【専門家監修】不動産売却コラム|すまいステップ公式

住宅ローンがあるけど引っ越したい人必見!3つの売却の方法と注意点を解説

  • 更新日:2025年10月14日
畑中 学

不動産コンサルティングマスター

宅地建物取引士

マンション管理士

監修者畑中 学

所属:武蔵野不動産相談室株式会社 代表

住宅ローンがあるけど引っ越したい人必見!3つの売却の方法と注意点を解説

離婚や転勤、住み替えなどの理由で、住宅ローンが残っている状態でも引っ越しを検討するケースは少なくありません。

しかし、「残債があるまま引っ越しできるのか」「引っ越し後のローン返済はどうなるのか」といった不安を感じる方も多いでしょう。

実際には、①売却してローンを完済する、②賃貸に出して家賃収入で返済する、③住み替えローンを活用するなどの対応方法があります。

この記事では、住宅ローンを残したまま引っ越す際の選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

この記事でわかること
住宅ローンが残る家から引っ越す3つの方法(残す・賃貸・売却)
売却代金が残債を下回る場合の任意売却という選択肢
住宅ローン控除の原則と、転勤等での再適用の可能性

住宅ローン中の家を売る方法を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

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住宅ローンが残っているけど引っ越したい場合は

住宅ローンが残っている状態でも、引っ越すこと自体は可能です。ただし、引っ越す理由や置かれた状況によってとれる手段が変わります。
住宅ローンが残っている状態で引っ越しをする方法は以下の3通りです。

住宅ローンが残っている家での引越方法

  • 家を残して引っ越す
  • 賃貸にして引っ越す
  • 家を売却して引っ越す

家を残して引っ越す

住宅ローンは、引っ越し後も支払いを継続できます。
例えば、単身赴任の場合、家族が変わらず住宅として利用しているため、住宅ローンの契約が打ち切られる心配はありません。

家族全員で引っ越しし、空き家となる場合も将来住むのなら支払いを継続できたりします。金融機関によって住所変更の通知など、必要な手続きが決められているので確認してみましょう。

注意点は、新たな住宅ローンを組みにくくなることです。住宅ローンは原則1本しか組めないため、現在の住宅ローンを完済しない限り新たな住宅ローンを組めません。ただし、セカンドハウス向けなど二重借入に対応する商品もあります(詳しくは「2章 ダブルローンを組む」参照)。

賃貸にして引っ越す

住宅ローンは自己居住用であることを前提とした契約が多く、無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められるおそれがあります。転勤や親の介護などで一時的に家を離れる場合も、まず借入先の金融機関に相談し、承諾を得てください。

家を売却して引っ越す

家の売却金額で住宅ローンを完済できる場合は、売却した後に自由に引っ越しできます。家の維持費もなくなり、完済後は新たな住宅ローンも組めます。また、家を売却するには住宅ローンを完済し、金融機関が設定した抵当権を外す必要があります。

売却金額と手持ち資金の合計が住宅ローンの残額を下回ると、通常の売却は困難です。ただし、金融機関との合意による任意売却であれば、残債務を圧縮したうえで売却できる場合があります。

※参考:住宅金融支援機構「融資物件の任意売却
すまリス
ただ、住み替えローンを使えば、現在の住宅ローン残額と新居購入にかかる費用をまとめて借りられるから、売却金額で住宅ローンを完済できなくても引っ越しできるよ。
住み替えをする場合に使えるけど、借入額が大きくなるから注意!

残っている住宅ローンを完済する方法

1章では、家を残して引っ越す方法や賃貸にして引っ越す方法など、住宅ローンを完済せずに引っ越す方法も紹介しました。しかし、上記の方法では、家族が住宅として利用し続けているか、今後家に戻る前提で家を空ける必要があります。

そのため、引越しする際は、住宅ローンを完済できると自由で安全です。

以下では、引っ越し前に住宅ローンを完済する方法を解説します。

完済する方法
  • 売却したお金で一括返済する
  • ダブルローンを組む
  • 住み替えローンを組む

売却したお金で一括返済する

残っている住宅ローンを返済する方法として最も選択したいのが、所有する家を売却して一括で返済をすることです。売却益が出れば新しい家を購入する資金にも充てられます。足りない場合には貯金など自己資金から捻出して返済をすると手放せます。

自己資金で返済ができれば、新たな借入時の金利負担を抑えられます。ただし、新しい住宅ローンの審査は、職業・年収・勤続年数・借入希望額など申込者ごとの条件で判断されるため、完済実績だけで結果が決まるわけではありません。自己資金を足しても返済額が足りない場合には、親戚などにきちんと返済計画を伝えたうえで借りる方法も選択肢になります。

ダブルローンを組む

住宅ローンは居住に使用する住宅に対して特別な金利でローンを組む制度のため、基本的に一本しか組めません。ただし、セカンドハウスなどを購入する場合は、別途セカンドハウス用のローン等を契約し、ダブルローンの状態にすることも可能です。
総合的な借入額が多いため、審査は厳しい傾向にあります。

住み替えローンを組む

家を売却しても住宅ローンが返済できない場合には住み替えローンを組むことで、新しい家の住宅ローンに前の家の残ったローンを上乗せできます。ただし、前の家のローン残額によっては住み替えローンの返済額が高額になる場合もあります。

住み替えローンは返済額が高額になる傾向があり、審査も厳しくなります。前のローンの残債を別のフリーローンなどで借りて返済しようとする場合には、金利も高くなる上に、月々の負担額も高額になり、2カ所に支払う必要があります。住み替えローンが通れば新しい家に住みながら負担の抑えられた金額で返済が進められます。もし、住み替えローンが必要な状況になったら、審査を申し込んで利用できた方がお得です。

住宅ローンの残っている家を売却するときにやるべきこと

住宅ローンが残っている家を引っ越しなどを理由に売却する場合に必要なことについてここでは紹介していきます。金融機関への相談やローン残高の確認などやるべきことはしっかりとやって、売却に備えましょう。

売却前に確認する3項目
  • 金融機関への相談
  • 売り先行か買い先行かを決める
  • ローン残高の確認

金融機関への相談

住宅ローンが残っている状態で家を手放さなければならなくなった場合には、まず借り入れをした債権者である金融機関に手放す理由を説明しましょう

金融商品や利用条件などは複雑なので、担当者から状況に合わせた選択肢や返済方法の提案を受けられます。住宅ローンが残っている状態で引っ越しが必要になったら、金融機関にどのような選択肢があるのか相談してみましょう。

売り先行か買い先行かを決める

家を売却する場合には売り方として売り先行か買い先行かに大きく分けられます。売り先行は物件の売却を先行して、売却を済ませてから買いに回るパターンです。メリットとしては売却条件などをしっかり吟味して購入者を選んで高値で売れます。売却に専念するため、余裕がない状態で売却を急ぐ場合にも用います。デメリットとしては売却をはじめてすぐに購入者が見つかった場合に、次の新居が決まってなくても売買契約を結べば期日までに物件を渡す必要があります。物件の引き渡し日までに新居が決まればいいですが、決まらない場合には仮住まいの家賃が発生します。

買い先行の場合は新居を用意した上で売却を進める方法です。既に新居が決まっているので仮住まいの心配もなく、引っ越しが済んでいれば、空き家の状態で内覧ができるので、売買契約が決まりやすいメリットがあります。必要な売却金額も分かるのでいくらまで値下げ交渉ができるかも目安が決まります。一方で、買い先行のデメリットとしては売却までの期間の資金が一番のネックになります。新居の購入が決まってから、前の家が売れるまでの期間、二重ローン状態になります。

住み替えローンなどを上手く利用してローン負担が高くならないような工夫もできますが、場合によっては新しい住宅ローン審査に通らないこともありえます。また、新居が決まって売却を急ぐあまりに必要以上に値下げをしてしまうことも見受けられます。

ローンがどれくらい残っているのかを確認する

返済プランを立てるためにも金融機関に正確なローン残高を確認しておきましょう。住宅ローン控除などに使用するために毎年金融機関から残高証明書は発行されていますが、引っ越し時点でいくら残っているのか正確な数字は問い合わせをして確認しましょう。

その際に、一括返済の手数料や諸費用などについても確認をしておきましょう。ローン残高によっては手数料も大きな負担になる場合があるので注意しましょう。

住宅ローンの残っている家から引っ越すときの注意点

住宅ローンの残っている家から引っ越す場合には住宅ローンの約款や説明書をよく読み返したうえで、必要な措置をとりましょう。ここでは住宅ローンを残して家から引っ越すときの主な注意点について紹介していきます。

金融機関に相談せずに進めるのはNG

債権者である金融機関に相談せず、賃貸や売却を進めるのはやめましょう。原則として債務者である家主が住宅ローンの残った物件に居住していることが必要です。

債権者に相談をせずに引っ越しをすすめてしまうと、状況によっては一括返済を求められる可能性もあります。引っ越しが必要になった段階から状況を報告しながら選択肢を提示してもらって選択の手助けにするなど良好な関係を結ぶ方が得策です

住宅ローン控除は諦める

住宅を購入してから10年以内に引っ越しが必要になった場合、居住しなくなった年以降は原則として住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けられなくなります。住宅ローン控除は自宅として居住する物件が対象のため、賃貸物件として貸し出した場合も適用除外となります。

ただし、転勤等のやむを得ない事由・所定の手続き・再居住などの要件を満たす場合は、残存控除期間について再適用を受けられることがあります。具体的な可否は税務署等へ確認してください。

住宅ローンが残っていても状況次第で引っ越しは可能

この記事のポイント
  • まずは借入先の金融機関へ相談する
  • 残債・売却価格・自己資金・諸費用を確認する
  • 住宅ローン控除は原則と例外(転勤等の再適用)を税務署等へ確認する

住宅ローンが残っている家から引っ越しをする必要が生じた場合には、金融機関に住宅ローンの現状確認と選択肢について相談をしましょう。単身赴任の場合でも金融機関には債務者不在になる期間があることを伝えておきましょう。

引っ越しの理由や資産状況などによって最適の解決方法を選択しましょう。単身赴任であれば家を売却せずに、家族が居住することで住宅ローンの返済を続けることも可能です。引っ越しをするけど、購入した家を活用して賃貸経営をはじめる場合には、住宅ローンの借り換えが必要になります。売却して心機一転する場合には売却益でローンの返済ができるかどうかで売却方法を選択しましょう。

原則として、住宅ローンの残る家から引っ越す場合にはローンの一括返済を求められます。そのため売却して返済に充てる場合には、ローン残高よりも高く売ってくれる優良な不動産会社を見つけることが大切です。不動産会社を選ぶ際には、優良な不動産会社をおすすめしてくれる一括査定サイトを選ぶとよいでしょう。

監修畑中 学
不動産に関わる相続や債務問題のトラブルシューティングを得意とし、その真摯な取り組みがNHK、読売新聞、日本経済新聞などで紹介されている。武蔵野不動産相談室株式会社代表取締役。
【保有資格】宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者
【URL】武蔵野不動相談室株式会社
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