高級住宅の代名詞的な存在でもあるタワーマンションは、購入価格も賃貸で利用する場合の家賃も、他の住宅と比較すると高い傾向にあります。
しかし、それだけではなくマンションに必要な管理費および修繕積立費などの費用も高額になりやすいため注意が必要です。
この記事では、以下について解説しています。
- タワーマンションの管理費や修繕積立金が割高になる理由
- タワーマンションの管理費の相場
- タワーマンションの管理費について知っておくべき注意点
マンションに住むうえで欠かせない費用がどのくらいなのか、タワーマンションだと高額になりやすい理由もあわせて知っておきましょう。
また、高額なマンションの維持費に悩んでいる方は、マンションの相場が高い今のうちに売却することを検討してもいいでしょう。
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タワーマンションの管理費・修繕積立金とは?
マンションに住む際には家賃に加えて、管理費や修繕積立費の支払いが必要であり、これはタワーマンションも変わりません。
管理費と修繕積立日はそれぞれ同じと思われがちですが、これら費用は徴収された後、別々の用途で使用されるため別物となります。
管理費とは、マンションの日常的な管理のために使用され、設備の維持や備品の購入といったいわばマンション管理の雑費となることが多いです。
- 管理員・清掃員の人件費
- 事務管理費(会計処理や、フロントと呼ばれるマンション担当者の費用)
- 消防設備・エレベーター・建築物などの法定点検費
- 駐車場・宅配ロッカーなどの任意の点検費
- 植栽管理費
- 雑排水管清掃費
- 管理報酬
対して修繕積立金は、マンションが老朽化してきた際の補強工事といった、より長期的な目的に向けて文字通り積み立てられています。
修繕積立費の使い道は以下の通りです。
- 建物の劣化診断費用
- 屋上の防水工事費用
- 給排水管の工事費用
- 外壁や鉄部などの塗装費用
- 共用設備に交換費用
管理費と修繕積立金の説明はこれぐらいにして、一般的なマンションと比較してなぜタワーマンションの場合は何故費用が高くなるのかを解説します。
管理費が高くなりやすい理由としては、次の4つが挙げられます。
- 高層建築物に必要な設備があるため
- 居住者専用のサービスがあるため
- 警備などの人件費がかかるため
- 電気機器の修繕と維持が必要だから
高額な管理費には理由があり、これらがタワーマンションならではの快適さを維持しています。
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理由① 高層建築物に必要な設備の維持費
数十階建てになることも珍しくないタワーマンションは、高層建築物に該当し、低層のマンションとは違った設備が必要です。
例えば日常的に利用するもの以外に、非常用のエレベーターが必要だったり、ヘリポートの設置が必要だったりします。これの維持管理には当然費用がかかり、低層マンションにはない部分でコストがかかっているため、管理費が高くなりやすいです。
理由② 居住者専用のサービスの維持費
高級なタワーマンションは快適に暮らせるように、居住者専用のサービスが充実していることも多いです。マンションによってサービスは異なりますが、代表的なものとしては次のものが挙げられます。
- 24時間利用できるゴミ置き場
- フィットネスクラブ・ジム
- スパ・プールなど
- 居住者専用のラウンジ・プレイルーム
サービスの維持管理には費用が必要であり、これらにも管理費が充てられることも高額になりやすい理由です。
理由③ 警備などの人件費が倍以上かかる
マンションには管理人がいますが、タワーマンションは24時間常駐の管理人を雇い、警備や管理を行っていることが多いです。管理人の常駐には人件費がかかり、これも管理費から捻出しています。
また、セキュリティ面の向上で管理人以外に警備員を配置している場合は、さらに管理費が高額になりやすいでしょう。
タワーマンションではロビーにコンシェルジュを配置していることも多く、管理やサービスに携わる人が多いほど、人件費も高くなります。
人件費は通常のマンションの2倍以上かかっているとも言われています。
理由④ 電気機器(エレベーター等)の修繕や維持費が高額
通常のマンションと同じように、廊下などの共用スペースの照明や自動ドア、エレベーターなどの修繕、維持などにも管理費は充てられています。
タワーマンションの場合は階数が多いため、これらの費用だけでも通常のマンションより高額になりやすいです。
例えば廊下の電球ひとつにしても、5階建ての低層マンションと20階建てのタワーマンションでは15階分の差があり、必要な電球の数も当然タワーマンションのほうが多いです。日常的に整備が必要な範囲や使用する備品の数の多さも、タワーマンションの管理費が高い理由といえるでしょう。
管理費が更に割高になるケース
通常のマンションと比較するとタワーマンションの管理費は高額になりやすいですが、更に次のケースに当てはまると、よりコストは上がりやすいです。
- 豪華な共有スペースがある場合
- 空き戸数が多い場合
- 築年数が経過している場合
これらのケースに該当する場合は、管理費だけではなく修繕積立費も高くなりやすいです。
ケース① 豪華な共有スペースがある場合
マンション内部の共有スペースが豪華で、内装の設えにこだわっていると、維持管理のために費用が高くなりやすいです。管理費は文字通りマンションの管理のために使用されているため、維持にコストがかかりそうな設備が設置されていると、管理費は相場よりも高くなります。
また、共有スペースや内装の豪華さだけではなく、居住者用のサービスが多い場合も、管理費は高額になる傾向です。ゴージャスな空間で快適な生活ができることはタワーマンションの魅力ですが、豪華さや快適さに比例して、管理費も上昇します。
ケース② 空き戸数が多い場合
管理費は完全固定で決まっているわけではなく、居住者の数に応じて変化します。居住者が多いほど費用は下がり、少ないほど費用は上がるため、空き戸数が多いと管理費は高くなるでしょう。
これはマンション全体で必要な管理費用はある程度固定されているのに対して、金額を一律にすると住んでいる人が少ない場合に十分な費用が徴収できないからです。
人数が少ない分は、一軒当たりの徴収額を増やすことでバランスを取っているため、空き部屋が多い物件にはそれなりの管理費が徴収されます。
ケース③ 築年数が経過している場合
ある程度築年数が経過し、マンションの老朽化が進んでいるほど、管理費や修繕積立費は高くなります。老朽化が進むと改修工事が必要となることが多く、これに修繕積立費が使用されるため、費用を捻出するために増額して徴収されるケースがあります。
また、老朽化が進むと各設備の劣化も早くなり、維持にかかるコストが上がりやすいため、日常的な修繕も増えて管理費も増額する可能性が高いです。
タワーマンションは比較的新しいものが多いですが、今後築年数が増えるにつれて管理費や修繕積立費といった固定費が増額する可能性があることは理解しておきましょう。
タワーマンションの修繕費は割高なのか|修繕積立金について解説
タワーマンションと一般的なマンションの管理費相場を比較!
実際にタワーマンションではどれくらいの管理費がかかるのが普通なのか、気になる人は多いでしょう。
この章では、一般的なマンションの管理相場とタワーマンションの管理相場を比較しながら相場を解説します。
管理費に10,000円以上の開きが出るケースも
国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」を参考に、形態別のマンションの管理費の相場を以下にまとめました。
形態別 | 管理費平均相場 | タワーマンションとの差額 |
---|---|---|
単棟型 | 16213円 | 8856円 |
3階建以下 | 14965円 | 10104円 |
4~5階建 | 18177円 | 892円 |
6~10階建 | 15307円 | 9762円 |
11~19階建 | 16155円 | 8914円 |
20階建以上(タワーマンション) | 25069円 | 0円 |
20階以上の高層マンションをタワーマンションと定義すると、管理費の相場は25,069円ということになり、3階建て以下のマンションの管理費と比較すると、何と10,000円以上も開きが出ることが分かります。
管理費だけでも通常のマンション相場よりも高額になるため、タワーマンションに住むなら出費の多さは理解しておく必要があります。
タワーマンションと一般的なマンションの修繕積立金を比較!
それでは次に修繕積立費を比較していきます。
形態別 | 修繕積立費平均相場 | タワーマンションとの差額 |
---|---|---|
単棟型 | 11.875円 | 1,794円 |
3階建以下 | 10.340円 | 3,329円 |
4~5階建 | 13.631円 | 38円 |
6~10階建 | 12,078円 | 1,591円 |
11~19階建 | 10.872円 | 2,797円 |
20階建以上(タワーマンション) | 13.669円 | 0円 |
まとめ
現在の住宅からタワーマンションへの住み替えを考えているなら、今の住宅を少しでも高く売るために、不動産会社に相談することが大切です。
同じ住宅でも不動産会社によって売却価格が違ってくることも多いため、信頼できる不動産会社を見つけることが、余裕のある住み替えに繋がるでしょう。
また、資金に余裕があるなら売却せず、賃貸物件として収益化を目指すという方法もあるため、活用方法も含めて相談することがおすすめです。信頼できる不動産会社を見つけるには、一括査定サイトを利用してみましょう。
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