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不動産売却でつなぎ融資を使いこなす|損をしないリスク回避方法

  • 更新日:2024年1月15日
不動産売却でつなぎ融資を使いこなす|損をしないリスク回避方法

自宅の住み替えの際には、いま住んでいる物件を売却し、その売却価格を購入資金に充てるというケースが多いです。しかし、場合によっては自宅の売却よりも新居の購入のほうが先になってしまい、まとまった資金が必要ということもあります。

この時の資金調達方法のひとつとして、つなぎ融資が利用されます。不動産売却時に、つなぎ融資はどのような役割を果たすのかを知り、上手に活用しましょう。

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不動産売却時のつなぎ融資とは売却完了までの期間に必要資金を借入れること

そもそもつなぎ融資とはどのようなものかですが、簡単にいえば不動産売却時に資金が必要な場合に、売却前に融資を受けて資金を調達するというものです。イメージしやすいのは住み替えの例であり、自宅の売却が住む前に新居の購入が決まった時、各種初期費用を融資によって賄うことがつなぎ融資と考えましょう。

新居の購入では手付金の支払いなどが必要であり、新居の住宅ローン融資を受けるまでの間に融資を受けることから、つなぎ融資と呼ばれています。

不動産売却でつなぎ融資を受ける条件

金融機関から融資を受けるには担保が必要であり、不動産売却時に利用するつなぎ融資では、売却に出している不動産を担保とします。実際には売却に出している不動産が売れた時の価額が担保ともいえ、売却時に得た資金でまとめて返済することがつなぎ融資の特徴です。

つまり、売却までの間に支払うのは利息分のみであり、該当不動産の売却を持って、一気に元本を支払います。ただし、融資期間を決める契約の場合は、当該期間内に売却できなかった場合、競売による売却となり、その価額を元本の返済に充てると考えましょう。

不動産を担保にする以上、抵当権が設定されており、売却できない場合は強制的に抵当権が実行されるということは、覚えておかなければなりません。

つなぎ融資を受けるまでの流れ

つなぎ融資を受けるまでの流れは、通常の融資と変わりません。該当の金融機関に融資を受けたいむねを申し出、書類の提出や審査などを行い、各種手続きが完了した後に本契約をして融資を実行します。つなぎ融資を受ける際にはいくつかの書類が必要であり、個人と法人で用意すべきものが異なります。

項目個人法人
担保物件管理書類・不動産の登記事項証明書
・公図・地積測量図・建物図面
・物件案内図(住宅地図)
・不動産売買関係書類(売買契約書・媒介契約書等)
・不動産の登記事項証明書
・公図・地積測量図・建物図面
・物件案内図(住宅地図)
・不動産売買関係書類(売買契約書・媒介契約書等)
申込関係者書類・住民票の写し[世帯全員](本籍地・マイナンバー・住民票コード省略のもの)
・写真付公的証明書(運転免許証、パスポート等)
・法人の登記事項証明書、代表者の住民票の写し(本籍地・マイナンバー・住民票コード省略のもの)
・代表者の写真付公的証明書(運転免許証、パスポート等)
収入関係書類・源泉徴収票
・確定申告書類(直近年度分)
・決算書
・確定申告書類(直近年度分)

詳細な必要書類は担保とする不動産や金融機関によって異なることもあるため、その時々で確認しておくことが大切です。

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不動産売却でつなぎ融資を受けるメリット

そもそもなぜ不動産売却時につなぎ融資を受けるのかですが、これには3つのメリットがあります。

  • 欲しい物件の買い逃しを防ぐことができる
  • 不動産売却の期間を確保できる
  • 仮住まいの費用が節約できる

つなぎ融資を受けることで、住み替えなどがスムーズに行いやすくなることは確かです。

欲しい物件の買い逃しを防ぐことができる

もし自宅の住み替えで売り先行、つまり住んでいる住宅の売却を先に行って資金を獲得してから新居を探す場合は、タイミング次第では好条件の物件を逃す可能性があります。欲しい物件の情報が出ていても、資金ができてから契約しようとキープしていると、その間に別の人に購入されてしまうことは少なくありません。

特に好条件の物件ほどすぐに購入者が決まってしまうため、買い逃しが起きる確率も高まるでしょう。つなぎ融資を受けることで売却以前から資金を確保することができ、欲しい物件はすぐに押さえることができます。

条件に合う物件を確実に手に入れられるという点で、つなぎ融資は住み替えの成功率を高めるメリットがあるといえるでしょう。

不動産売却の期間を確保できる

つなぎ融資を受けることで新居購入についての資金を獲得でき、金銭的な余裕が生まれます。急いで売却しなければお金が足りないという事態は防げるため、余裕を持ったスケジュールで不動産売却に取り組めるでしょう。

つなぎ融資も期間設定をするものはありますが、融資なしで住み替えをするよりは先にお金をもらっている分、時間的な余裕は大きいです。

焦って売却先を探さなくてよいため、好条件で買ってくれる買主を見つけやすいのはメリットです。結果的に高値で売却でき、つなぎ融資を受けたほうが金銭的に得をするということもあるでしょう。

仮住まいの費用を節約できる

先に新居を決め、後から家を売却して住み替えをすることが、つなぎ融資の特徴です。つまり、買い先行のスタイルであり、新居を購入しているため、不動産売却ができるか否かに関係なく、住居の確保はできています。

そのため、仮住まい期間を作らずに引越しができ、この費用が節約できる点はメリットです。もし売り先行で住み替えを行った場合、売却先が決まって引き渡しまでの間に、新居を見つけることができなければ一旦仮住まいに引っ越さなければなりません。

つなぎ融資を受ける場合は性質上、住居の確保は確実にできるため、仮住まい期間を挟む心配はないでしょう。どこを仮住まいの拠点にするかによって費用は異なりますが、賃貸住宅を選んだ場合は引越し費用や敷金礼金なども含めると、1カ月で50~80万円程度かかることも少なくありません。

特に引越し費用が高く、前の家から仮住まいへの引越しと、仮住まいから新居への引越しの合計2回分も費用がかかります。これらの費用を削減できるため、つなぎ融資を受けることで数十万円単位の費用を節約できることもあります。

不動産売却でつなぎ融資を受けるデメリット

複数のメリットがあるつなぎ融資ですが、同時にデメリットもあるため注意しなければなりません。

  • 住宅ローンより金利が高く余計な費用がかかる
  • 融資期間内に売却できないと損をする
  • つなぎ融資を取り扱っている銀行が少ない

3つのデメリットも把握して、つなぎ融資がどのようなものなのか、さらに理解を深めていきましょう。

住宅ローンより金利が高く余計な費用がかかる

つなぎ融資と住宅ローンを比較すると、金利や費用面での違いが大きいです。つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高く、より費用のかかりやすい融資方法だと考えましょう。

利用する時期や金融機関によっても異なりますが、住宅ローンの金利は0.5~1.5%程度であるのに対して、つなぎ融資は3%程度かそれ上になることが普通です。

また、利用時には10万円程度の手数料がかかることも多く、金利以外の面で見ても金銭的な負担は大きいでしょう。印紙税がかかることは住宅ローンも同じですが、利用時に必要な費用という点では考慮しておかなければなりません。

融資金額印紙税
100万超500万円以下2,000円
500万超1,000万円以下10,000円
1,000万超5,000万円以下20,000円
5,000万超1億円以下60,000円

印紙税はローンの契約書に貼り付ける印紙の代金であり、融資額が高くなるほど印紙税も上がります。各種費用を考えると住宅ローンよりも数十万円近く余計な費用がかかることもあり、つなぎ融資による金銭的な負担は多くなりやすいです。

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融資期間内に売却できないと損をする

融資期間が定められていることが多いつなぎ融資では、期間内に売却できないと抵当権が実行され、安い価格で不動産を手放さなければならないこともあります。競売にかけられると、査定価格の80~90%程度で取引されることが多く、納得がいかなくてもこの価格で売却しなければなりません。

理想とする金額で売れず、元本を返済するとほとんど残らないということもあるため注意が必要です。また、抵当権を実行しても元本の返済ができない場合は、遅延損害金としてより高い年利がかけられるペナルティが発生することもあります。

遅延損害金の設定は金融機関によって異なりますが、年利20%のような大きな負担が待ち受けている可能性もあるため、リスクの高い商品であることは覚えておきましょう。

つなぎ融資を取り扱っている銀行が少ない

そもそも全ての金融機関でつなぎ融資が利用できるわけではなく、住宅ローンと比較すると利用可能先は少ないです。つなぎ融資の取り扱いがある金融機関は数が少ないため、住宅ローンのように各社で条件を比較して選ぶということが難しいです。

限られた選択肢の中から利用先を選ばなければならないため、場合によっては厳しい条件での借り入れになることもあるでしょう。

みんなの不動産売却体験談

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東京都杉並区 / 60代

査定価格3,200万円売却価格3,000万円

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査定価格5,180万円売却価格5,000万円

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大阪府大阪市中央区 / 50代

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仲介手数料に柔軟な会社がやはりよいですね。値交渉が入ったときにまとめるべく買い希望顧客との多少のギャップは相談に乗ってもらえるためで、ありがたいくらです。
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査定価格2,500万円売却価格2,490万円

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北海道札幌市北区 / 40代

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不動産売却時につなぎ融資をおススメするケース

つなぎ融資にはそれぞれメリット、デメリットが存在していますが、それに関連して向いているケース、不向いていないケースも存在します。

そこで本章では、つなぎ融資をおススメ出来るケース、そしておススメしないケースをご紹介していこうと思います。

ご自身がどちらのケースに当てはまるのか、確認してみましょう!

オススメは売れやすい不動産を持っているケース

つなぎ融資をおススメするケースは「売却しやすい不動産を持っている場合」です。

基本的に、つなぎ融資は売却する前に融資をうける仕組みである為、売却の保証やいつまでにいくらで売れる、といった確定事項はありません。

その為つなぎ融資を受ける際は、一般的に「一定期間売却できなかった場合は不動産会社に買取をしてもらう」という条件がついているケースが多いです。

買取になると、普通に売却した際の約70%の価格でしか売れない為、資金計画に大きなずれが生じてしまう可能性があります。

仲介で売却出来たかもしれない不動産が、つなぎ融資の条件である期間内に売れない事で本来より安い価格で売らなければならない、という状況が生まれてしまうのは出来るだけ避けたいです。

その為、つなぎ融資はなるべく早く売れる不動産、つまりは売れやすい不動産を持っている方にお勧めする方法であると言えます。

売れやすい不動産の特徴は以下の通り。

  1. 駅から10分以内である
  2. 築年数が10年以内である
  3. 【マンションの場合】三井不動産屋の野村不動産のマンションなど、ブランド力がある物件である

これらに当てはまる不動産をお持ちの方はつなぎ融資を活用しても問題ないでしょう。

他にも、売れやすい不動産の条件は以下の記事に詳しく載っているので、興味のある方はぜひ確認してみてください。

売却が困難な不動産は1度売り先行を考えよう

前述した通り、つなぎ融資を受ける際は、期限内に売却出来なかった場合、買取を行わなければならないケースがほとんどです。

買取になると、本来返済に充てようとして考えていた売却価格が少なくなってしまう為、結果として元本の返済が出来ない、というケースが生まれてしまう場合もあります。

前章のデメリットでもお話しした通り、つなぎ融資で受けた金額を期日までに返済できない場合、遅延損害金として多額の金利をかけられる可能性があります。

そうなると、本来支払うはずでなかった支出が生まれてしまい、損をしてしまう、という状況になってしまいます。

このようなリスクを考えると、売却が難しそうな不動産でつなぎ融資を受けようと考えている人は、いちど「売り先行」の選択肢も視野に入れてみましょう。

先に不動産を売却したうえで、その金額を踏まえて購入できる不動産を選択する、という方法のほうが金銭的な損失を伴うケースが少なくなります。

金銭的な損失のリスクが大きくても「絶対に手に入れたい不動産がある」という場合はつなぎ融資を受ける選択肢もありますが、それ以外の場合、売却が難しそうな不動産を持っている方には売り先行をオススメします。

不動産の売却が難しいかどうか、という判断が自分で難しい、という場合は不動産会社に査定を依頼してみましょう。

つなぎ融資のリスクを避ける不動産売却の4つのコツ

不動産売却時には便利なサービスであるつなぎ融資ですが、住宅ローンと比較するとリスクが高い点ために注意して利用しなければなりません。しかし、方法次第でリスクを回避することは可能であり、つなぎ融資に頼らずとも住み替えは行えます。

【一番おすすめ】一括査定サイトを利用して優良な不動産会社を探す

つなぎ融資を利用し、かつ期間内に確実に売却して好条件で手放したいなら、一括査定サイトの利用がおすすめです。一括サイトでは複数社からの査定を一度に受けることができ、より好条件を提示する不動産会社を選定できるため、売却価格も上がりやすいです。

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以下のフォームから無料で簡単に活用できるので、売却を検討している方はぜひ活用してみてください。

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売り先行で不動産売却の活動を行う

買い先行から売り先行のスタイルに切り替えることで、住み替え時につなぎ融資を使わなくても、資金の確保が可能となります。売り先行とは先に住んでいる家の売却を決め、そこから新居の契約を行う方法です。

対して買い先行は先に新居を購入し、後から売却を行うため、決済までの期間に売れなかった場合の備えとしてつなぎ融資を利用します。売り先行のスタイルなら、売却活動の性質上つなぎ融資を利用する必要がなくなり、調達資金額が明確になってから新居を探せるため、予算の管理もしやすいでしょう。

つなぎ融資以外の融資を銀行に相談する

銀行融資はつなぎ融資以外にも選択肢があるため、他の方法を用いることもおすすめです。例えば少額の融資なら金融機関に直接申し出るフリーローンが利用でき、つなぎ融資よりは金利が低いことがほとんどです。

融資額が高額になりそうなら、新居を担保にして多めに融資を受ける不動産担保ローンや住み替えローンなどもあります。金額が上がるにつれて審査のハードルも上がりますが、つなぎ融資よりは金利が安く済むため、利用できる場合はこちらのほうが金銭的な負担は少ないでしょう。

不足している資金を贈与してもらう

もしも親などから資金援助を受けられるなら、「住宅取得等資金の非課税制度」を使い、贈与によって資金を獲得するという方法もあります。通常年間110万円を超える贈与には、贈与税が発生しますが、特例を使うことで最大3,700万円までが非課税となります。

住宅取得等資金の非課税制度は、贈与を受けた金額全てを住宅の購入に充てること、そこに居住すること、贈与を受けた翌年の3月15日までに使いきることが適用条件です。ひとつでも当てはまらないと高額な贈与税がかけられてしまうため、利用時には条件を細かく確認しておかなければなりません。

不動産売却のつなぎ融資でよくあるQ&A

つなぎ融資についてさらに理解を深めるためにも、よくある疑問点を知っておくことが大切です。不動産売却時に利用するつなぎ融資では、どのようなことが疑問として上がりやすいかを、その回答も含めて知っておきましょう。

【Q1】つなぎ融資で連帯保証人は必須?

金融機関によって異なる場合もありますが、基本的にはつなぎ融資では連帯保証人は必須ではありません。本人のみで契約が可能であり、審査に通り次第で契約が可能です。

ただし、審査結果によっては連帯保証人が必要になる場合もあるため、その際には各種支払いの滞納を行っていない、信頼できる人物を連れてきましょう。

【Q2】つなぎ融資はどのタイミングで完済するか?

契約時にいつ完済するか時期を決めるため、そのタイミングでの完済を目指します。最終的な期限を決め、その時に元金を一括で返済することが、つなぎ融資の基本の返済方法だと考えましょう。

また、最終期限までは利息分のみが月々の支払いとなることが多いですが、場合によっては利息分も含めて最終期限に一括返済するというケースもあります。

つなぎ融資を使い余裕を持って不動産を売却

住宅の住み替えでは、つなぎ融資を使うことで買い先行で新居を探せます。融資で先に資金を調達し、後からゆっくり売却活動ができるため、余裕を持って住み替えを行いやすいです。さきにも説明しました通り一部注意点がありますのでそれらを考慮し、つなぎ融資を上手に活用して住み替えを成功させてください。

なお、不動産売却の成功のコツを知りたい方は、不動産売却の押えるべき基本知識。決断する際に考えるべきポイントを解説しますの記事を確認してみて下さい。

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