「家の査定はどうやって依頼するの?」「査定の時どこを見るの?」
初めて家の売却を検討している方のなかには、不動産会社に査定してもらうことに不安や疑問を持つ人もいるでしょう。
家を売るために査定を受けたいと思っても、査定前の準備や依頼方法など分からないことが多いと思います。
そこで、家査定を成功させるために必要なポイントを丁寧に解説していきます。
ご自宅がマンションの場合は、「マンション査定はどこまで見る?査定前の注意点と高額査定のポイント」をご覧ください。

- 監修逆瀬川 勇造
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。
【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士
また、家の売却を検討している方は一括査定サイトを使って、自宅がいくらで売れるか調べてみませんか?
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家査定の前にやるべき4つの準備
家の売却を決定してから、不動産会社に査定を依頼するまでにやっておいた方が良い準備は以下の4つです。
- 家の相場を自分で調べておく
- 持ち家の長所を整理する
- 査定に必要な書類を揃える
- 住宅ローンの残高を調べておく
これらの準備をして査定を受ければ、その後に続く売却活動もスムーズに進めやすくなります。1つずつ確認していきましょう。
相場価格の確認
査定を受ければ査定額が分かりますが、査定結果は必ずしも正しいとは限りません。
査定結果が相場に沿った価格かを判断するためにも、自分でも相場を調査しておきましょう。相場価格を調査するには、自宅に条件が似ている物件の取引事例を参考にするのが一般的です。
自分で調べる場合のポイントは、過去の事例を参考にする場合と、今売り出されている物件の情報を参考にする場合があることは覚えておきましょう。
それぞれ単一で見てもよいですが、両方を参考にすると、より正確な相場価格を算出しやすくなります。
相場を調べる時は以下の2つの方法があります。
レインズマーケット
「REINS Market Information」では、直近1年間の戸建てやマンションの取引事例が調べられます。物件の所在地や平方メートル当たりの単価、成約時期、間取りや築年数などさまざまな情報が見られるため、取引事例の参考にしやすいでしょう。
レインズマーケットインフォメーションは不動産流通機構「レインズ」が運営しているデータベースサイトで、実際に不動産会社などの宅地兼業務を扱っている人間しか見れない情報を、個人情報などをふせた形で閲覧することが出来ます。
また、物件の取引情報だけでなく、過去2年間の市場の動きも、グラフで表示されています。価格相場が直近の2年間で、どのように動いているのかも考慮すると、より該当不動産の現在価値を正確に算出しやすくなります。
ただし、このサイトで表示されている金額は売り出し価格ではなく、実際に売買契約を結んだ際の成約価格なので、売り出し価格より70%~85%程下がっている可能性が高いので注意しましょう。
土地総合情報システム
建物だけではなく土地の不動産価値も調べたいなら「土地総合情報システム」がおすすめです。
土地総合情報システムは、実際に不動産取引を行った人からアンケートを取り、その結果を集約してデータを集めたサイトです。
取引事例が豊富に掲載されており、過去15年ほどにわたって事例を検索できることが魅力でしょう。また、国や都道府県が定めた標準地や基準地も検索でき、土地の価値を算出しやすくなっています。調べられるのは戸建てとマンション、土地の3つで、中でも土地は居住用だけに限らず、農地の取引事例も検索が可能です。
家の売却を検討している人なら「家がいくらで売れるか?」は気になりますよね。自宅の売却価格を大体でも把握しておけば資金計画が立てやすく、安心して家を売却しやすくなります。そこで活用できるのが相場情報です。他の物件の売却価格を把握す[…]
持ち家の長所の確認
少しでも良い査定額を提示してもらう為には、売主自身が自宅の長所を把握しておくのが大切です。
その物件ならではの良さは、売却時のアピールポイントになり、購入希望者の意思決定を促したり、成約価格の向上にもつながります。
面積や間取り、築年数はもちろん、周辺環境の良さもアピールポイントです。
また、実際に生活してみて分かる使い勝手のよさ、動線のスムーズさもあれば、それらも的確に不動産会社に伝えられるようにまとめておきましょう。
家の長所を伝えれば査定額が高まる可能性もあり、売却活動中にも不動産会社から購入希望者へ物件の魅力を伝えてもらえるようになります。
直近で家をリフォームをしていれば、査定価格のアップにもつながります
必要書類の有無の確認
家の査定をスムーズに進めるために以下の様な資料を揃えてきましょう。
これらの書類は、査定時に必ず必要なものではないですが、
家を売却するときには必要になってくるものなので、査定前の段階で何があって何がないか確認しましょう。
種類 | 書類の説明 | 取得場所 |
---|---|---|
身分証明書 | 免許証など | – |
登記済権利書または登記識別情報 | 物件の登記情報を記したもの | ・購入時に取得 ・再取得は弁護士に依頼する |
固定資産税納付書・固定資産税納税通知書 | 固定資産税額を知らせる | 書類 毎年送付される |
土地測量図面・境界確認書 | ・一戸建てや土地の売却に必要 ・該当する土地の測量をした図面 | ・境界線が未確認の場合に業者に依頼 ・書類作成までに3カ月程度かかる |
売買契約書 | 該当不動産の売買について定めた契約書 | 不動産会社が作成 |
建築確認済証・検査済証 | ・一戸建ての売却に必要 ・設計段階で建築基準を満たしているか確認する書類 | ・購入時に取得 ・紛失時は市区町村役場の建築課で再発行 |
物件購入時の重要事項説明書 | 不動産についての重要事項を記載した書類 | 購入時に取得 |
物件の図面・設備の仕様書 | 不動産の間取りや設備の仕様を記したもの | 購入時に取得 |
不動産売却に必要な書類や入手方法を詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
不動産売却の必要書類を準備せずに不動産売却を開始してしまうと売却がスムーズに進まなかったり、買主の方とトラブルになりかねません。この記事では不動産売却に必要な書類から各書類の使用用途、使用タイミング、さらには不動産売却後に必要な手続[…]
住宅ローンの残高を調べておく
住宅ローンが残っている家は、ローンを完済し抵当権を抹消しなければ売却できません。
家の査定額よりも住宅ローン残債の方が多いと、他の金融機関から借り入れをして返済したり、新居の住宅ローンに借り替える必要があります。
ローン残高と査定価格との差分を把握しておけば、家の売却価格でローンを返済できなくても、新しいローンを組んだり、預貯金で支払うなど資金計画を立てることができます。
住宅ローンが残っている家を売る場合は、買い替えの資金計画を立てるために事前にローン残高を調べておきましょう。
査定の流れと依頼方法を把握しておこう
査定をスムーズかつ、失敗のないように進めていくには全体像を把握しておくことが大切です。
査定の流れと依頼方法をしっかりと把握しておきましょう。
家を査定する流れ
不動産の査定とは不動産の売却や買い替えの検討のために「売却できそうな価格」を不動産会社などに算出してもらう手続きのことです。
売主は算出された査定価格を参考に「売り出し価格」を決定します。
まずは査定の流れを確認して、査定の全体像を把握しましょう。
家査定の流れ
- 不動産会社に査定依頼をする
- 査定の訪問日時を決める
- 不動産会社の現地調査が始まる
- 調査結果の報告が来る
- 売却する気になったら不動産会社と契約を結ぶ
1.不動産会社に査定依頼
まずは不動産会社に査定を依頼します。
ポイントとしては複数の不動産会社に査定を依頼することです。
査定価格は不動産会社によってズレが生じてきます。必ず複数の不動産会社に査定依頼をするようにしましょう。
訪問査定か机上査定か決めておこう
不動産会社の査定には、類似物件の過去の売買価格や査定時の市場状況などのデータをもとに現地調査なしで査定額を算出する机上査定。
机上査定で得られる情報と、実際の現地調査によって行われる訪問査定があります。
訪問査定の方がより精度の高い査定が可能です。
査定結果は実際の売却価格や売却のスピードにも影響するので訪問査定で高精度な査定を受けることをおすすめします。
2.訪問日時を決める
訪問査定を依頼する不動産会社が決まったら、現地調査の日取りを決めましょう。
査定時には立ち合いが必要で、大体2時間はかかるとみて時間に余裕がある日時にするようにしましょう。
3.不動産会社の現地調査
予定していた訪問日時にて、不動産会社の担当者による現地調査が始まります。
不動産会社が査定時に見るべきポイントは後程解説していますが、担当者から査定依頼した家の状況について質問されます。
質問への回答が査定額に影響する場合もあるので、正直に質問に答えましょう。
4.査定結果の報告
現地調査から3~4日後に査定結果が届きます。
査定額が提示されたら「何故その価格になったのか」の理由を納得できるまでしっかり聞いてください。
もし、その質問に対して曖昧な返答をするようだと信用できない担当者の可能性が高いです。
5.売却する気になったら不動産会社と契約を結ぶ
査定を行ったからといって必ず売却をする必要はありません。
実際に「売却してみよう」と思えたら不動産会社に協力してもらい、売却活動を開始します。
その時に不動産会社と結ぶ契約を媒介契約といいます。
家を売るには査定依頼から売却完了までに6つのステップがあり、売却完了まで2~6カ月程かかります。
何となくの全体像を把握しておきましょう。
下記にステップ毎の目安期間も記載しておきます。
やること | 目安期間 | |
---|---|---|
STEP1 | 査定依頼 | 1~2週間 |
STEP2 | 媒介契約 | |
STEP3 | 売却活動の開始 | 1か月~ |
STEP4 | 内覧対応 | |
STEP5 | 売買条件の決定 | 1か月~ |
STEP6 | 引渡し |
以上が査定から売却完了までの流れとなります。
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より詳しく家売却の流れについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
不動産売却がはじめての場合、何から調べたらいいか分からないと感じたり、なんとなく難しそうに感じたりするかもしれません。私も不動産売却の勉強を始めたばかりのころ、難しい用語や複雑な業界知識に悩まされた経験があります。そこでこの記事では[…]
査定の依頼方法
今日では、査定は一つの会社からではなく複数の会社から受けることが推奨されています。
提示される査定価格は会社によって異なるため、1社のみで決定してしまうとのちのち「もっと高く売れたのに」と後悔してしまう恐れがあります。
ゆっくりでもいいので、複数の不動産会社から査定を受けることを徹底しましょう。
1.不動産一括査定サイトを利用する
不動産一括査定サイトとは、Web上で複数の不動産会社にまとめて無料で査定依頼ができるサービスです。
これまで不動産会社に査定を依頼する場合、一社一社に足を運んだり、電話で査定してほしい物件情報を何度も説明する必要がありました。
不動産一括査定サイトを利用すればこのような面倒な作業が不要です。
Web上で簡単な項目を入力すれば、提携している不動産会社の中からあなたの物件を高く売ってくれる会社に自動で査定依頼でき、査定結果をメールや電話で受け取れます。
一括査定サイトは無料で利用できるため「ラクに査定依頼がしたい」「高く売ってくれる不動産会社を見つけたい」という人にオススメです。
すまいステップは最大4社の査定結果を比較できるため、信頼できる不動産会社をみつけやすくなります。
※ネット経由で家査定をする場合のポイントをより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。 「家がいくらで売れるか手間なく知りたいな・・」「でも、家をネットで査定するのは不安だなぁ」近年、インターネット経由で家の査定をすることが主流になりつつありますが、どのサイトを使えばいいか分からない方、大切な家をネットで査定していいも[…]
2.匿名で査定依頼できる「AI査定」を利用する
おおざっぱに査定価格を知りたい机上査定を選択した場合は、個人情報なしで査定依頼が出来る「AI」査定がおすすめです。
AI査定サイトで査定をする際に必要な情報は査定したい家の「住所」や「間取り」など少く、個人名や電話番号等の入力は不要です。
物件の情報を入力するだけで査定をしてもらえるため、査定後に不動産会社からしつこく営業の連絡が来るという心配もありません。
ただし、提示される査定額は現地の状況を踏まえていないため、概算の査定価格になります。
匿名査定で得たか価格はあくまで参考程度と考え、本格的に売却を検討している方は一括査定サイトを使って不動産会社に査定依頼する方がオススメです。
匿名査定が出来るサイトに関しては以下の記事をご覧ください。 家を売る検討しているので家の価値を知りたい、ただし不動産査会社に査定依頼して営業電話がかかってくるのは嫌!という方もいるでしょう。そんな方に朗報です。最近は、個人情報いらずで匿名で不動産の査定ができる「不動産匿名査定サービス」が[…]
※また、上記のサイト以外にもいくつか自宅で家の査定が出来るツールがあります、以下の記事もあわせてご覧ください。 家を査定したいけれど、不動産会社にわざわざ行きたくない!けれど、自宅で査定をする方法がよくわからない・・という方はいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では自宅査定ツールを使って自宅で査定を行う流れと、おすすめの自宅査定ツールを[…]
3.不動産会社に一件ずつ直接依頼する
不動産会社のホームページや電話から、または店舗に赴き査定を依頼する方法です。
複数の不動産会社に査定を依頼するのであれば非効率的な方法で、依頼の度に申し込みの情報を1から伝える必要があります。
知り合いの不動産会社に申し込むときや、おかかえの不動産会社があるときには有効ですね。
家の査定で見られるポイントは?
家査定を成功させるためには、どのように査定結果が出るかを理解することも重要です。
どのポイントが評価されているか、その要素をどのように計算して査定額が算出されているのかを確認していきましょう。
【査定でどこを見る?】家査定の評価ポイント
査定の際に一戸建てやマンションなどの物件種にかかわらず、必ず見られる評価ポイントは以下の5つです。
- 築年数
- 専有面積
- 交通の便・立地条件
- 間取り
- 日当たり・通気性
それぞれ、なぜ重視されているのか・どのような条件の場合高く評価されるのかを確認していきましょう。
築年数
築年数は家の価値を決める最も重要な要素といえます。日本では特に、新築不動産が人気であることから分かるようにできるだけ新しい家に住みたいという志向が強く、築年数が浅いほど査定額が高く・築年数が古いほど査定額が低くなります。
「法定耐用年数」という不動産取引における評価基準が以下のように建物構造別で定められています。
構造 | 耐用年数(住宅用の場合) |
---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 22年 |
木骨モルタル造のもの | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの(マンションなど) | 47年 |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 38年 |
(参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」)
築年数経過に伴う住宅価値推移を示した下図を見ると、一戸建ての建物価値はマンションに比べて早い段階でほぼゼロになることが分かります。
ここで気を付けておきたいのは、価値がゼロになるのは建物のみで、土地部分の価値はほぼ変動しないため、土地の価値で査定額が決まります。
面積
一戸建ての場合「床面積」マンションの場合「専有面積」と呼び方は異なりますが、基本的に面積が広ければ広いほど高い査定額が出ます。
一戸建てでは坪単価・マンションでは㎡で自分の家の面積を確認しておきましょう。
交通の便・立地条件
一戸建てにせよ、マンションにせよ建物自体ではなく、「どこにあるか」が重要視されます。
交通の便に関しては最寄り駅までの距離/分数、近くの公共交通機関がバスしかない場合は、バスの運行便数・バス停までの距離/分数などがを基準に、交通利便性が高ければ評価が上がります。
また、立地条件に関しては家の周辺にスーパーや商店街などの商業施設・学校や保育園などの教育施設、病院などの医療機関があるかどうかも判断のポイントとなります。
マンションの場合は、周囲の景観が良い場合上層階の家の査定額が上がる要因にもなります。
間取り
室内の間取りが居住者にとって使いやすいものであるかが査定額に良い影響を与える要因になります。
具体的には、間口が狭い構造になっていないか・生活者がよく使う水回りの設備(お風呂やトイレ・洗面台)が利用しやすい位置にあるかが重要視されています。
また、マンションの場合は角部屋などは余計な柱などで家具を配置しずらい場合などは価格が下がる原因になります。
日当たり・通気性
一戸建て・マンションにかかわらず、日当たり・通気性が良いか悪いかによって評価が異なり、査定額に反映されます。
特に、訪問査定でしか分からない情報であるため、家の日当たりや通気性がいい場合、特に訪問査定を受けるメリットが大きいです。
また、住戸内の主要採光部分(居間の窓の位置・リビングのバルコニーの位置)などは重視してみられるポイントともいえます。
具体的には、建物自体の向き(方角)が南向きを基準とすると、東向き→西向き→北向きの順で査定額が徐々に低くなる傾向にあります。
一戸建て特有の査定の評価ポイント
評価ポイントの中でも一戸建て特有の査定額に影響するポイントは以下の3つです。
- 雨漏り、シロアリの被害
- 土地の接道状況
- 土地の面積や形状
ひとつずつ確認していきましょう。
雨漏り、シロアリの被害
売却後に、雨漏りやシロアリ被害隠れた欠陥が見つかった場合、売主側の瑕疵(かし)担保責任を問われることがあります。欠陥があると査定額が大きく下がります。
瑕疵担保責任の期間内の場合、修繕にかかる費用を負担しなければならないことがあるので早めに修繕しましょう。
また、過去に一戸建てでシロアリ被害があり、修繕済みの場合にも申告は必須です。
土地の接道状況
一戸建ての場合、建物だけではなく土地が査定額に及ぼす影響は大きいです。接道状況とは、道路に面している状況のことを指します。
「幅員4m以上の道路に、2m以上接していなければならない」という接道義務があるので、最低条件としてこれを満たす必要があります。
また、道路と接している間口が広いほど高額査定を得やすいです。
土地の面積や形状
土地の面積や形状もまた、査定額に影響を及ぼします。広くて整形されている土地であるほど高額査定を得やすいです。
反対に、土地の形状がいびつ過ぎて整っておらず使い勝手が悪い場合や、土地が狭すぎて新たに敷地内に物を置けない場合など、購入希望者にとって使い勝手が悪い土地の場合は査定額が下がる要因になります。
マンション特有の査定の評価ポイント
評価ポイントの中でもマンション特有の査定額に影響するポイントは以下の3つです。
- 住戸位置
- 維持管理状況
- 敷地・共用部分の状況
ひとつずつ確認していきましょう。
住戸位置
マンションの場合、所有している住戸がある位置によって同じマンション内でも査定額が変わってきます。
基本的に上階にいけばいくほど査定額が高くなり、下階にいけばいくほど査定額が低くなります。
一概に比較することは出来ないですが、目安としては、階層ごとに物件価格の0.5%前後の価格差が生じます。
維持管理状況
マンション全体として維持管理の状況が良いと、査定額に良い影響を及ぼします。
具体的には、修繕計画や修繕積立金・管理費の負担金額、またエントランスやエレベーターなど共用部分の保守清掃状況・管理員の勤務形態(24時間管理・日勤・巡回など)・管理会社への委託形態(全部委託管理・一部委託管理・自主管理など)が見られます。
マンション全体として維持管理が徹底されているか、今後築年数が古くなってもよい状態を整えるだけの体制があるかどうかを見ています。
敷地・共用部分の状況
マンションの土地部分である敷地・共用部分の設備の豊かさの状況も査定額にプラスになるポイントです。
敷地でいうと、マンションの土地の権利(所有権・賃借権など)を確認されますが、基本的に敷地権があるマンションがほとんどであるため、大きく差がつくポイントではありません。
共用部分の状況に関しては、建物外観やエントランスの壁・床・天井がきれいに仕上げられているかどうかのほかにも、オートロックなどのセキュリティがしっかりしているか・インターネット対応は良好かなどが見られます。
家査定を行う際の5つの注意点
家査定を成功させるために必要な4つ目の観点は、家査定の注意点を知ることです。
査定依頼をする前から査定結果の報告を受けるまで、主に以下3つの注意点があります。
- 査定前にリフォームは不要
- 1社だけの査定結果を信じない
- 営業担当者の見極めを怠らない
- 瑕疵は正直に伝える
- 査定額の根拠を聞く
ひとつずつ確認していきましょう。
査定前にリフォームをしない
査定価格を上げるために査定前にリフォームする方もいますが、オススメできません。リフォームにかけた費用より高く売れることはめったにないからです。
一方で、費用をかけずに部屋の印象を良くするのはやるべきです。例えば片付けや掃除をして部屋を清潔にしておくことが大切です。
部屋が掃除されていないと悪い印象を与えてしまい、マイナス査定につながることも少なくありません。
そのため、目に付きやすい玄関やリビング、水回りはは念入りに掃除をしておきましょう。特に、水回りは経年劣化が見られやすい部分のため、きれいにしておくことが大切です。
掃除が手間という方はハウスクリーニング業者に掃除を依頼するのも1つの方法です。
査定前にどこを掃除すべきか詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
家に住みながら売却を考える場合、内覧の準備をどのようにしたらよいか悩んでいる方も多いようです。内覧時の印象が「売買の成否が決まる」と言っても過言ではありません。あなたが家を購入したとき、または、賃貸物件を借りたときおそらく内覧で物件[…]
1社だけの査定結果を信じない
不動産会社によって同じ物件でも査定価格が大きく異なることはよくあります。
不動産会社の中には、契約を得るために意図的に高い査定価格を出して、売り出した後に値下げの提案をする企も会社もいます。
1社にしか査定していなければ、その会社が出した査定価格が高いか低いか判断できず、相場とかけ離れた価格で売り出し損につながるかもしれません。
また、不動産会社は買主を探しから、価格交渉まで売却業務の全てを担うので、仲介を依頼した不動産の力量が家売却の成否は大きく関わります。
初めから一つの不動産会社に絞り込み、査定を依頼するのは危険です。複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果や不動産会社の比較しながら信頼できる会社を選んでいきましょう。
営業担当者の見極めを怠らない
信頼できる不動産会社を見つけるだけでなく、よい営業マンを見つけることも重要です。
不動産会社はよくても、営業マンとの相性が悪いと、査定だけではなく売却活動がうまくいかないことも少なくありません。
場合によっては、査定額を低く見積もられてしまう可能性もあるため、相性のよさは重視しましょう。
質問に対して的確な答えをくれるか、不動産の知識が十分にあるか、細かいことでも丁寧に対応してくれるかで、営業マンとの相性は測ることが大切です。
もし相性が悪いと感じるなら、担当替えを願い出るか、別の不動産会社の利用を検討してもよいでしょう。
査定を依頼すべき会社の特徴について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
家の売却を思い立った際に「どの不動産会社に依頼すればいいんだろう?」「大手と地域密着型の不動産会社どっちがいいんだろう?」「悪徳不動産会社に依頼してしまったらどうしよう・・・」家を売却する際に最も重要なのが「不動産会社選び」[…]
瑕疵を正直に伝える
査定時には瑕疵(かし)を正直に伝えましょう。
瑕疵とは、本来備えらられている性能が発揮できない欠陥があることを指します。不動産の売主には瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が課せられます。
売買契約をする物件や土地に、購入した時点では明らかになっていない欠陥があった場合、売り主が買い主に対して負う契約解除や損害賠償などの責任
つまり「購入者が不安を感じたり不快に思うような瑕疵(かし)がある」にも関わらず、その理由を隠したまま家を売ってしますと後から売主の責任問題となり、慰謝料の支払いや契約解除へ発展してしまいます。
査定時に不動産会社に瑕疵を隠したままにすると、後々損害賠償を請求されるかもしれないので注意してください。
家やマンションを購入することは人生を左右する大きな決断の1つです。買主は「本当にこの家を買っていいのか?」とても慎重に判断をします。そのため、ほとんどの中古物件購入希望者は「売却理由」を気にします。家の内覧時に「どうして売却するんですか[…]
査定額の根拠を聞こう
訪問査定が終わると、査定結果が査定書にまとめられ依頼者に送られます。
不動産査定書の中には、査定額だけでなく、査定額の根拠や周辺の売買物件の相場などがまとめられています。
たとえ、査定額が高いからと言ってその不動産会社がいいとは限りません。査定額の根拠をしっかり聞いて査定額の信憑性を確認することが大切です。
特に、査定額が相場よりも高い不動産会社には必ず査定額の根拠を聞いて下さい。根拠なく高い査定価格を提示している会社には仲介を依頼してはいけません。
不動産を売却する際には不動産査定書というものが必要になってきます。しかし、「不動産査定書ってどこで入手できるんだろう」「不動産査定書っていくら費用がかかるんだろう」「不動産査定書ってどうやって見るの?」といったような不安があるのでは[…]
家査定でよくある質問
家の査定は費用がかかる?
基本的に不動産会社に査定依頼をする場合、家の査定は無料ですることができます。
ただ、不動産鑑定士に依頼する場合は、調査費用として数万円から数十万円程度かかることも少なくありません。
しかし、公的機関に証拠資料として提出出来る査定書を発行してくれるため、離婚や相続時の財産分与でトラブルを避ける場合などは、不動産鑑定士への有料の査定依頼を行うことも検討してみても良いかもしれません。
不動産査定について、以下のような悩みがありませんか?「いきなり不動産会社に査定依頼出すのは不安・・」「査定依頼したら不動産は売らなきゃいけないの?」不動産売却は多くの方にとって初めての経験。査定がどういうもので、何を準備すればい[…]
離婚した場合家は売るべき?
なお、離婚という売却理由は、買主にとってはネガティブに聞こえますが、そのまま伝える必要はなく、仕事の都合で離れる、両親と一緒に暮らすなどと伝えることで、マイナスイメージをつけずに売却できます。

買取の場合家の査定価格は下がる?
買取は不動産会社に直接物件を買い取ってもら方法で、家の買取相場は仲介で売却する価格の70%程度安くなります。
例えば、市場価値が3000万円の家を不動産会社に買い取ってもらうと2100万円程度の価格にしかなりません。
「家の買取をしてもらいたいけど、相場が安いって本当?」そう悩んでいる人は多いのではないでしょうか。家の取引方法には「買取」と「仲介」の2種類があり、買取は仲介と比較して売却価格が低くなりやすいです。この記事では、家買[…]
不動産会社の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
大手不動産会社 | ・対応しているエリアが広い ・サービスが充実している | ・地域についての情報に詳しくないこともある |
地元の不動産会社 | ・該当地域に詳しい ・地域に合わせた売却方法を提案してくれることがある | ・信頼できるか判断が難しい ・大手のほうが好条件で売却できることもある |
それぞれメリットとデメリットがあるため、自分が求める売却スタイルに合わせて選ぶことが大切です。どちらにしようか悩んでいる場合は、両方で査定を出してもらい、条件を比較して決めてもよいでしょう。
査定額を決定する要素は複数ありますが、実際にどのような計算がなされているのか、気になる人は多いでしょう。実は査定額を算出する方法は3つあり、それぞれで参考にするポイントが異なります。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
以上の3つの中でどの方法を用いるかは、不動産の種類や状態などによって変わります。
取引事例比較法:条件が似ている事例から算出
実際の売買取引の事例を参考にして、条件が似ているケースから不動産価値を算出する方法が「取引事例比較法」です。参考にするポイントは、売却の時期や間取り、面積や設備の違いから、立地条件や地域性の違いなどさまざまです。特にマンションを査定した際に使用されます。
不動産取引は、ケースバイケースで金額が変わるため、明確にいくらと計算することは難しいですが、いくつかの事例を参考にすることで、ある程度の相場価格は算出できます。ただし、取引事例法が使えるのは、該当不動産と似た条件の取引があることが条件です。
細かいポイントは計算で調整できるものの、参考にする事例が、あまりにも該当不動産と異なる場合は、計算ができません。そのため、取引事例が多い地域では利用しやすいですが、不動産取引が活発ではない場所では、取引事例比較法での計算は正確性が落ちやすいです。
原価法:築年数に応じて計算する
特に一戸建ての査定によく使われる方法として「原価法」というやり方がありますが、この方法は経年劣化の部分も計算に組み込みます。
原価法では、今ある物件を現在の物件で再取得した場合に、いくらかかるのかを考えて査定を行います。当時の物価と現在の物価は異なることも多いため、その差額が計算のポイントになるでしょう。
また、経年劣化した部分も考慮するため、該当不動産の再取得の費用から、減価償却費を差し引いたものが原価法での査定結果になります。減価償却費とは税制上の考え方で、家や住宅設備など、長期間使えるものを複数年に分けて経費計上するやり方で、計算式は以下の通りです。
償却率は家の構造や設備によって決まっており、その値を参考にして計算します。原価法は、経年劣化する不動産が限定であるため、戸建てやマンションなどの建物には利用できますが、土地には適用できないため注意しましょう。
収益還元法:投資物件向けの算出方法
投資物件の価値を算出する際には、収益還元法を用います。これは「直接還元法」と「DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法」の2つがあり、DCF法のほうがより計算が複雑です。
直接還元法は、該当の不動産から得られる1年間の純利益を、周辺の類似した収益物件の利回りで割ることで計算します。純利益で計算するため、得られた収入から費用を差し引き、そのうえで計算しなければなりません。最後に100をかけることで、不動産の価格を算出できます。
DCF法では、該当の不動産が現在上げている収益だけでなく、将来的に上げられる収益や売却想定価格を考慮して計算します。複雑な計算になるため自分で行うことは難しく、不動産会社に任せて算出してもらうことが普通です。
直接還元法とDCF法は、それぞれ投資物件に用いる査定方法のため、居住用に使用している建物や土地の査定には使用しません。
家の査定について気になる方は「家の査定を完全解説|はじめての査定を成功させるコツ」も参考になります。
記事のおさらい
査定したら売らないといけない?
査定をしたからといって必ず家を売る必要はありません。直近で売却を考えていない方は机上査定がオススメです。詳しく知りたい方は、家査定の流れは把握しようをご覧ください。
家の査定は無料でできる?
不動産会社への査定依頼は無料です。詳しく知りたい方は、 無料で査定依頼する2つの手段をご覧ください。
査定依頼前に準備は必要?
査定依頼前に自分で近隣の相場を知らべおくと良いでしょう。相場の調べ方など詳しく知りたい方は、家査定の前にやるべき4つの準備をご覧ください。
家の査定で見られるポイントは?
家の査定は以下の流れで進められます。詳しく知りたい方は、家の査定で見られるポイントは?をご覧ください。
- 不動産会社に査定依頼をする
- 不動産会社に訪問査定してもらう日時を決める
- 不動産会社に家に来てもらい現地調査をする
- 不動産会社から家の査定結果を報告してもらう
家売却の基礎的な情報を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「家を売りたいときどうするの?」「初めて家を売るので失敗しないか不安・・」家を売ることは人生で何度も経験することではありません。いざ「売りたい!」と思っても何から手を付けていいか分からず不安ですよね。この記事では、家を売る流[…]
監修者から一言
特に家の売却の経験が浅いという方にとって、家の査定先を1社だけに絞って売却活動を進めるのは危険です。基本的には複数の不動産会社に査定を依頼して、提示された査定額を比較検討すべきですが、1社1社不動産会社を探していくのは非常に大変ですし、よい不動産会社を見つけるのは簡単なことではありません。