き渡す行為
すまリス
意味はわかるけど、具体的にどう違うのかわからないなあ…

概要だけではわかりづらいと思うので、以降で「譲渡と贈与」、「譲渡と相続」にわけて違いを解説していきます。

譲渡と贈与の違い

譲渡と贈与の違いは「①有償か無償か」と「②課税対象は誰か」にあります。

方法有償か無償か課税対象
譲渡有償譲渡した側
贈与無償贈与された側

まず、「①有償か無償か」については譲渡は有償贈与は無償になります。譲渡は売却代金と引き換えに所有権を引き渡しますがが、贈与では引き渡しの際にお金をうけとることはありません。

つぎに「②課税対象は誰か」については譲渡は譲渡した側贈与は贈与された側になります。譲渡の場合、譲渡した側は売却代金を受け取るので売却益が発生する際には所得税を支払うことになります。贈与の場合、贈与された側には贈与税が課税されます。

贈与は対価を受け取らずに引き渡しができるので、無償で渡せるようにみえますが、受け取った側には贈与税の支払いが義務付けられるので、実質、無償にはならないということは抑えておきましょう。

すまリス
譲渡と贈与のどちらも、売却代金や税金の支払いが発生してしまうから、無償で譲ることはできないんだね

譲渡と相続の違い

譲渡と相続の違いは、「①有償か無償か」「②課税対象は誰か」「③引き渡すタイミング」にあります。

方法有償か無償か課税対象引き渡すタイミング
譲渡有償譲渡した側規定なし
贈与無償相続した側非相続人の死後

まず、「①有償か無償か」についてですが、相続は無償になります。贈与と同様に、相続では引き渡しの際にお金をうけとることはありません。

しかし、「②課税対象は誰か」おいては、相続では相続した側が相続税を支払います。つまり、相続も受け取った側が税金を支払うことになるので、無償で渡すことは実質できないということです。

さらに、相続の場合は「③引き渡すタイミング」も規定されています。譲渡には規定がないためいつでもよいですが、相続は被相続人が死亡した後しかできません

すまリス
生きている間に所有権を渡したいなら、譲渡か贈与がオススメということだね!

土地を譲渡するまでの流れ

相続に関しては別の記事で詳しく解説しているので、今回は売却と贈与の流れを解説していきます。

すでに売却する相手が決まっている場合なら別ですが、一般的に買主募集が必要になる土地の売却は譲渡完了までに最短約3ヶ月を要します。

土地売却の流れ

1.事前準備を始める

相続したような古い土地では、まず権利関係の書類を集めたり、土地の境界の確認を行います。
よくわからないようであれば、先に不動産会社に査定を依頼し相談するとよいでしょう。

必要になる書類

  • 身分証明書、印鑑、実印、印鑑証明者
  • 固定資産税納税通知書、(または、固定資産税評価額証明書)
  • 土地測量図、境界確認書
  • 建築確認済証、検査済証(建物がある場合)

2.不動産会社に査定依頼

不動産会社に土地を査定してもらいます。この価格が売り出し価格の参考となります。

ここでは不動産会社選びが非常に重要となります。
査定価格は不動産会社によって大きく異なり、その差が300万円以上開くことも珍しくありません。

後に後悔を残さないためには、複数社から査定をうけ比較検討して決めていく必要があります。

一括査定サイトすまいステップなら、3分程度の入力で最大4社の厳選された優良企業に査定を行うことができます。ぜひご活用ください。

3.媒介契約を結ぶ

売却をする際は、一般的に不動産会社に仲介(売却の手助け)をしてもらい進めていきます。
その際に不動産会社と結ぶのが、媒介契約です。

媒介契約は大きく分けて、複数社と契約する一般媒介契約と、1社のみと契約する専任媒介契約専属専任媒介契約があります。
1社に絞る『専任』の契約は不動産会社からのバックアップが手厚くなりやすい傾向にありますが、専属専任媒介契約になると自分で買主を発見することができないなどデメリットもあります。

4.売却活動を開始する

査定価格を参考に売り出し価格を決定し、実際に売却活動を開始します。
ここでは主に不動産会社が買主の募集を行うので、目立って忙しくなることはありませんが、購入希望者が現れた場合は現地見学の対応が必要になります。

5.売買条件の交渉

不動産の売買では、値段交渉が行われることが多々あります。
事前に値段交渉があることを考慮して、売り出し価格を高く設定するという戦略も考えられますが、その分買い手が見つかるのが遅くなる場合もあります。
売却相場に見合った範囲にしましょう。

6.売買契約を結ぶ

交渉が無事終了したら売買契約を結びます。
この時点で、買主から手付金が支払われます。

7.土地の引き渡し

買主からの残金の決済が完了したら、土地の引き渡しを行います。代金決済日は法務局で登記変更を行います。

土地の譲渡にかかる税金

1.譲渡所得税

譲渡所得税とは、土地を売却した際に発生した利益(譲渡所得)に対して課せられる税金です。
その内訳は住民税所得税(2037年まで復興特別所得税が含まれる)であり、税率が非常に高くなります。

譲渡所得税の税率は、物件の所有期間により異なります。(2章で詳しく解説)

支払いのタイミング

まずは所得税を、土地を売却した次の年に行う確定申告のタイミングで支払います。(売却翌年の2月15日~3月16日。休日などの関係で誤差あり。)
住民税は確定申告後、6月ごろから4期にわたって支払いの通知がきます。一括で納税してしまうことも可能です。

>土地売却後の確定申告に関する詳細はこちら

2.印紙税

契約書の作成に対しかかる税金です。
収入印紙を購入し契約書に張り付けることで納税をしたことになります。

国税庁公式ホームページの「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」によると、
印紙税の額は、契約書に書かれている正式な売却金額をもとに決定します。
安くて200円から。土地の売却金額が1億円超えても6万円程度です。

支払いのタイミング

売買契約書を作成する際に発生します。
厳密には収入印紙を購入する際に支払いが発生します。
収入印紙は郵便局で購入することができるので、購入の前にいくらの印紙税を買うべきか不動産会社に聞いておきましょう。

譲渡所得税の詳しい計算方法

先ほど記述したように、譲渡所得税は利益によって決まります。
その利益のことを譲渡所得といい、以下のように計算します。

譲渡所得=土地の売却金額ー土地の購入にかかった金額(取得費)ー売却にかかった経費
土地の購入にかかった金額は、土地の購入費と購入のために使った経費で、これを取得費といいます。
この金額がわかる書類が残されていればいいのですが、もし紛失してしまった場合は概算法を利用します。
概算法は、売却金額の5%を取得費として計算する方法で、もし書類で証明できる金額よりも概算法で計算した金額の方が高い場合もこの方法を利用することができます。
譲渡所得に税率をかけると譲渡所得税額を算出することができます。

税率が所有期間により変動する

譲渡所得税の税率は土地の所有期間により変動するので気をつけましょう。
所有期間5年を境に短期譲渡所得、長期譲渡所得と名称と税率が異なります。所有期間は、土地を売却した年の1月1日時点で判断します。

所有期間名称税率(所得税には復興特別税を含む)
5年以下短期譲渡所得39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
5年超え長期譲渡所得20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

例えば所有期間20年、譲渡所得1,000万円の土地の場合は以下のような計算となります。

1,000万円×20.315%(長期譲渡所得)=203万1,500円

譲渡所得税の計算方法

3つのステップに分けて実際に計算していきましょう。

step1:計算に必要な金額を確認する

計算するために必要な各種の金額を確認しましょう。

  • 譲渡金額(売買契約書に記載されている)
  • 取得費(取得費を証明する書類がなければ概算法)
  • 譲渡に際しかかった金額(交通費や仲介手数料などの経費)
  • 所有期間(相続している場合は親の所有期間を含める)

今回すぐに確認できない場合は、覚えている限りのおおよその数字と概算法で進めていきましょう。

ここでは、譲渡金額4,000万円取得費2,500万円譲渡にかかった経費300万円。所有期間15年の土地でシミュレーションしていきます。

step2:譲渡所得を計算する

まずは譲渡所得(利益)を求めます。

譲渡所得=譲渡金額取得費譲渡に際しかかった金額
譲渡所得=4,000万円2,500万円300万円=1,200万円

step3:譲渡所得税額を計算する

ここでは所有期間を15年としているので、長期譲渡所得(20.315%)で計算します。
また、土地のみなので先ほど紹介した「所有期間10年越え軽減税率」は適用できないものとして計算してみます。

土地を譲渡する際の注意点

著しく安い価格で譲渡すると『みなし贈与』になる

売却においても贈与においてもより安い値段で取引したほうが税金の負担は安くて済みます。
そこで、土地を著しく安い値段で売却しようとする方がしばしばいらっしゃいますが、こうした取引はみなし贈与とされて贈与税が課せられる恐れがあります。

みなし贈与とされる例

息子に贈与税の負担をさせたくないAさんが、実際の価値2,000万円の土地を、値引きという名目で100万円で売却したとします。
この場合、息子さんに贈与税の負担はありませんし、Aさんもほとんど税金がかかりません。

上記のような取引の場合、実際の価値よりも安すぎる価格で取引していることになるので、差額の1,900万円分を贈与したとみなされます(みなし贈与)。
結果、息子さんに1,900万円に対する贈与税が課せられるのです。

明確な基準があるわけではありませんが、判例によると時価の80%未満の売却はみなし贈与に該当する恐れがあるので、事前に税理士に相談することをおすすめします。

親族間の売買はローンが通りにくい

親族間の売買では住宅ローンの審査が通りにくくなっています。
その際は、分割払いを利用することを考えましょう。
分割払いを利用する際は、支払い方法等を売買契約書に明記する必要があります。

親子への譲渡では3,000万円特例控除が利用できない

3,000万円特例控除は「親子や夫婦などの特別な関係でない」人への譲渡での際に利用することができます。
要するに、親族間の売却では3,000万円特例控除を利用することができません。

他に、10年超所有軽減税率の特例なども利用することができません。

記事のおさらい

土地の譲渡とは?

土地の譲渡とは、一般的には所有地の権利を「有償で譲り渡す行為」を指します。例えば、土地をもっているAさんがお金と引き換えに土地の所有権をBさんに譲り渡す場合、「AさんはBさんへ土地を譲渡した」といいます。つまり、土地の「譲渡」とは「売却」することと同じなのです。この点をまずはしっかり理解しておきましょう。詳しく知りたい方は土地の譲渡とはをご覧ください。

土地を譲渡するまでの流れは?

土地を譲渡するまでの流れは以下の通りです。

  • 事前準備を始める
  • 不動産会社に査定依頼
  • 媒介契約を結ぶ
  • 売却活動を開始する
  • 売買条件の交渉
  • 売買契約を結ぶ
  • 土地の引き渡し

詳しくは土地を譲渡するまでの流れをご覧ください。

土地の譲渡にかかる税金は?

土地の譲渡にかかる税金は以下の通りです。

  • 譲渡所得税
  • 印紙税

詳しく知りたい方は土地の譲渡にかかる税金をご覧下さい。

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