訪問査定とは、以下のような特徴があります。
- 訪問査定とは
- 不動産会社が実際に現地へ訪問して不動産の状態を確認・調査して査定額を算出する査定方法
- 精度の高い売却予想額がわかる
- 所要時間は1~2時間程度
- 査定結果は1週間~10日程度
- 費用はかからない
家や土地・マンションを売りたいと思ったら、まずは査定を受けて、売却できる予想金額を査定してもらいます。
しかし、いきなり不動産会社の人に来てもらうのは気後れしてしまう方が多いのではないでしょうか。
この記事では「訪問査定」について詳しく解説します。
現地調査なしで簡易的に査定する「机上査定」との違いや、訪問査定をしなければならない理由もわかりやすく説明するので、訪問査定を受けるかどうか決める時の参考にしてください。
査定に関する基礎知識を知りたい方は、家査定の記事もご覧ください。
【家を売る手順】まずは事前準備から!全体の流れをしっかり把握しよう
訪問査定とは?机上査定との違い
「訪問査定」とは、不動産会社の担当者が家や土地、マンションを実際に訪れて、建物の状態や土地の状況、周辺の環境を調査したり、売主へのヒアリングに基づいて不動産の売却予想金額を算出する査定方法です。
書類だけではわからない部分を目で見て確認した上で売却予想額を算出するので、精度の高い査定額がわかります。
訪問査定当日の所要時間は1~2時間程度、査定結果がわかるまでには1週間~10日程度かかります。
また、不動産の査定は、大まかに「訪問査定」と「机上査定(簡易査定)」の2種類に分かれます。
どちらも無料で受けられ、査定を受けた不動産会社と契約しなかったとしても費用を請求されることはありません。
訪問査定と机上査定の主な相違点を、以下の表にまとめました。
訪問査定 | 机上査定 | |
---|---|---|
査定額の算出方法 | 不動産の情報+現地調査 | 不動産の情報のみ |
査定額がわかるまでの時間 | 約1週間~10日 | 最短当日~3日 |
査定額の精度 | 実際の売却相場に近い | 大まかな目安になる程度 |
机上査定は、不動産の所在地や面積、家・マンションの築年数、間取り、周辺の物件の取引事例、公示価格などの情報を元に、大まかな査定額を算出します。
訪問査定は、登記簿謄本や地図・公図等からわかる不動産の情報に、現地調査で得た情報を加味して査定額を計算します。
机上査定と比べて時間や手間がかかりますが、その分正確性の高い査定額がわかることが特徴です。
不動産の情報からわかる価格をベースに、それぞれの調査項目でプラスに評価されたポイントとマイナスに評価されたポイントを加味して金額を算出します。
更に、リアルタイムの市況と需要で調整された金額が査定額として提示されます。
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訪問査定を受けるべき理由
不動産の売却を考えているのであれば、机上査定ではなく、訪問査定を受けましょう。
正確性の高い査定額がわかるから
机上査定よりも訪問査定を受けるべき1番の理由は、精度の高い査定額は訪問査定でなければわからないからです。
そもそも、机上査定で査定額がわかるのは、不動産の所在地や間取り、面積をもとに、近隣で過去に売買された似たような物件を調べて比較することで、「この不動産だったら今いくらで売れるか」を試算するからです。
しかし、特に家(一戸建て)は物件ごとの個別性が高く、他の売買取引を参考にするだけではわからない部分が多いです。
家屋や設備の傷み方以外にも、室内の日当たりや風通し・部屋からの眺めは、家の構造や間取りに左右されます。
また、家が古くなってしまっていても、直近でリフォームを実施した箇所があればプラス評価をしてもらえることがあります。
つまり、訪問査定を受ければ、査定額に影響する「この家独自の要素」を盛り込んだ「実際の売却相場に近い査定額」を算出してもらえるのです。
どのみち訪問査定を受けることになるから
不動産を売却するのであれば、結局のところ訪問査定は必ず受ける必要があります。
不動産を売りに出す価格は、正確な査定額がわからなければ決められません。
また、土地の境界標がなくなっていたりすると、売却したい土地の正確な面積がわからず、そのままの状態では売却できません。
そのため、不動産の事前調査が不可欠なのです。
加えて、家の売却期間は通常6ヶ月程かかります。
なるべく早く売却を終えたいと思っても、買主がいつ見つかるかは運によるところもあるため、見通しを立てにくいという実情があります。
しかしながら、売却を始めるまでの準備期間は、「まずは机上査定」ではなく直接「訪問査定」を申し込むことで、ある程度短縮できます。
不動産会社を見極める機会にできるから
訪問査定の場は、不動産会社や不動産会社の担当者を見極める良い機会でもあります。
不動産の売却は、査定を担当した人がそのまま売却活動の担当者になることが一般的です。
売却活動の担当者は、購入検討者への物件の紹介や、内覧の対応も行います。
媒介契約の種類によっては、一度契約してしまうと3ヶ月は不動産会社を変更できません。
そのため、不動産会社と契約を結ぶ前の段階、つまり訪問査定の時点で「この不動産会社と担当者に売却を任せてよいか」を判断する必要があるのです。
訪問査定を受ける時には、担当者と連絡を取り合ったり、売却理由などのヒアリングを受けます。
また、質問があれば尋ねたり、査定額を教えてもらう以外に、売却についてアドバイスを受けることができます。
このようなやり取りを通じて「担当者は信頼できる人物か」を見極められるため、候補を1社に絞り込んでから訪問査定を申し込むのではなく、気になる不動産会社3~4社の訪問査定を受けることをおすすめします。
訪問査定ではどこを見る?評価のポイント
訪問査定では、実際に不動産会社が家に訪れて、家の状態を調査して査定額を算出します。
では、不動産会社は家のどこを見て評価するのか、どんなポイントが影響するのでしょうか?
以下は、訪問査定の評価に影響するポイントです。
- 築年数
- 立地条件
- 家の外観・構造・間取り
- 日当たり・眺望・風通し
- 土地の状況
- 周辺環境
築年数
家の査定額は、築年数が大きく影響します。
築年数が古いほど価値は低く、反対に、新しいほど価値は高まります。
木造戸建ての耐用年数は約30年程度で、築25~30年を過ぎると建物部分はほとんど価値のないものとして評価されます。
しかし、耐用年数と実際に住める年数は異なるので、物件によっては他の条件次第できちんと評価してもらえます。
マンションは構造上、木造よりも耐用年数が長く、価値の下落率も低い傾向です。
家の外観・構造
査定ではまず、家がどんな状態にあるかを確認します。
建物に劣化や損傷、破損がないか、傾いていないかなどを見ます。
家の売却では、家のきれいさや印象が大切なので、外観があまりに古くなっていたり壁が剥がれていると、査定額を下げてしまうポイントとなります。
定期的にメンテナンスを行っておくことで評価は上がりやすくなります。
家の内装(間取り・設備)
正方形や長方形などの間取りは生活動線を確保しやすく使いやすいので、高く評価されるポイントです。
反対に、三角形など個性的な間取りの家は万人受けしにくく需要が少ないので、査定額を下げてしまう可能性があります。
また、訪問査定で見られる家の内装部分は間取りだけではなく、設備が充実しているかも評価のポイントです。
以下のような設備があり、さらに最新でデザイン性が高いほど評価されます。
- システムキッチン
- 床暖房
- 浴室乾燥機
- 独立洗面台
- 駐車場・駐輪場
- マンションの場合は防犯カメラ・エレベーター
この他にも、リフォームの有無やシロアリ・雨漏りなどがないかもチェックされます。
立地の良さ
駅や都心部までの距離が近いなど、利便性の良い立地の家は高く評価されます。
駅だけではなく、以下のような生活利便を高めるものが近くにあると査定では有利です。
- バス停
- スーパーやコンビニ
- 学校や病院、郵便局
- 商業施設
他にも、人気のエリアや話題になったエリアの家は高く評価されやすいです。
日当たり・眺望・風通し
立地の良さは、日当たり・眺望・風通しの良さにも影響します。
近くに日当たりや風通しを邪魔する大きな建物や高架線がないか、景観を損ねるものがないかなどが見られます。
また、日当たりの良い南向きはもっとも評価が高いとされています。
土地の状況
土地の状況は、以下のポイントを中心に見られます。
- 土地の大きさ、形状
- 隣家との境界線、越境が明確か
- 道路との幅員
いびつな形状や狭小地だと評価は下がりやすくなります。
また、隣家との境界線があいまいだと売却しにくいので、必要であれば確定測量を行うなどで対策しましょう。
周辺環境
周辺環境で見られるポイントは、主に以下の3つがあります。
- 大きな道路や線路に面しているか
- 工場が近くにあるか
- 治安は悪くないか
周辺環境は、主に騒音や振動、臭いが気になる場所ではないかを見られます。
近くのごみ集積場がきれいな状態を保たれているか、夜でも人通りはあるのかなど、治安の良さも評価のポイントです。
訪問査定で不動産会社を見極めるポイント
前章でも解説した通り、訪問査定は「不動産会社を見極める機会」でもあります。
この章では、より具体的に「『信頼できる不動産会社』を見極めるポイント」を解説していきます。
不動産会社を見極めるポイント
査定額の根拠
不動産会社が提示する査定額には、根拠がなければならないとされています。
査定額とその根拠をまとめた資料が「不動産査定書」です。
不動産会社の担当者は査定結果の報告時に、査定書にしたがって「なぜこの査定額になったか」を説明してくれます。
なかには、査定額をつり上げて提示して、高く売れると期待した依頼主との契約を勝ち取ろうとする企業もあるため、「その査定額が妥当かどうか」を判断するために査定額の根拠の確認は必要です。
また、専門知識のない依頼主にもわかりやすく説明してくれるかどうかも重視しましょう。
売却プランの明確さ
不動産会社の担当者は、訪問査定を通じて査定額を算出するだけでなく、売主へのヒアリングを元に売却プランも立案します。
査定額を提示する時に「自分ならこの不動産をどうやって売却するか」という売却プランを用意してこない担当者は、意欲が高いと言えません。
また、以下の事項は売却を進める上で重要なポイントなので、担当者の説明から抜けていたり、説明を聞いてもよくわからなかった場合には、こちらから重ねて質問してみましょう。
- 売却希望時期に対する適切な売り出し価格
- 何ヶ月を目途に値下げを検討するか
- どのような媒体に広告を出すか
- (家を売る場合)建物を取り壊すべきか
担当者が適切な戦略を立てられるかどうかは、地域の事情を熟知しているかどうかも影響します。
近隣エリアのことをどれくらい知っているか、雑談の中で探ってみるのもいいでしょう。
契約の説明のわかりやすさ
訪問査定を受けた後は、不動産会社と契約を結んで売却活動を始めるかどうかを決めることになります。
そのため、担当者から契約の内容や、仲介手数料に関する説明を受けます。
この説明も、依頼主にもわかりやすく丁寧に話してくれているか、依頼主にとって不利な内容を隠していないかチェックしましょう。
売却を始める前に不動産会社と締結する契約を「媒介契約」といいます。
媒介契約には3種類あるのですが、これについて十分に説明を行わない不動産会社もあるので要注意です。
訪問査定を受ける際の3つの注意点
この章では、訪問査定を受けて正しい相場を把握するために注意すべき点を3つご紹介します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
注意点①:複数社に査定してもらう
訪問査定時の評価の付け方には、統一された基準がありません。
そのため、査定する不動産会社によって、査定額が大きく異なることがあります。
1社だけしか訪問査定を受けないと、その金額が他社よりも高いのか低いのかわかりません。
とはいえ、訪問査定をいくつもの企業に依頼するのは手間ですよね。
そこでおすすめなのが、一括査定サイトを利用して、まとめて複数の不動産会社に査定依頼を送ることです。
一括査定サイトの「すまいステップ」は、利用者が査定依頼を送れる不動産会社を、サイト側で厳選しています。
あなたの売りたい不動産があるエリアで、売買経験や知識が豊富な担当者の在籍している不動産会社だけをご紹介するので、不動産会社選びを簡単に・安心して進められます。
不動産売却を成功させたい方は、是非ご利用してみてください。
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注意点②:物件の情報は隠さず伝える
設備の故障など、不動産にマイナス要素がある場合でも、査定時に隠さず必ず伝えるようにしましょう。
不動産にある欠陥を隠したり偽った状態で査定を受けると、正しい査定額の情報を得られないだけではなく、売却時にトラブルが起きてしまう恐れがあります。
たとえば、欠陥をわざと隠した状態で売却が成立してしまうと、後から契約不適合責任を問われることがあります。
その場合、補修費用を売主側で補償したり、最悪の場合には売買取引がなかったことになることもあります。
以上のような事態を防ぐためにも、不動産で把握している欠陥や不具合・問題点に関しては、必ず担当者に伝えるようにしましょう。
注意点③:住んだからこそわかる情報を伝える
不動産について、目で見てわかる部分については、訪問査定で調査できますが、「物件ならではの良さ」は住んでみないとわからないことがたくさんあります。
家やマンションでの暮らしぶりや、生活する上で便利に感じることは、積極的に不動産会社に伝えましょう。
査定額に反映される可能性があるだけでなく、不動産会社の担当者が購入検討者にアピールポイントを説明する時の参考にしてもらえることで、売却がしやすくなるかもしれません。
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まとめ
訪問査定は、不動産を売却をする上で非常に重要なプロセスです。
売却を検討している方は、ぜひ訪問査定を受けましょう。
また、実際の相場を把握したり、査定結果を売却に活かすためにも、複数の不動産会社の訪問査定を受けるのがおすすめです。
訪問査定を受ける不動産会社を選ぶ時は、エリアでの売却実績や、不動産会社の強みを調べて決めるとよいでしょう。
また、一括査定サイトを利用すると、地域の不動産会社に詳しくない方でも、簡単に査定依頼を送れます。