更新日:2020年12月25日
はじめてマンションの売却を検討する人は、「何に注意すればいいのか分からない」「失敗しないためにはどうすればいいだろう」など、漠然とした不安を抱えていると思います。
「分からないから」という理由で全て不動産会社に任せきりにしてしまうと、「売却額が希望より10%以上も下がってしまった……」という残念な結果にもなりかねません。
この記事では、マンション売却の基礎知識、マンション売却でよくある失敗と実際の体験談、その対策などを解説しています。
この記事を最後まで読んで頂ければ、安心してマンション売却に臨めるはずです。
マンション売却前に必ず確認すべきこと
まずは、マンションの売却前に必ず確認しておくべき基礎知識を3つご紹介します。
マンションの売却前には、必ず以下の3つを頭に入れておきましょう。
【マンションの売却前の確認事項】
- マンション売却の流れ
- マンション売却にかかる費用
- マンションの売却相場
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
①マンション売却の流れ
まずはマンション売却の大まかな流れを紹介します。
マンション売却は「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」の3つのステップがあり、売却完了までに3~4ヶ月間程の期間がかかるのが一般的です。
三井住友トラスト不動産のデータによれば中古マンションの売却期間の平均は、首都圏では3.7ヶ月・大阪では3.4ヶ月・中部圏では3.4ヶ月です。
フェーズ | ステップ | かかる期間 |
---|---|---|
売り出し前 | ①査定 | 1週間程度 |
②媒介契約の締結 | 2~3日 | |
売り出し中 | ③売却活動 | 1カ月~ |
④内覧対応 | 1週間~ | |
⑤売買契約の締結 | 1週間程度 | |
売り出し後 | ⑥引渡し | 2週間~ |
マンションを売却する際の大まかな流れは上記のようになっています。
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②マンション売却にかかる費用
次に、マンション売却にかかるお金について確認しておきましょう。
マンションを売却するときには、様々な費用や税金が発生します。
一般的にマンション売却額の5~7%の費用がかかります。売却費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | (売却額×3%)+ 6万円 + 消費税 |
抵当権抹消費用 | 司法書士へ依頼するとして5,000~2万円程 |
印紙税 | 司法書士へ依頼するとして5,000~2万円程 |
譲渡所得税 | 売却した年の1月1日での保有期間によって異なる 保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63% 保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315% |
マンションの売却には様々な費用がかかりますが、今回は特に重要な費用と税金を中心に紹介します。
仲介手数料
不動産会社に物件の販売活動を行ってもらい無事に成約した場合に、仲介業務の報酬として支払われるのが仲介手数料です。
仲介手数料の上限は「宅地建物取引業法」によって定められており、売買価格の大きさによって以下の通り変わってきます。
売買価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の場合 | (売却価格×5%+6万円)+消費税10% |
200万円を超え400万円以下の場合 | (売却価格×4%+6万円)+消費税10% |
400万円を超える場合 | (売却価格×3%+6万円)+消費税10% |
例えば、マンションの売却価格が5000万円だった場合の仲介手数料は以下の様に計算となります。
(5000万円×3%(税率)+6万円)+9.6万円(消費税)=171.6万円
抵当権抹消費用
抵当権抹消費用とは、ローンを完済した際に抵当権を抹消するためにかかる費用です。
抵当権とは、住宅ローンを組む際に金融機関が購入するマンションを担保にする権利を指します。
住宅ローンでマンションを購入している場合、抵当権が残ったままでは売却できないため、住宅ローンの残債を清算し抵当権を抹消する必要があります。
抵当権の抹消は一般的には司法書士に依頼することが多く、だいたい2万円程の費用がかかります。
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印紙税
印紙税とは、経済的取引などに関連して作成される文章に課税される税金のことで、売買契約書に収入印紙を貼る必要があります。
マンションを売った場合に作成される不動産売買契約書には、売買代金に応じた印紙税を納付しなければいけません。
この印紙税の税額は、売買契約書に記載されていた売買価格によって以下のように異なります。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
100万円を超え 500万円以下 | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 5千円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 6万円 |
例えば、売買契約書に記載の売買価格が4,000万円であれば、貼り付ける印紙は1万円です。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、マンションの売却益に課せられる所得税・住民税・復興特別所得税の総称です。
これらの税金は、マンションの売却金額から、マンションの購入時にかかった金額と売却時諸費用を差し引いて利益が出た場合にのみ支払いが必要な税金です。
また、物件の所有期間が5年を超えているか否かで、譲渡所得税の税率は大きく変わってきます。なお、譲渡所得が出ていなければ税額は0円です。
項目 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年より短い場合 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超の場合 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
以上がマンション売却時に発生する費用・税金となります。
他にも場合によって必要な費用があるので詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンションを売却すると様々な税金がかかります。マンション売却に税金がいくらかかるか知っておかないと、資金計画を立てることはできません。そこで今回は、マンション売却の際にかかる税金とその節税方法を詳しく解説していきます。な[…]
売却費用を抑えるための節税対策
マンションを売却すると譲渡所得税など税金の支払いが義務付けられていますが、それらの費用を抑える制度があります。
これらの制度を知らないと無駄な費用を払わなければなりません。
代表的な制度としては以下の3つがあります。
税金を控除する特例 | 内容 |
---|---|
3000万円の特別控除 | 譲渡所得から最大3000万円まで差し引くことができる特例 |
所有期間10年超えの軽減税率 | 所有期間が10年を超える不動産を売却する際、譲渡所得税の税率を14.21%まで下げる特例(譲渡所得の内6000万円以下の部分についてのみ) |
特定居住用財産の買換え特例 | 家の売却後に新たな家を購入する場合、売却で発生した譲渡所得税の支払いを次回の買い替えまで持ち越せる特例 |
税金控除の特例については、以下の記事で詳しく解説しています。
「不動産売却時に支払う税金を安く抑えたい!」「税金対策のためにどんな手続きが必要なの?」不動産を売却して得た譲渡所得に対して税金がかかりますが、税金の控除特例を利用すれば税金を安く抑えることができます。しかし、どんな特例[…]
③マンションの売却相場
マンションの売却の流れ・費用を把握したあとは、ご自身のマンションの売却相場を確認しておきましょう。
「売却後に改めて相場を調べてみたら、売却額が相場よりもずっと安かった……」ということは、珍しくない失敗です。
地域別のマンションの売却相場
一つ目の相場情報として、日本全国の主要都市に所在するマンションの取引実績(2020年)から、地域別のマンション売却相場を見ていきましょう。
エリア | 平均売却額 | 平均築年数 | 平米単価 |
---|---|---|---|
北海道 | 1,507万円 | 27年 | 22.2万円 |
東京 | 3,696万円 | 19年 | 80.6万円 |
神奈川 | 2,624万円 | 23年 | 46.0万円 |
千葉 | 2.002万円 | 26年 | 29.3万円 |
埼玉 | 2,125万円 | 23年 | 34.9万円 |
愛知 | 2,029万円 | 22年 | 29.9万円 |
大阪 | 2,276万円 | 23年 | 38.3万円 |
広島 | 2,028万円 | 20年 | 30.2万円 |
福岡 | 1,629万円 | 23年 | 28.8万円 |
※本データは国土交通省「不動産売却取引価格情報」の2020年第1四半期〜2020年第2四半期のデータを基にしています。
東京がズバ抜けて相場が高く、首都圏、地方主要都市……という順に売却の相場は安くなっているのが分かります。
また、平均の築年数は、どの地域もおよそ築20年前後です。
築年数ごとのマンション売却相場
次に、築年数ごとにマンションの売却相場がどのように変動するかを見ていきましょう。
※築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年|東日本不動産流通機構)を基に編集部が独自作成
上記の表は、築5年以内の「築浅マンション」の売却価格を100とした場合の築年数ごとの成約価格の変化をグラフにしたものです。
一般的に、築年数が20年を超えた段階で築浅時の価格の半分程度の価格になるということが分かります。
マンションを売却するのであれば、築年数は浅いうちのほうが高く売れます。
特に10年以内であれば購入時の1割引程度が相場になっており、損害が少ないです。
自分のマンションの売却相場を調べる方法
上記の相場情報や不動産会社から提示額に併せて、自分でもマンションの売却相場を事前に調べておきましょう。
ご自身のマンションと条件の近いマンションの成約事例を探すのがポイントです。
以下では、マンションの売却相場の調べ方を2つご紹介します。
「レインズ・マーケット・インフォメーション」で相場を調べる
相場を調べるのに便利なサイトの一つに、公益財団法人東日本流通機構が運営するReins Market Informationがあります。
このサイトでは実際に売れた価格(成約価格)を調べることができるため、あなたのマンションが実際に売れる価格に近い金額が分かります。
使い方も以下3ステップでとても簡単です。
- Reins Market Informationにアクセス
- 「マンション」から都道府県・地域を指定して検索
- 自分のマンションと近しい条件で絞り込み
「マンションマーケット」で相場を調べる
マンションマーケットは、日本全国のマンションの相場情報を掲載しており、マンション名を入力することで「過去の事例」「マンションの資産評価」などを調べることができます。
また、現在売却活動中のマンションは「現在販売中の中古物件」として表示されるというシステムがあるので、ご自身のマンションの売り出し価格の参考にすることができます。
なお、マンションマーケットで確認できるのは「成約価格」ではなく、「売り出し価格(売り主の売却希望額)」となっています。
成約価格は売り出し価格よりも安くなることも多いので、注意しましょう。
更に詳しくマンションの相場について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
マンション売却を検討し、不動産会社へ相談する前に自宅の相場価格を知っておきたい人は少なくありません。マンション売却にあたって、不動産会社に相談する前に、自分で相場価格を把握することは今後の売却を成功させる上で重要です。一般的[…]
マンション売却は成功より失敗が多い
ここまでで、マンション売却の基礎的な知識をご紹介してきました。
この記事を読んでいただいている方の中には、「これ以上の知識はなくてもマンションは売れそう」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、ぜひ基礎知識だけでなく失敗談やその対策などについても事前に知っておいてください。
なぜなら、初めてのマンション売却では失敗がつきものだからです。
自宅を売却した人295人に「自宅の売却価格に満足していますか?」というアンケート調査を行った結果、39%の人は売却に満足していないと回答しています。
満足していると回答した人が37.6%なので、マンションの売却は成功している人よりも失敗している人のほうが多いということが分かります。
参照元:アットホーム調べ「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」
ただ、高いをお金を出して購入した自宅マンションの売却では「失敗したくない!」というのが本音だと思います。
以下では、マンション売却の流れに沿いながら「マンション売却でよくある失敗」「実際にマンション売却をした人の失敗体験談」を確認していきましょう。
基礎知識に加えて発展的な知識を学んでおくことが、マンション売却の成功の第一歩です。
マンション売却のよくある失敗5選
マンションの売却を成功させるための重要なポイントの一つとして、「事前によくある失敗を見ておく」ということが挙げられます。
マンションを売却で「失敗した」と感じておられる方にはいくつかのパターンがあるので、そのパターンと対策を学ぶことで同じ轍を踏むことなくマンション売却を行えます。
この章では、マンション売却のよくある失敗を5個ご紹介します。
失敗①査定を一社にしか依頼せず失敗
マンション売却を売却する時、一番はじめに不動産会社に査定の依頼をする必要があります。
この時、必ず複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。
不動産会社の提示する査定額は「不動産の価値そのもの」ではなく、「その不動産会社で売却活動をした時に3ヶ月以内に売れそうな価格」です。
そのため、不動産会社の状況や特徴によって査定額は数百万単位で変わります。
また、一口に不動産会社といっても、「マンションに強い」「〇〇(地域名)の物件に強い」など、不動産会社ごとに様々な特徴があるので、ご自身のマンションを最も高く売ってくれそうな不動産会社を選びましょう。
「何社も査定依頼をするのはめんどくさい……」という方は、すまいステップなどの不動産一括査定サイトの利用などを検討してみて下さい。
「累計100件以上の不動産売買仲介の実績あり」「市場相場よりも高値での不動産売却の実績あり」などの条件を満たした優良不動産会社のみを厳選してご紹介することができます。
マンションの売却価格を知るためには、何らかの方法で「査定」を行う必要があります。とはいえ、はじめてのマンションの査定を受ける方は、様々な不安を抱いているかと思います。「マンションの査定ってどこまで見られるんだろう……」「今す[…]
失敗②査定額だけで不動産会社を選んで失敗
複数の不動産会社に査定依頼をして、一番査定額が高い企業と契約をする際は注意が必要です。
意図的に高い査定額を伝え、仲介の機会を得ようとする不動産会社もいるからです。
これは「高預かり」とよばれる不動産会社の営業手法です。高預かりは、売り主からすれば資金計画が狂ってしまう可能性の高い避けるべき事態です。
物件と価格が見合っていなければマンションは思うように売れず、最終的には相場より低い価格でしか売れない状態になりかねないからです。
このような失敗を避けるには、不動産会社に対して査定額の根拠を聞くことが大切です。
まず前提として、査定額とは「この金額で売れる」と決まった価格ではありません。
相場よりも高く売れる自信のある企業であれば、過去の売却事例など必ず根拠があります。その根拠の説得感があるか否かで契約する会社を見極めましょう。
根拠を答えられなかったり、曖昧な理由しか教えてもらえないのであれば、その不動産会社に依頼するのは避けたほうが良いです。
「囲い込み」にも注意しよう
「囲い込み」とは、不動産会社がその物件を囲い込んで両手仲介を狙う行為のことです。
不動産会社にとっては両手仲介をすることで売主と買主の両方から仲介手数料をもらえるメリットがあります。
しかし、売主にとっては他社から購入依頼があっても依頼を断わることになるので、マンションをいい条件で売りづらくなります。
この失敗を避けるために、媒介契約前には囲い込みをしていないか口頭で確認しておきましょう。
あるいは、不動産会社と媒介契約を結ぶ際に「レインズに物件情報を掲載したら確認させてほしい」「囲い込みをされることに不安がある」などと事前に伝えておくのもよいでしょう。
騙されないようにしようとする姿勢を示すだけでも、囲い込みをされるリスクはぐっと減ります。
また、心配な方は媒介契約書内に囲い込みをしないように一文追記してもらうのも1つの手です。
特に大手の不動産会社ほど囲い込みをしやすいので、注意しておきましょう。
転勤や転職など、生活環境の変化によってマンションを手放さなければならないこともあります。しかし、売却の必要性があるからといって、すぐに売れるとは限らず、なかなか売れずに困っている人も多いのが実態です。マンションは売れないケー[…]
不動産会社は担当者の力量で選ぶ
不動産会社を選ぶときは、ネームバリューや査定額だけでなく、担当者の力量も加味して判断を下しましょう。
むしろ、他のどの要素よりも担当者の力量が重要だと言っても過言ではないです。
マンションの売却価格は担当者の技術で全く異なってくる上、担当者とは頻繁に連絡を取り合うので、合わない担当者だと売却活動自体が苦痛になりかねません。
担当者選びは妥協せずにしっかり行いましょう。
正しい担当者選びの基準として、レスポンスが早く、自分と相性が合う人であることはもちろん、不動産取引のスキルや提案のレベルが高いかどうかも見ておきましょう。
スキルやレベルを見極めるには、担当者に質問する内容を用意しておくことです。例として担当者の力量を見きわめる効果的な質問を記載します。
- 「どういったときに価格を下げますか?」
- 「購入されるターゲットはどのような人ですか?」
- 「広告活動はどの程度やってくれますか?」
どれもマンションを売却する上で重要なことばかりですので、上記の①~③の質問に曖昧に答えるような担当者や不動産会社はおすすめできません。
しっかりと納得のできる答えを持っている担当者を選ぶようにしましょう。
家の売却を思い立った際に「どの不動産会社に依頼すればいいんだろう?」「大手と地域密着型の不動産会社どっちがいいんだろう?」「悪徳不動産会社に依頼してしまったらどうしよう・・・」家を売却する際に最も重要なのが「不動産会社選び」[…]
失敗③売出し価格を高くしすぎて失敗
マンションを高く売りたいあまり、相場より売り出し価格を高く設定して売れ残ってしまうのはよくある失敗です。
中古マンションの買い手は販売価格をフィルターにかけて物件を探してるため、価格が高いと問い合わせすらないリスクがあります。
一方で売り手としては「できるだけ高く売りたい」というのが本音でしょう。
そんな時は、査定額から1割程度高い金額が売り出し価格の許容範囲と覚えておきましょう。
なぜなら、東日本不動産流通機構の調査によれば、売り出し価格より成約価格が1割低いと分かっているからです。
中古マンションの売買時は「値引き交渉」に発展することが多く買い手も値下げ前提で問い合わせをしてきます。
高すぎる価格設定で問い合わせが来ないのは避ける、且つ「想定外に低い価格になってしまった」とならないよう、売り出し価格は査定額の1割程度で考えておきましょう。
大幅な値下げを避けるにはどうすべきか
実際にマンションを売りに出すとき、大幅な値下げによって売り出し価格とかけ離れた成約価格にしないためには、不動産会社に「売却価格の最低ライン」をしっかり伝えることが大切です。
売却価格の下限の認識が売り主と不動産会社で異なっていると、想定外の値下げ交渉などを受ける可能性があります。
実際に不動産会社に売却価格の最低ラインを伝えるときは、「①売ることのできる価格」「②売れる価格」「③売りたい価格」の3つの価格と、それぞれの価格をいつまで提示するのかも話し合うのをおすすめします。
- 売ることのできる価格(ここまで下げらればすぐに買い手がつく、という価格。売却価格の最低ライン)
- 売れる価格(相場の売却価格)
- 売りたい価格(査定額や相場価格をもとに、売り主が希望する売却価格)
売却希望の期限内で、これらの価格を提示する期間を決めます。
例えば、③で売り出して2ヶ月買い手がつかなければ②に、②で売りに出して3ヶ月買い手がつかなければ①まで値下げする……という具合にスケジュールを立てましょう。
前もって売却のスケジュールを立てておくことでマンションの売れ残りの可能性・極端な値下げの可能性が下がり、後悔の生まれにくいマンション売却に繋がります。
「不動産売却の流れはどんな感じなんだろう」「不動産売却の流れを知って不動産売却を成功させたい!」不動産売却がはじめての場合、何から調べたらいいか分からないと感じたり、なんとなく難しそうに感じたりするかもしれません。私も不動産[…]
失敗④内覧の準備を怠って失敗
購入検討者が希望すれば、マンションの状態を実際に見て購入判断をするために内覧が行われます。
内覧時の印象は購入の意思決定を大きく左右するので、内覧対応はとても大切です。
具体的には以下のようなことに気をつけて、できるだけ物件に良い印象を持ってもらえるようにしましょう。
【内覧時に行うべきこと】
- 家を清掃する(可能であればハウスクリーニングを行う)
- 玄関・バルコニー・水回りは特に力を入れて清掃する
- 物は必要最低限まで減らして部屋を広く見せる
- 窓を開けて風通しを良くする
- 家中の電気をつけて明るい印象を与える
- 内覧者に「居住者として良いと感じる点」を伝える
物件に好印象を持ってもらうことで、値下げ交渉を受けることなく売却できる可能性が高まります。
マンションを売却する際には、購入希望者が物件を見学する内覧を行います。内覧での印象は購入意欲に直結しやすいため、少しでも好印象を与えられるように工夫しなければなりません。ただ内覧に立ち会うだけではなく、ポイントを押さえて準備すること[…]
空室内覧の際は不動産会社に必ず立ち会いを頼もう
なお、すでに売却するマンションから別の家に引っ越している場合、空室での内覧が行われることになります。
一般的に、マンションは空室状態の方が購入希望がつきやすいですが、高く売りたいのであれば、空室での内覧の際には不動産会社の担当者の立ち会いをお願いしましょう。
空室での内覧の場合、購入希望者が物件の鍵を受け取って、勝手に内覧してもらうという方法を取ることが多くあります。
しかし、それでは物件の魅力などを購入者に十分伝えきれないので、最高額での売却は難しいかもしれません。
「空室での内覧の際にも立ち会いをお願いします」と事前に不動産会社に伝えておくのをおすすめします。
失敗⑤売却後の流れを把握しておらず失敗
やっとのことでマンションに買い手がつき、引き渡しも完了して「マンションの売却活動終了!」と気を抜いてしまう方は多いです。
しかし、実際にはマンションの売却が完了した後も管理組合への連絡や、確定申告などのタスクが残っています。
マンション売却という大きなイベントが終了した後はつい後の手続きを忘れがちなので、マンションの売出し中から「引き渡し後にやるべきこと」はしっかり確認すべきです。
特にマンションの場合は「管理組合への連絡」という独自の手続きが必要なので、頭に入れておきましょう。
なお、確定申告については以下の記事で詳しく解説しています。
不動産を売却して譲渡益への税金は確定申告により納めなければいけません。しかし、確定申告の経験がない人にとっては「どんな書類が必要か」「申告手続きはどうするのか」など分からない方が多いのではないでしょうか。リナビス[…]
マンション売却時の失敗への対策まとめ
この章でご紹介した「マンション売却のよくある失敗への対策」を以下にまとめました。
- 査定は必ず複数社に依頼する!
- 不動産会社は査定額や会社規模でなく担当者で選ぶ!
- 売り出し価格は高くても査定額の+10%程度に留める
- 内覧の前に入念な準備を行う
- マンションの売却後には管理組合への連絡と確定申告を忘れない!
マンションの売却時には、上記の5つのことに注意して、同じ失敗をしないようにしましょう。
マンション売却の失敗体験談
最後に、実際に「マンションの売却に失敗してしまった…」と感じておられる方のマンション売却体験記をご紹介します。
ハズレ不動産会社で大失敗。
愛知県 40代 / 男性 売却価格:12,000万円 売却までの期間:4ヶ月
初めての不動産の売却で、何も下調べせずに家の近くの不動産会社に頼んでしまいました。
担当者も信用できないような人で、説明も分かりずらく、不安でした。周囲の事例や地価をベースに、相場をもとに詳しく説明いただけましたが、担当者に信用が出来ずそれが本当なのか疑わしく、最終的に相場よりも安く売れてしまいとても残念な結果でした。
ネット等で徹底的に下調べして、勉強してから臨んで下さい。
引用:おうちの語り部
大手かどうかよりも担当者の力量で全ては決まります!
神奈川県 30代 / 女性 売却価格:2,850万円 売却までの期間:7ヶ月
担当者から内覧後のお客様の反応の連絡が来なかったり、最後の方は他社のお客様の内覧の時には同席して頂けませんでした。
最後の1ヶ月で担当者をベテランの方に変更していただきましたが、全然対応が違ったので初めからその方だったら良かったなと思いました。同じ時期に同じマンションを友人も売却していましたが売却金額が500万ほど違ったのでとても苦しかったです。担当者によりかなり結果が変わると思います。
売却を依頼する不動産会社を選ぶときは担当者との相性がとても大切だと思います。常に連絡を取り合うのでストレスを感じる相手だととても大変です。
引用:おうちの語り部
不動産会社選びは慎重に。途中で変更するのもありだと思います。
埼玉県 50代 / 女性 売却価格:2,380万円 売却までの期間:10ヶ月
ネットでは反応があると言いつつも全く内覧まで至らず、不信感が募りました。
売却には思っていたよりも時間が掛かりました。全く内覧も無かっため、途中一度媒介契約を継続せず、引っ越し自体どうするかも考え直しました。
よく囲い込みと言う言葉が話題になりますが、そういうことだったのかもと思いました。
初めてのことばかりなので、やはり不動産会社のいいなりになってしまいます。
引用:おうちの語り部
まとめ
マンションの売却は非常に大きなライフイベントです。
高いお金を出して購入したマンションの売却を成功させたいのは誰しも同じでしょう。
この記事でご紹介したよくある失敗と対策を参考にして、ぜひご自身のマンション売却を成功に導いてください。
なお、マンション売却の成功に一番大事なのは、信頼できる不動産会社を選ぶことです。
「どの不動産会社に依頼していいか分からない……」という方は、一度すまいステップの利用を検討してみてください。
すまいステップなら、「累計100件以上の不動産売買仲介の実績あり」「市場相場よりも高値での不動産売却の実績あり」などの条件を満たした優良不動産会社のみを厳選してご紹介することができます。