「マンション売却したら、購入した時より大幅に価格が下がっている!」と思うと、不安になりますよね。
マンションに限らず不動産の売却では、買った時より売った時のほうが値下がりして損することも少なくありません。
国土交通省の調査によれば、マンション売却による損失は平均約511万円にも及びます。
この記事では、マンション売却時の損失を抑える方法や大損しないためのポイントを詳しく解説します。
マンション売却を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
マンション売却で損をするのはよくあること?
実は、マンション売却で損をしてしまうのはよくあることなんです。
この グラフは、マンションの購入価格と売却価格の差分を表したものです。
<a href=”https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf” target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査」(pdf)</a>を参考にすまいステップ編集部が作成
この表をみると、700万円の損失が平均的な値あることがわかります。
買った時より1,000万も安くなる!ってこともよくあるみたいだね…!マンションの売却損はどのような状態か?
マンションの売却損とは、購入した時より売却した時のほうが安い状態を指します。
「新品より中古のほうが安くなることは当然、当たり前のことでは」とご指摘がありそうですが、実はもう少しだけ深掘りした計算が必要です。
その深掘りした内容とは、マンションの売却損益を検討するために必要な事項である「減価償却費」です。
減価償却費とは:建物が経年劣化により減少した資産価値のことで、築年数が経過するごとに減少します。減価償却を踏まえてマンションの損益を算出するためには以下の計算式を用います。
売却損益=売却価格-(購入価格-減価償却費)購入価格から売却時点の減価償却費を減額することで、売却時点のマンションの価値と売却金額を比較し、損益を計算します。
その計算により発生した損失がマンションの売却損です。
売却損が出た場合は税金が発生しない
マンションの売却損が出た場合には、契約時に必要になった印紙税以外の税金が発生しません。
マンションの損益を計算した場合に、利益が出ることもあります。
その利益を譲渡所得と呼び、給与所得と同様の「所得」としてみなされます。
そして、この所得は自ら確定申告して、税金を納税する必要があります。
売却益を得たら確定申告で税金を納める必要があるよ!売却損が出ると税金を軽減できる
売却損が出ると所得税や住民税を最大3年間軽減できる措置があります。
「譲渡損失の繰越控除」という制度です。
譲渡損失の繰越控除:損失した分をその年のほかの所得から3年間にわたって差し引ける特例マンションを売却して損失が発生した場合、その年の他の所得と合算して所得税や住民税を抑えることが可能です。
そして、合算して控除しきれなかった分の損失は、翌年以降、損失がその他の所得と相殺してゼロになるまで最大3年間に渡って控除できます。
そのため、マンション売却により大損してしまっても、所得税や住民税を控除することが可能です。
売却損の場合は確定申告は原則不要だけど、特例を利用するためには確定申告が必要だよ!売却損が出た時に使える特例3つ
売却損が発生した場合に使える特例として、以下の3点があります。
売却損が出た時に使える特例3つ- 3,000万円の特別控除
- 軽減税率
- 居住用財産の買換え特例
これらの特例は売却損だけではなく、譲渡所得が発生した場合に利用できる特例や控除、軽減税率なので、マンション売却や不動産売却に備えて覚えておきたい内容です。
具体的にどのようなものか解説します。
3,000万円の特別控除
3,000万円の特別控除とは、譲渡所得に対して3,000万円までが課税対象から控除される制度です。
先ほど解説した例では、取得費が分からない場合でも3,000万円の控除により譲渡所得が0円になるので、518万円もの税金を支払う必要がなくなります。
この制度を利用するためには以下の条件があります。
3,000万円の特別控除の条件- 居住用財産(マイホーム)を売却すること
- 売主と買主が親子や夫婦ではないこと
- 特例を受けることだけを目的として購入したマンションではないこと
- 別荘や倉庫、保養などのために一時的に利用される物件ではないこと
- 売った年の前年、及び前々年に3,000万円の特別控除など、他の特例を受けていない
- 住まなくなった日から3年目の年末までに売却する
3,000万円の特別控除は以下の控除と併用ができないことも覚えておきましょう。
- 住宅ローン控除(3,000万円控除を利用した前後2年間)
- 買換え特例
- 譲渡損失の損益通算
なお、「10年超所有の軽減税率の特例」は併用できます。
利用できれば大きな節税につながるけど条件があることを理解しておこう!10年超軽減税率の特例
10年超所有軽減税率の特例とは、10年以上居住していたマイホームを売却した際に、長期譲渡所得より低い税率で売却できる軽減税率です。
10年超軽減税率の特例の条件- 売却した年の1月1日現在でマイホームの所有期間が10年以上
- 親子や配偶者など特別な関係者への売却ではない
- 住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却する
- 3,000万円の特別控除以外の特例を使っていない
- 過去3年間に軽減税率の特例を使っていない
これらの条件を満たすと、譲渡所得が6,000万円までの部分について住民税を含めた税率が14.21%まで下がります。
税理の差額は6.105%なので、控除を含めた計算の結果1,000万円の譲渡所得が発生したのならば、60万円強の譲渡所得を節税できます。
特例を利用する際の注意点として、その他の控除制度や特例などの利用時と比較し、どちらが有利なのか確認することが重要です。
内容を把握してしっかりとシミュレーションしましょう。
特定の居住用財産の買換え特例
居住用財産の買換え特例とは、居住用財産を買換えた際の売却した不動産の譲渡所得税の納付を、新居を売却するタイミングまで繰り延べられる特例です。
この特例は売却する家と購入する家にそれぞれ条件が設定されています。
売却する家は以下の条件を満たす必要があります。
特定の居住用財産の買換え特例の条件(売却時)- 自分自身が住んでいたマイホーム
- 居住しなくなってから3年以内に売却
- 国内にある
- 直近2年間に他の控除制度を利用していない
- 売却代金が1億円以内
- 10年以上居住
- 買主が配偶者や親族ではないこと
購入する家は以下の条件を満たす必要があります。
特定の居住用財産の買換え特例の条件(購入時)- 国内にある
- 延床面積が50㎡以上
- 売却の前年から翌年までの3年間で買い替えしている
- 新耐震基準を満たしている
- 耐火建築物の中古マンションならば取得日から25年以内に建築されている
これらの条件を満たすことで居住用財産の買換え特例を利用できます。
みんなの不動産売却体験談福島県福島市 / 50代
査定価格1,400万円売却価格1,400万円
不動産会社の決め手現実的な価格設定と、諸費用の具体的な説明。 たぶん、だろう、な不動産屋は全くアテにならない。 査定は複数取ったが、最初からお客を確保しておいて交渉してきたのは東海住宅だけだった。岡山県岡山市北区 / 30代
査定価格3,800万円売却価格3,760万円
不動産会社の決め手大手であるため宣伝力があることと、査定が高かったことが1番の決めてになりました。担当の方もたくさんの資料をもとに分析して、不安にならないように対応してくださいました。愛知県尾張旭市 / 40代
査定価格2,600万円売却価格2,600万円
不動産会社の決め手よく話を聞いてくれるかどうか。こちらの抱えている問題をいかに抽出して、解決例や実績と紐付け、疑問に思ったことも諦めずに丁寧に解決すること。また、ある程度確からしい、角度の高い売却先を連れてくること。期限をちゃん…宮城県柴田郡柴田町 / 50代
査定価格800万円売却価格1,000万円
不動産会社の決め手そもそも一社しか紹介がなかったので、選びようがなかったが、担当者も親身に対応していただき、こちらの要望に最大限対応してくれた。担当者は、抜けているところもあったがなにせ、一所懸命だった兵庫県神戸市東灘区 / 40代
査定価格4,280万円売却価格4,280万円
不動産会社の決め手不動産会社の担当者が物件周辺の相場感覚を持っていること、また、人柄がよかったこと。質問しても、きちんと誠意を持って回答して頂けたため好印象であった。マンション売却で大損をしないためのポイント5つ
マンション売却で損をしないためには以下の5つのポイントを押さえましょう。
- 価格が上昇している時に売却
- 余裕を持った売却計画
- 複数の不動産会社に査定依頼
- 内覧対応で好印象に
- 売却時の総費用を計算
いずれも売却前に取り組むことで、スムーズな引渡や、気持ちに余裕を持てるようになります。
意識して、マンション売却を成功させる準備をしましょう。
価格が上昇している時に売却
マンション売却で損しない、大損しない方法として、価格が上昇している時に売却を始めることもポイントのひとつです。
そのためには、自分自身である程度の相場を確認できなければなりません。
また、「売れたらラッキー」と思われるようなチャレンジした価格設定で売却を始めないで、適正価格で売却を始めることを念頭に置きましょう。
相場より高い金額で売却を始めると、かえって売却期間が長引く可能性があるので注意が必要ですマンションが売却しやすいタイミングのひとつに、大規模修繕の前があげられます。
大規模修繕前は修繕費を上げるための決議が行われるので、決議の前に売却を決めましょう。
相場と適正価格を把握し、タイミングを見計らえばマンション売却で大損する可能性は低くなるよ!余裕を持った売却計画
マンション売却で大損する方の特徴として、時間に余裕がなく、焦っていることが挙げられます。
焦った状態の売却では、足元を見られて値下げ交渉が多くなることが少なくありません。
一般的に不動産売却は6か月以上の期間が必要なものです。
売却の理由にもよりますが、適正価格で売却するためには時間に余裕を持ち、ゆとりのある売却計画が望ましいでしょう。
複数の不動産会社に査定依頼
査定時は複数の不動産会社に依頼しましょう。
1社だけの査定だと、査定価格が適正か判断できません。
複数社へ依頼すれば、査定価格やその根拠を比較し、適正価格を導き出すために必要な情報を取得できます。
また、営業担当の人柄や知識を比較するためにも、複数社に査定依頼したほうが良いです。
もし、不動産会社を複数社選ぶことが負担ならば、一括査定を利用する方法もあります。
すまいステップの一括査定サービスでは、全国から厳選された不動産会社に査定を依頼することができます。
完全無料で、たった3分の入力で査定依頼ができますのでご活用ください。一括査定であなたの家の適正価格が分かる
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無料診断スタート内覧対応で好印象に
内覧対応で重要なことは、買い手に好印象を与えることです。
内覧は購入予定者が実際に物件に訪問して品定めをするため、いかに内覧者に対して良いイメージを持ってもらうかが非常に重要です。
扉のたてつけが悪い、照明が切れている、水道のパッキンが劣化して水が滴るなど、修繕が必要な個所があればマイナスなイメージを持たれる可能性が高いです。
内覧前に掃除や修繕を済ませておきましょう。
購入するか決めるのは内覧者ということを意識しておこう!売却時の総費用を計算
売却時の総費用を把握することで、マンション売却で大損する可能性を引き下げられます。
特に諸費用で大きな割合を占めるものは仲介手数料と譲渡所得税です。
仲介手数料は以下の速算式を用いれば容易に計算できます。
仲介手数料=(売却価格×3%+6万円)×消費税譲渡所得税については本記事で計算方法を解説しています。
あらかじめ資金がどれくらい必要なのかを把握し、余裕を持って計画を建てることも、マンション売却で損しないために重要です。
【まとめ】マンション売却で大損をしないために、知識をつけよう!
マンション売却で大損しないためには、譲渡損益の計算方法や売却に必要な諸経費を把握し、査定価格を確認したうえでしっかりと売却に向けて準備することが必要です。
また、売却損が出ても譲渡損失の繰越控除が利用できるなど、マイナスの要素だけではありません。
時間に余裕を持ってマンション売却の計画を検討し、複数社の不動産会社に相談しつつ、売却依頼に適した不動産会社を選択しましょう。
そのためには、不動産一括査定サイトで複数の不動産会社に査定依頼しましょう。
手間も時間もかからず信頼できる不動産会社の査定結果を知れるので、マンション売却を検討している方は利用をおすすめします。