一戸建売却の流れ・成功のコツを解説

新日:2021年9月13日

「一戸建てを売りたいけど、何から始めていいかわからない」とお悩みの方に、売却の流れや必要となる手続き、不動産会社の選び方、一戸建てを高く売るためのコツについて基本をまとめました。一戸建てを高く、納得できる形で売却できるようにぜひ参考にしてください。

監修逆瀬川 勇造

大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。

【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

【URL】P.D.Pの金融・不動産情報ブログ

step1:まずは一戸建て売却の流れと期間、必要書類を把握しよう

まずは、一戸建て売却のスケジュールを立てやすくするために、一戸建て売却の流れと期間、査定をうけるために必要な書類を把握しましょう。

一戸建て売却の流れ

一戸建て売却の流れは以下になります。「売出し前」「売り出し中」「売出し後」の大きく3ステップにわかれます。

一戸建て売却の流れと期間

  1. 査定依頼:不動産会社は物件状況から査定価格を設定をします。査定価格によって、売出し価格が決められます。
  2. 媒介契約:不動産会社に依頼する場合、契約を結びます。
  3. 売却活動:不動産会社が物件の情報を広告に掲載するなどして、販促活動を行います。
  4. 内覧の対応:購入希望者が物件を見学します。売り主は準備と案内を行います。
  5. 売買条件の決定:購入者が決まり、売り主との間で売買契約を結びます。
  6. 引き渡し:売り主は物件を引き渡し、購入者は代金支払を行います。

不動産売却の流れについて詳細に知りたい場合、以下の記事をご確認ください。

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一戸建て売却にかかる期間

一戸建てを売りにだしてから売れるまでの期間は平均8ヶ月と言われています。

上の図に掲載した通り、「売出し前」で1~4週間、「売出し中」で3~6ヶ月、「売出し後」で1~2ヶ月かかると言われています。

以下は、2015年にアットホーム株式会社が自宅の戸建てを売却した111人を対象に、売却期間についてアンケートした結果です。

売却物件種(アンケート対象人数)売却までの期間
一戸建て(111人)11ヶ月

※参考:アットホーム株式会社

場合によっては1年以上かかる場合もあるため、いつまでに売却したいか明確であれば、不動産会社に相談しながら売却スケジュールを立てるとよいでしょう。

一戸建て売却の査定に必要な書類

不動産会社によっては、書類が無くても査定を進めてくれますが、書類の有無が査定価格に影響する場合もあるのでできる限り揃えておきましょう。

No項目目的
1登記済権利証登記名義人の変更
2間取り図と測量図物件情報の確認
3固定資産税納税通知書負担する固定資産税の計算
4実印、印鑑証明書類への捺印と実印の証明
5身分証明書売主本人の確認

書類をそろえる前に不動産会社に査定を依頼し、その際に書類について聞いてみるのもいいでしょう。 その場合は、査定の日程を調整し、その日までに書類をそろえておきましょう。

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step2:査定前に一戸建て売却の相場を調べよう

一戸建ての売却準備をする中で、最も大切なことは「査定前に売却相場を調べること」です。査定前に売却相場を調べておくことで、不動産会社から提示された査定価格が適切か判断できるようになり、相場に対し大きく下回る価格で売却するリスクが低くなります。では、最新の売却相場はいくらか、売却相場はどのように調べればよいのかについて解説しています。

2021年の一戸建て相場推移は?

築年数による価格変動こそありますが、戸建ての売却相場には大きな変動はありません。 国土交通省が発表している不動産価格指数によると、2010年の価格を100としたときの相場推移は以下のようになりました。(青線が戸建て住宅の価格相場です。)

一戸建て売却の価格推移

図を見て分かる通り、マンションの相場が右肩上がりである一方で一戸建ての相場は10年間横ばいが続いています。 コロナ期間でも相場の大きな下落がないことからも、一戸建ての相場は今後も安定することが予想できます。(あくまでも平均値)

一戸建て相場の調べ方

一戸建ての相場の調べ方として、同じ条件の物件情報と比較して相場観を掴むことが大切です。参照する情報としては、不動産情報サイトのチラシや、不動産流通機構が運営している不動産情報サイト『Reins Market Information』がおすすめです。

Reins Market Informationでは、実際に売買が行われた物件の価格や、その物件の条件(駅からの距離、土地面積、建物面積)を調べることができるので、同じ条件の戸建ての情報から、あなたの一戸建てが実際に売れる価格に近い金額を調べることができます。

レインズ

相場の調べ方について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

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step3:一戸建ての査定ポイントをチェックしよう

売却したい戸建ての相場を大まかに把握できたら、相場を決定するために必要な査定のポイントを把握しましょう。相場を把握することと同様の理由で、不動産会社が提示した査定価格が適切かを判断できるようになるためです。

一戸建ては「建物」と「土地」でわけて査定される

「戸建て」は「建物」と「土地」にわけて査定価格が設定されるため、相場価格に影響を与える因子を把握しましょう。

不動産会社が行う査定では以下のようなポイントが見られます。

 チェック箇所影響度
建物1.築年数★★★★★
2.外装(屋根、傾き)★★★
3.内装(間取り、生活動線、雨漏り、異臭有無)★★★
4.設備(水回り、破損状況)★★
5.付加機能の有無
土地6.交通の便などの立地条件★★★
7.土地の面積・形状★★
8.日照・眺望
9.接道道路との関係★★

特に「築年数」から査定価格は影響を受ける

建物の相場価格は、特に築年数から影響を受けます

築年数が浅いうちに早く売った方が高く売れ、築年数が古いほど、価値も下落します
例えば、一戸建ての木造住宅では、築年数20年を超えると建物の価値がほぼゼロになります。こういった場合は、査定の際に戸建て部分の金額を含めず、土地のみの価格で算出されることが多いでしょう。

(出典:国土交通省『中古住宅流通、リフォーム市場の現状』

実際売却できる価格に近い価格を求めるには、不動産会社の訪問査定を受ける必要があります。
下のリンクから売却に強い不動産会社に依頼することができます。

step4:一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぼう

査定価格は不動産会社により大きく異なります。 そのため、より好条件で売却するには、複数の不動産会社を比較したうえで売却を始める必要があります。

1.査定価格に根拠はあるか

不動産会社の中には、根拠のない査定額を提示してくるものもいますので、1章で確認した売却相場と著しく離れているように感じたら査定額の根拠を担当者に直接質問してみましょう。 曖昧な説明や、すぐに回答できない担当者はあまり信用できません。

2.一戸建て売却の実績が豊富か

選ぶ不動産会社が『一戸建て売却』の実績があるか確認しましょう。 査定の際に必ず、一戸建て売却の実績について質問するようにしましょう。 一括で複数社に査定依頼を送ることができるすまいステップは、不動産売却を得意とする、実績豊富な優良企業のみと契約を交わしています。 査定依頼に一切の料金は発生しませんのでぜひご活用ください。

3.売却活動を行う担当者の力量はどうか

不動産会社を比較する際は、担当者の力量も確認しましょう。 正しい担当者選びのポイントはしっかりコミュニケーションが取れ、自分と相性が合う人か、不動産取引のスキルや提案のレベルが高いかどうか、という点です。 以下のような質問を用意しておくと、判断しやすいでしょう。

  1. 「どういったときに価格を下げますか?」
  2. 「購入されるターゲットはどのような人ですか?」
  3. 「広告活動は、どの程度やってくれますか?」

どれも販売戦略上重要なことばかりですので、上記の①~③の質問に曖昧に答えるような担当者や不動産会社はおすすめできません。

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step5:一戸建て売却に必要な費用・手数料・税金を知ろう

一戸建てのような高額な資産の取引には、それ相応の費用と税金がかかります。

カテゴリー項目費用目安
売却費用仲介手数料(売却額×3%)+ 6万円 + 消費税
ローン返済費用1~3万円
その他引越し費用など項目によって異なる
税金譲渡所得税譲渡所得金額×税率 ※税率は保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63%。 5年超なら譲渡所得の20.315%
印紙税1000円∼6万円
抵当権抹消登記 (登録免許税)2,000円~4,000円

仲介手数料

仲介手数料は、無事に売買成立した際に仲介(買主の発見や広報、諸手続き等)してくれた不動産会社に支払う費用です。 計算間違いをしやすい仲介手数料ですが、以下の計算式で簡単に求めることができます。

売買価格仲介手数料
200万円以下の場合(売却価格×5%)+消費税10%
200万円を超え400万円以下の場合(売却価格×4%+2万円)+消費税10%
400万円を超える場合(売却価格×3%+6万円)+消費税10%
売却金額2,500万円だったとして計算してみましょう。 2,500万円×3%+6万円+消費税10% =81万円+消費税10%(8万1,000円) =89万1,000円
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ローン返済費用(+登録免許税)

ローンが残っている場合は、売却金額を含め一括でローンを返済する必要があります。 その際に手数料として1~3万円がかかります。 さらに金融機関が物件をローンの担保にするためについけていた『抵当権』をはずす必要があります。 抵当権を抹消する際にかかるのが登録免許税で、不動産1つにつき1,000円かかります。 一戸建ての場合は、土地と建物で最低2つとカウントされます。

譲渡所得税

譲渡所得税は、住民税と所得税を合わせたもので、売却で得た利益分にかかる税金です。 譲渡所得税の税率は物件の所有期間によって異なり、所有期間5年を境に以下の様になります。

名称所有期間税率
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超え20,315%

まずは、売却で出た利益(譲渡所得)を計算します。

譲渡所得の計算

売却価格:3,000万円  / 購入する際にかかった費用:2,400万円  / 売却にかかった経費:100万円 3,000万円-2,400万円-100万円=500万円

次に所有期間に応じた税率をかけていきます。

譲渡所得税額の計算

譲渡所得:500万円  / 所有期間:8年 / 税率:20,315%(長期譲渡所得) 500万円×20.315%=101万5,750円

譲渡所得税についてさらに詳しくは下の記事をご覧ださい。

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印紙税

売買契約書を作成する際にかかるのが印紙税です。 印紙税は契約書に記載されている売却金額を元に決定し、決まった価格の印紙を郵便局で購入し契約書に張り付けることで納付します。 2022年3月31日までの契約には軽減税率が適用されます。

契約金額本則税率軽減税率
100万円を超え 500万円以下1000円500円
500万円を超え 1,000万円以下5000円1000円
1,000万円を超え 5,000万円以下1万円5000円
5,000万円を超え 1億円以下6万円3万円
1億円を超え 5億円以下10万円6万円

step6:外観と内装を整えて内覧準備をする

内覧では購入希望者があなたの家を訪れ見学するため、購入するかどうかの意思決定に影響します。極端な例ですが、「綺麗に整理された家」を内覧するのと、洗濯物が散乱し汚い「生活感のある家」を内覧するのとでは内覧者が抱く印象が大きく異なります。

「外観」と「内装」にわけてチェックされるので、印象を著しく損ねることがないか確認し、不備があればチェックしましょう。

外観

外観は物件に対する第一印象です。 いくら屋内がきれいに清掃されていいる物件でも、外観が悪いとマイナスな印象からスタートします。 一説によると第一印象は2年間持続するといわれています。第一印象が売却活動を決定づけるとも言えますね。

外観改善の例

  • 庭木の剪定
  • 外壁の補修
  • 塀の修繕
  • 土地内のゴミ・落ち葉の掃除
  • 換気口の清掃

費用をかけず日曜大工的に行えるものもあるので、予算との折り合いを見ながら可能な範囲で改善していきましょう。

内装

注意すべきは玄関の清潔さ、照明が暗すぎないか、匂いが残っていないかなど。 特に、水回り。浴室・キッチン・トイレなどは印象を大きく左右します。 カビや油じみなど、売却する際は真っ先に水回りを掃除しましょう。

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上述の通り、外観や内装の印象は大切ですが、費用のかかる修繕やリフォームなどは無暗に行わないようにしましょう。 今では、中古の家を購入し自分好みのリフォームをしたいという需要もあるので、不動産会社と相談しながら進めていきましょう。

一戸建て売却を成功させるコツ

できるだけ高く・早く売却し、より多く利益を残すためにはどういった対策がとれるでしょうか。 ここからは、より利益を出すための5つのコツを解説しています。

土地の境界線は明確にしておこう

戸建ての土地が古い場合、隣地との境界線が明確でない場合があります。 その場合は、境界線を確定する測量を行ってから売却に移るのが一般的です。 土地の境界線が明確でない土地は、購入希望者が表れにくいだけでなく、土地そのものの価格も低くなりがちです。 境界線の決定は不動産会社の査定が終わった後でも問題ありませんが、正確な査定価格を得るには境界線の確定後、再度査定を受ける必要があります。

参考記事:確定測量とは何か?~必要な理由や費用を解説~

査定では訪問査定を必ずうけよう

不動産会社が行う査定には『机上査定』と『訪問査定』があります。 机上査定は、物件の基本情報や過去の取引事例をもとに査定する方法です。 家には赴かずデータだけで計算するため、1日程度で査定結果を得ることができます。

訪問査定は、机上査定で行ったデータに加え、実際に不動産会社の担当者が現地に赴き細かい査定を行います。 現地に行かなければわからない、細かな劣化や臭気、周辺環境の現況などが参考になるため、机上査定よりも再度が高い査定結果を得ることができます。
一戸建ては建物ごとに現況が大きく異なります。 様々な要因で価格が変動するので、必ず訪問査定を受け適正な価格を算出するようにしましょう。

住み替えの場合、「売る」を先行にしよう

買いを先行と売りを先行でどちらもメリットデメリットが存在しますが、金銭的なリスクを抑えるのであれば「売る」を先にすすめることをお勧めします。 買いを先行した場合、2重ローンに陥ることが考えられるためです。 参考記事:【住み替え完全マニュアル】住み替えの流れや住宅ローンまで徹底解説!

 

高く売るのであれば2月~3月あるいは9月~10月がおすすめ

高く売るのであればたくさんの購入希望者に検討してもらう必要があります。 「売買の需要が高まる時期」という観点で見ると2月3月が最も高い傾向にあります。次に9月10月の秋ごろです。 新学期や、人事異動などのイベントが結果に影響していると予測できます。 そのため、反対に1月と8月は最も需要が低い傾向にあります。 売買需要の高い時期の少し前。例えば1カ月前には動き出し、多くの購入希望者を募りましょう。

築20年を超えた戸建てでも、一旦解体せずに売却を進めよう

一戸建ての売却には『取り壊して更地として売却する』という選択肢があります。 建物自体に価値も需要もなくなった場合、更地の状態の方が高く売れる。又は売れやすいことがあるのです。 しかし、土地のみになると、売れない期間中の固定資産税が通常の最大6倍になります。 さらに、売却までに期間がかかりすぎると通常使えるはずだった節税の特例が利用できなくなります。 現在は、自分好みのリフォームやDIYを加えたいという需要が増しているので、中古の一戸建ても注目されつつあります。 そのため、基本的には解体をせずに売却を進めていくことをお勧めしています。 その地域に強い不動産会社と相談しながら決めていくといいでしょう。 査定を依頼する際に、地域での売買実績を確認したいと伝えましょう。

なかなか売れない場合は不動産会社に理由をヒヤリングしよう

一戸建てが売れない場合には「売れない原因」を特定することが大切です。 例えば、内覧時の対応が売れない原因だったのにも関わらず、価格を下げても効果はありません。 半年以上売れない期間が続くのであれば、これまでアプローチした購入検討者が購入を見送った理由を不動産会社からヒアリングした上で、適切な対策を打っていきましょう。 参考記事:一戸建てが売れない時どうする?売れない理由を特定して対策を打とう   自宅の売却について気になる方は「【自宅売却のコツ7つ】住み替えやローンを含めて解説!期間や流れを知ろう」も参考になります。

 
逆瀬川
一戸建ての売却は土地やマンションと比べて個別性が高く、売却にも時間がかかりやすいのが一般的です。このため、売却を検討している場合はより綿密に準備を進めることが大切だといえるでしょう。また、建物を解体するかどうかといった点や、リフォームするかといった点、賃貸に出すか売却するかといった点など、検討すべき点が多い点も特徴だといえます。 これらいずれについても、不動産会社に相談しながら進めていくことができます。 一戸建ては土地やマンションと勝手が違うこともあり、一戸建ての売却を得意にしている不動産会社がいます。 こうした不動産会社やその担当者を見つけられるよう、複数の不動産会社に相談しながら、採集的に信頼できるパートナーを見つけていくことが大切だといえます。

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