不動産会社に家の査定を依頼する前には準備が必要です。
- この記事のポイント
- 家の査定前には、必要な書類の準備、家の境界線の確認、ローン残高の確認、修繕履歴の確認が必要です。
- 家の査定時には、築年数、専有面積、交通の便・立地条件、間取り、日当たり・通気性などが評価ポイントとして考慮されます。
- 家の査定前のリフォームやハウスクリーニングは基本的に不要です。
家の売却を考え始めたら、「家がいくらで売れそうか?」を不動産会社に無料で査定してもらいます。
しかし「家の査定前にはどんな準備をすればいいの?」「査定時には何が見られるの?」など不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、家の査定を検討している方に向けて査定前にやっておきたい準備を詳しく紹介していきます。
なお、「家を売る基礎知識を知りたい」方は家を売る記事をご覧ください。
家の査定依頼前に準備すること
まずは、家の査定前に確認しておくべきポイントを5つ紹介します。
- 家の査定時に必要な書類を揃える
- 家の境界線を確認する
- 家のローン残高を確認する
- 家の修繕履歴を確認する
- 家の査定前にリフォームやハウスクリーニングは不要
しっかり準備をして、万全の状態で査定に臨みましょう。
査定準備1:家の査定時に必要な書類を準備する
家の査定をスムーズに進めるために、査定までに必要書類を一通り揃えておくことをおすすめします。
不動産会社は書類の内容を元に査定額を算出するため、より正確な査定額が分かるためです。
また、書類の内容によって建物の管理状況などが良いと判断されれば、査定額でもプラスの評価を得られる可能性があります。
下記に査定時までに最低限準備しておきたい書類をまとめました。
項目 | 目的 | 取得場所 |
---|---|---|
登記済権利証 | 登記名義人の変更 | 市役所 |
間取り図と測量図 | 物件情報の確認 | 市役所 |
実印、印鑑証明 | 書類への捺印と実印の証明 | 市役所 |
本人確認証 | 売主本人の確認(免許書など) | 市役所 |
建築確認済証、検査済証 | 建築基準を満たしてるかの確認 | 市役所 |
地積測量図、境界確認書 | 土地の大きさ等の確認 | (測量士に相談) |
査定前の段階で何があって何がないか確認しておくと、訪問査定時に不動産会社に書類について相談しやすくなります。
以下の表で必要な書類をまとめたので、時間に余裕があるうちから揃えておきましょう。
通常、査定依頼をしてから不動産会社が来るまでには数日~1週間の時間がかかります。
査定を申し込んでから書類などの準備を始めると効率がよいので、まずは下記のバナーから査定申し込みをすることをおすすめします。



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不動産売却に必要な書類はこれで全部!重要度や入手方法などわかりやすく解説
査定準備2:家の境界線を確認する
古い家や相続した家の場合、隣地との境界線が明確でない時もあります。
境界線が確定されていない土地ではトラブルが起きやすく購入検討者が見つかりにくいため、確定されている場合よりも安く査定されてしまいます。
境界線が確定していない場合は、確定測量を行う必要があるのですが、まずは査定時に不動産会社の担当者にその旨を伝えてみるとスムーズです。
境界線は登記事項証明書から確認でき、法務局又はオンライン郵送で取得できます。
オンラインで申請する方は、下記サイトで本人確認を行った後、『簡単証明書請求』より取得できます。
査定準備3:家のローン残高を確認する
住宅ローンを組んでいる方はローンの残債を確認しておきましょう。
不動産を売却するためには、基本的にローンを支払い終えている(または売却金額で一括返済できる)必要があります。
住宅ローンの残債は、金融機関から毎年送られてくる年末残高証明書で確認できます。各銀行によって時期は少し異なりますが、毎年10月頃に送られてくるので確認してみましょう。
年末残高証明書が手元にない方は、直接銀行へ行き借入金の残高証明書を要求すれば残債を確認できます。
万が一、査定額がローン残債+貯金額よりも低い場合は、住み替えローンの利用や任意売却を考えなければいけません。
査定を依頼してから実際に不動産会社が訪問するまでには1週間程度の時間があるので、ローンを調べていない方は先に査定依頼をしてから残高を確認すると良いでしょう。



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査定準備4:家の修繕履歴や検査履歴を確認する
訪問査定を受ける前までに、家の修繕履歴を確認しましょう。
水回りのリフォームや外壁の塗り直しなどの補修を行っていると、査定時にプラスの評価を得られる可能性があるからです。
また、耐震診断やアスベスト使用報告調査などを行っている場合も、検査結果を踏まえた査定額が算出されます。
もし余裕があれば、修繕や検査の詳細が分かるよう下記の書類を準備しておくといいでしょう。
- 修繕前後の間取り図
- リフォームの契約書
- 住宅性能評価書
- 耐震診断報告書・アスベスト使用報告書
修繕や検査を行っているなど、管理が適切に行われている家は査定での評価も高くなります。
修繕履歴・検査履歴をしっかりまとめて不動産会社に伝えましょう。
査定準備5:家の査定前のリフォームやハウスクリーニングは不要
管理状況がしっかりしている家は査定で評価されやすいと言っても、査定前のリフォームやハウスクリーニングは不要です。
なぜなら、リフォームやハウスクリーニングにお金をかけたからと言って、かかった金額全てを査定額に上乗せできるとは限らないためです。
家の査定時にはさまざまなポイントが加味されますが、中でも査定額に大きな影響を与えるものが「立地」と「築年数」です。
しかし、リフォームやハウスクリーニングではこの2つの要素を改善できません。
また、リフォームをすることでかえって購入希望者の希望に合わなくなり査定額が下がることも考えられます。
リフォームやハウスクリーニングには少なくないお金がかかるので、査定前には行わないことをおすすめします。
家査定時5つの注意点
初めての家売却で失敗しないために、家査定に際しての注意点を把握しておきましょう。
注意点1:1年以内に家を売るなら訪問査定を依頼
1年以上家を売るつもりがなければ、不動産会社からメールで査定額を教えてもらえる机上査定で十分です。ただし、1年以内に家を売りたいなら必ず訪問査定を依頼しましょう。
机上査定は、相場や売り出し事例を参考に価格を算出するので正確な査定額が分かりません。
訪問査定は、外装や内装などの実際の老朽化具合や周辺環境まで考慮した正確な査定額が分かります。
訪問査定後でも必ずしも家を売却する必要もありません。そのため、家の売却を考えはじめたら、査定を受けるのが一般的です。
実際に家を売る場合は、売り出し価格によって売れ具合が大きく左右されるため必ず訪問査定を受けましょう。
家の無料査定はどこに頼むべき?おすすめの査定方法や注意点を解説!
注意点2:高額な査定価格が出ても鵜呑みにしない
高額な査定額を鵜呑みにして、高く査定額を提示した不動産会社を選ぶことはやめましょう。
複数の不動産会社に依頼すると、思わぬ高額な査定額が提示されることがあります。
嬉しいことではある反面、不動産会社側が仲介手数料欲しさに実際に売れない価格を提示しているケースがあります。
相場より高い価格で物件を売り出すと、価格がネックで売れ残ってしまうリスクが高まります。
このような事態にならないために、査定価格を鵜呑みにせず、査定額の根拠を遠慮せずに聞くようにしましょう。
根拠がしっかりと説明できるのであれば問題ないですが、根拠が曖昧な説明をする不動産会社との契約を見送りましょう。
注意点3:家の査定は複数の不動産会社に依頼する
家の査定は必ず複数社をに依頼し、査定結果を比較しましょう。
査定依頼を一社だけにすると「査定結果を比較できない」「担当者の対応や言っていることが正しいか判断できない」ため、結果的に最良の条件で売却できない可能性が高まります。
家の査定は3社程度に依頼するのがおすすめです。あまり数が多いと対応が大変になります。3社程度なら話は混乱せず比較検討しやすいです。
広告をたくさん出す大手、地元の集客に強い地元密着会社など異なるタイプの会社に声をかけてみましょう。
複数の不動産会社に査定依頼するなら不動産一括査定サイトすまいステップがおすすめです。
大手から中小まで、全国の優良不動産会社のみ査定依頼でき、簡単な入力だけで最大4社から見積もりを受け取ることが出来ます。
【宅建士監修】不動産一括査定サイトのランキングを公開!厳選12サイトの特徴を解説
注意点4:家の査定時に見られるポイントを把握しておく
家査定を成功させるためには、査定時に評価されるポイントを把握しておくことが重要です。
何がチェックされるかを知っておけば、不動産会社が提示した査定額が適切か見極める際に役立つためです。
家の査定時には例えば以下のようなポイントが加味されます。
- 築年数
- 専有面積
- 交通の便・立地条件
- 間取り
- 日当たり・通気性
まずは「築年数」ですが、日本では新しい家が人気であり、築年数が浅いほど査定額が高くなります。
建物部分は、構造別に定められた法定耐用年数があり、その耐用年数が残っているほど資産性が高いと判断されるためです。
「面積」は、一戸建ての場合は床面積、マンションの場合は専有面積が重要で、広いほど査定額が高くなります。
「交通の便」や「立地条件」も査定価格に大きく影響します。周辺に商業施設、教育施設、医療機関があり暮らしやすいと判断されれば査定額にプラスの評価が与えられます。
「間取り」、「日当たり」、「通気性」も訪問査定時にはチェックされるポイントです。査定を受ける時間帯が昼間ならカーテンを開けるなどしておうちの魅力を最大限アピールしましょう。
注意点5:家の査定時は「営業担当者の対応」を確認する
家の査定時の営業担当者の対応を見て、信頼できるか判断しましょう。
「家売却が成功するは、不動産会社選びにかかっている」とよく言われます。
これは、同じ物件でも、担当者の力量や熱意によって売却価格が大きく変わるためです。
不動産は定価販売ではないので、高く売るためには担当者がその家の魅力をいかにアピールできるかが重要です。
家の査定時は、担当者に知識、実績、相性など担当者が信頼できる人か見る機会になります。
査定額を知るだけでなく「自分の家を一番高く売ってくれそうな不動産会社を探す」機会としても活用しましょう。
家査定の流れ
家の査定は大きく分けて以下の4つのステップで行われます。
- ネットから査定依頼をする
- 訪問査定の日時を決める
- 訪問査定を受ける
- 査定結果を聞いて、家を売るか決める
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
①ネットから査定依頼をする
家の査定は、ネットから申し込むことをおすすめします。
ネットから家の査定依頼をすれば、無料で査定できることはもちろん、1件1件アポイントを取る手間を省けるためです。
特におすすめなのは、一度の申し込みで複数の不動産会社に査定依頼のできる不動産一括査定です。
不動産会社のウェブサイトにアクセスし、必要な情報を入力することで手軽に査定依頼ができます。
依頼する際は、物件の住所や面積、築年数などの基本的な情報を準備しておきましょう。
すまいステップから査定依頼をすると、あなたの家のエリアに強い不動産会社最大4社から無料で査定を受けられます。



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訪問査定の日時を決める
査定依頼をすると、不動産会社から電話やメールで連絡があります。不動産会社から連絡があったら、訪問査定の日時を決めましょう。
訪問査定時には立ち合いが必要です。
土日は人気があるため、休日に訪問査定を受けたい方は早めに査定依頼をして日程をおさえるようにしましょう。
査定依頼をしてから訪問査定を受けるまでは、通常数日~1週間程度の機関が空くため、その間に書類を準備することをおすすめします。
訪問査定を受ける
約束の日になったら、不動産会社の担当者があなたの家を訪問します。
まずは挨拶をして書類の受け渡しを行い、不動産会社の担当者が室内の設備を見てまわります。
特にお風呂やトイレ・キッチンなどの水回りやリビングの広さ、日当たりなどを重点的に確認します。
時間としては1時間~1時間半程度のことが多いです。
査定結果を聞いて、家を売るか決める
設備のチェックが終わると、その場で・もしくは後日郵送で査定額を教えてもらえます。
当日査定結果を聞きたい場合は、あらかじめ不動産会社の担当者に「ざっくりでいいので訪問査定当日に査定額を教えて欲しいです」などと伝えておくとよいでしょう。
もし査定額に納得いかなければ、必ずしも家を売る必要はありません。
料金などもかかr
家の査定時に伝えるべきこと
家の査定時は、不動産会社の担当者に家の価値や不動産売買についてを詳しく質問できる貴重なタイミングです。
また、正しい査定額を出すために伝えるべきこともいくつかあります。例えば以下のようなものです。
- 希望条件
- 売主から見た物件のアピールポイント
- 不具合のある箇所など物件の「瑕疵」
- 第三者的な立場から見た物件の強み・弱みを聞く
- 家を高く売るための売却戦略とその根拠を質問する
希望条件
家を査定する際、まずは希望条件を明確に伝えましょう。
理想の売却価格や価格や売却のタイミングなどの希望条条件を伝えることで、査定の結果に反映される可能性が高まるためです。
例えば4,000万円と査定の物件でも、「1カ月以内に売りたい」など切羽詰まったような状況では少し値下げをして売ったほうが確実に売却できる確率が上がります。
一方でゆっくり売主探しをする時間があるなら、査定額よりも高めの価格で買ってくれる人も見つかるかもしれません。
査定時には、売却時期や希望価格など売却にあたっての希望条件を不動産会社の担当者に伝えましょう。
売主から見た物件のアピールポイント
売主の視点から、物件のアピールポイントを伝えることも重要です。
その家に住んでみたからこそ分かるおうちの魅力は、購入希望者を惹きつけるヒントになるため、査定額に影響したり購入希望者が見つかりやすくなったりする可能性があるからです。
普段住んでいると気づくことが少なくても、例えば以下のようなことは物件のアピールポイントになります。
- 広々としたリビングルーム
- キッチンなどの設備
- バスの便が良い
- 商業施設や病院などが近く生活しやすい
- 学区
- 閑静な周辺環境で過ごしやすい
不動産会社の担当者に会ったら、自信を持って物件の魅力や特徴を説明しましょう。
不具合のある箇所など物件の「瑕疵」
家に「瑕疵」がある場合には、正直に伝えることが大切です。
瑕疵とは、雨漏りや壊れている設備などの不具合のある箇所のことを指します。
家を売却した後に瑕疵が見つかると、売主は買主に対して補修箇所を修繕したり損害賠償金を支払ったりしなければならない民法上の責任に問われます。
これを契約不適合責任と言います。
契約不適合責任に問われないよう、例えば以下のような不具合のある箇所を把握している場合は必ず不動産会社の担当者に伝えましょう。
- 雨漏り
- 電気・ガス・水道などライフラインの不具合
- 扉などの立て付け
- シロアリ被害
- はっきりと分かる範囲での床の傾き
第三者的な立場から見た物件の強み・弱みを聞く
家を査定する際には、第三者の意見も聞くことが有益です。
自分では気づかないおうちの魅力を発見できることがあるためです。
不動産の専門家である査定の担当者に物件の強みや弱みを客観的に評価してもらい、それを参考にすると良いでしょう。
家を高く売るための売却戦略とその根拠を質問する
最後に、家を高く売るための売却戦略とその根拠を査定業者に質問しましょう。
具体的なマーケティング戦略や類似物件の成約価格などの情報を得ることで、売却時の戦略を立てることができます。
例えば以下のようなことを質問するとよいでしょう。
- 査定額を算出した根拠
- 近隣エリアの戸建ての売却実績
- 近隣エリアの中古物件売却市場の状況
- 物件広告はどこに・どんな方法で出稿しているのか
すまいステップでは「宅地建物取引士の資格あり」「不動産売買仲介歴5年以上」「相場より高く売却した経験あり」など独自の基準で査定にあたる担当者を厳選しています。
不動産取引の知見豊富な担当者にあなたの物件を査定してもらいましょう。



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記事のおさらい
家の査定はどうやって依頼する?
査定方法は匿名査定シミュレーションと一括査定サイトの2つがおすすめです。詳しく知りたい方は家の査定を依頼する2つの方法をご覧ください。
査定で評価されるポイントはどこ?
特に、築年数、面積、立地条件、間取り、日当たり・通気性が評価の対象になります。詳しくは家査定で評価される5つのポイントをご覧ください。
査定依頼の前に準備することは?
ローン残債の確認、書類の準備、境界線の確認、掃除です。詳しく知りたい方は査定依頼の前に準備することは?をご覧下さい。
家の査定時の注意点は?
主に5つありますが、特に複数の不動産会社査定依頼することが、査定で失敗しないための注意点です。詳しくは家査定時5つの注意点をご覧ください。