2024年最新のマンション売却相場を解説します。
「マンションの価値は上がっているの?」
「売るならいつがいいの?」
マンション売却を検討している方でこのような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
売却相場を理解していないと相場よりも安い価格で売却してしまうリスクがあり、不安に感じますよね。
また、相場を理解していないことで「もっと待てば高く売れたかも……」と後悔する場合もあるでしょう。
そんな方に向けてこの記事では、マンション売却相場や売却のベストなタイミング、相場の調べ方まで詳しく解説します。
マンション売却を検討している方は、是非この記事の内容を参考にしてください。
マンション売却相場は年々上昇傾向にある
マンションの売却相場は近年上昇し続けています。
この章では、不動産全体の市場とマンションの市場に分けて相場状況を解説します。
不動産の価値は上がり続けている
まずは、不動産全体における価値の推移を見てみましょう。
以下は、国土交通省が公表している「不動産価格指数」を表したグラフです。
グラフを見ると、2020年以降すべての不動産種別の指数が上昇しているのがわかります。
特にマンション(緑色のグラフ)の上昇率が大きく、2023年では指数が190を超えているのがわかります。
不動産種別のなかでもマンションの指数が大きく上昇していることから、今までよりもマンションの価値が上がり続けているといえます。
過去10年間のマンション価格相場
次に、過去10年間のマンション価格相場をご紹介します。
全国、首都圏、近畿圏の3つに分けて、それぞれのエリアにおけるマンション平均相場を解説します。
▼全国平均相場
まずは全国の平均相場を見てみましょう。
株式会社不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2023年」を参考にすまいステップ編集部が作成
全国平均で見ると4,000万円台を推移していましたが、2021年に5,000万円台まで上昇し、2023年には一気に6,000万円近くまで上昇しています。
2014年と比べると1,600万円も上昇していることから、全国的に見てもマンションの価格は上昇しているといえます。
▼首都圏平均相場
次に首都圏の平均相場を見てみましょう。
株式会社不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2023年」を参考にすまいステップ編集部が作成
首都圏は全国平均よりも高い5,000万円台で推移しており、2020年には6,000万円まで上昇。2023年は8,000万円台にまで大幅上昇しています。
首都圏は、ほかのエリアよりも人気エリアが多く、高級住戸の人気が高まっているため、大幅上昇につながったと想定できます。
▼近畿圏平均相場
近畿圏の平均相場を見てみましょう。
株式会社不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2023年」を参考にすまいステップ編集部が作成
近畿圏も毎年上昇しており、2020年には4,000万円まで上昇。その後も上昇しており、現在は4,600万円を超えています。
首都圏ほど大きな上昇はないものの、価値は上がり続けているといえます。
主要都市のマンション売却相場
全国の主要都市の最新のマンション売却相場をご紹介します。
エリア | 平均売却価格 | 前月比 |
---|---|---|
東京都 | 5,956万円 | +1.1% |
神奈川県 | 3,782万円 | -3.0% |
埼玉県 | 2,733万円 | -7.0% |
千葉県 | 2,749万円 | -6.8% |
大阪府 | 3,252万円 | -0.6% |
愛知県 | 2,339万円 | +1.1% |
福岡県 | 2,333万円 | -7.9% |
札幌市 | 2,114万円 | -13.0% |
仙台市 | 2,741万円 | +7.0% |
広島市 | 2,575万円 | -10.1% |
(データ引用:公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」「月例速報Market Watchサマリーレポート2023年11月度」、公共社団法人近畿圏不動産流通機構「マンスリーレポートNo.132 2023年12月号」、公共社団法人中部圏不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ2023年(令和5年)11月度」、公益社団法人西日本不動産流通機構「市況動向データ・県別等レポート(2023年11月)」)
また以下は、2023年12月28日から2024年1月10日にかけて、マンション売却の経験者95名を対象に「実際に売れた価格」のアンケートを行った結果です。
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東京都のマンション売却相場
東京都全域の2023年11月のマンション売却相場は5,956万円です。前年より7.9%値上がりしています。
東京都 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 5,956万円 (+7.9%) | 5,519万円 |
平均専有面積 | 59.05㎡ (+0.5%) | 58.76㎡ |
㎡単価 | 100.87万円/㎡ (+7.4%) | 93.93万円/㎡ |
成約件数 | 1,584件 (+6.7%) | 1,484件 |
築年数 | 22.98年 | 22.82年 |
(公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」を元にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
㎡単価の上昇や成約件数も増加しているため、東京都のマンションは前年と比べて売れやすい状況といえます。
都内のマンションを売却しようとしている方は検討してみましょう。
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▼築年数別マンション売却相場
東京都の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築~5年 | 6,638 |
築6年~10年 | 6,193 |
築11年~15年 | 5,534 |
築16年~20年 | 5,250 |
築21年~25年 | 4,290 |
築26年~30年 | 2,832 |
築31年 | 2,193 |
(公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」を元にすまいステップ編集部が作成)
東京都の売却相場は全国でも最も高く、築10年以内のマンションなら平均6,000万円以上の価格で売れています。
築25年までなら4,000万円台で売却できる可能性が高いでしょう。
神奈川県のマンション売却相場
神奈川県全域の2023年11月のマンション売却相場は3,782万円です。前年より2.6%値上がりしています。
神奈川県 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 3,782万円 (+2.6%) | 3,686万円 |
平均専有面積 | 65.55㎡ (-1.05%) | 66.24㎡ |
㎡単価 | 57.70万円/㎡ (+3.7%) | 55.64万円 |
成約件数 | 652件 (-0.8%) | 657件 |
築年数 | 24.09年 | 23.91年 |
(公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」を元にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
㎡単価も3.7%と大きく値上がりしています。成約件数は若干減少しているますが、ほぼ前年と同じといえます。
例年の相場よりも高く売れやすい状況といえるでしょう。
▼築年数別マンション売却相場
神奈川県の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築~5年 | 5,921 |
築6年~10年 | 5,083 |
築11年~15年 | 4,741 |
築16年~20年 | 4,414 |
築21年~25年 | 3,432 |
築26年~30年 | 2,363 |
築31年 | 1,726 |
(REINS TOPIC 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年01~03月】を元にすまいステップ編集部が作成)
神奈川県の売却相場は、築10年以内であれば5,000万円台とかなり高い相場です。
ただし、東京都と比べると相場の減少率は高めです。
埼玉県のマンション売却相場
埼玉県全域の2023年11月のマンション売却相場は2,733万円です。前年より0.5%値下がりしています。
埼玉県 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 2,733万円 (-0.5%) | 2,748万円 |
平均専有面積 | 68.28㎡ (+1.6%) | 67.19㎡ |
㎡単価 | 40.02万円/㎡ (-2.1%) | 40.89万円 |
成約件数 | 313件 (-3.8%) | 325件 |
築年数 | 26.27年 | 25.28年 |
(公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」を元にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
▼築年数別マンション売却相場
埼玉県の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築~5年 | 4,580 |
築6年~10年 | 4,340 |
築11年~15年 | 3,673 |
築16年~20年 | 3,537 |
築21年~25年 | 3,128 |
築26年~30年 | 2,131 |
築31年 | 1,231 |
(REINS TOPIC 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年01~03月】を元にすまいステップ編集部が作成)
埼玉県は、東京都や神奈川県と比べると売却相場が低い傾向にあります。
それでも、築年数の経過による価格減少率が低く、築25年でも平均3,000万円を維持しています。
千葉県のマンション売却相場
千葉県全域の2023年11月のマンション売却相場は2,749万円です。前年より7.1%値上がりしています。
千葉県 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 2,749万円 (+7.1%) | 2,566万円 |
平均専有面積 | 72.20㎡ (-3.4%) | 74.69㎡ |
㎡単価 | 38.07万円/㎡ (+10.8%) | 34.35万円 |
成約件数 | 351件 (+6%) | 331件 |
築年数 | 27.72年 | 28.21年 |
(公共財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度Market Watch」を元にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
▼築年数別マンション売却相場
千葉県の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築~5年 | 4,633 |
築6年~10年 | 4,158 |
築11年~15年 | 3,611 |
築16年~20年 | 3,557 |
築21年~25年 | 2,747 |
築26年~30年 | 2,118 |
築31年 | 1,172 |
(REINS TOPIC 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年01~03月】を元にすまいステップ編集部が作成)
千葉県は埼玉県と同程度の売却相場です。
しかし、築21年以降の価格減少率が高い特徴があります。
大阪府のマンション売却相場
大阪府全域の2023年11月のマンション売却相場は3,252万円です。前年より10%値上がりしています。
大阪府 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 3,252万円 (+10%) | 2,955万円 |
平均専有面積 | 66.47㎡ (-0.6%) | 66.88㎡ |
㎡単価 | 48.93万円/㎡ (+10.8%) | 44.18万円 |
成約件数 | 768件 (+7.9%) | 712件 |
築年数 | 25.05年 | 25.09年 |
(公共社団法人近畿圏不動産流通機構「マンスリーレポートNo.132 2023年12月号」)を元にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
大阪府は価格と成約件数が大きく上昇しているのが特徴です。
大阪府のマンション売却を検討している方は、前年よりも高く売れやすいといえます。
▼築年数別マンション売却相場
大阪府の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築~5年 | 5,035 |
築6年~10年 | 4,485 |
築11年~15年 | 3,804 |
築16年~20年 | 3,550 |
築21年~25年 | 2,630 |
築26年~30年 | 2,037 |
築31年~35年 | 1,690 |
築36年~ | 1,536 |
(近畿レインズ「中古マンションの築年帯別成約状況」を元にすまいステップ編集部が作成)
大阪府は東京都、神奈川県に次ぐ高い売却相場です。
しかし、築11年以降からの相場減少率が大きく、築21年以降の相場は千葉県や埼玉県よりも低い相場となっています。
愛知県のマンション売却相場
愛知県全域の2023年11月のマンション売却相場は2,339万円です。前年より1.6%値上がりしています。
愛知県 | 2023年11月 (前年比) | 2022年11月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 2,339万円 (+1.6%) | 2,303万円 |
平均専有面積 | 73.30㎡ (-3.1%) | 75.58㎡ |
㎡単価 | 31.91万円/㎡ (+4.7%) | 30.48万円 |
成約件数 | 321件 (-7.5%) | 345件 |
築年数 | 25.00年 | 24.99年 |
(公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報2023(令和5)年11月度マーケットウォッチ[全国版]」を元にすまいステップ編集部がグラフを作成)
また、㎡単価も4.7%上昇しています。ただし、成約件数が7.5%減少しています。
▼築年数別マンション売却相場
愛知県の築年数別売却相場をまとめました。
築年数 | 価格(万円) |
---|---|
新築 | 3.099 |
築1年~5年 | 3,504 |
築6年~10年 | 3,604 |
築11年~15年 | 4,067 |
築16年~20年 | 3,120 |
築21年~25年 | 3,132 |
築26年~30年 | 2,391 |
築31年~ | 1,821 |
(中部レインズ「中部圏市場動向」を元にすまいステップ編集部が作成)
愛知県の売却相場は、ほかの県と少し異なっており、築11~15年が最も高い相場です。
築年数の経過したマンションでも、新築時と近い価格で売れる可能性が高いといえるでしょう。
福岡県のマンション売却相場
福岡県全域の2023年11月のマンション売却相場は2,333万円です。前年より6.3%値上がりしています。
福岡県 | 2023年11月 (前月比) | 2023年10月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 2,333万円 (+6.3%) | 2,195万円 |
平均専有面積 | 63.45㎡ (-0.04%) | 63.48㎡ |
㎡単価 | 36.76万円/㎡ (+6.3%) | 34.58万円 |
成約件数 | 266件 (-1.5%) | 270件 |
築年数 | 25.76年 | 24.43年 |
(公益社団法人西日本不動産流通機構「市況動向データ・県別等レポート(2023年11月)」と「市況動向データ・県別等レポート(2022年12月)」を参考にすまいステップ編集部がグラフと表を作成)
また、㎡単価も6.3%上昇しています。
成約件数も前年とほぼ同じのため、前年どおりの価格での売却になりやすいでしょう。
北海道のマンション売却相場
神奈川県全域の2023年11月のマンション売却相場は2,114万円です。前年より6.5%値下がりしています。
札幌市 | 2023年11月 (前月比) | 2023年10月 |
---|---|---|
平均売却価格 | 2,025万円 (-6.5%) | 2,157万円 |
平均専有面積 | 75.04㎡ (0%) | 75.04㎡ |
㎡単価 | 26.98万円/㎡ (-6.5%) | 28.74万円/㎡ |
成約件数 | 205件 (+11.4%) | 184件 |
築年数 | 28.50年 | 27.65年 |
ほかの都府県よりも最も売却価格の値下がり率が大きく、㎡単価も下降しています。
ただし、成約件数の上昇率が11.4%と大きく上昇しているため、不動産の需要はあるといえます。
その他のエリアのマンション売却相場
以下のフォームから、最大4社までまとめて不動産会社へ査定依頼できます。
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【参考】購入価格別で見るマンション売却相場
以下のデータは、2023年12月28日から2024年1月10日にかけて、マンション売却の経験者95名を対象に「マンションの購入価格と売却価格」のアンケートを行った結果です。こちらもぜひ参考にしてみて下さい。
※横軸が購入価格、縦軸が成約価格を表しています。
マンションを売却すべき5つのタイミング
マンションの売却を検討しているものの、「本当に今売るべきなのか」「もっと得するタイミングはないのか」気になる方もいらっしゃるでしょう。
この章では、マンションの売却に適したタイミングをご紹介します。
マンションの売り時
マンションの売却相場が下がる前
以下は、中古マンションの首都圏平均価格の推移を表したグラフです。
(東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」を元にすまいステップ編集が作成)
特に、投資用マンションの売却を検討している方は、上昇傾向の間は急いで売却せずに、様子見してもよいかもしれません。相場の上昇比率が弱まったタイミングで売却を始めましょう。
なお、「円安で海外投資家から日本の不動産に対する人気が高まっているためマンション相場が高騰している」という意見がありますが、すまいステップ編集部がヒアリングを行った専門家の見解では、中古マンションの売却相場に対する円安の影響は限定的であるとの見方が目立ちました。
中古マンションの市場相場は、さまざまな要因が合わさって変動します。
また、エリアによっても動向が大きく異なるため、高く売れるタイミングで売却したい方は、売りたいマンションの所在エリアの売却相場の動向を随時チェックしましょう。
住み替えの場合は市況は気にしなくてもいい?
住み替え目的でマンションを売却する場合は、市況から見て高く売れるタイミングでマンションを売ったとしても、住み替え先の購入価格も値上がりしていることが多いです。
そのため、その他の判断基準やご自身の状況から売却タイミングを決めるとよいでしょう。
周辺物件の動向
周辺の競合物件の動向も売却すべきどうかのタイミングに関わるポイントです。
例えば、構造や階数などが似ている近くのマンションが売り出されている場合、その売り出し価格に注目してみましょう。
相場よりも高く売り出されていれば、自分のマンションを相場通りの価格で売り出すことで価格の差別化ができ、売却しやすい状況にできます。
反対に、競合物件が相場より安い価格で売り出していれば、自分のマンションも値下げする必要がでてきます。
このように、売却相場だけでなく実際に売り出されている周辺物件の動向も売却タイミングを計る指標となります。
築年数
建物の築年数は、年数が経過するほど価値も減少していくのが一般的です。
以下は、首都圏中古マンションの築年数別の成約価格を表したグラフです。
全国宅地建物取引業協会連合会、全 国 宅 地 建 物 取 引 業 保 証 協 会「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」を参考にすまいステップ編集部が作成
築年数の経過とともに成約価格も減少しているのがわかります。
特に築26年を超えると、新築時の43%程度の価格まで下がります。
このように、築年数は成約価格に大きく影響するため、売却時はできるだけ早い段階で売るのがよいでしょう。
季節
季節も売却相場に関わるポイントです。
そもそも不動産は1年のなかで繁忙期と閑散期があり、売却する時期いよって成約できる確率も異なります。
以下は、首都圏中古マンションの成約件数を月別で表したグラフです。
全国宅地建物取引業協会連合会「不動産市場動向データ」を参考にすまいステップ編集部が作成
グラフを見ると、10~11月、2~3月の成約件数が多いのがわかります。
10~11月は秋の引っ越しシーズンで、2~3月は新年度に向けての引っ越しシーズンであり、不動産の取引が活発になる時期です。
つまり、上記の時期に売り出せば買い手が付きやすく、売却できる確率も高くなる傾向にあります。
売却を急いでないのであれば、繁忙期を目安に売却活動を進めてみましょう。
所有期間
マンションの所有期間も重要なポイントです。
不動産売却によって得た利益(譲渡所得)には所得税や住民税などが課せられますが、所有期間によって税率が大きく異なります。
種類 | 対象期間 | 税率 |
---|---|---|
短期譲渡所得 | 所有期間5年以下の土地・建物 | 39.63%(所得税 30.63% 、住民税 9%) |
長期譲渡所得 | 所有期間5年を超える土地・建物 | 20.315%(所得税 15.315% 、住民税 5%) |
参照:国税庁
所有期間が5年を超えるかどうかで2倍近く税額が異なるため、節税したいのであれば5年を超える年数を所有してから売却した方がよいでしょう。
自分のマンション売却相場の調べ方
エリアごとのマンション売却相場や市況を見て「いま自分のマンションを売るとしたらいくらで売れるのか?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
個別のマンションの売却予想価格を知りたい場合は、不動産会社に査定してもらうのが1番正確性が高く、おすすめです。
しかしながら、まずはもっと手軽に相場を調べたい方も少なくないはずです。
そこで、この章では手軽に自分のマンション売却相場を調べる方法をご紹介します。
すまいステップの「マンション査定シミュレーション」で調べる
以下のシミュレーターは、すまいステップが過去のマンション売却データ等を元にして作成した、簡易的に売却相場がシミュレーションできるものです。
完全無料・匿名で利用できるので、是非ご活用ください。
レインズマーケットインフォメーションで調べる
Reins Market Information(レインズマーケットインフォメーション)は、公益財団法人の東日本不動産流通機構が運営しているマンション・戸建ての成約情報や売り出し情報をまとめたデータベースサイトです。
サイトでは、過去1年間の売却事例に基づいた相場データを閲覧できます。
具体的なマンション名などは匿名化されているためわかりませんが、類似物件の売買事例から調べられる㎡単価を元に、自分のマンションがいくらで売れるのかを大まかに算出できます。
類似物件は、以下のような条件でデータを絞り込むことで検索できます。
- 沿線
- 最寄り駅
- 駅からの徒歩距離
- 築年数
- 間取り
紹介してきた方法でわかるマンションの相場は、あくまでもおおよその金額です。
マンションの室内の状況などを加味した、より正確な売却相場を知りたい方は不動産会社から査定を受けましょう。
マンション売却時に相場より安くならないための注意点
マンション売却相場の好調を受けて「マンションを売却しよう」と思い立っても、「本当にこの価格で売却できるのか」不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
この章では、相場よりも実際の価格が安くなってしまう事態を避けるための注意点を4つご紹介します。
注意点①:複数社から査定を受ける
マンションを売却するにあたって査定を受ける時は、最低でも3社以上に査定を申し込みましょう。
不動産の査定額は、査定する不動産会社や担当者によってバラつきが生じることが少なくありません。
そのため1社からしか査定を受けなければ、その査定額よりも高く売れる可能性を逃してしまったり、反対にその査定額が本来の相場よりも高すぎたために売却に失敗してしまう恐れがあります。
より正確に相場を見極めるためには、複数の不動産会社の査定を受けて、各社の査定額を比較しましょう。
不動産一括査定サービスを利用してよかったです。手軽に複数の不動産会社から査定してもらえたので。
困ったことはありませんでした。思っていたよりも早く売ることができたし、良かったことしかないです。
引用:すまいステップの独自調査「マンションを売却したことがある方へのアンケート」より
昔から有名で知り合いが勤めていた不動産会社を選びました。
知り合いだったのでだいたいこれくらいだよと相場を聞いて、他にあたってみたかったがそれが出来なかった
絶対に何社かに見積もりはさせたほうが良いかなと思います。今かなり反省しています。
引用:すまいステップの独自調査「マンションを売却したことがある方へのアンケート」より
注意点②:囲い込みに気をつける
囲い込みとは、専任媒介契約や専属専任媒介契約で売却を依頼された物件の売買を自社の顧客同士で成立させるために、他社を通じた申し込みを断ったり、情報の公開を買主に無断で制限する行為です。
囲い込みは、不動産会社にとっては1つの取引で買主からも売主からも手数料を得られるため「効率的な営業手法」である一方で、売主にとっては「広く買主を募集する」という仲介のメリットがなくなってしまいます。
売却を依頼してから最初の1ヶ月で問い合わせがないようであれば、別の不動産会社を通して物件がきちんと売り出されているのか確認してみるのも手です。
注意点③:売却期間にゆとりを持つ
マンションを高く売るためには、売り急がないことが鉄則です。
売却期限が短いと、期限までに売り切ることを優先して大幅に値下げせざるを得なくなってしまったり、買取での売却に切り替えることで価格が安くなってしまうという事態に陥りやすいです。
すまいステップ編集部が「マンションを売却した経験がある方95名に行ったアンケート調査(調査期間:2023年12月28日~2024年1月11日)」では、マンション売却にかかる期間の平均は4~5ヶ月でした。
しかしアンケートの回答の詳細を見ると、売却に1~3ヶ月かかった方の次に4~6ヶ月かかった方が多いという結果になっています。
万全を期すなら、マンションを損せずに売却したい方は最低でも半年以上のスケジュールを見込んでおきましょう。
また、例えばマンションの住み替え目的で売却する方は、買主側に引っ越し予定などのスケジュールを全て伝えてしまわないようにしましょう。売却の期日が迫っていることが伝わってしまうと、足元を見られた価格交渉をされてしまう恐れがあります。
注意点④:相場より少し高めに売り出す
マンションを売りに出すときに、相場よりも少し高い金額で売り出し価格を設定することも、相場より安く売らない秘訣です。
不動産売買においては、マンションの購入申し込みの際に、買主から価格交渉を受けることがよくあります。売り出し価格からおおよそ5~10%の値引きされた金額が、最終的な売却価格になることが一般的です。
すまいステップ編集部が「マンションを売却した経験がある方95名に行ったアンケート調査(調査期間:2023年12月28日~2024年1月11日)」でも、マンションの売り出し価格と成約価格の乖離率が10%以下だった方の割合が全体の約75%を占めていました。
したがって、あらかじめ値引き金額分を見積もって、相場より1割程度高い価格で売りに出すことで、相場を下回る価格での売却を回避できます。
まとめ
この記事では、各主要都市のマンションの売却相場や、自分のマンションの売却相場の調べ方、マンションの売り時や売却時の注意点について解説してきました。
マンション売却を成功させるためには、相場の動向を把握しておくことが欠かせません。
売却時期を決める際にはエリアの相場を参考にして、いざ具体的に売却の準備を進める際には、複数の不動産会社から査定を受けて、ご自身のマンションの相場をできる限り正確に見極めましょう。
マンション売却についての全般的な知識を知りたい方はこちらの記事もご参考にしてみて下さい。