「自分の土地がいくらで売れるのか、査定してもらいたい!」
また、自分でも価格を予め調べておくと、査定時の価格交渉を有利にすすめることができます。
この記事では、土地査定を検討している人に向けて、査定額の決まり方、自分で査定額を調べる方法、査定の種類、査定の流れや準備しておくことについて解説しています。
この記事を読んで、最適な査定方法を選び、査定に向けて準備できるようにしましょう!

- 監修蔭山 達也
- 大学卒業後、大手不動産流通会社に入社。売買仲介をメインに実務経験を積む。その後、株式会社ノヴェルに入社。著書に「条件難物件でも低予算で満室になるおもてなしビル管理経営」がある。
- 【保有資格】宅地建物取引士、ビル経営管理士、CPM(米国不動産経営管理士)、賃貸不動産経営管理士
- 【URL】株式会社ノヴェル、YouTubeチャンネル
土地査定の2つの方法
土地査定には「自分で調べる方法」と「不動産会社に依頼する方法」の2つがあります。
▼土地査定の2つの方法
方法 | 査定結果の正確さ | 査定にかかる期間 |
---|---|---|
自分で調べる方法 | 大まか | 15分~30分 |
不動産会社に査定依頼する方法 | 正しい | 1日~1週間 |
①自分で調べる方法
土地の査定額は、国税庁や一般財団法人が管轄している地価サイトの価格情報、不動産情報サイトで利用できる匿名査定(AI査定)などからその場ですぐに調べることができます。
ただし、自分で調べる場合は、不動産会社に依頼する場合と比べて査定結果の精度は劣るため、あくまで参考程度にとどめておくことがよいでしょう。
・その場ですぐに大まかな査定価格を出したい
・不動産会社に査定依頼する前に目安として査定価格を知っておきたい
②不動産会社に依頼する方法
不動産会社に依頼する場合、「査定時からおおむね3ヶ月以内に売却できる金額」を知ることができます。プロの視点から査定されるので、精度が高い査定価格がわかります。ただし、不動産会社とやりとりが発生したり、結果がわかるまで1日~1週間ほど時間がかかります。
・実際にいくらで売れるのかプロの視点から見積もってもらいたい
土地の査定価格を自分で調べるには限界がある?
不動産会社による査定と比べると、自分で調べられる査定価格は精度に限界があります。
というのも、不動産会社が査定する場合と自分で調べる場合では、査定価格を決める際に参考にできる情報量が大きく異なるからです。
不動産会社が査定を行う場合、主に以下の情報を総合的に踏まえたうえで査定価格を決めています。
情報 | 概要 |
---|---|
地価公示価格 | 国土交通省や自治体が1年に1回、全国各地を調査して定める価格。売買価格を決める目安として利用されている |
実勢価格 | 土地の取引事例価格。周辺エリアで条件が類似する土地が直近いくらで売買されていたかがわかる |
現地調査による評価 | 不動産会社が土地を実際に訪れ、状態や周辺環境から土地の価値を直接評価した結果 |
市況 | 直近不動産価格が変動しているかや、今後変動が予想されるかといった事実情報や予想 |
プロによる経験と勘 | 不動産会社の営業担当者が売却経験を通して培ってきた知見や直感 |
自分で調べる場合と不動産会社に依頼する場合では、以下のように参考にできる情報に差が出てしまうのです。
情報 | 自分で調べる場合 | 不動産会社に依頼する場合 |
---|---|---|
地価公示価格 | ◯ | ◯ |
実勢価格 | ◯ | ◯ |
現地調査による評価 | ✕ | ◯ |
市況 | ✕ | ◯ |
プロによる経験と勘 | ✕ | ◯ |
土地の査定価格を自分で調べる方法
土地の査定価格を自分で調べる方法は大きくわけて3種類あります。
▼土地の査定価格を自分で調べる方法
種類 | 概要 |
---|---|
匿名査定を利用する | 不動産情報サイトに無料公開されている、AIが査定価格を自動算出するシミュレーション機能を利用する |
実勢価格から調べる | 国土交通省が管轄している地価情報サイトから、同エリアにおける類似する土地の取引事例を参考にする |
地価公示価格から調べる | 国土交通省が管轄している地価情報サイトから、国が調査した同エリアの土地の価格を参考に調べる |
どの方法が適切か、次のチャートから選んでみてください。各調べ方の手順は以降で解説しています。
①匿名査定を利用する
匿名査定とは、不動産会社に個人情報を伝えることなく、不動産情報サイトから土地の面積や立地情報を入力するだけで、簡単に不動産の査定を行える無料サービスです。別名「AI査定」とも呼ばれる方法で、サイト内に蓄積されている類似する土地の価格が査定結果となります。
匿名査定でわかる査定価格は大まかですが、その場ですぐに結果がわかるので「大まかでよいのですぐに査定価格を知りたい」ヒトにオススメです。おすすめの匿名査定として、「すまいステップの土地査定シミュレーション」があげられます。
すまいステップの土地査定シミュレーションでは、最短10秒でおおまかな土地の査定価格を把握できます。
ただし、あくまでも土地の面積とエリアの情報のみを基にした結果としているので、査定価格は200万~1000万など、幅が広い価格が提示されます。
すまいステップの土地査定シミュレーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
②実勢価格から調べる
実勢価格とは実際の売買が成立した価格のことです。土地の査定額は周辺エリアの実勢価格を加味して決定されるので、5つの価格のうち最も正確に査定額を調べることができます。調べるには土地情報総合システムという地価サイトを利用します。
調べる手順
- 土地情報総合システムから「不動産取引価格情報検索」を選択
- 検索条件の設定画面が表示されるので、住所と直近の調査結果を選択
- 検索結果から自分の土地と類似する取引情報を探し、その土地の㎡単価を確認
- 「似た条件の土地の実勢価格×面積 」から売却相場を算出
→実勢価格から査定額を調べる方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
③地価公示価格から調べる
地価公示価格とは、国土交通省が毎年発表している公的な地価情報です。公示地価は1月1日時点の、基準地価は7月1日時点の地価を調査し、相場動向を踏まえて不動産鑑定士が値付けしています。調べるには、実勢価格と同様に土地情報総合システムを利用します。
調べる手順
- 土地情報総合システムから「地価公示・都道府県地価調査」を選択
- 「都道府県→市区町村→調査年・用途区分」で条件を指定
- 表示された公示地価から、似た条件の土地の価格を確認
- 「似た条件の土地の公示地価×面積×1.1」から売却相場を算出
不動産会社による土地査定の方法とは?
この章では、実際に不動産会社がどのように土地を査定しているのかについて解説しています。
不動産会社が土地を査定する方法として、「取引事例比較法」と「収益還元法」の2つがあります。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、査定地と類似する取引事例の土地の売却価格を参考に、査定地の価格を決める方法です。取引事例比較法は、近隣地域もしくは同一需給圏の類似地域において対象不動産と類似の取引が行われている場合に有効な手法となります。この手法によって求められる査定価格は、選択された取引事例の取引価格を指標として導き出されるものであることから、多数の事例の収集と選択の適否が価格の制度を左右します。
事例地を収集した後、事例地と査定地の地域要因および個別的要因の格差について比較・検討を行い、売主の事情や市況を考慮して補正をかけ、査定地の価格を決定します。
▼取引事例比較法に基づいた査定の手順
- 取引事例の選択
- 事例地の価格の把握
- 事例地と査定地における土地の評価項目の比較
- 査定地の価格の算出
- 市場調整率による補正
- 査定価格の決定
収益還元法
収益還元法とは土地の収益性に着目した評価方法です。対象とする土地が将来的に生み出すと期待できる収益の総和を求めることで、査定価格を決定しています。収益還元法は、賃貸用地や賃貸以外の目的で利用する土地の価格を求める場合に有効です。
収益還元法には、①直接還元法と②DCF法の2つの手法があります。
直接還元法は簡易的で一般的な不動産価格の算出方法です。多くの不動産会社は直接還元法を用いて査定価格を決定しています。
直接還元法では1年間の利益(収益-経費)を還元利回り(収益総計÷土地価格)で割って、土地の価格を求めます。
DCF法では、家賃の下落率や空室リスクなどを考慮して土地価格を算出するため直接還元法に比べると複雑な計算式になりますが、その分だけ精緻に査定額を求めることができます。長期保有する収益用不動産を評価する場合や、低稼働(空室が多い)状態等、現時点で大きなリスク要因があると判明している収益用不動産の評価を行う場合に用いられることが多いです。
土地査定の評価ポイント
この章では土地査定でみられる評価ポイントを解説します。
不動産会社が土地を査定するとき、実際にどんなポイントをみて、どのように評価しているか確認してみましょう!
①最寄り駅や公共・商業施設までの距離
最寄り駅や公共施設、商業施設までは、徒歩での所要時間が短いほど高く評価され、長いほど評価は下がります。また、最寄り駅の場合は、最寄りのバス停から駅までのバスの乗車時間や運行頻度も評価対象となります。
▼評点の決め方
- 最寄り駅、公共施設、商業施設までが徒歩10分を下回るほど高く、上回るほど低い
- 最寄りバス停から最寄り駅までのバス本数が朝夕ラッシュ時に13便/時間を上回るほど高く、下回るほど低い
- 最寄りバス停から最寄り駅までがバスで15分を下回るほど高く、上回るほど低い
▼例
評価が「高い」
評価が「普通」
評価が「低い」
②街路の配置
街路の区画が整然と配置されているほど評価は高くなりますが、無秩序で行き止まりが多い場合は低く評価されます。
▼評価の決め方
街路の状態 | 評価 |
---|---|
街路が区画整然と配置され、均衡がとれている | 高い |
街路の配置、整備の状況が比較的均衡がとれている | 普通 |
街路が自然発生的で無秩序、または行き止まりがある | 低い |
③住環境
隣接地が公園や緑地など、周辺に住環境によい影響を与える施設がある場合は評価が上がりますが、倉庫や作業所などの住環境を損なう施設がある場合は評価が劣ります。
▼評点の決め方
隣接地の利用状況 | 評価 |
---|---|
公園や緑地に利用され住環境によい影響を与えている | 高い |
周辺の環境と同じ利用状態にある | 普通 |
倉庫や作業所などに利用され、環境が劣る | 低い |
④嫌悪施設の有無
嫌悪施設(人に不快感を与える施設)が近隣にある場合、評価は下がります。
嫌悪施設の例としては、次のようなものがあります。
- 風俗店
- 公害発生施設
- 原子力関連施設
- 廃棄物処理場
- 下水処理場
- 火葬場
- 軍事基地
- 刑務所
- ガスタンク
- 火薬類貯蔵施設
ただし、嫌悪施設との距離や影響度によって評価の下がり方は異なってきます。
▼評点の決め方
嫌悪施設の有無 | 評価 |
---|---|
嫌悪施設がない | 普通 |
嫌悪施設はあるが危機感や不快感の程度が低い | 低い |
嫌悪施設が付近にあり危機感や不快感の程度が高い | かなり低い |
⑤騒音・振動
周辺エリアにて、自動車や電車などの交通音・工場などの操作音が大きいほど評価は下がり、閑静であるほど評価は上がります。また、窓を締めることでどれくらい遮断されるかも評価に入ります。
▼評点の決め方
騒音・振動の状態 | 評価 |
---|---|
交通量が少なく閑静な状態 | 普通 |
窓を閉めれば気にならない程 | やや低い |
窓を締めても騒音が残る状態 | 低い |
窓を締めても騒音・振動が相当残る | かなり低い |
⑥接面道路の幅員
接面道路が二以上ある画地では、出入り口として利用できるほど道路の幅が広い場合は評価が高くなります。一方で、幅が狭く出入りがしづらい土地は使い勝手が悪いため評価が下がります。
▼評点の決め方
接面道路の幅は4mを基準に評価されます。4mを超えるほど評価はあがり、4m未満になるほど評価は下がります。
⑦道路舗装状況
接面道路がコンクリートやアスファルトなので舗装されている場合は評価が上がります。一方で、舗装されていない砂利道などの道路は評価が下がります。
▼評点の決め方
舗装状況 | 評価 |
---|---|
完全舗装 | 普通 |
簡易アスファルト舗装 | 低い |
未舗装(砂利道など) | かなり低い |
⑧公道・私道
私道は公道に比べて評価が下がります。道路補修費等の負担が利用者にかかってくるためです。なお、接面する私道の持ち分を保有していなかったり、通行などに負担が生じる場合はその分減価されます。
▼評点の決め方
状態 | 評価 |
---|---|
公道 | 普通 |
私道 | 低い |
⑨接面道路の方位
道路がどの方角に面しているかは、日照と通風に影響を与えるため方角ごとで評価が異なります。角地であるほど評価が高く、南>東>西>北の順で評価が下がります。最も評価が高い方角は南東、評価が低いのは北西になります。
色が濃い方位ほど評価は高く、薄いほど低くなっています。(下図を参照)

また、二方路地に接面する場合は、二方路地のうち高いほうを基準に評価が決まります。
⑩接面道路の高低差
宅盤と接面道路との高低差は小さいほど評価はあがります。宅盤が道路より高い場合と低い場合で評価基準は次のように異なります。
1.宅盤が道路より高い場合
宅盤が道路よりも高い土地は出入りがしづらく、高低差がおおきくなるほど評価はさがります。
▼評点の決め方
ただし、宅盤が接面道路より高くても掘り抜きガレージなど、出入りのしづらさを解消している場合は減点されません。
2.宅盤が道路より低い場合
宅盤が道路より低いと排水面や日照面で不利になるので、高低差が大きいほど評価は下がります。
▼評点の決め方
⑪画地規模
その地域によって需要がある土地の大きさは決まっています。例えば、平均坪数が20坪の都心では、100坪の土地は大きすぎて使い勝手が悪く、買い手がつきにくい傾向にあります。つまり、地域ごとの坪数と比べて乖離があるほど、評価が下がってしまいます。
▼評点の決め方
地域の標準的な土地の規模に対し、小さすぎる、または大きすぎる土地は評価が下がります。
⑫形状
当該地域における標準的な整形地と比較して、整形に近いほど評価はあがり、不整形であるほど評価は下がります。(下の図をご参照)

⑬間口・奥行き比
利用効率の面から、道路に面する間口が広いほど評価されます。また、奥行きは間口に対して長いほど利用効率が悪いとされ、評価は下がります。
▼評点の決め方
⑭用途地域
「用途地域」とは「計画的な市街地を形成するために、都市計画法によって用途に応じて各地域にわけられたエリア」を指します。用途地域では用途ごとに建築制限がかかっており、建築制限が緩い用途地域の評価は高くなりますが、厳しい地域の評価は低くなります。
例えば、以下の条件において、用途地域ごとの平均㎡単価は以下のようになります。
<抽出条件>
- 対象エリア:東京都
- 不動産種類:宅地(土地)
- 売買契約後の使用目的:住宅
- 取引時期:2018年3月~2021年3月
土地計画分類 | 平均㎡単価 | 単価の比較 |
---|---|---|
第1種低層住居専用地域 | 75万 | 53% |
第2種低層住居専用地域 | 142万 | 100% |
第1種中高層住居専用地域 | 166万 | 117% |
第2種中高層住居専用地域 | 146万 | 103% |
第1種住居地域 | 174万 | 122% |
第2種住居地域 | 233万 | 163% |
準住居地域 | 95万 | 66% |
近隣商業地域 | 185万 | 129% |
商業地域 | 261万 | 182% |
準工業地域 | 154万 | 108% |
工業地域 | 90万 | 63% |
工業専用地域 | 98万 | 68% |
平均値 | 143万 | 100% |
(参考:国土交通省「不動産取引価格情報」)
上の表では、㎡単価が最も低いのは建築制限が厳しい「第1種低層住居専用地域」になります。対して、平均㎡単価が最も高いのは「商業地域」で、店舗・住宅・ホテルなど幅広い用途の施設が建てられる、建築制限が最も緩い用途地域となります。
自分の土地がどの用途地域に属しているかは、自自体のホームページに掲載されています。検索サイトから「地域名+用途地域」で調べて、市区町村の都市計画図を確認してみましょう。
土地査定を依頼する方法
この章では一括査定サイト「すまいステップ」を例に土地査定の依頼手順を紹介しています。
手順1:土地情報を入力
まずはすまいステップの公式サイトから査定依頼フォームにアクセスします。
フォームに遷移し「土地」を選択。所在地など詳細な情報を入力していきます。
手順2:査定方法と不動産会社を選択し査定依頼
査定方法として「訪問査定」と「机上査定」の選択できます。
査定依頼できる企業の一覧が表示されるので、複数社を選択します。2社~4社依頼すると比較できるのでオススメです。
手順3:メールと査定書から査定額を確認
査定してから約2時間経つと査定結果とともに、査定額が記載されたメールを受け取れます。
この度は、インターネットサイト「すまいステップ」より、市川市○○丁目の不動産査定のご依頼を頂き有難うございます。
<<割愛>>
こちらで確認させて頂いた内容ですと、宅地面積が4筆の合計234.91㎡道路部分面積が2筆12.43㎡、建物が昭和51年築の126.47㎡となっておりましたので、こちらの内容で査定額は算出致しました。査定額【20,000,000円 ~ 23,000,000円】上記査定の詳細につきましては、添付の査定書をご参照ください。
<<割愛>>
まずは、査定額のご確認を頂きご不明等ありましたらお気軽にお問合せ下さい。
宜しくお願い致します。
また、査定依頼から4日後には、査定額が記載された査定書の原本を受け取れます。
土地査定を依頼して正しい査定価格を知ろう
これまで解説してきたように、土地の査定には専門的な知識や経験が必要なので、正しい査定価格を求めるにはプロに依頼することが一番です。また、査定依頼には、一括査定サービスのすまいステップがオススメです。
すまいステップに加盟している不動産会社は厳しい審査を通過した優良企業のみ。
査定依頼後のしつこい電話勧誘もなく、初めての方でも安心して査定を依頼することができます。次のフォームで最短10秒で査定を依頼することができるので、ぜひ利用してみてください。



土地の査定価格が分かる
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