家の売却方法には「買取」と「仲介」があります。
家の「買取」は、臨時的な手段であり、不動産を高く売りたいという方に適していません。
ただし場合によっては、買取を選んだほうが良い場合もあります。
そのため「買取」と「仲介」の違いをしっかりと理解し、ご自身の希望に合うのはどちらであるか、しっかりと見極めて判断する必要があります。
この記事では、買取と仲介の違いや買取のメリット・デメリットについて解説していきます。
家の買取と仲介の違い
本章では、家の売却方法の買取と仲介の違いについて、以下の表を参考に解説していきます。
それぞれどのような違いがあるのか解説していきましょう。
家の購入者が違う
買取と仲介では、家の購入者が違います。
仲介の場合、家の購入者は仲介を依頼した不動産会社が探した個人です。
一方、買取の場合、家の購入者は買取の相談を受けた不動産会社になります。
買取の場合、不動産会社が家の購入者を探す手間がかからないので、売却までの流れがスムーズです。
家の売却代金を早く手に入れたい方は、今すぐ不動産会社から査定を受け売却準備を進めましょう。
実際に、家を売り出してから手元に売却代金が入るまで6か月~1年もかかるからです。
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家の売却価格の相場が違う
買取と仲介では、家の売却価格の相場が違います。
仲介の場合、家の売却価格は売却相場と同じくらいになります。
売却相場は、売却したい家の物件条件に近い家の売却実績の相場です。
一方、買取の売却価格は、売却相場の7割程度になります。
そのため、あらかじめ家を売却相場より低い価格で買い取る必要があります。
家の売却にかかる期間が違う
買取と仲介では、家の売却にかかる期間が違います。
買取の場合、家の査定から売却にかかる期間は、およそ1か月です。
最短の場合、3日で家の売却が完了するケースがあり舞うs。
一方、仲介の場合、家の査定から売却にかかる期間は、およそ3か月~6か月です。
家の売却にかかる費用が違う
買取と仲介では、家の売却にかかる費用が違います。
買取の場合、仲介の場合に不動産会社に支払う「仲介手数料」がかかりません。
仲介を依頼した不動産会社が家の買主を見つけた場合に不動産会社に支払う報酬です。
仲介手数料は、一般的に「売却価格3~5%+消費税」です。
契約不適合責任の有無が違う
買取と仲介では、契約不適合責任の有無が違います。
売却した家が売買契約の内容と異なっていた場合、家の売主が買主に対して契約を追完する責任を負うというものです。
契約不適合の例としては、売買契約時に説明が無かったシロアリによる家屋の浸食などです。
仲介の場合だと、売主に契約不適合責任があるため、家に契約と異なる欠陥などがあった場合、責任を負う必要があります。
買取の場合、売主が契約不適合責任を負う必要がありません。
家の買取には2種類の方法がある
家の買取には即時買取と買取保証の2種類あります。
- 即時買取:不動産会社に物件をすぐに買い取ってもらう方法
- 買取保証:まずは仲介で物件を売り出し、購入希望者が現れなかったら不動産会社に買い取ってもらう方法
即時買取と買取保証にはどのような違いがあるのか、これから詳しく解説していきます。
即時買取
即時買取とは、その名の通り不動産をすぐに買い取ってもらう方法です。
不動産会社が物件に訪問し、価格の査定が1度され、市場価値のおよそ2~3割安の価格で買い取りがされます。
不動産会社にもよりますが、最短3日から1週間で売却し、素早く現金化することができます。
仲介により発生する手間や時間、コストなどが発生しないため、時間をかけずに素早く不動産を現金化したいかたには即時買取がおすすめです。
こちらの記事では即時買取の手順を説明しています。即時買取での売却を考えている方は参考にしてみてください。
買取保証
買取保証は、仲介と買取の両方を組み合わせた仕組みです。
買取保証では、まず仲介によって不動産会社と契約を結び、一定期間買主が現れなかった場合、あらかじめ合意した価格によって不動産会社が買取をします。
仲介での売買が成立すれば市場価格で売ることができ、買取になると価格は安くなりますが確実に不動産を売却できます。
保証期間は不動産会社にもよりますが、平均して3カ月から半年が目安です。
ある程度時間がある中で、できれば高く売りたいけど、だらだら売却活動を続けたくない、という方には買取保証がおすすめです。
こちらの記事では買取保証の利用条件や流れについて解説しています。買取保証を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
家の買取のメリット
それでは買取のメリットを紹介します。
- 早く確実に売れる
- 早期で家を現金化できる
- 条件が悪くても売却できる
- 周囲に知られず売却できる
- 内覧の対応をする必要がない
- 仲介手数料がかからない
- 修繕の必要がない
- 契約不適合責任を負われない
それではこれから詳しく解説していきます。
買取のメリット①早く確実に売れる
早く確実に売れるというのは買取の最大のメリットです。
不動産会社に買取を依頼し、訪問査定を終えると、不動産会社が実際買い取る価格を提示してくれます。
そのため、その価格が納得できる価格であれば査定から数日で、確実に契約が完了します。
また、買取は資金力のある会社のみによって行われているので、個人の買主のように契約が解除される心配もありません。
買取に特化した不動産買取業者はこちらで紹介しています。買取での売却を考えている方は参考にしてみてください。
買取のメリット②早期で家を現金化できる
買取はすぐに買い取ってもらえるのはもちろん、すぐに現金化できます。
離婚や相続など、不動産をすぐに現金化したい場合などもあるでしょう。
そういった場合に保有している不動産が売れないと、焦ったり不安になったりといった精神へ影響も懸念されます。しかし買取ではそういった売買活動の不安が生活に与える影響を少なくできます。
買取のメリット③条件が悪くても売却できる
買取では、仲介ではなかなか買主が見つからないような、立地や物件の条件の悪い不動産であっても買取をしてもらえる可能性があります。
不動産会社の中には、比較的条件の悪い物件を専門に扱う会社も存在するため、物件の条件が悪くとも、売却をあきらめる前に不動産会社に相談してみてください。
買取のメリット④周囲に知られず売却できる
買取の場合、不動産会社が直接物件を買い取ってくれるため、仲介のように買主を探すための宣伝活動は行われません。
そのため、周囲に知られずに素早く家を売ることができます。
仲介でも、事前に不動産会社に周囲に知られずに売却したい旨を伝えて、広告の範囲を制限できますが、その分買主が見つかる可能性も下がってしまいます。
買取のメリット⑤内覧をする必要がない
内覧とは、仲介の際に物件の購入を希望者する人に物件の中を見せることで、購入希望者が現れるたびに行います。
売主は、購入希望者に物件を魅力的に見せるために家の中を整理整頓したり、内覧の日程を買主と調整して対応する必要があります。
ですが、買取では買主を探す必要がないため内覧の対応をする必要がないのです。
買取のメリット⑥仲介手数料がかからない
不動産に仲介を依頼すると、売買が完了した際に成功報酬を不動産会社に支払う必要があります。それが仲介手数料です。
買取では仲介がされないので、仲介手数料を支払う必要がありません。
買取のメリット⑦修繕の必要がない
買取では、物件を買い取った後に不動産会社が物件の修繕をして再度売り出すことになるため、ご自身で修繕をする人必要がありません。
物件に損傷部分がある場合、買取価格はその分安くなりますが、壊れたままでも買い取ってもらえます。
買取のメリット⑧契約不適合責任を負われない
契約不適合責任とは、契約内容に書かれていない欠陥が見つかった場合、売主が責任を負わないといけないという責任です。
例えば、雨漏りやシロアリなどの欠陥が、契約書に記載なく売却がされ、その後欠陥が見つかった見つかった場合、売主が責任を負って補修をします。
しかし買取をする場合、契約不適合責任は免除されます。
家の買取のデメリット
ここからは買取のデメリットについて説明します。
- 価格が安くなる
- 売却価格を自由に設定できない
- 買取不可の場合がある
買取のデメリット①価格が安くなる
買取の最大のデメリットは売却価格が安くなることです。
売却価格は、仲介と比較して2~3割程度安くなってしまいます。
損傷が多い物件はそこからさらに価格が下がります。
買取のデメリット②買取価格を自由に設定できない
買取では、不動産会社の「言い値」で価格が決まります。
そのため、ご自身の希望する価格で物件が売れる可能性は非常に低くなります。
買取のデメリット③買取不可の場合がある
物件の状態や条件によっては、買取を断られてしまうこともあります。
不動産会社は買取の後、修繕を経て再度物件を転売をします。そのため、売れそうな物件でないと買い取ってもらえない可能性があるのです。
買取と仲介どちらを選べばいい?
それでは買取と仲介どちらを選べばよいのでしょうか。
買取に向いている物件、仲介が向いている物件、それぞれ紹介しますのでご自身の判断の参考にしてみてください。
買取が向いている物件
まずは買取が向いている物件を紹介します。
▼短期間で売却したい物件
買取のメリットは何といっても短期間で売却ができる点です。
そのため買取保証を利用できる3カ月も待てない!という場合には買取をおすすめします。
築年数が古く、立地の悪い物件
不動産を売却する場合、築年数が古ければ古いほど仲介で買主を探すことが難しくなります。
なぜなら中古で家を買う際に、なるべく築年数が浅く、新しい家を買いたいと考える人が多いためです。
また、損傷が激しい物件であっても買取であれば修繕をする必要がありません。
駅やスーパー、学校や病院などの生活に必要な施設が周りにないといったような、立地や環境があまり良くない場合も買主を探すのが難しくなります。
築年数が古くとも立地が悪くとも、絶対に仲介で売却できないということはありません。
しかし便利な環境、条件下のほうが需要があるため、仲介で買主を探すのは難しくなります。
▼事故物件・訳アリ物件
事故物件とは、過去に自殺現場・殺人現場となってしまった物件や、火災、事故等があり、心理的な面で住み心地の良さを欠いた物件のことです。
訳アリ物件は、近隣に廃棄物処理施設やパチンコ店があり環境的な観点から住み心地の良さを欠く物件を指します。
また、現代の建築基準法、都市計画法に準していない物件、例えば建物が規格外の高さを持つ場合や、耐震強度が不足している物件も訳アリ物件にあたます。
しかし事故物件でも仲介で売れないということはありません。
事故物件を売却する際には、注意する点がいくつかあります。ことらの記事でまとめていますので参考にしてみてください。
仲介が向いている物件
ここからは仲介が向いている物件を紹介します。
▼築年数の浅い物件
築年数の浅い物件は仲介での売却がおすすめです。
中古でもなるべく新しい物件に住みたいといった希望が多く、需要が高いためです。
そのため、売却までの時間を急がない方は仲介での売却をおすすめします。
▼立地の良い物件
立地の良い物件も仲介での売却がおすすめです。
立地の良い物件は多少古い物件であっても、そのままの状態で商品としての魅力があります。
そのため、売却までの時間を急がない方は仲介での売却をおすすめします。
▼住宅ローンが残っている物件
売りたい物件のローンが残っている際は、なるべく高値で売却できる仲介での売却がおすすめです。
なぜなら、住宅ローンの残高が売却価格よりも高い場合、残高を完済するために何らかの対処をする必要があるためです。
住宅ローンの残高が売却価格で返済できないことを、オーバーローンと呼びます。
オーバーローンの物件は売主の意志だけでは自由に売却することはできません。
もし住宅ローンの残高を下回る金額で売却したいのであれば、不足分をご自身で用意する必要があります。
そのため、住宅ローンが残っている場合は、より高値での売却を期待できる仲介を利用するのが良いでしょう。
オーバーローンの対策はこちらの記事で詳しく解説しています。ご自身の売りたい家の住宅ローンがまだ残っている!という方はぜひ参考にしてください。
まとめ
ここまで家の買取について解説してきましたがいかがでしょうか。
買取は仲介と比べ、あくまで臨時的な手段であることを説明してきました。
しかし、不動産としての条件があまり良くない物件をお持ちの方、いち早く家を売却したい方は、仲介で買主を探すより買取のほうが手っ取り早く確実な方法だといえます。
ご自身の状況や、不動産の状態を見て、買取と仲介どちらを選ぶべきか判断してみてくださいね。