マンション売却を検討し、不動産会社へ相談する前に自宅の相場価格を知っておきたい人は少なくありません。
マンション売却にあたって、不動産会社に相談する前に、自分で相場価格を把握することは今後の売却を成功させる上で重要です。
一般的にマンションは買うより売る方が難しいと言われています。
相場を把握しておくことで、後々の不動産会社との連携や買い手との価格交渉もスムーズにできるでしょう。
この記事では、2020年最新のマンションの売却相場、誰でも簡単に相場を調べる方法と相場を調べる際の注意点、相場より少しでも高く売るコツの3点について解説しています。

- 監修逆瀬川 勇造
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。
【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士
【URL】P.D.Pの金融・不動産情報ブログ
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マンション売却の相場を確認しよう
【2020最新】主要都市のマンション売却相場
まずはマンション売買の多いエリアごとに最新の中古マンション売却相場を見ていきましょう。下の表をご覧ください。
エリア | 平均売却額 | 平均築年数 | 平米単価 |
---|---|---|---|
北海道 | 1,507万円 | 27年 | 22.2万円 |
東京 | 3,696万円 | 19年 | 80.6万円 |
神奈川 | 2,624万円 | 23年 | 46.0万円 |
千葉 | 2.002万円 | 26年 | 29.3万円 |
埼玉 | 2,125万円 | 23年 | 34.9万円 |
愛知 | 2,029万円 | 22年 | 29.9万円 |
大阪 | 2,276万円 | 23年 | 38.3万円 |
広島 | 2,028万円 | 20年 | 30.2万円 |
福岡 | 1,629万円 | 23年 | 28.8万円 |
※本データは国土交通省「不動産売却取引価格情報」の2020年第1四半期〜2020年第2四半期のデータを基にしています。
人口が多いエリアの方がマンションの相場が高く、東京、神奈川、大阪といった中心都市の相場が高いことが分かります。
大阪は2025年に万博が開催予定で開発が進むため、今後都市部を中心に相場が上昇する可能性がありそうです。
この表に載っていないエリアの相場を確認したい場合、こちらをクリックいただき、ページの真ん中にある日本地図から各エリアの相場を確認できます。
築年数による相場価格の変動
次に、築年数によってマンションの相場価格がどのように変動するのかも見ておきましょう。
築年数はマンションの相場価格に大きな影響を与えます。
以下の表は東日本不動産流通機構が出している首都圏の中古マンションの築年数別の資産価値の推移です。
※築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年|東日本不動産流通機構)を基に編集部が独自作成
築5年以内の「築浅マンション」の売却価格を100とした場合に、築10年経つと87%、築20年を超えると51%と推移していきます。
築20年を過ぎると、マンションの劣化が進んでいるのでリフォームの有無によって価格が左右され、築浅物件の半分以下の価値になります。
この様にマンションは築年数によって大きく相場が変動するため、利益を最大限にあげるには素早く売却の判断が必要になります。
ただし、マンション価格の相場は正確に予測することは難しいのも事実です。
もしマンションの売却を少しでも検討しているなら、まずは不動産会社へ査定を依頼することをオススメします。


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現在のマンション売却相場の動向
地域別・築年数別の相場に続いて、現在のマンション売却相場の推移を見ていきましょう。相場の傾向を知っておくとよりマンション相場の理解が深まります。
特に、2020年はコロナウイルスの爆発的流行により、マンション売却の市場にも大きな変動がありました。
この章でコロナ前後のマンション売却市場の動きを確認し、損をしないマンション売却を目指しましょう。
コロナウイルス以前のマンション売却相場の動向
まずはコロナウイルスの流行前のマンション売却市場の動きを見てみましょう。
国土交通省が発表している不動産価格指数によれば、2010年と比較して2020年にはマンションの相場は1.5倍まで上がっていることが分かります。(緑線がマンションの価格相場です)
このマンション価格の値上がりは、「景気回復を目的とした金融緩和政策」「東京オリンピックの開催決定」などが理由であるといわれていました。
では、コロナ以降のマンション売却市場はどのように動いたのでしょうか。
コロナウイルス以降のマンション売却相場の動向
ここからは、公益財団法人 東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)のレポートをもとにマンション売却市場の動向を見ていきましよう。
※月例速報 2019年1月度~2020年11月度(東日本レインズ)を基に編集部が独自作成
東日本レインズの月次レポートによると、コロナのウイルスの流行が本格化した3月~緊急事態宣言発令中は、これまでの前年比右肩上がりの価格推移が一転してマイナスの結果となっていました。
しかし緊急事態宣言が解除された6月からは、再び価格が上がり調子となっていることも分かります。
特に最新の2020年11月では、成約価格の平均は2019年1月以降最高額を記録しました。
※月例速報 2019年1月度~2020年11月度(東日本レインズ)を基に編集部が独自作成
また、成約件数についても緊急事態宣言解除後は順調に件数が戻りつつあり、直近の2020年11月においては1990 年5月以降で過去最高の成約件数となりました。
このことから、中古マンションの需要が衰えていないことが分かります。
上記のデータ等から分かるように、マンション売却市場においては、すでにコロナウイルスの影響はほとんどないと見て差し支えありません。
直近でマンションを売却したいと考えている方は、動き出しても損をすることは少ないでしょう。
今後のマンション売却相場
「今すぐでは考えていないけど、数年以内に売りたい」と考えておられる方もいるかもしれません。
そのような方のために、今後のマンション売却相場の動向も確認しておきましょう。
東京オリンピックの開催が決まった頃、専門家達の間では「2020年の東京オリンピックまでマンション売却価格の相場は右肩上がりし、開催後は徐々に下がっていく」という節が有力でした。
実際に、東京不動産研究所の調査でも、新築マンション価格の相場は2020年から横ばい、2025年までは微減すると予想されていました。
しかし、「相続税の実質的な値上げに伴う資産としてのマンション需要の高まり」や「在宅ワークの一般化による住宅にかける資金の増加」により、予想当時よりもマンションの需要は上がっています。
「コロナウイルスによってオリンピックが2021年に延期されたこと」も、相場の右肩上がりを牽引する大きな理由の一つです。
現在では、「オリンピック以降もマンション価格は値上がりし続ける」という予想も目立ってきました。
そのため、今までのように「必ずオリンピックが終わる前に売る!」という風に考える必要はないでしょう。自分の状況に合わせてマンションの売却を検討すべきです。
マンション売却相場を自分で調べる方法3選
マンションの売却相場についてお伝えしてきましたが、実際いくらで売れるかは「マンションの特徴」によって差が出てきます。
この章では「自宅マンションの相場を”自分で”調べる方法」を紹介していきます。
マンションの売却相場を調べるために下記のようなサイトがよく使われています。
- 取引情報提供サイト・・取引事例から相場を把握したい人向け
- シミュレーションサイト・・時間をかけずに相場を知りたい人向け
- 不動産ポータルサイト・・売り出し価格の相場を知りたい人向け
この3つのサイトを使えば、マンションがいくらで売れるか相場が分かります。それでは1つずつサイトの特徴を見ていきましょう。
サイトの種類 | サイト名 | 成約価格 | 売り出し価格 | オススメ度 |
---|---|---|---|---|
取引情報提供サイト | レインズ・マーケット・インフォメーション | 〇 | × | ★★★ |
シミュレーションサイト | Howma | 〇 | × | ★★ |
不動産ポータルサイト | マンションマーケット | × | 〇 | ★ |
方法①:レインズマーケットインフォメーション
まずは公益財団法人東日本流通機構の特設サイト Reins Market Information(レインズマーケットインフォメーション)を使った相場の調べ方です。
「レインズ」とは、不動産会社などの宅地兼業務を扱っている人間のみが閲覧できる不動産の成約情報、売り出し情報が集まっている総合データベースです。
レインズマーケットインフォメーションはそのデータベースを一般の人でも閲覧できるよう保有データに制限をかけ公開しているサイトです。
制限がかかっているとはいえ不動産会社も同じデータを見ているので、信憑性は高いと言えます。
また、間取りや築年数、駅からの距離、成約時期などの細かい条件で相場を調べられるののも強みと言えます。使い方も非常に簡単で、主に3ステップで見たい情報にたどり着けます。
弱みとしては、掲載されている金額が実際の成約価格のみなので、売り出し中の金額からどの程度下がったのかを把握できないことや、前章でも説明したマンション名を特定することができない点にあります。
強み |
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---|---|
弱み |
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おすすめ度 | ★★★ |
使い方も3ステップでとてもカンタンです。
STEP① 「マンション」から都道府県と地域を入力する
まずはサイトにアクセスし、TOPページから「マンション」の方で都道府県と地域を選択してください。
STEP② 追加検索条件を入力する
TOPページから次のページに遷移したら、右枠の追加検索条件を入力していきます。「地域詳細」と単価、専有面積、間取り、築年数、成約時期、用途地域などを入力していきます。
STEP③ 取引条件を確認
追加検索条件を入力したら、画面の下部に過去の成約価格一覧が表示されるので、築年を縦軸、㎡単価を縦軸とした散布図とリストで表示され、一目で自分が求める物件の相場を知ることができます。
利便性や情報の網羅性の観点からレイズマーケットインフォメーションが最も利便性の高いサイトと言えます。マンションの成約価格の相場を知りたい人はまずこのサイトを使いましょう。
サイト②:Howma(AI査定)
近年はAI(人工知能)の発達・浸透により誰でも手軽にスマホやパソコンなどで査定価格を知ることが出来るようになっています。
入力画面に必要な情報を入力すると、保有している様々なマンション情報(ビッグデータ)からAIが近しい条件の物件情報を探し出し、査定額を算出してくれます。
その中でもおすすめのマンション売却シミュレーターが「HowMa(ハウマ)」です。

画面に必要事項を入力すれば、ものの5分程でAIが保有してるビッグデータから近しい物件を探し、仮の査定価格を算出してくれます。
不動産会社に査定を依頼した場合と比較するとまだ価格の正確さに欠けるようですが、短時間で手軽に今すぐ相場価格が知りたい場合に使うのがおすすめです。
強み |
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弱み |
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おすすめ度 | ★★☆ |
以下の記事でマンション売却シミュレーターの注意点や使い方について詳しく解説しています。
サイト③:マンションマーケット
マンションマーケットは「日本最大級のマンション相場サイト」というキャッチコピーの通り、100万件以上の価格データから算出した相場価格を確認することができます。
マンション名を入力すると相場価格を算出するだけでなく「過去の売買価格」「資産評価」またマンション内に現在販売中の物件があると「現在販売中の中古物件」として表示されるので、自分のマンションの売り出し価格の相場を調べるにはうってつけです。
ただし、掲載されている金額が実際に売買契約を結んだ金額(成約価格)ではなく、売り出し価格であるという点です。売り出し価格とは、買主側が「この金額で売りたい」という金額です。
売り出し価格で成約するわけではないので、あくまで「売り出し価格」の参考値として活用してください。
強み |
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弱み |
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おすすめ度 | ★☆☆ |
市況レポートを天気図で確認する「東京カンテイ」
「東京カンテイ」は会員制の不動産専門データバンクで、会員になれば全国の図面情報や価格などを調べることができます。
非会員でも閲覧ができる「中古マンション価格天気図」は、全国の中古マンションを価格動向を天気マークで表現したものです。市況レポートになるのでリアルタイムの更新という訳ではないですが、他のサイトとは違い価格の上がり下がりが直感的に理解できる、ということが特徴です。
自分で相場を調べるのが手間な方は、下のバナーをクリックして必要情報を入力すれば不動産会社に自宅マンションの売却価格を査定してもらうことができます。
マンション売却にかかる費用
実際にマンションを売却する際には、マンションの売却金額の5~7%の費用がかかると言われています。
マンション売却に向けて動き出す前には、「どのくらいの出費があるのか」を一度確認した上で資金計画を立てましょう。
不動産会社に支払う仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼してマンションを売却する場合には、仲介手数料を支払う必要があります。
仲介手数料は法律で上限が決まっており、売買金額ごとに以下のように変動します。
売買価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の場合 | (売却価格×5%+6万円)+消費税10% |
200万円を超え400万円以下の場合 | (売却価格×4%+6万円)+消費税10% |
400万円を超える場合 | (売却価格×3%+6万円)+消費税10% |
この金額はあくまで上限金額なので、不動産会社によっては仲介手数料の値引き交渉ができる場合があります。
印紙税
マンションを売却する際には、「印紙税」という税金を必ず支払わなければなりません。
この税金は、一定額以上の金額を取り扱う契約書の発行にかかる税金で、契約書に記載される金額によって納税額が変わります。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
10万円を超え 50万円以下 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下 | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 5千円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 6万円 |
印紙税の納税は、収入印紙を売買契約書に貼り付けることで行われます。
不動産会社の仲介でマンションを売却する場合には不動産会社が収入印紙を用意するので、売り主が納付のために何かを行うということはありません。
譲渡所得税
マンションを売却して売却益(譲渡所得)が出た場合のみ、「譲渡所得税」という税金を納付する必要があります。譲渡所得税は、譲渡所得にかかる所得税・住民税・復興所得税の総称です。
譲渡所得は、以下のような計算で求めることができます。
項目 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年より短い場合 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超の場合 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
このように保有期間によって譲渡所得税の税率は大きく異なるので、マンション売却で譲渡所得が発生しそうな場合には、保有期間が5年を過ぎてから売却するのがよいでしょう。
その他の費用
仲介手数料・印紙税・譲渡所得税以外にも、マンションを売却する際には状況によっていくつかの費用が発生します。
以下はその代表的なものです。
- 引っ越し費用
- 司法書士に支払う報酬
- ローンの一括返済手数料
- ハウスクリーニング費用
マンション売却にかかる費用を詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してみて下さい。
「マンションを売却するのにどのくらいの費用がかかるんだろう……」マンションを売るには仲介手数料や税金など様々な費用がかかるので、売却して得た金額がすべて利益になるわけではありません。そこで今回は、マンション売却で[…]
マンション相場を調べる際の注意点
次に、マンションの相場を調べる際の注意点を4つご紹介していきます。
条件の近いマンションの成約価格を参考にする
「マンション売却相場を自分で調べる方法3選」の章で紹介したようなサイトを使えば、多くの相場情報を得ることができます。
どの情報を参考にしていいか迷ったときは、「売りたいマンションと条件と近いマンションの成約価格」を参考にしましょう。
具体的には、以下のような点が自身の売りたいマンションと一致するマンションの相場を確認するのがよいでしょう。
- 最寄り駅
- 最寄り駅からの距離
- 間取り・広さ
- 階数
- 築年数
- マンション内のテナントの有無
- 共用設備の有無
- ペットの飼育可否
マンションの相場は、細かな条件で大きく変わってきます。
できるだけ自分の売りたいマンションと条件の近しいマンションを見つけることが、より妥当な相場を調べる上で重要です。
平米単価で計算する方法を知っておく
「できるだけ条件の近いマンションで比較しましょう」とお伝えしましたが、部屋の広さまで同じマンションを見つけるのは意外と難しいです。
「売りたいマンションとほぼ同じ条件だけど部屋の広さがぜんぜん違う……」というような場合には、平米単価をもとに自分のマンションの広さだったらいくらくらいになるかを計算しましょう。
【マンションの平米単価の計算方法】
平米単価 = 成約価格 ÷ 平米数(㎡)
例えば、50㎡のマンションが2500万円で売れた時の平米単価は50万円です。
広さ以外の条件が同じ30㎡のマンションを売るのであれば、30㎡×50万円=1500万円ほどが相場になってくるということです。
なお、「マンションの坪数しか分からない」というときには、【1坪=約3.3㎡】なので3.3倍すればおおよその㎡数を算出することができます。
相場通りの金額で売却できるとは限らない
相場を調べるのはもちろんとても大切ですが、どれだけ精密に相場を調べ上げたとしても相場通りの金額で売却できるとは限りません。
マンションの取引は、買主の要望にもこたえなければ成り立たないからです。
売主は「高く売りたい」買主は「安く買いたい」ので、価格交渉が行われ最終的には相場とかけ離れた価格で売られることもしばしばです。

売却価格を決めるなら査定額を参考にする
マンションは適正価格で売り出さなければ売れ残りの原因になります。
実際にマンションを売り出すなら、正確にマンションがいくらで売れる把握するために不動産会社から訪問査定を受けましょう。
近隣物件の相場だけでなく、売却すマンションの特徴(築年数、間取り、向き)や市況感(競合物件数など)も加味して査定価格を算出するため、自分で調べるより正確に「自宅が売れる価格」が分かります。
不動産会社の査定の精度が本当に高いのか調べるために、すまいステップ編集部が「1年以内に不動産を売却した」1500人を対象にアンケートを実施しました。
実際のアンケート結果はこちらです!
※回答時期:2019.11.15~2019.12.22 | 1491名が回答
調査の結果査定価格と実際に成約した価格の差はたった3%しかありませんでした。
査定は複数社に依頼しよう
査定を受けるなら複数の会社に依頼するのが鉄則です。
会社によって得意とする物件や査定方法が異なるため査定額に差が出るのは珍しくありません。
査定を1社に任せると相場を見誤る可能性がありますが、複数の会社に査定してもらえば査定額のブレは少なくなり、より正確な相場を把握できます。
不動産一括査定を利用すれば簡単に複数の不動産会社に査定依頼ができるのでオススメです。
マンションを相場より高く売却する3つの秘訣!
ここからはマンションを少しでも早く、相場より高く売るコツについて解説します。マンション売却の流れとしては全部で6つのSTEPに分かれ、売却までにかかる期間は3か月~6か月と言われています。
1. 査定依頼 | 不動産会社にいくらで売れそうか査定をしてもらいます。売り出し価格が高過ぎても安すぎても損をしてしまうため、不動産のプロである不動産会社から査定を受けるのが大切です。 |
---|---|
2. 不動産会社との契約 | 不動産会社と媒介契約を結びます。契約を締結した不動産会社が契約期間内で売却をサポートしてくれます。 |
3. 売却活動開始 | 不動産会社に買い手を探してもらいます。買い手が見つかれば、購入希望者があなたのマンションを内覧に訪れます。 |
4. 条件交渉 | 内覧を経て買主に購入の意思がある場合、条件の交渉が行ないます。売主と買主が直接交渉すると「言った、言わない」のトラブルになりかねないため、不動産会社が仲介役として条件を整理していきます。 |
5. 売買契約 | 買い手と交渉し、売却金額や引き渡し時期を決めて契約を結びます。また、売買契約のタイミングで手付金が支払われるのが一般的です。手付金は、売主と買主との合意によって決まりますが、相場は売却価格の10%程度です。 |
6. 引き渡し | マンションの登記を変更し、買い手にマンションを引き渡します。 |
その中で特に気を付けておいてほしいポイントが以下になります。少しでも相場より高く売るために是非チェックしてください。
秘訣① 信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産会社選びはマンション売却において“肝”とも言える工程です。ここをおろそかにすると売却額が低くなるどころか、いつまで経ってもマンションが売れない…..という最悪な事態を引き起こしかねません。
そこで重要なのが「信頼できる不動産会社を選ぶ」ということですが、信頼できる定義は「1日でも早く、1日でも高く売る」という目標に向かってあなたのパートナー的な存在になってくれる不動産会社ないし担当の営業マンです。以下で具体的に選ぶ際のポイントを解説します。
ポイント1 売買が得意な不動産会社を選ぶ
不動産会社には「賃貸が得意な会社」と「売買が得意な会社」があり、マンションを売りたいなら当然売買が得意な会社を選ぶ必要があります。
その中でも選ぶべきは「あなたのマンションの売買を得意とする不動産会社」です。過去にあなたのマンションの取引実績がどのくらいあるのかをヒアリングしましょう。次の条件を満たしていれば信頼のおける不動産会社の目安となります。
信頼できる不動産会社を見極めるためチェック事項
- あなたのマンションや近隣物件など最低でも直近3年程度、出来れば5年以上の取引事例を出してくれるかどうか
- 売るための戦略を分かりやすく説明してくれるかどうか
- 見学者集めのためにオープンルームや現地販売会をしてくれるかどうか
- 購入希望者による内覧が入った際、鍵の受け渡しなどがスムーズであるかどうか
- あなたのマンションの良さを引き出す販売用図面(マイソク)を作成してくれるかどうか
ポイント2 複数の不動産会社を比較
不動産会社はいきなり1社に絞るのではなく、2~3社程度の不動産会社と並行してやり取りすることをおすすめします。それぞれの対応や人柄などを見極めることがき、信頼できる担当者に出会える確立も上がります。
1社1社にアポをするのが面倒だったら、不動産一括査定サービスを使うのも有効です。簡単な入力だけであなたのマンションを売却するのにマッチする不動産会社を自動で選んでくれます。
不動産一括査定サービスであれば株式会社Speeeが運営する「すまいステップ」がおすすめです。大手から中小まで、全国の優良不動産会社に簡単な入力だけで最大4社から見積もりを受け取ることが出来ます。
不動産一括査定サイトの選び方や利用時の注意点については、以下の記事をご覧ください。
「どの不動産一括査定サイトを使えばいいか分からない・・!」不動産一括査定サイトとは、Web上で複数の不動産会社にまとめて査定依頼できるサービスです。しかし、不動産を売る経験は人生で何度もあることではないので、初めて不動産一括[…]
マンションを高く・早く売る方法について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「マンションを売りたい!」と思った時、そもそも何から始めればよいか迷ってしまう人も多いと思います。情報を調べようにもインターネットにはたくさんの情報が溢れていて、何を参考にすべきか困ってしまいますよね。この記事では、「マンシ[…]
秘訣② 媒介契約は「専任媒介契約」を選ぶ
媒介契約とは、不動産会社に仲介を依頼する際に結ぶ契約のことで、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類の契約に分かれます。
その中でも理由がない限り「専任媒介契約」を結ぶことをおすすめしています。
それぞれ特徴があり、簡単に説明すると以下のような違いがあります。
媒介契約の種類 | 特徴 |
---|---|
一般媒介契約 | 複数の不動産会社に同時に依頼できる契約。売主に対して売却活動の報告義務はなし。 |
専任媒介契約 | 1社の不動産会社にしか依頼できない。友人や知人に売るような自己発見取引の場合は、仲介会社を入れなくても契約することが可能。その場合は仲介手数料の支払いをする必要がない。売主に対して2週間に一度の売却活動の報告義務がある。 |
専属専任媒介契約 | 1社の不動産会社にしか依頼できない。自己発見取引の際は仲介手数料が発生する。売主に対して1週間に一度の売却活動の報告義務がある。 |
媒介契約については以下の記事でも詳しく解説しています。
土地にしても建物にしても、不動産を売却する際には不動産会社を利用するのが一般的です。不動産会社を介して不動産を売却する場合、「媒介契約」という言葉を耳にしますが、これがどのようなものなのか、正しく理解できていない人は多いでしょう。媒介契[…]
何故、3種類の媒介契約の中で「専任媒介契約」が一番おすすめなのかというと、一言で言うと「不動産会社のモチベーションが高くなる」ということに尽きます。
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社に依頼することになるので、不動産会社からすると競合他社に案件を奪われてしまうリスクがあり、積極的にチラシなどの広告を打たなくなります。「ポータルサイトに載せておけばいいか」だけで終わってしまう可能性が高いです。
一方、専任媒介契約は契約が1社のみ。また、3か月という契約期間の間位に物件を売らないと他社に流れる可能性があるので、本気度が違います。そもそも不動産会社は手数料商売なので、不動産会社からしても物件を売却しないと利益が出ないことも理由の一つにあります。
チラシなどのポスティングやポータルサイトでの露出強化のための工夫、現地販売などの集客に関しては圧倒的に一般媒介契約よりも量・質ともに上回るのは間違いありません。
ただ専任媒介契約を結ぶ上で1点注意して欲しいのが、「囲い込み」による不動産会社の利益優先の売り方にならないか、という点です。手口を理解した上で専任媒介契約を結び、怪しい素振りを見せたら釘を指すようにしましょう。
秘訣③「必要事項」を必ず契約書に記載してもらう
媒介契約を専任媒介契約にしたとはいえ、ここで安心してはいけません。担当の営業マンに販売戦略を詳しく説明させた上で、「説明通りの営業活動を必ず実行する」と契約書に追記させましょう。
具体的には次のような項目について記載してもらいます。
契約書への追記事項
- 近隣へお折り込みチラシを何回、いつ実施するか
- 新聞店への配布証明書(新聞販売店へ折り込みの納品が完了した旨を示す証明書)の提出を義務付ける
- 投げ込みチラシを、どの地域にどの程度の枚数で何回実施するか
- 「レインズ」はもちろん、「ヤフー不動産」や「ホームズ」などのWEB媒体に掲載すること
- 買い手の情報を多く持つ不動産会社に問い合わせを行い、報告書を提出させる
この他、「販売活動内容に疑問や不正があった場合は、専任の契約を解除する」旨を入れておきましょう。ここで渋るような会社なら、売却活動にそこまで力を入れないか、いずれトラブルを起こす可能性が高いので依頼しない方が懸命です。
まとめ
この記事ではマンションの売却相場の動向や相場の調べ方、さらにはマンションを高く売るためのコツを紹介してきました。
マンション売却で成功するには相場を把握しておくことが欠かません。
そして手間なく正確な相場を知るには不動産会社に査定してもらうのが一番オススメです。
マンション売却の失敗体験談10選ーよくある失敗から見る注意点
マンション売却の買い替えを検討している方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
「マンションを買い替えたいけど、ローンが残っていても買い替えられるのかな?」「売るのと買うのどんな順番で進めたらいいの?」などなど、絶対に失敗できないだけに不安もたくさんありますよね。というのも、買い替えは物件の購入[…]
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「不動産売却の流れはどんな感じなんだろう」「不動産売却の流れを知って不動産売却を成功させたい!」不動産売却がはじめての場合、何から調べたらいいか分からないと感じたり、なんとなく難しそうに感じたりするかもしれません。私も不動産[…]
監修者から一言
本文で記載の通り、東京オリンピック開催や2022年問題などから、今マンションをお持ちの方で売却を検討している場合、今が売り時だといえるでしょう。特に不動産市場に慣れていない方で、マンションを売却して利益を得たいと思っている方は「一番儲かるときに売却する」ことを目指すのではなく、「そこそこ儲けが見えそうな段階で売却する」ことをおすすめします。欲張りすぎると多くの場合失敗してしまうものです。もちろん、あくまでも住むためのマンションと考えているのであればそのまま所有していてもよいでしょう。ただ、少しでも売却を考えているのであれば、不動産会社に一度相談してみてはいかがでしょうか。
記事のおさらい
マンション売却市場にコロナウイルスの影響は出ている?
コロナウイルスの流行による緊急事態宣言発令中は、これまでの右肩上がりの価格推移が一転してマンション売却の相場はマイナスになっていました。しかし緊急事態宣言が解除された6月以降、再びマンションの相場価格は上昇の一途を辿っています。よって、現在コロナウイルスの影響はかなり薄れていると考えて良いでしょう。詳しく知りたい方は現在のマンション売却相場の動向をご覧ください。
今後のマンションの売却相場はどうなる?
以前は「2020年の東京オリンピックまでマンション売却価格の相場は右肩上がりし、開催後は徐々に下がっていく」という節が有力でしたが、現在では、「オリンピック以降もマンション価格は値上がりし続ける」という予想も目立ってきました。詳しくは今後のマンション売却相場をご覧ください。
築年数によって相場価格は変わる?
マンションの相場は、築5年以内の「築浅マンション」の売却価格を100とした場合に、築10年経つと82.2%、築20年を超えると42.4%と推移していきます。詳しく知りたい方は築年数による相場価格の変動をご覧下さい。
マンションの売却相場はどのサイトで調べればいい?
マンションの売却相場を調べられるサイトは、主に以下の3つです。詳しくはマンション売却相場を自分で調べる方法3選をご覧ください。
- レインズ・マーケット・インフォメーション
- Howma
- マンションマーケット