これから家の査定を受けようとしている方で、「査定前に掃除したほうがいいの?」といった疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
家の査定前に掃除すれば、査定額が高くなると思われがちですが、実は査定前に掃除しているかどうかは査定額には影響しないことがほとんどです。
この記事では、査定前の掃除の必要性や、査定額に影響するポイントなどを詳しく解説します。
これから査定依頼する方や、すでに査定を控えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
Q:家の査定前に掃除したら査定額は上がる?
家を売却する時、誰もが「できるだけ高く売りたい」と考えるでしょう。そこで、査定前に掃除して査定額を上がることを期待する人はたくさんいるはすです。
しかし、家の査定前に掃除することで、本当に高い査定額が出るのでしょうか?
A:査定では立地や設備を見るため上がらない
家の査定では、主に立地や室内・設備の状態を見ます。
そのため、掃除しているかどうかで査定額が大きく変わることはほとんどありません。
人を招き入れるマナーとして、人に見られてもよい状態にするために最低限の掃除はしておきましょう。
次の章では、どんなポイントが査定額に影響するのか詳しく解説します。
家の査定額に影響するポイント
家の査定前の掃除は査定額に影響しないため、基本的に掃除は不要ということをお伝えしました。
この章では、家の査定額に影響するポイントについて、家自体のポイントと家の周辺のポイントの2つに分けて解説します。
家自体の状況
家の状況によって査定額は異なるため、査定額を上げたい方はしっかり確認しておきましょう。
- 間取り・面積
- 築年数
- 構造
- 設備の有無
- 日当たり
- 眺望
- 建物の劣化状況
- 耐震性
間取り・面積
一つ目は間取りと面積です。
購入者が物件を選ぶうえで非常に気になるポイントであり、査定額にも大きく影響します。
部屋数や面積以外にも、快適に日常生活を送るための環境が整っているかなども見られます。
例えば、家事をするうえでの導線管理や一般的な間取りとなっているかなども見られます。
個性的な間取りでも一部の人には好印象を与えるかもしれませんが、一般的には需要が少ないので査定額に良い影響を与えづらいです。
築年数
築年数は査定額に大きく影響するポイントです。
以下のグラフは、築年数別での戸建てとマンションの成約価格の平均相場です。
築年数 | 価格 |
---|---|
新築~5年 | 4,821万円 |
6年~10年 | 4,653万円 |
11年~15年 | 4,436万円 |
16年~20年 | 4,024万円 |
21年~25年 | 3,955万円 |
26年~30年 | 3,333万円 |
31年~ | 2,345万円 |
(参考:レインズ 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」)
築年数が経過すると建物の劣化や損傷などの影響もあり、成約価格が下がる傾向にあります。
なお、マンションの平均相場は、「マンション査定前には掃除が必要?査定額に影響するポイントも解説」で確認できます。
構造
家の構造にはさまざまな種類があります。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 重量鉄骨造(S造)
- 木造(W造)
構造によって耐用年数が異なり、年数が長い構造ほど査定額に良い影響を与えます。
建物の構造 | 非業務用(自宅用等)耐用年数 |
---|---|
鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造 | 70年 |
れんが造、石造またはブロック造 | 57年 |
骨格材の肉厚4mm超の金属造 | 51年 |
骨格材の肉厚3mm超4mm以下の金属造 | 40年 |
骨格材の肉厚3mm以下の金属造 | 28年 |
木造または合成樹脂造 | 33年 |
木骨モルタル造 | 30年 |
(参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」と国税庁「『減価償却費』の計算について」)
設備状況
設備の充実度も査定額に影響するため、確認しましょう。
- 最新機器の有無
- キッチン、トイレ、バスルームの設備の充実度
- 電気、ガス設備などに不備はないか
設備が充実していれば査定額に良い影響を与えるため、設備が揃っているか、不備はないかなどをチェックしておきましょう。
日当たり
日当たりの良い部屋は需要があるため、査定額に良い影響を与えます。
戸建ての場合は、周囲に日当たりを遮る物があると日当たりを十分に確保できない可能性もあります。
将来的に日当たりが悪くなると判断されて査定額に悪い影響を与える可能性があるからです。
眺望
窓からの眺めの良い物件は査定額に良い影響を与えます。
マンションであれば、高階層ほど眺望も良くなる傾向にあるので査定額に影響しやすいです。
建物の劣化状況
建物に損傷や劣化が見られると査定額に悪い影響を与えてしまいます。
特に築年数の経過している建物は劣化状況も進んでいる傾向にあります。
ただし、リノベーションをしていれば新築と変わらない内装となっていることもあるため、高く査定される可能性もあります。
耐震性
地震の多い日本において、耐震性は非常に重要なポイントです。
耐震基準には2種類あり、1980年以前の旧耐震基準と1981年以降の新耐震基準です。
新耐震基準は、震度6強~7でも倒壊しないように造られており安全性が高いです。
旧耐震基準の建物だと、安全性が確保されていないため、査定額に悪い影響を与えることを理解しておきましょう。
家の周辺状況
周辺状況も査定額に影響するため、確認しましょう。
- 利便性
- 治安
- 競合物件の有無
利便性
快適に過ごせるかどうかの利便性も査定額に影響します。
- 近くにスーパーやコンビニがあるか
- 近くに駅があるか
- 学校や病院の有無
これらは生活するうえで必要な施設であり、近くにあるかどうかをチェックされます。
利便性が高いほど高い査定をされるため、確認しておきましょう。
治安
治安の良し悪しも査定額に影響します。
誰しも治安の悪い場所に住みたいとは思いません。
一見治安の良さそうな地域に見えても、夜になると治安が悪化しているケースもあるので注意が必要です。
競合物件の有無
住んでいる地域で似たような物件が売りに出ていないかも確認しておきましょう。
それらの物件は競合物件となり、競合物件が多いほど希少性も下がるため、査定額に悪い影響を与えやすいです。
近所で似たような物件が売りに出ていないかチェックして、競合が多いのであれば売却時期を見直すことも検討しましょう。
Q:家の掃除はしなくていいの?
家の査定前は掃除が不要だとしても、このまま売却を進めていってもよいものか悩みますよね。
では、家を売却するにあたって掃除はしなくていいのでしょうか?
A:掃除は査定前ではなく「内覧前」がおすすめ
家の掃除は、査定前ではなく内覧前に行いましょう。
室内を掃除しないまま内覧者を迎え入れてしまうと、実際に住んだ時のイメージがしづらく、内覧者の購入意欲に悪影響を与えてしまう可能性があります。
きれいに片付いた室内を見せることができれば好印象へと繋がり、売却がスムーズに進みやすくなります。
内覧の日程が決まったら、事前に室内を徹底的に掃除しておきましょう。
家の内覧前に最低限すべき掃除内容
家を売却する上で、内覧前の掃除が重要だとお伝えしました。
この章では、内覧前に最低限掃除しておくべき場所を確認しておきましょう。
- 水回り
- 部屋全体の荷物を整理する
- 臭い対策
水回りをきれいにする
水回りは掃除箇所で最も重要箇所といえます。
キッチン、バス、トイレなどは水垢やカビ、油汚れなどが目立つため、掃除をしていないと内覧者の購入意欲も下がってしまいます。
重点的に掃除するようにしましょう。
なお、自分で汚れを取るのが難しい場合は、ハウスクリーニングに依頼するのも検討しましょう。
部屋全体の荷物を整理する
部屋が散らかっていると内覧者に対して悪い印象を与えてしまいます。
掃き掃除や拭き掃除はもちろんですが、不要な物を処分したり、片づけたりするなどして整理もしましょう。
芳香剤などを置いて臭い対策をする
部屋の見た目だけでなく、臭い対策も大切です。
玄関、トイレ、リビングなどに芳香剤を置くなどしましょう。
自宅の臭いは自分では気付きにくいので、特に注意したいポイントです。
家の査定額を上げるには?掃除以外にできること
家の査定額は、室内を掃除しても大きく上がることはありません。
家の査定額を上げるには、以下のようなことに注意してみてください。
- 複数の不動産会社に査定依頼する
- 売りたい家の特徴に合わせて不動産会社を選ぶ
- 家が売れやすい時期を選ぶ
それぞれ解説していきます。
複数の不動産会社に査定依頼する
家の査定額を高くするには、複数の不動産会社に査定依頼しましょう。なぜなら、提示される査定額は不動産会社によって異なるからです。
「複数の不動産会社に依頼するのが面倒…」という方は、ぜひ「すまいステップ」の一括査定を利用してみてください。
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売りたい家の特徴に合わせて不動産会社を選ぶ
家の査定額を高くするには、売りたい家の特徴に合わせて不動産会社を選びましょう。
不動産会社には、それぞれ得意な物件・不得意な物件があるからです。
また、築年数が経っている家など、売却条件が不利と思われる家を売りたい場合は、地域に強い不動産会社に依頼することで売却がスムーズにいくこともあります。
大手だけにこだわらず、地域に根ざした中小の不動産会社にも話を聞いてみるとよいでしょう。
家が売れやすい時期を選ぶ
家の査定額を高くするには、家が売れやすい時期を選ぶことも大切です。
家が最も売れやすい時期は、入学や就職・転勤で人が動く時期である2~3月です。2~3月に売り出すことを考えて、前年の12月から1月にかけて査定を含めた売却準備を進めていきましょう。
また、家を高く売るには、季節だけではなく築年数や所有年数も気にしてみてください。
以下の記事では、家を売るタイミングや時期について様々な観点から解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
マンションを売りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
家査定前の掃除の必要性について解説しました。
基本的には、査定前に掃除しても査定額に大きく影響することはありません。
査定額に影響するポイントとして、築年数や構造、間取りなどの建物自体のポイントから、利便性や治安などの周辺環境のポイントなどさまざまです。
また、掃除は査定前は必要ないですが内覧前に必要なので、内覧を控えている方は前日までに掃除しておきましょう。
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